木蔦(キヅタ)
2022-02-28 12:32:42
3298文字
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刀剣男士に変身して世界を守ってる長義くんがまんばくんに振られる話【ちょぎくに】※現パロ


ちょぎくに
現パロ

長義と国広は幼馴染。幼い頃から長義は国広のことが好きで、いつもちょっかいをかけてしまう。

好きになったキッカケはひょんなこと。国広が寂しそうに窓の外を眺めていた。
小学生ながら大人びた横顔を見た時、ぐっと胸を鷲掴みされた感覚がした。切なげにため息を吐く姿に妙にそそられた。

いつもそばでやんちゃしてるのに、その時はどことなく何かを感じ、背筋がぞくぞくした。その時はわからなかったが色気だと思う。

そしてそれ以来ずっと国広に片想いしている。小学、中学、高校……
そして長義は知ってしまう。

「えー!まんば好きな人いるの〜!?」
「誰!誰!」
「しーっ!」
「うちのクラス!?別の!?」
「違う、年上」
「えー!じゃあ先輩!?まんばと仲良い先輩っていたっけ!?あ、山伏先輩のお友達とか!?」
「違う、もっと年上」
「えー!!じゃあ俺らの知らない人じゃん!」

愕然とした。
国広が恋してる相手なんて思い当たらない。幼い頃はいつも一緒だったが最近は離れている時間の方が多い。自分が目を離した隙にそんなことになってるとは思いもしなかった。

国広が年上の人と恋に落ちていたなんて。

長義はそれ以来国広と距離を取った。国広の近くにいたら何を言ってしまうかわからなかった。振られるとわかっていて、想いを告げることなどできない。想い続けるなんて無意味だと考え、忘れようとした。

大学は地元を離れ、遠い所で一人暮らしをした。だけど国広のことは忘れられなかった。
会えない分、逆に想いが募った。

今頃、国広は想い人と恋仲になっているのだろうか。そう思うと胸がギリギリと軋んだ。

ある日長義の前に隈取りのような模様のある狐が現れる。
「長義様、お探し致しました」
その狐は言葉を話し、自らをこんのすけと名乗った。
「是非お力をお貸しください」
一体何を、と思うと長義の前に刀が現れる。手に取ると一瞬のうちに服が変化した。黒スーツに、ストールのような物を巻いた衣服。

「人の身と言うのは重々承知ですが、今確認されている刀剣男士の中で最も霊力が高いのが貴方様なのです。どうか歴史をお守りください」

それからの日々は忙しかった。時間遡行軍という人ならざる者と戦い、歴史を守る日々だった。



そんなある日、国広に会った。
彼は一層美しくなっていた。男だと言うのにそこらの女性より美人で、人を惹きつけた。さらにどことなく艶めいていた。

動作のひとつひとつに目が離せなくて、自然と閨ではどんな風にするのか、どんな声を上げるのかと妄想した。そんな妄想に安易に繋げてしまうほど、彼は色っぽかった。

「長義、どうかしたのか?」
「好きだ」

気がついた時には口から滑り落ちていた。国広は驚いている。無理もない、同性だし、今までそれらしい素振りも見せなかった。
長義自身も驚いていた。
告白するつもりなんてなかった。

たぶんだが、歴史を守るという選ばれた大役を与えられ、横柄になっていたんだと思う。国広の想い人よりも、自分の方がすごいはずだという気持ちがどこかにあった。自分を選んでくれるのではないかと。

「好きな人がいるんだ」

そんな答えが返ってくるとわかっていたはずだった。

「誰なんだ」
思わず長義は問いかけていた。
国広がうっ、と言葉に詰まったので、教えてくれてもいいだろう、お前ばかり俺の心のうちを知っていてずるい、と言った。
「その、小学生の時に、一目惚れしたんだ。年上の、お兄さんで……。強くて、優しくて、キラキラしてた。俺はそのお兄さんを見た瞬間、すべて奪われてしまったんだ」
「その人とはそれ以来会ってるの?」
国広はフルフルと頭を振った。
「名前や住んでるところは?知ってるの?」
再び頭を振った。

