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木蔦(キヅタ)
2021-10-04 18:35:09
2096文字
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【サンプル】モブの立場から言わせて頂きますと【ちょぎくに】
モブくんがちょぎくに(イチャイチャ)に振り回される話です。
※現パロ
※モブ視点
※過去捏造
※怪我・事故表現あり
自分はこの世に生まれ、平々凡々、ごくごく普通に生きてきた。
成績は良い方だったし、人付き合いもそこそこ。このまま普通の人生を歩むんだと思っていた。
それは高校二年の時、彼と出会う前の話だ。
彼の所為で自分の人生が一変した。
「山姥切国広くんだ、みんな仲良くするように」
ある日教師が見慣れぬ男子生徒を連れてそう紹介した。顔を隠すように制服の下に着ているパーカーを頭に被っている。俯いてはいるがそれでも顔が整っていることは見て取れた。
イケメンの転校生に女子が色めき立つ。ザワザワと騒がれる中、彼は顔を俯かせながら俺の隣に座った。
チラチラと横目で見たが、間近で見ても顔はまあまあ良い。中の上くらいだろうか。
休み時間になると彼の周りはあっと言う間に女子が取り囲んだ。
その様にぎょっとするが、イケメンの宿命と思い、彼女らの邪魔にならないようにそっと席を立つ。彼は少し戸惑っている様子だった。
次の休み時間も同じようになっていた。可哀想に、気が休まらないだろうと思いながら、同じように席を立つ。
すると彼はなぜか自分を追いかけて来た。
「なあ、あんた」
背後から話しかけられ驚く。
「どこ行くんだ」
「どこって、静かな所にでも
……
」
「俺も連れて行ってほしい」
それが彼と仲良くなったキッカケだった。
屋上へ続く階段の踊り場、そこは薄暗くてひんやりとしており、滅多に人は来ない。屋上への扉は安全面から鍵がかかっている。
「女子の所にいかなくていいのか」
「騒がれるのは苦手だ」
他の男子が聞いたら贅沢者めと批判を浴びるだろう。でもあれだけ騒がれれば仕方ないかとも思う。
「ふーん。彼女とかいないの?」
これだけ顔が良ければ一人や二人いてもおかしくない。
「いない」
「へぇ」
「だけど恋人ならいる」
「は?? それって彼女じゃないのか?」
「彼女じゃない」
「じゃあなんなんだ」
「男だから」
「は?」
「恋人、男だから、『彼女』じゃない」
「おま
……
まさかホ
……
」
ホモってやつか!? と言いそうになるが、それを明け透けに言えば彼を傷つけると本能的に悟った俺は、寸前の所で口を噤んだ。世の中、同性愛に偏見があるやつが多いので、差別を孕んだ言葉に敏感なはずだ。出かかった言葉をぐっと飲み込んで「へぇ、そうなんだ」とだけようやく絞り出した。
「気持ち悪くないのか?」
「別に。よくある話だろ」
「
……
そうか」
少し嬉しそうにしたので、この対応で正解だったんだなとホッとした。
それ以降、国広は俺ならば大丈夫だと思ったのか、よく話しかけてくるようになった。
ある日気になって聞いてみた。
「その、恋人って、どんなやつなんだ
……
?」
興味本位で聞いてみた。彼が惚れるほどの男だ、相当良い奴に違いないと思ったし、男が男を好きになるというのがどういう過程なのか純粋に気になった。
「高慢で、自信過剰で、すぐ嫌味を言うし、我儘」
すらすらと悪口とも取れる言葉が出てくる。
「こ、告白ってどっちから
……
?」
「告白
……
? うーん
……
。正確には、俺から、になるのか?」
「正確には??」
「そんなに仲が良くなかったんだ。だけど夜中、寝込みを襲われて
……
」
「はぁ!? 寝込み!?」
殺され掛けたってことか!? と勘ぐったが、彼は少し恥じらうように目を伏せた。
アッ(察し)そういう寝込み
……
!
「で、でも! 犯罪じゃないか!」
無理矢理なのになんで彼は怒ってないのか、あまつさえ恋人にまで発展したのか。
「う、嬉しかったから
……
!」
「嬉しかった!?」
「嫌われてると思ってたから、その、
……
好意を向けられて、それで俺は好きだったんだって自覚、して
……
」
これは重症じゃないか? ちょろすぎないか? 無理矢理されて喜ぶなんて少し心配になる。
「なんでそんなやつと付き合ってるの? 良い所ないんじゃない? 暴力とか振るわれてないよね?」
「振るわれてない! お、俺の見てない所では優しくて、甘いんだ。俺が寝付くと頭撫でてくれる。だから俺はいつも寝たふりをしてる」
「アー、ゴチソウサマ
……
」
砂を吐きそうな甘い内容を言われ、聞くんじゃなかったと後悔した。
しかもこいつら、高校生のくせにヤることヤってやがる
……
しかも口振りから何回か
……
強姦から始まった恋だから当然かもしれないが、その後も一緒に寝ているということはそうなのだろう。
その恋人は転校前の地域にいて、遠距離恋愛をしているのだろうかと想像した。彼の惚気具合から見て、転校をキッカケに別れたとは考えにくい。
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という感じでモブくんがずっと惚気られてる話となっております。
続きは12/12(Dozen Rose Fes.2021 ちょぎくにオンリー)発行予定の本で。
50p程度 / ¥500~¥600 / 文庫サイズ
通販はフロマージュ様委託予定
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