木蔦(キヅタ)
2021-03-14 19:38:51
4845文字
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韓国風の時代劇ものの王様ちょぎと異国から嫁いできたまんばの話【ちょぎくに】


ちょぎくに
※かんこく風の時代劇もの(イメージ程度です。歴史とか詳しくないので
※女体化

長義は国の皇帝。祖父から継いだ。

一度自分でやってみないと気が済まないタチなので、世孫(=王様の孫)の頃から、そんな身分にも関わらず、戦いに出たり、街中を見て回ったりしていた。やんちゃ。

そんな時に、婚姻の話が出る。ある国から娘を嫁がせたいと。長義は女性に興味はない。
しかし祖父が勝手に了承した。その所為で女が一人、海の向こうからやってきた。

その女には宮がひとつ与えられ、婚儀を挙げるまで語学や一般教養の勉強をしていたとのこと。
驚くべきことに、彼女は自分が自国から連れてきた侍女や護衛をすべて帰してしまった。


いよいよ婚儀。彼女は自国から持ってきた衣装をと譲らなかった。そのため白く地味な衣装で取り行った。頭もすっぽりと白い布で覆って、全く顔など見えなかった。

でも構わない。長義は彼女に興味がない。通う気もないから顔など知る必要もない。

皇帝の通いがないというのは女にとってさぞ屈辱だろうと思う。しかし女の矜持など長義には関係ない。

長義はその夜、女の元へ行かなければならなかった。初めての夜。
しかし長義は護衛の目をかいくぐり、宮殿から抜け出した。


市民のような平服。

塀の上を駆け抜け、木を伝って降りる。飛び降りた時何かを下敷きにした。

それは人だった。人の上に乗っかっている。

「すまない、大丈夫か?」
「ああ、問題ない」
金髪の少年。まだ声変わりしていない。髪は短く整えている。線は細い。
少年の美しさに魅入られ、凝視する。

少年がフードを被り直す。長義が乗った拍子で落ちたらしい。
「なにか?」
「いや、失礼」
異国から来たのかもしれない。少しイントネーションがおかしい。
西洋の方は金髪碧眼の者がいると聞いたことがあるため、そちらの方の出身だろう。

彼は土地勘がないらしく、長義はどうも放って置けない。なんやかんや一緒に行動する。

「お前はなんでここに?他国だろ?」
「無理矢理連れてこられたんだ」
そのことを思い出してるのかむっとしながら言う。
「でも仕方ない、俺にも事情がある」
親の都合で無理矢理旅をさせられてる系かなと思う。
そうすると親は商人か。絹でも運んできたか?
「親は?」
「故郷だ」
「一緒に来た人は?」
「故郷に帰った」

もしや人身売買では?

「お前、帰るところは?」
……

やっぱり。逃げてきたのでは。

「いや!ちゃんと家はある!大丈夫だ!言えないだけで!」
「言えないような所に住んでるのか」
荒屋とかか?
「うちに住むか??」
「いや遠慮する!!」
全力で拒否される。
「あんたは人ひとり住まわせようとするくらいだから、結構良い身分なのか?」
「まあ、そこそこね」
「でも偉い人は木に登ったりしない。」
……
まさかこの国の皇帝とは思われてないようだ。


少年と別れ、宮殿へ。昨夜はどこにいたのか、と大王王妃(テワンテビ)に叱られる。異国から嫁いだ嫁の元へ行けと説得される。流石に祖母の言うことに逆らえず、長義はしぶしぶ嫁の元へ。

そこには頭からすっぽりボロ布を被った女がいた。

「俺はお前を抱くつもりはないから」
「それは好都合だ」

形式的に長義に礼を尽くした態度の彼女は、鼻で笑うようにそう言う。

好都合??天下の王を前にして抱かれない方がいいなんて言う女がいるなんて腹が立ったが、ぐっと抑えた。

その夜は何もせず同じベッドで背中合わせで寝た。



次の日、うっぷんを晴らすために夜、城下へ。
そこでこの前の少年と会う。
祖国では友人がいなかった、いつもひとりだったという話を聞き、こんなに美少年を放っておかないだろうと思う。
「この髪の所為で」
「髪?綺麗だと思うが」
「祖国ではこの色は珍しいんだ。ずっといじめられていた。」
「俺は、好きだけどな」
少年の髪をひと房掬い、口元に寄せる。不思議と花の香りがした。少年は身分の低い子で、髪の手入れなどしてないだろうに。


さらに次の日は嫁の元へ。
通ってないと祖母に気づかれて叱られる。
「また来たのか」
うんざりしたような声。うんざりしてるのはこっちの方だ、と言いたい。
「俺なんかを構わず、新しい側室でも迎えたらどうだ」
「俺は女などいらない、やかましくてしょうがない」
「俺も女だが」
「仕方なくだ」

彼女は黒く長い髪を垂らし、寝台に座る。
「女が嫌いか」
「ああ」
「じゃあ側室を勧められたら断るつもりか」
「まあな」
「お私なんかが嫁ぐべきではなかったな」
「いや、お前でよかったと思ってるよ。」
いろいろ物わかりが良さそうだし、合理的に話を勧めてくれる。
利害が一致しているため、抱かなくてもいい。


