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木蔦(キヅタ)
2023-11-05 23:05:31
2174文字
Public
ちょぎくに シリアス
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記憶喪失強化週間② 野生児を拾う話【ちょぎくに】
長義は戦闘で傷つき、みんなから引き離されて孤立した。何とか逃げ延び、今は救援を待っている状況だった。
他のみんなは一旦本丸へ帰還したと思う。だいぶ痛手を受けた。
長義は生き物の気配を感じ、振り返ると大きな獣
……
ではなく人が立っていた。
頭はボサボサでザンバラに伸びてる。かろうじて布だとわかるボロボロの服。雪男かのような獣さを感じる。
「!!」
「怪我したのか?」
「ニホンゴシャベッタ!Σ(°Д°)」
話を聞いたところによると、この山で暮らしているらしい。火おこしもお手のもの。石でカンカンやったらすぐ着いた。原始人か。
怪我にはこの草がいい、と手当てをしてくれる。
(この時代の人間だろうか)
行くところがないと言うと、寝ぐらに案内してくれる。小さな洞窟。
救援が来るまで何日か過ごす。ある日、水浴びをするというから着いていった。
そこでようやく気づく。髪の毛が金髪。日本ではありえない。
汚れが落ちた顔を見ると長義に似ている。これは写しだ!
「お前、こんなところで何やってるんだ!偽物くん!!」
「??何がだ?」
なんで野生児(比喩ではなく)みたいなことやってんだ!
そこでようやく、こいつは戦いでドロップした個体なのでは?と気づく。稀に時間遡行軍が刀を落とすことがある。本来審神者に顕現してもらわないと人型は取れないが、何かの拍子で顕現し、それから野宿の生活をしたのでは??
その後救援部隊と無事に再会して、本丸に連れて帰る。
風呂に無理矢理入れ、服がないため長義のジャージを貸した。(堀川派がうちの子だからと主張したが合うサイズがなかった)髪の毛も切った。
「俺はヤマンバギリクニヒロなのか?」
「長い野生生活で名前すら忘れたのか?というかお前は山姥切ではない」
「俺はただの国広か」
「まあ、うーん、そうだな」
「あとこんなに綺麗なのは落ち着かない」
「汚れてるくらいでちょうどいい、だろ。俺譲りの綺麗な顔してるんだから、ちゃんと身なりを整えろ」
「き、綺麗!?そんなこと言われたのは初めてだ
…
!」
「綺麗とか言うな、だろ」
「???」
なんだか違和感。
これは亜種かもしれない。教え込めば従順で生意気じゃない写しになるかも。
言えば身なりも整えるし、山姥切も名乗らない。
しかも写しは強かった。レベル1のはずなのに凄まじい剣捌きで敵を圧倒した。長義に比べればまだまだだが。
出来の良い写しでは?(*´꒳`*)
そんなこともあり、写しとの関係は悪くなかった。むしろ良かった。
慕ってくる写しに気分を良くして、たまに非番の日にお出かけに連れてってあげた。
しかし別れは急に訪れる。
写しはある日頭を盛大に打ち付けた。
そして「俺は他の本丸所属だ、主の元に帰りたい」と言い始めた。
彼の主張は、ある日出陣先で足を滑らせ頭を打った、しばらく野宿していたところを長義に拾われて今に至る、とのこと。
元々他の本丸にいたなら、レベル上げをしてないのに強かったのも頷ける。それにドロップしたにしては自分の名前すら言えなかったため、記憶喪失だと言われて納得。
写しのことを政府に届け出るとすぐに本丸が見つかった。そして写しはすぐに元の本丸へ帰って行った。
写しを可愛がっていた長義はショックだろうとみんな心配したが、みんなの心配以上に抜け殻になっていた。
「おい、大丈夫か
……
?」
「なにが。おれはいつもどおりだよ」
(ひらがな発音しかできないほどショックなんだにゃ
……
)
言葉に覇気がない。
向こうの審神者から、自分の初期刀を見つけてくれた&保護してくれた礼がしたいと要請が来る。審神者は了承し、まんばと一番親しかった長義も同席するように言う。
しかし当日、写しと共に向こうの本丸の長義も来た。写しとは仲がいいのか、何やら親しげに言い合いをしている。
「偽物くんのことだから図々しい態度ばかりだったんじゃないの?」
「そんなことない!記憶がないながらも礼儀正しくしていた!失礼なことを言うな!」
「どうだか」
(これは恋仲なのでは??こんなに無遠慮に言い合える仲なんて、誰かが入る隙間などないのでは??)
しょぼ
……
審神者同士が挨拶している。その間に写しが話しかけてきた。
「あ、あの、長義、今までいろいろ世話になった。礼を言う」
「ああ
……
そう
……
」
「それで、その
……
もし良かったらなんだが、今後も」
「うん、別に改まらなくていいよ。礼を言われるためにやったことじゃないし」
「
……
」
黙った写しに向こうの長義が「もうさっさと帰ろう」と促す。
イチャイチャを見ていたくないし、とっとと帰って欲しい。
しかし写しが意を決したように長義を引き留める。
「あの、このまま最後にしたくない
……
。また会いにきてもいいだろうか
…
?」
「は!?偽物くんそれは迷惑ってもんだよ!何言ってるんだ!」
またイチャイチャを見せつけられるのはやだなと思ったけど、ここで断るのは体裁が悪い。どうしようかなと思ったら審神者が「随分そちらに懐いたようで。また遊びに行かせてください」と言い、結局そう言う流れに。
くっつかなかったけど終わる!
お疲れ様でした!
お読み頂きありがとうございました!
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