木蔦(キヅタ)
2022-02-14 16:13:45
1198文字
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まんばが美人過ぎて困っている長義くんの話【ちょぎくに】


長義は政府所属の同位体に言う。

「うちの偽物くんが綺麗すぎてつらい」

同位体はポカン。何言ってんだって目で見てる。
「本当なんだ、うちの偽物くんは他所に比べて綺麗で、なおかつかわいいんだ!」
「はぁ、惚気か?」
「そんなわけあるか!」
「で、何に困ってるんだ?」
同位体が面倒臭そう。
「綺麗じゃなくさせるにはどうしたらいいか困ってる」
「はぁ??」
「偽物くんが綺麗だと変な虫が寄ってくるだろ。どうにかしたいんだけど、ダメなんだ」
「あの子は顔を隠すし、自分から汚い身なりをするだろ。わざわざ何かしなくても」
「うちは違う」

初めて会った時を思い出す。
以前見かけた他所の写しなんて目じゃないくらい美人だった。

キラキラしてて、一瞬で目が離せなくなった。美しさの中にも可愛さがあって、絶妙な感覚を併せ持っていた。

汚い格好すら気にならないくらいに、写しに惹かれた。

だから思わず長義は言った。
「なんだお前は!俺の写しだというのが恥ずかしくなる!虫唾が走る!顔を見せるな!」

「は?」
同位体が聞き返してくる。
「今そういう流れだった?」
「流れだった。」
「どこが?」
「俺は一瞬でこの美しい偽物くんを隠しておかねばと思った。だから罵れば偽物くんは恥ずかしがって隠すと思った」
……
「しかし失敗だった」

写しは隠すどころか、次の日汚れてない服を着ていた。美しさがさらに際立った。
そして次の日は加州にデコられてさらに可愛くなっていた。
そしてさらに次の日は、兄弟に髪の手入れをされ、磨きがかかっていた。

「そして今に至る」
はぁ」
「どうしたらいいんだ!なんどお前は不細工だから無駄な努力をするなと言い聞かせても諦めない!日々綺麗になっていく!あんな綺麗な写しを見たら誰しも惚れるに決まってるだろ!なんでこうなったんだ!」
「うーん
「ハッ!まさか好きな男でもいるんじゃ!?恋をすると美人になるというし!」
「待て待て、暴走するな。確認だが、お前まさか毎日偽物くんを罵ってたんじゃないだろうな?」
「そうだが?」
「それ、偽物くんが本歌が恥じぬ写しになろうと努力してるんじゃないか?」

寝耳に水。

「なんだって!?」

まさか日々綺麗になっていったのは俺のため?と長義は思う。なんて健気なのか。





っていうツンデレ長義くんと美人なまんばくんのお話。

この後まんばくんは長義くんに一目惚れしてて、長義くんの理想に少しでも近づこうと努力してたって発覚するけど、長義くんはツンデレなので「そんなことしたって無駄だ!お前を好きになることなんてない」って言って泣かせてしまう。

それで相談役に「お前は馬鹿か」って散々なじられて、まんばに謝りに行く。

ちなみにこの相談役長義くんは既婚で、妻がそっと長義くんにお茶とか出したりしてる。