木蔦(キヅタ)
2021-06-27 14:11:12
6272文字
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異世界に召喚され、長義くんの半身になったまんばの話【ちょぎくに】※パラレル設定


ちょぎくに
※後天的女体化
※異世界もの
※途中で終わる
※オリキャラが出る(出張らない程度)

まんばの本丸では長義が顕現してない。聚楽第にはレベルが足りず参加できず、シールも不慮の事故があって集められず

だからまんばは本歌を焦がれていた。他の同位体の話を聞くと恐ろしいが、自分だけの本歌に憧れがあった。
いつか本丸にも顕現されるはずだと遠い未来に期待を持っていた。

しかしある日まんばの足元に魔法陣が現れる。魔法陣が光り輝き、まんばを包む。

そして気がついた時には本丸でないどこかにいた。

周りには大勢の人。
呪術師みたいな怪しげな人がまんばの1番近くにいる。さらにその後ろに袴を着た長義の姿がある。着物とはいえ色鮮やかな衣装で、和服ではなさそう。
まんばを見て驚いている。

「これが?私の?」
「は、わたくしの全身全霊でお探し致しました。そうと思われます」
「今まで現れなかったのは何故だ」
「彼の者は別世界にいたらしく、そこから召喚致しました。」
「別世界?」

まんばの前でふたりがよくわからないことを話している。どうすればいいかわからず、おろおろ。しかし大勢の人に注目されてると気づき、布でぎゅっと顔身体を隠す。

「ただちに準備を」
「へ?」

長義が周りの者に指示を出す。
まんばはたくさんの女性に囲まれて連れて行かれた。

何の説明もなしに女性達に布を剥ぎ取られ、さらに服も脱がされる。何か聞いても答えてもらえない。「申し訳ありません、私共からお伝えすることはありません」と言われる。

服を脱がされた時、何故かささやかながら胸がある。びっくりする。下もない。女性になってる。手や足も若干丸みを帯びてる。
目線もいつもより低い気がする。

本体を探すがどこにもない。むしろ本体の感覚がない。消滅というよりも、人の身と一体化した感じがする。

まんばは徹底的に女性達に磨き上げられ、綺麗な布を幾重にも着せられる。その後部屋に案内された。ひとりぽつん。

人目のない所に来てようやく息をつけた。
女性達は仕事が終わったとばかり、全員いなくなった。

大きく広い部屋、壁際に装飾品、大きな天蓋付きベッド。装飾品は造形が細かいものばかり飾ってあり、一目で高そうだとわかる。

ここがどこなのかわからないが、審神者の元へ帰らなければと思う。
窓から出て逃げ出そうと手を掛けたところで、部屋に誰か入ってくる。

振り向けば長義。

「ほ、本歌!」

先程の服よりも若干ラフめの着物を着てる。知らない人たちばかりで、唯一知ってる人。まんばは長義ならばわかってくれるはずだと縋る。

何をいえば良いかわからない。この長義は政府の刀だろうか。大勢の前で随分えらそうだった。

「名は?」
「へ!?」
「名はなんというんだ」
「え!?え!?国広、だが」
「国広ね」
「本歌、俺はあんたの写しなのに、名すら覚えてないのか!?」
「ホンカ?ウツシ?」

様子がおかしい長義の話を聞く。

どうやらここは自分達と異なる世界のようだった。地球のどこでもない、いつの時代でもない。

「ほ、本歌がいるのに異世界……?俺は、どうなって……

ぐすんと涙を流す。もう帰れないのか、あちらはどうなってるのか、色々不安に思う。
長義が落ち着かせるようにポンポンと肩を叩いた。
ますます涙が溢れてくる。

「あるじ、あるじに会いたい……あるじ……
「あるじ……?誰だ?」

若干怒気を孕んでいたがまんばは気づかない。

「俺の、持ち主だ……。俺は主に仕えていたんだ……。きっと心配してる。主の所に帰りたい」

長義は無言で部屋から出て行ってしまう。

……?」

まんばはよくわからないながらも心細くなる。帰り方がわからないし、顔を隠す布がなくて落ち着かないし、女性体になった不安もある。

こんなに涙脆かったわけないのに、次々と涙が出てくる。そのうち泣き疲れて寝てしまう。
その後、まんばはその部屋で寝起きすることになる。侍女が身の回りの世話をしてくれるが、初日同様何も教えてくれない。

