ちょぎくに
まんばはひょんなことから自分と長義を模ったパペットを手に入れる。
子どもの手遊びなど興味はない、と思ったが、あまりに可愛らしくて、ちょっと手につけてみる。左手に長義、右手に自分。
(かわいい
……本歌も、もう少し可愛ければ
…)
出来心で、長義と自分のパペットをくっつけてみる。仲良し。
パペんばが近づいても嫌な顔ひとつしない。当然と言えば当然だが、そのことにホッとする。
声を当ててみる。
『本歌、本歌』
『なんだい、にせも
……』
「
………」
今は自分が操ってるんだから本人準拠じゃなくてもいいか。
『なんだい、俺の写し』
(
……いや、違うな)
『国広』
(こ、これはこれで恥ずかしい
…///)
恥ずかしいけど嬉しい。ちゃんと名前で呼んでほしかった。渾名でも嫌ではないが『偽物くん』なんて酷い呼び方じゃなくて、愛のある
……
(愛って!!本歌に好かれたいみたいじゃないか!!いや好かれたいんだが!!)
別に恋愛感情ではない。嫌われてるのが気にかかるだけで、特別好きになって欲しいわけではない。
(ああ、でも
…)
『くにひろ、好きだよ』
パペぎがパペんばを撫でる。
(これはこれでイイな
…)
『ほんとうか?あんたに嫌われてると思っていた』
『まさか。自分の写しを嫌うわけないだろう。お前はだいじな俺のかわいい写しだよ』
うう
…(´・ω・`)
….🌸(´・ω・`)🌸
自然と桜が舞う。
(
…………イイ!!)
プルプルと悶えた。
『もう一回言ってくれ』
『お前は俺の大事な写しだよ』
「うわぁぁぁぁぁ!!///」
ごろんごろんと転がり回る。
本歌に!こんなこと!言われてみたい!いや、言われたら爆発してしまう!
所詮、自演だがそれだけでまんばの気持ちは十分満たされる。
「おい、偽物くん、そんなところでボサっと突っ立ってたら邪魔だよ」
「えっ」
朝、当番を見に、掲示板の前にいると長義にそんなことを言われた。長義は文句を言うだけ言ってふん、とそっぽを向いて立ち去る。
また怒らせてしまった、としょんぼりするが、まんばは今までのまんばではない。
パペぎとパペんばがいるからだ。
パペットが部屋にあると多少嫌なことがあっても「まあ部屋に帰ればパペぎがいるしな」ってなるし、嫌味を言われても「そんな口きいていいのか?俺は自室でパペット達をよろしくやらせてる身だぞ」ってなれる。
厳しい本丸社会においてパペットと同棲することは有効。
部屋に戻り、パペットを付ける。
『くにひろ、あんなこと言ってごめんね』
『いや、気にしてないぞ』
パペぎとパペんばをくっつけてみる。少し擦り合わせるだけでも、仲良くキャッキャしてるように見える。恋人達がイチャついてるかのよう。
(いいな
……)
………。
(「いいな」!?Σ(=_=;))
自分の思考に待ったを掛ける。
(イチャイチャが羨ましい!?俺もあんな風にして欲しいってことか!?)
パペぎをじっと見つめる。
べたべたとパペんばに触れる様子を見つめて、考える。
(
……イイものはイイ
…!)
深く考えないことにした。
そんな感じでパペット遊びはエスカレートしていった。
『本歌〜甘やかしてくれ〜』
『仕方ないな、くにひろは』
部屋でひとり、パペット達をイチャイチャさせる。イイ
…(*´꒳`*)
「偽物くん、この前のしゅつじ
…」
障子がいきなり開いた。
( ° - °) (・_・´)
………
「え
……何してるの
……偽物くん
……」
ドン引き!ドン引きしてる!!
