ちょぎくに
女装注意
※前回のお話とどっち採用にしようか迷ったお話なので、展開が似てるかもです。
※弊本丸の話ではありません。創作です。
※審神者が出てしゃべります。
長義が配属された本丸は少し変わってて、敷地内に礼拝堂がある。しかもその本丸には『マリア』と呼ばれるシスターが常駐していた。
日曜日にはみんなで礼拝堂にミサへ行き、何か悪いことをしてしまったらシスターにこっそり懺悔しに行ったり、新しい戦場に向かうときは神に無事を祈り捧げに行ったりした。
長義はその日、懺悔しに来ていた。
どうしようもないモヤモヤを抱え、数ヶ月間迷った挙句、ついに我慢できなくなり、ここに来た。
シスターは快く迎えてくれて、用意された席に着いた。目の前にはシスターが座っているが、間には柵格子のような物があり、シスターの姿は手元しか見えない。
どうぞ、と手先で促される。
「実は、君も知っているだろうが、俺には写しがいるんだ
……」
こくん、と頷いた影が映る。
「写しは、俺の号を我が物顔で使ってる傲慢なやつだと思って、配属されたら一度ガツンと言わなくてはと思っていた。だけどなかなか会えなくてね。彼はあまり戦場には出ない刀で、滅多に自分の部屋から出てこない。だからなかなか会えなかったんだ」
シスターが再び相槌を打つ。
「だけどこの前、帰城した時に
……」
薄暗くなった夕暮れの中、布を纏った青年がひたひたと縁側に出てきた。玄関口へ向かおうとしていた長義は一体誰だと目を見張る。
その時強い風が吹いて、布が取り攫われた。キラキラした金髪、夕暮れで赤く染まりつつも真っ白だとわかる肌、綺麗な翡翠の瞳。
一瞬で目を奪われた。
「その時に恋に落ちてしまったんだ
……」
ぴくりとシスターの手が動く。
「後々聞けばそれは俺の写しだと言う。あんなにも、俺の心を掴んで離さないのが、俺の写しなんて
……!ここ数ヶ月彼のことばかり考えている
……!」
気が狂いそうな気持ちが溢れ出してきて、思わず顔を手で覆う。数ヶ月前から気持ちが溢れて止まらない。
「それなのに彼は俺が憎んでいる写しだ
……!俺の偽物だ
…!それなのに、こんなに彼を想って苦しい
…!会いたい
…!」
シスターの手を縋るように握る。
「なぁ、マリア!どうしたらいい
…!?」
「あ、え、あの
……」
女性にしては随分低い声が自分の耳に届く。触れた手を見ると、透けるように真っ白な肌だが、ごつごつしている。
「その、ほ、長義、それは
…」
戸惑うような声がする。長義は真正面を向いた。格子の所為で顔はほとんど見えないが、シスターが挙動不審にキョロキョロしている。
ある推測が頭をよぎる。ハッとして、長義は向こう側へ回り込んだ。
向こうには修道服に身を包んだマリアが座っている。頭にはウィンプルというベール状の布をかぶっている。
「マリア、失礼するよ」
「まっ
……!」
制止する声も聞かずに取り払うと、そこには真っ赤に顔を染めた金髪の青年がいた。
「お前だったんだな
…」
恥ずかしそうにマリア
――、いや国広が顔を伏せる。
その恥じらう様子に満更でもない空気を感じ取り、にこっと微笑んだ。
「国広、お前のことが、好きなんだ」
それから長義は足しげく礼拝堂に通うようになった。
「また、来たのか
…」
シスターが迎えてくれる。
「
……会いたかった」
長義はそう言ってぎゅっと抱きしめる。頭のウィンプルを取り去り、頬に手を這わす。
まんばが困ったように目を逸らした。
それを気にせず、ちゅっと頬や額にキスを落とす。
「や、やめてくれ
…」
軽くまんばは長義の胸を押し返す。しかし本気で嫌がってはいない。もし嫌なら全力で逃げ出したり、殴る蹴るの抵抗を見せるだろう。いくら練度が低くても刀剣男士なのだから、大人しくしているわけない。
「なんで?」
「俺は、あんたの気持ちには、応えられないから」
「お前も俺が好き、だろう?」
「な、なんでそんなに自信満々なんだ!俺は好きだなんて一言も
……!」
「違うの?」
じっと見つめると、まんばは困ったような瞳で見上げてきて、そして俯く。
「
…だ」
「なに?」
「
………っすき、だ
…」
そう一言絞り出すように言う。望んだ答えが返ってきて長義は満足げににっこり。
「じゃあ俺達は恋仲だね」
唇に落とそうとした口はまんばによって手で塞がれる。
「だ、だめだ
…!」
「
……、どうして」
「神様の、前だ
……」
ちらりとまんばが後ろを見る。そこには像が立っている。
神と呼ばれている人間を象った像。
「でも人は結婚したらここで愛を誓って、キスをするだろう」
「結婚したらな!」
「それなら愛を誓えばいいの?」
「違う、認められないからだ」
「認められない?」