「なんだ、不毛じゃないか」
「でも、」

正直ホッとした。
国広を奪われると思ったけど、そんな心配はいらなかった。"昔憧れたお兄さん"なら、そんな偶像消すのは簡単だ。
頑張って彼を忘れようとしてたなんて馬鹿みたいだ。無理矢理にでもこちらを向かせればいい。


そう思ってたのに、彼の目を見た瞬間そんな想いは消え失せた。

「諦められないんだ」





国広に振られてからは考え込む事が多くなった。どうやって振り向かせればいいのか、忘れさせるにはどうすればいいか、勝ち目はあるのか、そんなことばかり考えていた。

ある日こんのすけが言う。
「長義様、今回は少しだけ過去に飛んでもらいます」
「過去に?」
「今まではこの時代に現れる遡行軍を倒して頂いていました。しかしながら今回、過去への干渉を感知し、現時点での対処は不可能、過去に飛ぶ必要ありとの判断が下りました。リスクはありますが向かって頂くことになります。」

人の身で向かうのは不可能、刀として時を飛ぶと説明される。長義はこんのすけの術により精神が刀に乗り移る。
過去へ。

そこは十数年前、まだ長義が国広に恋すらしてない幼い頃。
自分と鉢合ったらまずいな、と思うが、こんのすけ曰く「私の術は審神者様の力に及ばないので長義様は実体化はしてません。一般人から姿は見えてないはず」とのこと。審神者とは誰なのか。

そこで時間遡行軍を見つける。
誰かを襲おうとしているところを撃退した。

「お兄ちゃん、だれ?」

姿は見えないとこんのすけは言ってたのに話し掛けられた事に驚く。そちらを見ると金髪の少年。見覚えがある。

「さっきの、こわいひとたちは?どこにきえたんだ?」

時間遡行軍が襲ってたのは国広だった。
「いや、もう怖い人たちはいないから……
ホッとした表情になる。そんな国広を見ながら長義の脳内は色々な思惑が駆け巡っていた。

(これはまだ、好きな男ができる前の国広?ここで刷り込みをすれば国広はそいつを好きにならないのでは?いやいっそ攫ってしまって
「長義様」
ハッとなる。いけないいけない。歴史を守ってるのに、未来を変えようとする所だった。

当たり障りのない事を言って誤魔化し、長義は立ち去る。元の時代へ。
「なんで遡行軍は子どもの国広を狙ったんだ?」
……
もしかして国広は将来歴史に関わる大きな事をする重要人物になるのか?
ちらりとこんのすけを見るが表情が読めない。狙われた原因を考えているのか、それとも事情を知っているのか

あの後、国広は例の男と出会って恋に落ちる。悔しい。なんとか邪魔したかった。
相手は何歳年上なのだろうか。中年オヤジと国広が腕を組んで歩いているのを想像し嫌悪感。

「時間遡行軍の気配です!」
こんのすけに連れられ、出現場所へ向かう。新たな出陣要請が出た。最近頻繁で、なぜこの時代が狙われているのかわからない。

向かった先で人が襲われていて、長義はその人物を後ろに庇うように遡行軍に立ちはだかる。
「怪我はな!」
後ろを確認するため、目を向けるとそこには国広がいた。
「!」
目をまん丸にして、長義を見上げている。
「くに、ひろ?」

敵の動きを感じ、ハッと前を向く。戦いに集中しなければ。襲ってくる敵を次々と切り伏せていく。そしてようやく辺りを一掃した。

なぜ国広がまた狙われたのか。やはり何かあるのか。

「おにい、ちゃん……?」
ぽろり、と国広が漏らす。
信じられない呟きを聞いた。今なんと?

「長義、あんただったんだな……俺の初恋の人は」




エンダァァァァァァァアアアアアアアァァァァァァァイヤァァァァァアアアアアアア






こうしてちょぎくには幸せになった。
お疲れ様でした!お付き合いありがとうございました!

■どうでもいい設定
・時間遡行軍は生まれ変わった刀剣男士を抹殺しに来てた。
・長義もまんばも刀剣男士だった頃の記憶はない。
・生身では時を飛べないので、刀に乗り移り移動。実体化していないので普通の人には見えない。元刀剣男士なら見える。ちなみに体は失神した状態。