ちょぎくに オメガバ
長義はβ。ある日はぐれ刀でまんばを拾う。まんばはΩ。
αはゴロゴロいるが、Ωは顕現率が著しく低い。希少。特にまんばはすぐにα長義に監き
……保護されてしまうので、同本丸でない限り会う機会は少ない。
(これは、高く売れるかも
……)
α長義は喉から手が出るほど欲しいだろう。
長義は「泊まるところがないならうちにおいで」とたくみに誘い、Ωまんばを本丸に連れ帰る。
まんばは人見知りで、本丸のみんなに話しかけられるとビクビクしている。長義の裾をきゅっと掴み、困った顔で見つめる。そんな時は長義が対応する。
売り物だから今逃げられたら困る、傷がつくと価値が下がる、と考え、まんばを大事にしていた。
さてどうやって高値で売り飛ばそうか。
ネットで募集するか、知人にαの友人がいないか聞くか、演練会場で物色するか
……色々考える。
色んなツテでα長義が見つかる。
値段交渉。
「もう少し出せないかな、偽物くんのΩだよ?Ω偽物くんは大抵モン
……ご兄弟や審神者に箱入りで大事にされてるし、そうじゃない個体は殆どが同位体のお手つきだろ?」
「うーん」
「番ってない個体なんて滅多にないよ」
「それってシたことないってことだよね?」
長義はそういえば確認してなかったなと思う。
DMでの交渉を一旦中断し、長義はまんばに確認しようと思う。
しかしまんばは発情期が始まっていた。苦しそう。顔は真っ赤で、息が荒い。長義を見留めて縋るような目をする。
自然とごくり、と喉が鳴る。
肢体はくったりとしつつも、淫靡な雰囲気。とろんとした表情も艶めかしい。
いやいや、呑まれそうになったがいけない、目的を果たさなくては、と思い直す。
まんばが手を伸ばすので引き起こしてあげる。
「お前は誰かに抱かれたことある?」
まんばはきょとんとした後、長義にキスをする。
「!?」
ぺろっと舐められ、驚いて口を開けると、舌が侵入してきた。深いキスをしているうちにまんばの腕がスルスルと長義に絡む。
Ωに反応しないβと言えど性欲はあるもので、まんばにちゅっちゅとされていくうちに煽られる。
暗🐺転
長義はDMする。
「初めてじゃないらしい」
「お手付きかぁ、それはちょっとなぁ」
同位体に断られてしまう。
「俺達は結構潔癖だからあんまり歓迎されないと思うよ。そりゃ希少だからそれでも欲しいってやつはいると思うけどさー
…」
自ら商品に傷をつけてしまった。頭を抱える。
他のαに声をかける。
「献身的な写し?生意気なのは嫌だな」
「それならぴったりだよ」
今回は上手くいきそう。DMのやりとりをしているとまんばが部屋に入ってくる。
「本歌、腹が減った」
「厨におやつがあるだろ」
「それじゃなくてこの前の大福がいい」
「はぁ!?」
この前有名な和菓子屋の大福を買ってきてあげた。それが気に入ったらしい。
「今はないからまた今度ね」
「今がいい」
「今!?」
「ダメか?本歌ぁ
…お腹が空いたんだ
……」
買いに行きました。
DMする。
「生意気ではないけど、尽くすより尽くされるタイプだと思う」
「それは俺の好みじゃないな」
決裂。
「αって気位が高いやつばっかだから、そういうΩが良いっていうのは余程の物好きじゃないかな。まぁいることはいるだろうけど」
他のαを探す。
Ωが希少過ぎて、殆どのαがΩに会ったことがない。会えば認識が変わるはずだ。多少条件が合わなくてもΩを欲しがるはず!
Ωさえいなければ、αは少し能力が高いだけの普通の刀剣。Ωに会った途端、今までの価値観が崩れるに違いない。
αに会わせた。
「無理。地雷」
「はぁ!?」
「俺はダメだな」
「Ωだぞ!?」
「いやだって、そんなに他人に縋ってるΩなんて、手垢がつきまくった感じで絶対無理。匂いもついてるし。」
まんばは長義の裾をきゅっと握り、隠れるように身を寄せてる。
「まぁ『構わない!俺に懐かせてやる』って自信満々の同位体もいるだろうから、大丈夫だと思うよ」
結局いくら探しても番ってくれるαは見つからなくて、売るどころか引き取ってすらもらえない。大誤算。
そのうち長義くんはまんばに絆されて、恋を自覚する。
だけどその時引き取りたいってαが見つかる。しかも高値で買ってくれるという。
長義はまんばの了解も得ずに、話を進める。
(これで良かったんだ、Ωはβじゃなくαと番うべきだ)
そう言い聞かせる。
まんばに話すとひどく傷ついた顔をする。
「なんで
……!」
「お前はΩだから利用価値があると思って引き取ったんだよ。当たり前だろ、Ωなんだから」
差別的とはわかっていたけど、そう言うしかなかった。まんばは長義に懐いていて、こう言わないと梃子でも動きそうになかった。
それにこう思ってたのは真実。
相手方が迎えにくる日、まんばがいなくなった。本丸内にいない。
相手方には一度帰ってもらって、みんなでまんばを探す。家出だとはわかっていたが、Ωは希少のため襲われたり誘拐される可能性もある。心配で、胸が張り裂けそうになりながら探す。
まんばはようやく見つかった。街には出ておらず、本丸の裏の山にいた。
「だって他所に行くのがいやだったんだ」
俯いて、消え入りそうな声で呟く。
怒るよりも先に無事で良かったという気持ちが溢れて、まんばを抱きしめる。
誰かに傷つけられてないか、つらい思いはしてないか、心配だった。
まんばはΩだからαと一緒になるのが一番幸せなんだと言う話をする。
「αよりも本歌がいい
……!性別なんて関係ない!俺が好きなのは本歌だ!」
まんばの告白にぎゅっと胸を掴まれる思いをする。
話を通したαだってまんばを欲してる。会えばまんばの考えも変わる。Ωとαは惹かれ合うもの。会えばまんばだって長義よりもそのαのことが
…
と考えたところで尋常じゃないくらい嫉妬でドロドロした想いを抱えていることに気づく。恋は自覚していたがこれほどとは思わなかった。
まんばを繋ぎ止めたい。αに恋などさせたくない。
「俺も、お前が好きだ。他の誰にも渡したくない」
ついにお金を諦めて、本音を吐露し、はっぴーえんど、お読み頂きありがとうございました!お疲れ様でした。
どうでもいいその後
・αに会うとまんばの気持ちが変わると思い込んでる長義くんは、αに一切会わせません。万屋にも行かせないようにしてるので、まんばはそこが不満。軟禁状態。
・次の発情期でらぶらぶえちちの末に、うなじ噛みました。αではないので番いにはなれませんが、真似事。
どうでもいい設定
・「俺はだめだな。他の長義は欲しいって言うかもしれないけど」って言うセリフは、実は「可能性が残ってるように聞こえるけど長義個体すべてだめ」
・失踪時、まんばを見つけてくれたのは兄弟です。
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