あれから長義は姿を見せない。外のことが何もわからない不安から、どんどん不満が積もっていく。

部屋から出してもらえず、身体が鈍る。もやもや。
まんばは逃げ出そうと決意する。というかなんでここに留まっていたのか疑問。やはり長義がいるから後ろ髪引かれるのかもしれない。だってまんばがいる時には本丸に顕現しなかった。

まんばは侍女が夜退室した後、こっそり起き出す。窓を開け、外へ。1階建てのため、難なく地面に降りられた。
靴はないので裸足。しっとりとした地面の感触。まんばは駆け出す。

中。・*・:≡( ε:)略

「離せっ……!」
バタバタと足をバタつかせるが、まったく効いてない。まんまと捕まり、お姫様抱っこされ、来た道を戻っていた。またあの部屋に逆戻り。
「まったく、お前は……。足を怪我までして」
部屋のベッドに下ろされる。大事な物を扱うかのように丁寧。まんばの足をジロジロ見て怪我の具合を確かめている。
「これくらい平気だ。前の世界では刀傷を受けることがザラだった」
「それでも俺の半身なんだから、無茶はするな」
「ハンシン……?」
「手当てさせる。ここで待て。決して逃げようなんて思うな」

半身ってなんだ?写しと本歌の関係がこちらの世界では半身なんだろうか?と頭を捻る。

しばらくして侍女が来て、手当てしてくれる。
砂利などで血が滲んだり、草で切った程度なのに包帯でぐるぐる巻きにされてかなり大袈裟。

長義はその様子を黙って見てる。
手当てが終わると侍女は退出する。長義も出てくかと思ったが、何故かベッドに乗り上げて来た。そしてゴロンと横になる。

「え!」
「ここで寝る。一人にしたらまた逃げかねない」

見張りか!

「心配せずともこんな足じゃ逃げれない!」
「どうだか」
傷は浅いため足など気にせず逃げるつもりだった。読まれてる。

逃げ出す野望を断たれ、まんばは不貞腐れる。

「あんた、ここで寝るのか!?」
「だからそう言ってるだろ」
「いやそうじゃなく、俺のベッドで寝るのか!?」
「これがお前のベッドだと誰が言った」

確かにまんばは余所者でこのベッドは借りてるだけだ。だからこれは長義の物だと主張されたらその通りとしか言えない。

「じゃあ俺は床で寝る!あんたがベッドで寝れば良い」
「半身を床で寝せる男がどこにいるっていうんだ」
「別に俺の好きで寝るんだからいいだろ!」

降りようとするが長義に腰を引き寄せられ、身動きが取れなくなる。離せー!とジタバタするが、長義に「傷に触るといけないから」とやんわり押さえつけられる。

「お前は本当に何をするかわからない。危なっかしい」

もう寝ろと言われ、明かりを消される。まんばも最初は抵抗していたが、遅い来る眠気に抗えず、夢の中へ旅立っていった。

次の日からは大変だった。どこへも行けない。立ち上がろうとすると、長義がやってきて抱きかかえて移動する。

長義がいない時は侍女に止められる。

(どこぞの令嬢だ!俺は男だぞ……!)

