木蔦(キヅタ)
2021-06-13 12:56:55
866文字
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水に溶けたいまんばの話【ちょぎくに】


ちょぎくに

雨なので雨のお祈り。
雰囲気小説ならぬ雰囲気お祈り(オチもないけど上手く感じ取って)

長義は外をぼんやり見てると白い布が見える。それはまんばだった。
傘も刺さずに雨に降られてる。何をしているのか。

傘を持ってきてまんばに近づく。

「偽物くん」

まんばは自分の世界に入り込んでいたようで、声をかけるまで気づかなかった。長義の方を向く。

顔も服もびしょ濡れ。それでも何でもないような顔をしている。

「ほんか?」

水がまんばに馴染んでる。心地良さそう。とろりとした目。
まるで雨に溶けてなくなりそう。

「風邪ひくだろ」

傘に入れてあげる。まんばからぽたぽたと雫が落ちている。

雫が頬を、顎を、首筋を、伝う。
体が冷えてるだろうに、苦痛の表情はない。

「何してるんだ、こんな雨に」
「雨だからだ」
「雨だから?」
「こうしてると心地いいんだ」

まんばが目を閉じる。雨の感覚に浸っている。
長義はまんばが雨に溶けて消えてしまうような錯覚を受ける。

(溶けるなら、雨じゃなくて、俺の中に溶ければいいのに……

金属が溶け合って、混じって、境目がわからなくなれば、すべてを手に入れられるのにと思う。

濡れたまんばの唇に自分のそれを落とす。

まんばはびっくりして身体を引いた。口元を覆っている。
長義も自分が何でそんなことをしたかわからない。だけど、雨から奪い返さないといけないと思った。

「熱い……

まんばはぽつりと漏らす。

「やけど、するかと思った」



おわり。

雰囲気お祈りでした……。( ˘ω˘ )

解説を入れると、これ亜種設定で、審神者の影響により初期刀が水の属性を持ってるという。だからお水大好き。
その関係で体温が低いので、長義くんの体温だと熱いって感じるんですよ。魚を触ると魚が火傷するって言うじゃないですか。

どうでもいいですけど、人魚で触れたら火傷する設定、萌え萌えの萌えですね。触れたいのに触れられない、歯痒い想い、添い遂げられない、種族違いの恋……