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木蔦(キヅタ)
2022-09-12 23:41:20
2547文字
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別本丸同士が協力し合って、それぞれの想いびとと結ばれたい話 事例②【ちょぎくに】
ちょぎくに
※複数のちょぎくにが出てきます。
※ラブコメ(を目指したい)
別本丸同士が協力し合って、それぞれの想いびとと結ばれたい話 事例②
その本丸は保護者系本歌で写しのことを大事にしていた。写しは大変可愛らしく、素直で、長義のことを本歌本歌と慕っていた。
そんな写しがある日恋をした。衝撃的だった。
「万屋に行った時に金を落としてしまって、探していたら別本丸の刀が声をかけてくれたんだ」
長義の育て方が悪かったのか、写しは大変ぼんやりした性格で、ちょろんばだった。そして長義はもんぺだった。
どうせ金も落としたのではなく、ナンパするために盗んで声をかけたのだろうと安易に推測できた。共通して卑屈な性格なので普通に声を掛けても応じないと誰でもわかる。
ナンパしたいくらいうちの写しは可愛らしい。
長義は憤慨した。しかしその怒り以上に写しを可愛いと思う心が優った。
「本歌、俺はまたあの刀に会いたい
……
」
そうねだられたら叶えてあげたくなるのが本歌の本能だった。
「おい!俺の可愛い国広を誑かした輩はどこのどいつだ!!」
殴り込みに行
……
写しの願いを叶えるために本丸に伺った。
「おい、なんだ、クレーマーか?生憎当人は留守だ」
極めた写しが出てきた。喧嘩腰だった。
極めた個体は初めて見た。
綺麗な顔を惜しげもなく晒し、凛としていて、うちの写しとは似ても似つかなかった。
「〜〜〜〜っ!ク、クレーマーとは失礼な!そっちがうちの国広の可愛さに声を掛けたくて金を盗んだんだろう!」
「窃盗は犯罪だ、そんなことするわけないだろう。
そちらこそ、わざと落として声を掛けさせたんじゃないか?金なんて落としたら音がするし重みがなくなる、すぐ気づくだろう」
「こっちが嘘をついてると言いたいのか!?」
長くなりそうだと、極は長義を応接間まで案内した。背筋がピンとしており、所作の一つ一つが丁寧。瞳も透き通っていて、その目が長義を見つめると、思わず狼狽えてしまう。
「他所の本歌、うちの本歌がそう言うことをするわけがない。本歌は真面目で冷静で面倒見が良くて、
…
嫌味ったらしい所が多いが、根は良いやつだ」
「うちの国広だって素直で可愛らしくて、少し抜けてる所があるけど良い子だ!そっちが仲間を信じたいのは わかるが、打算的な俺のことだ、信用ならないね!」
「同位体なのにそんなこと言うのか」
「同位体だからそう言うこと言うんだよ!」
極は少し考える。
「単刀直入に聞く。そちらの要求はなんだ」
「
………
くっ
…
うちの国広を、そちらの長義にもう一度会わせたい
…
!」
屈辱だが写しの希望を告げた。
「俺の国広が、実を言うとそちらの俺に惚れてしまった
……
。できれば成就させてやりたい」
「こんなに本丸で騒ぎを起こしておいてか?」
「う
…
。だって俺のかわいい国広をどこぞの馬の骨に奪われるんだ
…
。一発くらい殴ってやりたくて
…
」
「こちらの本歌の意思もあるんだが
…
」
「あんなかわいい個体に想いを寄せられてぐらつかない長義はいない」
「
……
そうか
…
」
心なしか極が残念そうな顔をしたように見えた。でもそれは一瞬のことで、淡々とした口調・表情に戻っていた。
もしかしてこの極は自本丸の長義に恋をしてるのでは?先程の切なげな表情はそう思うと納得できた。
その後、ふたりを引き合わせるために、極と協力し合う。モンペな長義は写しが本丸へ出掛けるたびについて行く。(もちろん逢瀬の邪魔はしない)
写しの片想いが実を結び、他本丸の長義と両想いになる。
長義は嬉しい反面、悔しい。世界一可愛いと思っている写しを奪われた。
そう極に話すと苦笑される。極は自本丸の長義に片恋してたから、複雑な気持ちなのだろうと思う。
最初は極とぶつかることも多かったが、ふたりがくっつくのを協力してくれた。自分の恋心を押さえつけ、他人の恋を応援するのはさぞ苦しかっただろう。
「お前の気持ちは知ってる、辛い想いをさせたな」
「気づいて、たのか
…
?」
「まあ
…
」
極が珍しく口篭り、布を引っ張る仕草をした。少し困ったような、照れてるような表情。
「知ってたなら話は早い、あんたがまだ写しの事が好きなのはわかってる、すぐ振り向いてもらおうなんて思ってない」
「振り
……
??」
まだ自本丸の長義が諦められないという意味だろうか?気長に待つと言う宣言か?それに俺が写しを好きと言うのは??
「あんたの事が好きだ
…
!俺との事、少しでいいから考えてくれないだろうか
…
!?」
「はぁぁぁぁ!?」
寝耳に水だった。
「は、恥ずかしい
……
勘違いして告白してしまうとは
……
。しかも俺が本歌を好きだと
…
」
「まさか俺が国広を好きだと思われてるなんて思いもしなかった
…
」
ふたりして照れ隠しに苦笑い
…
。
「ということは、本歌に今好きなやつはいないのか
…
!?」
ずいっと極が身を乗り出して来る。
「い、いないが
……
?」
「じゃあ俺が口説いても構わないってことか?」
壁ドンされる。俺譲りの美しい顔で、愛しい愛しいと熱の篭った瞳を向けられる。極になるとこんなにも積極的なのか。
「な、なんで俺なんだ!同位体ならそんなに変わらないだろ
…
!」
「本歌が、写しのためにあまりに必死で、
こんなに想われてる写しは幸せ者だな、羨ましいな、と思ってたら、気づくと好きになってた」
「あ、あれは
……
!」
「あんた、写しのことになると目の色を変えるし、自慢するし、あいつが寄ってくるとすごく嬉しそうにするし、嫉妬で狂いそうだった
…
」
そんなこと言われて恥ずかタヒにそう。
「その目が、俺に向けばいいのに、そんなことばかり考えてた」
じっと見つめられ、ドギマギしてしまう。
極はよく見ると(いやよく見なくても)美しくて、少し艶やかで、だけどちょっとした仕草や表情が幼く見えて、かわいい。
好き?こいつが俺を??
信じられない(@□@;)
もう拒否しない時点で満更でもないんだけど、長義は気づかない。そして日々極に言い寄られ、いずれ絆されてしまうのだった。(ちょろぎ)
お付き合いありがとうございました!お疲れ様でした!
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