怒りに震える。いい加減運動したい。

結局数日間はそんな調子で、ようやく包帯が取れる。
長義は何故か毎晩まんばのベッドで寝てる。昼間は仕事でどこかに行って、夕方ごろ帰ってくる。

「逃げてないな」
「しつこいな」

包帯が取れたから外に出たいと伝える。怪我する前も外は禁止されていたが、これを機にねだってみる。

「部屋の中だけじゃ息が詰まる。また逃げ出したくなる。俺の希望は聞けないと言うのか、俺がハンシン?だからか」

長義はうっと黙った後『俺と一緒の時だけは出ても良い』と絞り出す声で言う。勝利。

やはり写しみたいなもんらしい。使い方は合っていたようだ。(*'ω'*)

まんばは逃げる事は諦めた。逃げても帰られないらしい。ここから逃げると住むところも食べる物も困るためデメリットだと判断。

しかしいずれは元の世界に戻る野望は諦めてない。

風呂はまだ慣れない。自分の身体を直視できない。照れる。
身体は男に戻る気配はない。

生理が来た時は大変だった。調子が悪く寝込んだ。
長義が心配そうに何度も様子を伺ってきた。夜は頭を撫でてくれて、眠りについた。
男の身体に戻りたい。つらい。

「ハンシンごときのことは放っておいてくれ」と言ったが慌てた様子で「放って置けるわけないだろ!」と怒っていた。

そして衝撃の事実が発覚する。

身の回りをしてくれる侍女が余りにも献身的なので、自分に対しては普段の態度でいいと伝えたら、慌てた様子で拒否される。
「国広様は陛下の半身ですので!」
「前から思ってたがハンシンってなんだ?奴隷とか部下とか従者みたいな意味か?」
「え!?」
「いくら本歌のハンシンだからって、そこまで傅く必要ないんだぞ」
「国広様……っ!」
「なんだ?顔色が悪いぞ??」
そんな風に思ってたのか、と問われる。

「だって誰も教えてくれなかったし」
侍女達に何か聞いても、口を揃えて私共からは何も言えませんと答える。だから聞けなかった。
侍女の反応からして何かやばそう。まんばは嫌な予感がする。

お教えできません、と言われる前にまんばは先回りする。
「言わないとこの場で逃走する」
脅すのはまずいとわかっていつつ、効果的だと知ってる。みんなにまんばを監視するよう勅命が下ってる。

侍女が言うにはこうだった。

『半身』とは伴侶のこと。文字通り運命を共にするため、相手のことをそう呼ぶ。

半身は神が選ぶため、神託を聞いて相手を探す。そして契りを交わす。
身分差関係なく、誰しも半身はいるので(欠けてなければ)よりによって皇帝の半身がいないと大変だったらしい。

長義は半身が見つからなかった。何年も何人もが探して、ようやくまんばが見つかった。

「なん、だと……?」

伴侶って、伴侶か??

長義と自分が伴侶だと

いろいろ想像し、赤くなったり青くなったり。

でも毎日同じベッドで寝てるので、長義にはそういう欲がないのかもしれない。ほっと安心したのも束の間、侍女が言う。

「その、適切な、時期がございますので……
「時期!?」

契るのに時期が決められているらしい。大安みたいなものか。

召喚された日は日取りばっちりだったらしいが、まんばの心の準備が伴わず、諦めたとのこと。落ち着くまで様子を見ると言ってたと。

(危なかった……!)

しかしうかうかしていられない。次の時期はいつなのか。確認してみるともうすぐだった。

(やばい……

長義との距離は、まんばの脱走事件以降、縮まってる気がする。あとまんばが半身を理解してなかった所為で、かなり連呼してしまった。自惚れでなければ心なしか長義が甘い気がする。

(これは……逃げよう!!)