「どんなに好きでも、あんたと恋仲になることはできない」
「なんで?」
「俺が、神に身を捧げているからだ
…!」
まんばは修道女。なんとなく言いたいことはわかった。しかし納得はできない。
「辞めれないの?」
「辞めるなど、できない」
「どうしても?」
「どうしても」
「俺と神様、どっちを取るの
…?」
まんばは困った顔をして、目を逸らす。
「そんなの、決まってるだろ
…っ、神に叛くのはできない」
まんばの胸に手を当てる。
「本当?」
「
…!」
「こんなにも、ドキドキしてる」
「そ、それはあんたが
…!」
まんばのウィンプルを像に被せる。
「ほら、見てないよ。大丈夫」
「そ、そんな屁理屈
…!」
長義がまんばに迫る。まんばは逃げ腰なのに、突き飛ばしたりしない。
「誰も、見てないから」
「んっ
…」
唇を重ねた。
そっと離すと、まんばは顔を真っ赤に染めて俯く。批難の言葉はない。そしてちらりと長義を見た。その瞳は困惑していたが、期待の色が見え隠れしていた。
長義は気持ちが昂揚する。
「好きだよ」
「だ、だめだ
…!」
顔を上に向かせる。困ったような顔のまま。だけど長義を乞うような表情にも見える。それは思い上がりかもしれない。
「嫌なら抵抗して」
暗⁽⁽ଘ( ˊᵕˋ )ଓ⁾⁾転
一度事に及ぶと、後は止まらなくて、背徳的な行為と知りつつ、何度も何度も抱く。
まんばもそれはわかっているはずなのに、逃げることも、誰かに告げることも、抵抗する術も持たず、ただ長義の訪れを待っている。
礼拝堂など、誰が来るとも知れない。そんな場所でやるなんて頭がおかしいが、冷たく澄んだ空気、硬い床、椅子で隠れる程度の開放的な空間、静かな室内そして反響する声、それらすべてがふたりを煽る。
まんばの口からは相変わらず「ダメだ」と言う言葉しか出ない。だけど今まで一度も「いやだ」とは言わなかった。
ミサの時、まんばは穢れなんて一切ないようなそんな素振りで聖女のよう。
だけど実際は長義に抱かれ、ただただ喘ぎ、快楽を追う。その顔は妖艶で、聖女の
廉潔さなど一切感じさせない。
長義は最中のまんばを思い出し、そのギャップに打ち震える。愛おしい。
抱きたい。
神の物だと口では言っているのに、実際はすべて長義の物だ。それで天罰が落ちたとしても構わない。
ただただまんばのことが欲しかった。
今、神に叛く行為をしていようとも、紛れもなく幸せだった。
その後、長義達がしている最中に本丸の刀達に見つかってしまい、ふたりは捕まる。まんばが「自分が長義を誘った」と自白したことで、まんばは神に叛いたとされ、処分されそうになる。
長義が無理に自分が抱いた、国広は悪くない、と説明するが、誰の意思とかではなくまんばの処女喪失が罪。さらにその後も素知らぬ顔で神に仕えていたなど言語道断、と言われる。
天罰を受けるのは構わない。だけどそれがまんばに向かうのなら話は別だった。
「国広が罰を受けるなら、俺にも同等の罰を
…!」
そう主張する。いざとなればまんばを攫って逃げるつもりでいた。
泣きじゃくってる審神者が出てくる。4〜5才の幼女。
審神者は幼さからあまり本丸の運営には関わらない。代わりに近侍が取り仕切っていた。
「なんでマリアさまをころしちゃうの?」
「マリアは神様を裏切ったからです」
幼い審神者に真実を告げるなんてできなくて当たり障りのない説明をする。
「でもマリアさまもかみさまでしょ?」
「え?」
「わたし、ママにきいたの。マリアさまはかみさまをうんだって。かみさまのママはかみさまでしょ?」
うっと言葉に詰まる。
「かみさまなのに、しなせちゃうの?」
審神者の一言によってまんばの刀解はなくなり、助かった。
そしてちょぎくには幸せに暮らした。
- 完 -
お疲れ様でした!お付き合い頂きありがとうございました!
最後終わり方微妙だったけど、致し方なかった
……。2回連続でメリバは木蔦の精神がタヒぬのでハッピーエンドに無理やりしてしまった
……すまぬ
……すまぬ
………。
たぶんここは流れ的にまんばを折ってしまった方がお話としては綺麗なんだろうなとは思う。けどそんなことはできなかった
……
期待を裏切りすみません
…!
ありがとうございました〜!
どうでもいい設定
・両親の宗教の影響。両親は故人。
・審神者が最初まんばを見た時「マリアさまみたい」と言ったからマリア。
・2周年記念絵 参照。
・みんなが出陣してる真昼間に礼拝堂でセッ
…に耽る。
・まんばは初期刀。殆ど出陣経験がないためレベルは低い。
つゆりさん(@tuyuritt)が描いてくださいました!↓
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