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木蔦(キヅタ)
2021-12-26 14:14:05
3369文字
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いつの間にか他所の本歌に写しを取られていた本歌の話【ちょぎくに】
ちょぎくに
ちょぎくにサンド
●番煎じですまん。
長義はまんばが好きだが、号のごたごたもあって不仲だし、嫌われてる自覚もある。まんばを前にするとつい憎まれ口を叩いてしまう。そのたびにまんばが不快そうな顔をして、ああしまったと後悔する。
ある日まんばが楽しそうに長義のことを話しているのを聞いてしまう。
「本歌は本当に優しいんだ、俺なんかにも声掛けてくれて
…
」
「かっこよくて、何してもサマになる」
「本歌のことを嫌う奴なんていないだろうに」
うんうんと頷きながら盗み聞き。よくわかってるじゃないか。
「今度また会う約束をしたんだ」
ん?
「その他所の本歌と!」
はぁぁぁぁあぁぁ??
気付かぬうちに写しに悪い虫がついていた。
盗み聞きを続けていると、どうやらまんばは偶然万屋で会った長義に相当入れ込んでいるらしいことがわかった。
「うちの本歌と全然違う!同じ同位体なのにこうも違うなんて信じられない」
「俺が本歌に冷たくされてショックを受けてる所に声をかけてくれたんだ
…
」
「俺の話を聞いてくれて
……
」
長義は察した。自分がまんばに酷いことを言った隙を付け込まれたのだと。傷ついた写しを落とすなんて簡単だっただろう。しかもうちのまんばは純粋だから、ちょっと優しくすればコロっと騙されるはずだ。
なんて酷い奴なんだ。同位体ながら汚いやつだ!
写しに複雑な感情を持つ同位体は多い。しかも本丸内で拗れてたりするから、他所の写しを丸め込んで手込めにする事もある。虎視眈々と隙のある写しを狙っている。
よりによってうちの写しが狙われるとは!同位体ながら狡猾な遊び人だ!
自分のことは棚上げで、他所の同位体を非難した。
なんとか目を覚まさせようとする。まんばが出かけようとしているのを見つけて呼び止める。
「お前どこに行く気だ?」
「え!?ゆ、友人とお茶するだけだが
…
」
「他の本丸のやつだろ。信用できん。お前を騙してるに違いない、お前は見る目がないから、簡単にホイホイと
…
」
「な、そんなことない!!」
「そんなことある!」
「なんでそんなこと言うんだ!俺の目が信用できないと!?」
「ああ、そうだね!お前の目は節穴だから!変な輩にすーぐ騙される!」
「本当にそんなんじゃない!」
「お前のためを思って言ってるんだ!」
「心配はいらない!」
喧嘩してまんばは本丸を飛び出すように出かける。
言うことを聞かないまんばに腹を立てていたが、そのうち冷静になる。長義は正しいことを言った。間違ってない。しかしまんばがそれに反発し、ヤケを起こしてる可能性がある。
もしかしたら悪い長義に慰められ、丸め込まれてホテルにでも行ってるかもしれない。
だんだん不安になってくる。
悪い考えが浮かぶと、次々とそちらに思考が流れる。
夜遅くにまんばが帰ってきた。
今か今かとソワソワしていたため、すぐさま玄関にまんばの姿を確認しに行く。
まんばは若干目元と鼻が赤くなっていた。明らかに泣いてた跡。
カッとなる。
きっと悪い長義に無理矢理強要されたに違いない。嫌がるまんばをホテルに連れ込み、肌を暴いて、自分の欲望を貫いたというわけだ。
ふつふつ怒りが湧いてくる。
「な、なんだ、いきなり
…
!」
帰った途端に出迎えた長義を見てまんばは顔を隠しながら気丈に言う。声は鼻声。
酷いことをされて傷ついたに違いない。
腕を掴み引き寄せようとするが払い除けられる。
「触るな!」
まんばは傷ついたような表情をして、自室に駆けて行った。
相当酷い扱いをされたようだ。同位体である自分のことも怖いのだろう、可哀想に。
こんなことをした奴に怒りが湧いてくる。
別の日、まんばが出掛ける素振りがあったので、自分も支度し、こっそり後を尾ける。
案の定、まんばは他所の長義と会っていた。
あれがうちの写しを唆す悪い本歌か、と思う。
まんばにニコニコと話しかけている。
人の良さような表の顔で写しを虜にさせているようだ。けしからん。
肩を抱いて歩き出したところで、我慢ならず声をかけた。
その密着度合い!やはり抱いたな!?そして身体目当てで、写しを弄んでる!