夜決行しようにも同じベッドに長義がいる。気づかれるだろう。逃げるなら今だ。

教えてくれた侍女に手刀を食らわせ、打刀の偵察力と隠蔽力を最大限に発揮して抜け出した。





中O(:3 )~_(:3」∠ )_略




「まったく、油断も隙もない」

再びまんばは捕まった。前回といい今回といい前触れなく長義が現れる。なぜ逃げたことがわかったのか。
「今回は靴履いてたんだから下ろしてくれ」
「逃げるだろ、だめだ」
図星なのでむぅと黙る。
「最近は大人しくしてたのに何故逃げた」
訳を話す。
「はぁ!?お前は馬鹿か!」
「バカとはなんだ!」
「俺が無体を働くような男に見えるのか!」
「だってずっと半身が欲しかったんだろ!すごく探したって!」
「そうだ!長年焦がれて、ようやく得た大事な半身を、わざわざ傷つけるなんてするわけないだろ!!」

カァァァァと赤くなる。

大事な、とか言った。何恥ずかしいことサラッと言ってるのか。

「お前が望まないなら、このままで構わない。いないかもしれないと不安に苛まれてきたんだ、今お前が側にいるのは僥倖なんだよ。お前が嫌だと言うなら契らない」
「え、うう……
まんばは気遣われたとわかりつつも、長義の伴侶なんて、到底受け入れられないから押し黙る。

というか、抵抗があるのはどちらかというと長義自身よりも、契る行為。女性の体ということ自体恥ずかしいのに、そんな行為を考えただけで爆発する。

「そ、そんなの、一生、来ないかもしれないぞ!」
「いいよ」
「お前のこと好きになるかなんてわからないんだからな!」
「構わない」
「俺は写しだから、俺が隣になんかいたら後悔するからな!」
「しないよ」

長義はまんばの頭を撫でる。

「だからこの世界にいる時だけはそばにいてほしい」













その後、なんだかんだ長義くんに惹かれていき、まんばは恋を自覚する。でも今更そんなこと言えなくて、しかも言ったら「セッOK♥」ということと同義語になってしまう。

恥ずかしくて恥ずかしくて、ぐだぐだ悩んでいたら、なんやかんやあって(魔法の言葉)まんばは大怪我を負う。

元の世界なら手入れで治るのに、この世界では人間の身体になってしまっているらしく、手当てじゃないと治らない。

しかし唯一助ける手立てがあって、それが半身が半分怪我を受け負う&霊力補給なんだけど長義くんとまんばは契ってないのでその方法は使えない。

だから急遽まんばは抱かれることになって(怪我人)まぁでも、ちゅーしただけで少々治るから。粘膜接触で傷口止めて、セッするんだ。興奮して無理させちゃいけないと思いつつ、だけど止まらなくて、傷移し替えて、一命取り留めて、めでたしめでたし………






■どうでもいい設定
・漢服イメージです。(まんばに知識がないため『着物』と表記)
異世界なのでアジアではありませんが、イメージというだけ。
・現パロ書くときは「ながよし」くん呼びなんですが、今回はアジアンテイストなので「チョウギ」くんですね。
・つがいも良いけど、半身呼びも良くないですか???(*'ω'*)
たびたび「どうせ俺はハンシンだからな……」って言うの可愛くないですか??
その後長義くんが「っだぁぁぁぁ!もう!!」って切れてまんばを甘やかすやつ。
伴侶は大事にするもの、という世界観なので、まんばが卑屈を言うたびに「あんたの伴侶なのに可愛がってくれないのか?」「世間一般では伴侶の気持ちを汲むのが当然なのに、あんたはそんな仕打ちをするのか?」っていう嫌味になってる。


この世界観では神様が相手を決めるため、契る相手へ恋愛感情は不要。

ただし契ることで相手がより近くになるため、相手の感情に影響されやすい。だから悲しい想いをさせたら、自分もなんだか悲しい気持ちに引っ張られるし、つらいことをさせたら自分もつらくなる。

だからお互い気遣いができるため、相思相愛なことが多い。

長義は契りたくないわけないけど、まんばが嫌がるなら傷つけたくないし、だけど抱きたい〜!ってなってる。

ちなみに気配を常に感じるため、まんばが逃げ出したとわかったのもそれのお陰。