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木蔦(キヅタ)
2021-07-17 15:11:32
3712文字
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間違って違う人に告白してしまったまんばの話【ちょぎくに】
まんばはある長義に恋していた。その長義は他の本丸に所属しているのだが、縁あって話す機会があった。
噂とは違い、その長義は写しに優しかった。まんばのような小汚い卑屈な写しにも真っ直ぐ見つめ、微笑み、話しかけてくれた。
まんばは一瞬で恋に落ちた。
本丸に戻っても長義のことが忘れられない。日々想いを募らせていく。
長義ともっと話したい、もっと知りたい、知って欲しい、触れたい、触れて欲しい、恋仲になりたい
そう思うといても立ってもいられず、まんばは長義の元へ向かった。
万屋街に行くと偶然長義に会えた。
約束してないのに会えるなんて運命かもしれない。喜びで駆け寄る。
告白は勢いが大事だ、時間をおけば決心が鈍る。
そう思ったまんばは、長義に思い切って告白した。
「す、好きだ!その、本丸が違うし、俺のことなんて知らないかもしれないが、ずっとあんたのこと見てた!つ、付き合って欲しい!」
顔を上げると別人がいた。
( ° ω ° )!?
「え、俺??」
慌てた様子の別本丸の長義がいる。違う、彼に告白したのではない。まんばはこの事態を飲み込めず、硬直する。
本命の長義はいない。キョロキョロと探すと少し離れた所で仲間達と楽しそうに話しているのが見える。
ーーいつのまにあんなところへ!?
瞬間移動でもしたのではないかと思うほどの距離。ちらりと目の前の長義を見る。すぐに訂正しなくては!
「あの、実は、人
…
じゃなくて刀ちが
……
」
「お前が俺を好きだなんて気づかなかったな。そんなに俺のこと好きなの?」
「へ!?」
訂正しようと思ったのに被せてくる。
「いやその」
「そうだな、お前がそこまで言うなら付き合ってあげてもいいよ」
「ぇえ!?」
「嬉しいだろ嬉しいだろ。感謝するがいい」
いや喜んでない。
大変なことになった。まんばは再度否定しようとしたが、また遮られ、連絡先を交換した。
(俺の馬鹿〜〜!!何やってるんだ!)
長義のペースに乗せられ、デートの約束までさせられた。一体どうすればいいんだ!
(次に会った時、言い出そう
……
)
そう心に決める。
が、
「あの、本歌、実は」
「さ、行こ!急がないと行列になっちゃうよ」
「わっ
…
!」
強引に連れて行かれ、言い出すタイミングを逃す。結局その日は長義に連れて行かれたアミューズメントパークを堪能してしまった。
(なんてことだ
…
俺の意志の弱さ
……
いやでも今度こそ)
次の約束までしてしまった。その時に言い出そう。
次のデートに行くと、なぜか兄弟がいた。
(え??なんでだ?デートじゃないのか?3人でデート??もしやデートではない?)
「ああ、国広。こちら俺の本丸の堀川くん」
「兄弟!長義さんから兄弟とお付き合いしてるって聞いて、いてもたってもいられなくて」
「きょ、兄弟
…
!えと、これはその
…
」
「嬉しいよ。兄弟がうちの本丸の長義さんを選んでくれるなんて
…
」
「いやだから
…
」
「是非、お嫁にきてね
…
!兄弟が来てくれたらすっごく嬉しいな」
「ほ、堀川くん、嫁なんてまだ
…
」
「あ、ごめん!気が早かったね!忘れて!じゃあ兄弟!」
堀川は去っていく。変な脂汗が出てる。
「ごめんね、ばったり会って。デートだって言ったら挨拶したいって言うものだから」
よめ!?嫁ってなんだ!?
兄弟からの期待にプレッシャーを感じる。ますます言い出しづらい。
いやでもちゃんと言わないと大変なことになる。
「あの、本歌!」
「お前の本丸には俺はいるの??」
「へ??いないが」
「え?いないの?でもお前のご兄弟はいるだろ?」
「ああ、兄弟なら二振りとも
…
」
「一度お会いしたいな」
なぜか本丸に連れてくる事態になった。気がついたら兄弟と長義が挨拶してた。おかしい。なぜ連れてきてしまったのか。
「兄弟とお付き合いしてるんですか!?」
「本歌殿、兄弟のことよろしく頼む」
「???( ° ω ° )」
兄弟が報告したため審神者にも知られてしまった。
まんばは気づく。
あれ?すっかり両本丸公認
……
?
こんなはずじゃなかった!