「うちの写しに何の用だ!」
まんばサイド(*'ω'*)
まんばと長義は同志だった。
同じ悩みを持ち、同じ望みを持つ戦友だった。万屋で他所の本丸の長義から声を掛けられたのがキッカケで仲良くなり、悩みを打ち明けたり、気晴らしをするようになった。
ふたりの悩みは本歌と写しの不仲をどうにかしたいと言う物だった。
「今日も偽物くんがさ
……
」
「本歌、その『偽物くん』ってやめたらどうだ。それだけで心象変わると思うんだが」
「それはできない」
「なんで」
「見つめ合うと素直におしゃべりできない」
「シャイか」
「いやだって今更呼べないだろ」
そこでまんばが提案する。
「俺を!本歌の俺だと思って練習してみろ!」
たびたびそういうことがあった。そしていつしかお互いを自分の本丸の相手だと思って過ごすのが普通になっていった。
本歌は優しくて、まんばをよく甘やかしてくれる。まんばも本歌のことは慕っていた。
はたからみると恋仲に見えたかもしれない。
まんばは、自分の本丸の本歌とこうなれたらいいのにとよく思っていた。
まんばが傷ついた時も、根気強く慰めてくれた。この前は泣いてるまんばを撫でて抱きしめてくれた。その時は話が長くなり、随分帰りが遅くなってしまった。
気分転換に遊びに行こうと誘われ、まんばは本丸を出る。
「なんかデートみたいだな」
茶化してくすくす笑う。
待ち合わせして、肩を抱かれたものだから、思わず。
「なんなら代わりなんて言わずに本当に
……
」
「うちの写しに何の用だ!」
いきなり怒鳴り声が上がったので、びっくりして振り返ると、自本丸の長義がすごい形相で立っていた。
視点戻るね( ´ ー ` )
写しがびくびくしてる。他の長義(しかも悪い男)にうつつを抜かしていたことがバレて、挙動不審なのだろう。
写しの腕を引き、自分の後ろに隠す。キッと同位体を睨みつけた。
「もしかしてこの子の本丸の?」
「そうだ」
「ふーん?」
じろじろ見られてる。
見せつけるように奴は写しを引き寄せた。
「俺たち、こう言う関係だから邪魔しないでくれるかな」
「ほ、本歌
…
」
「お前の本歌は俺だろ!」
「この子は本歌本歌って俺の事を慕ってくれる。だからこの子の本歌は俺だろう?」
やはり写しを唆している。自分の推測通りでぎりっとする。
「俺たち、これからホテルに行くから。ね?国広」
その言葉を聞いた瞬間もうダメで、気づけば同位体を殴り飛ばしていた。
「な、ちょ、ほ、ほんか!」
まんばはどっちを呼んでいるやら(両方とも本歌と呼ぶ)
「お前に俺の写しを渡すわけないだろ!」
「ほ、本歌
……
」
その後、同位体に煽られた事を知る。まんまと罠に引っ掛かってしまった。
「俺のって(^ω^)」
「べ、別に『俺の本丸の』を省略しただけだ
…
」
「はいはい」
まんばは俯いて(・ω・;)ってしてる。
「同位体もそんな嘘つくなんて性質が悪い」
「いやあながち嘘じゃない」
「は?」
「俺はこの子の事を満更じゃなく想ってるから、この子さえ了承してくれれば本気だった」
「はぁぁぁぁぁ??」
「え!」
まんばはカァァァァと赤くなる。
待て、なんで赤くなる
「その、本歌、嬉しい
……
」
「本当?」
ぎゅっと同位体がまんばの手を握る。
「待て待て!触るな!お前も変なこと言うな!」
「心が狭いな、狭量な男は嫌われるぞ」
「うるさい!」
まんばが顔を真っ赤にしながら言う。
「でも、その、俺が好きなのは、ほ、本歌だから、すまない
…
」
「(・ω・)」
「(・ω・)」
可愛すぎて萌え死んだ。
ちょぎくにハッピーエンド!お疲れ様でした!長いことお待たせ致しました!
結末は決まってたんですけど、なかなか書けず汗マークあと分岐も迷ったりしたので(笑)
お読み頂きありがとうございましたー!
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