「こ、これはその
…!えっと、今度の宴会の余興を頼まれて、その練習をだな
…!」
これはナイスな言い訳!この場を凌いで、やっぱり余興は不要になったとか後で言えばいい。
「人形劇でもするの?」
「そうだ!」
「なんで俺
……?」
(ヒィィィ)
「ととととと刀剣男士のパペットが!他は売り切れだったんだ!」
「ふーん
…」
なんとか取り繕えた。ホッとしたのも束の間、さらなる質問が襲ってくる。
「どういう話をやるの?かなりくっついてるように見えたけど」
(ウワァァァァァ)
「そ、それは、えっと
……う、うさぎとかめ!日本昔話!」
「うさぎとかめでこんなにくっついてるシーンあったかな
…」
(アアアアア)
パッと思いつく、2つのキャラしか登場しない話はこれくらいしか思いつかなかった。そういえばうさぎとかめは競争するだけで一切絡みがない。
「ちょ、ちょっとアレンジを加えたんだ!普通の話じゃつまらないだろうし!」
「ふーん?偽物くんがねぇ
…どんな話なの」
「秘密だ!宴会の余興だって言っただろう!」
「俺が出演してるんだもの。先に教えてくれてもいいじゃないか。出演料だよ」
「え、えとその」
「偽物くん」
「ほら、た、楽しみが減るし
…」
「偽物くん、さっきから目が泳いでるよ。嘘はやめて、白状しなよ」
(ギャァァァァァァ)
長義のじっと見つめてくる目に、まんばは敗北を悟った。これは見破られてる。嘘がつけない。
まんばは一旦口を噤み、意を決して、ぽつりぽつりと話し始めた。
中( ´・ω・)(´・ω・)(・ω・`)(・ω・` )略
「なるほどね」
「だからその、本歌に冷たくされて、悲しかっただけで、その、悪用とかは、してなくて
…その
…」
「悪用を想像する方が難しいんだけど
…。まあいいや。ねえ、ちょっとそれ貸してよ。偽物くんはこっち」
「へ?」
長義がパペぎを奪い取る。そしてまんばにはパペんばを押し付けてきた。
「ほら偽物くん、どうして欲しいの」
長義がパペぎを付けてぴょこぴょこと動かす。
「え、えと
…?」
「偽物くん、俺に何をして欲しいのかな?」
長義はパペット遊びに付き合ってくれるようだ。怒ってたと思ってたが違うらしい。幾分か声も柔らかい。
まんばは真っ赤になりながら絞り出すように呟く。
「
……な、名前
…」
「ん?」
「なまえで、よんでほしい
……」
もうここまで洗いざらい吐いたのだから一緒だ。それに長義には隠し事ができないと思い知ったばかり。
チラッと長義を見ると硬直している。やはり怒らせたのかもしれない。まんばはなんと言い訳すればいいか迷ったが何も言葉が出てこない。
「くにひろ」
「え」
「国広」
本物の長義から名前を呼ばれた。
そうわかった瞬間、ブワァッと嬉しさが込み上げる。パペぎの比じゃない。
頬に熱が集まる。嬉しさで口角が上がりそうになるがぎゅっと耐えた。たぶん今ヘンテコな顔をしている。
「
………」
まんばはパペんばを動かすことも忘れて、嬉しさをじっと堪える。ぷるぷると震えているかもしれない。これ以上の刺激には耐えられないと思う。
フッと長義の息の気配がした。
「国広」
「〜〜〜っ!!」
「国広」
「あ、あ、ほ、ほんか
…もうやめ
……」
「国広」
「っっほんか
…!」
「
…………お前、かわいいやつだな」
「へ?」
パペぎがパペんばにピタッと寄り添ってくる。何のつもりか。
そしてそのままぐりぐりと押し付けられた。
「え、ちょ、本歌
…」
まんばはされるがまま。
チラッと長義を見ると真顔でまんばのことを見つめている。
(ひっ!やっぱり怒ってる!?)