でもまだ引き返せる、と長義に打ち明けようとする。
「本歌、あの!」
長義と目が合う。
蕩けそうな瞳でまんばを見てた。いくら鈍いまんばでも、惚れ込んでますと顔に出てるとわかる。
恥ずかしくなって真っ赤になり、俯く。
「なに?国広」
舌っ足らずな甘い声でまんばを呼ぶ。
今までまんばの話なんて聞く耳持たなかったのに、なんでこんな時だけ静かなのか。そしていつも言おうとしてたのに、なんで今、口から訂正の言葉が出てこないのか。
まんばは一人でぼんやり考える。
何でこんなことになってしまったのか。
気分転換に万屋街を歩いていると、片恋相手の長義にバッタリ会う。変わらずまんばに向けて微笑んでくれる。まんばはハッとなる。
自分は彼が好きだったはずだ。告白までしようと思った。今がチャンスじゃないか?あの時できたんだから、今だって言えるはず!
まんばは思い切って言う。
「俺、実はあんたのことが、好きだったんだ
…
!」
「え、本当?嬉しいよ。俺もお前の事が好きだったから」
まさか両想いだったとは。まんばは天にも登る心地で、舞い上がり、気付いたら家にいた。
ど う し よ う 。
まさか両想いになれるとは思わなかった。頭に思い浮かぶのは付き合ってる長義。なんて言い訳すればいいんだろう。審神者にもなんて言えば??兄弟も乗り気だった。
まんばはうんうん唸る。
でもやはり自分の気持ちに正直でいたい。
まんばは間違えて告白した方の長義を振る事にした。
まんばは連絡を取り、長義に会う。そこで事情を話した。
「だからお前に告白したのは人違いだったんだ。すまない」
「
………
」
傷ついたような顔を見せる。長義のそんな表情見た事がない。ぎゅっと胸が締め付けられる。
「そうか
…
.わかった」
案外あっさりと承知してくれた。「なんでもっと早く言わなかったんだ!」とか「騙してたのか!?」とか責められると思っていた。
しかしまんばから告白したため、長義は別にまんばのことが好きだったわけではないはずだ。告白されたからまあ一度付き合ってみるか〜という軽いノリだったに違いない。
しかし思い浮かぶのは蕩けそうな顔でまんばを見つめる長義の顔。どこからどう見てもまんばにベタ惚れ。鈍いまんばですらわかる。
「〜〜っあー!もう!」
まんばは居ても立っても居られず、駆け出す。向かう先は振ったはずの長義の本丸。
「え?兄弟、どうしたの?」
「あの、本歌に会わせてほしいんだが
……
」
「いいよ、ふたりは恋刀同士なんだから。上がって上がって」
別れた事はまだ言ってないようだ。気まずい気持ちになりながら、本丸を案内される。長義の部屋へ。
「長義さん、兄弟が来てくれたけど」
部屋に入り、2人きりになる。
まんばはたどたどしく話し始める。
「別れてから、ずっと、あんたの顔がチラついて
…
。」
長義は黙ってる。
「以前から好きだったやつに告白した。だけどもしそいつと別れることになったらって想像したけど、そこまで傷付かなかった。」
怒られるだろうか。こわごわ。
「随分前から、その、俺は、あんたに惚れてたみたいだ。だからもう一度、付き合って欲しい」
ちょぎくにハッピーエンド〜!お付き合いありがとうございました!お疲れ様でした!
アンケートはどちらの本歌様とくっつくかアンケでした!(両方とも長義→まんばだけど、書き分けのため)
長義←まんばが多ければ、最後のシーンでまんばはもう片方を選びます。
「俺のこと好きなら送って?」
「う
……
」
まんばを後ろから抱きかかえながら長義が促す。二振りで見てるのはまんばのスマホの画面。
断りの連絡だから送りづらいのだろう。長義はよくわかる。だからずるずると行く前に今ここで送らせないといけない。
「他の長義に告白したんだよね?向こうは付き合ってると思ってるんでしょ?勘違いさせたままは可哀想だよ。それに俺のこと『恋刀ができた』って言ってくれないの?」
まんばは長義の目の前で打ち、覚悟を決めたのか、えい!と送った。よしよし、これで彼は自分のものだ。「えらかったね」と撫でてあげる。
まんまと上手くいったと長義はほくそ笑む。
自分の意思をなかなか周りに伝えられないまんばなら、間違えて告白した場合、なかなか言い出せない状況に陥るのは想像に容易かった。
もう片方の長義もまんばのことが好きだったらしいので、こうして上手くいったことに安堵している。
長義の仕向けたことに、きっとまんばは気づいてないだろう。
おわり!
■どうでも良い話
振られた長義の心情は「やっぱりな(ため息)」
既に長義くんが牽制済みだったので、ふたりが付き合ってることを知ってた。だから告白してきた時ちょっと驚き、だけど振り向いてくれるならラッキー的な感じで、受け入れた。
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