目を見開いて、じ
……っとまんばを食い入るように見つめている。正直怖い。
その間もぐいぐいとパペぎがパペんばを押しやっている。
「国広
……」
「あ
……本歌
……」
長義がパペットを付けてない方の手でまんばの顎を持ち上げる。
「
……?」
端正な顔がまんばを見つめてくる。心なしか近い。
長義が見つめられてると改めて思うと恥ずかしくなる。
「本歌、あ、あまり、見ないでくれ
…」
「どうして?」
「近い
…恥ずかしいから
…」
「パペット達はこんなに仲良しなのに?」
そう言われてチラリと横目で見ると、パペぎとパペんばはぴったりくっついている。もう離さないと言わんばかりにパペぎが抱きしめた体勢だった。パペんばは大人しくその身を預けている。
パペぎの手がスススとパペんばの身体を這った。ぞくぞくとした感覚がフェルトを通して伝わってくる。
「
…っあ
…」
「こんな仲を見せつけられたら俺たちも負けてはいられないね
…?」
「や、やめ
……」
「やめない」
なおもパペぎは触り続ける。心なしかイヤラシイ動きに感じた。
くすぐったいような、妙な感覚。自分の意思とは関係なくピクンピクンと反応してしまう。
「本歌、
……っんん
…」
「国広」
長義の吐息が首元にかかる。いつのまにか国広の首筋に顔を埋めている。その息がくすぐったくて、体を引こうとするが、先程顎にあった手が腰にまわっておりそれを阻む。
腰の手も肌を撫でるように動く。ぴくんと背筋が跳ねてしまった。ふふっと笑った声が首にかかり、それもまたくすぐったい。
「国広、パペットが疎かになってるよ。ほらちゃんと俺の相手をしてあげないと」
「あ
…」
「ほら、動かしてみて」
「や、やだ
…は、恥ずかしい
……」
「いつも一人でやってたんだろ。俺が見てるとできないの?」
「
……っ」
「また偽物って呼ぶよ?」
「
…っや、やる
…!やるから
…!」
「良い子」
おずおずとパペットを動かす。パタパタと両手を振った。
「俺に触れてみて。そう、上手」
パペんばがパペぎに頬を擦り寄せる。長義は満足そう。しかし沸々と羞恥心が湧いてくる。
「〜〜〜っやっぱり無理だ!」
恥ずかしくてパペぎから離れる。しかし逃すまいと、パペぎがパペんばを無理矢理壁に押し付ける。
「無理じゃない、できるでしょ?」
「や
…!そんな、できない
…!」
「嘘つき。こーんなオモチャ持ってたんだから、言い逃れはできないよ」
「も、もう、許してくれ
…!」
「だーめ。ほら、お前が満足するまで付き合ってあげる」
「もう!もういいから
…っ」
このまま長義のそばにいたら、心臓が爆発してしまう!もうやめてくれ!
そう思ったその時だった。
「何不埒な事をしてるんだい!!風紀を乱すなんて許さないよ!!」
初期刀が部屋に押し入ってきた。
( ・д・)(・д・)ポカン
…
「(ㆆ_ㆆ)ん
…?」
中(*⁰▿⁰*)略
「はぁ
…事情はわかった
……勘違いだったわけだね」
「その、すまない
…」
「いや早とちりした僕も悪かったよ。無理強いして行為に及んでいるかと思ったからね」
「本歌が俺にそんなことするわけがない」
「
……。(・ω・`)」
「(・ω・)??」
「とにかくお国は嫌な事をされたら、なりふり構わず僕の部屋まで逃げてくること。いいね?」
「嫌なことって
…?」
「いいね?」
「はい
…(;°-°)」
初期刀は退室する。
まんばは落ち込む。長義にも初期刀にもパペットのことがバレてしまった。恥ずかしい。
「本歌、このことは内緒に
……」
「生憎早とちりや勘違いでもないんだけどね」
「え?」
組み敷かれる。
「嫌なら初期刀のところに逃げれば良い。逃すつもりはないけどね」
「ほ、本歌
…?」
長義がパペットを引き寄せる。
『国広、抱きたい』
暗🎎転
暗転中、パペットプレイがあるんですけど割愛します!(パペットプレイとは??)
こうしてちょぎくにはくっついた。
お疲れ様でした!お付き合い頂きありがとうございました!
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