お互いの考えとか話していくうちに、こいつってこういうやつなんだなと理解していく。

嫁は無愛想だし、理論的だし、執着心とかなさそうだし、案外付き合いやすい。お飾りの妻としては100点満点。
同時に周りに身内がおらず、頼れる人も甘える人もいなくて可哀想に思えてくる。故郷から離れひとり。


一方では市街であった少年と打ち解けていく。少年といる間は自然体でいれて心穏やか。徐々に惹かれていく。

そして宮中では不穏な動き。
嫁に毒を盛られた。王の側室を害そうなどと一体誰が、と思う。思惑がわからないため、長義はこっそり探る。
長義は自分で動きたい派なので、自ら危険を顧みず調査する。そこで少年とばったり会う。

「お前がなぜ宮中に?」
「あんた、ここに勤めてる人だったのか。道理で偉そうだと思った」

少年は髪を黒く染め、文官の服を着てる。少年もここで働いてたのか?と思うが、少年をここで見かけたのは初めて。ここに出入りする者なら把握している。

そして少年も長義と同じことを調べていると発覚する。「主に命じられて調査している」とのこと。

妻はまだ毒の影響で臥せっている。昨夜長義が訪ねたが、顔も見れなかった。(いや元々隠してるが)

もしや少年の主は側室なのか?と思う。少年は言葉が拙い。祖国から無理矢理連れてこられたと言っていた。

側室は連れてきた侍女をすべて帰した。しかしひとりくらい残している可能性もある。そしてそれが男性ならば、情人ということもあり得る。

長義は少年のことが好きになりかけてたので(無自覚)その考えにもやぁとする。

いろいろ調査して、犯人とか目的が分かり、長義がその人を流刑にする。

嫁はまだ調子が悪いと言うので、通わなくていい。もし情人を無理矢理連れてきたのが本当なら顔を合わせづらい。王に対し不敬。それにもやもや。
会わなくていいと気楽に思うが、少し寂しいなとも思う。

城下へ。少年に会いに。

そこで少年への恋を自覚し、すぐさま告白。しかし素っ気なく振られてしまう。

理由を尋ねるが、そんなことは許されないの一点張り。そんなことない。長義はこの国の王だから、我儘を通すことはできる。愛人として召し上げることも可能。

テワンテビ様に怒られそうだがそれは説得するつもり。祖母は自分のおねだりに弱いのは知ってる。

どんなに説得しようとも少年は「無理だ」「あんたじゃどうにもできない」と拒否する。

「俺のことが嫌いだろうか?」
と迫ってみると意外にももごもごとハッキリしない言葉が返ってきた。

これは脈がある。

ぐいぐい行くと、ついに少年が言った。

「俺は!既に伴侶がいるんだ!」

ショックを受けるがすぐに妻のことだと気づく。妻の情人だから、伴侶などと言ってるに違いない。
ライバルは妻。


「それでも構わない。俺を受け入れて欲しい」
「無理だ!俺は不貞を働きたくない!」

少年に逃げられてしまう。

振られてしまった。でも何度でも言い寄ればいい。簡単に諦めたりしない


妻の元へ。

毒の影響で臥せっていると言うが、様子を伺うくらいしたい。頼る者もいない中、毒を盛られたことで不安になってるだろう。

あと情人を譲ってもらうよう説得したい。

寝室に招かれると、妻が横たわってる。

「調子はどうだ?」
「いや、その、だいぶ、良くなった……
「そうか」

起き上がるので、寝たままでいいと伝える。寝てても布は付けてる。

「えーっと、街で、金髪の少年を見かけたんだが……
「え?金髪の?」

明らかに声が動揺する。やはり情人。

「お前の宮に入っていくのが見えた。お前の関係者だろうか?祖国から連れてきた者はすべて帰したと聞いているが」
妻はぎゅっと手を握る。
「いや、し、知らない」
声が震えてる。そこまでの態度を見せられたら肯定してるのと同じ。
「その者から直接のお前と通じていると聞いたが」
「な、そんなこと言ってな……!う、嘘をつくな!俺は別に間者を雇ったりしてないぞ!?あんたを害すつもりはない!」
「お前は俺をころそうなんて考えてるとは思ってないよ」
「へ?」
「その少年はお前の情人だろ」
「はぁぁぁ??」
「だからそうやって隠す、庇い立てする」
「違う!」
妻が飽くまで隠そうとする。イライラ。ここまで話したら少年をどこか遠くへ一時的に隠すかもしれない。今ケリを付けなければ。

「いいからあの子を出せ!」
「アレは間者でも情人でもない!それならいいだろ!」
「やはりいるんだなここに!ここを探させてもらうぞ!」
長義は部下に命じ、妻の宮を捜索させようと思う。

「ま、待て!」

妻が長義を止めようと立ち上がり、手を引いた。途端つんのめり、体が傾く。咄嗟に長義が受け止めた。妻がつけていた布が外れ、顔が露わになる。

初めて顔を見た。

顔は整っていて、肌は真っ白。瞬きで扇げるのではというほど長い。言ってしまえば儚げ美人。
そしてとても少年に似ている。

そうか、少年は彼女の身内だったのかと気づく。

「あっ、ぬ、布……!」
頭に布がないことに妻は慌てる。そして長義を見て目を見開いた。

「あ、あんた、どうして……!」
まじまじと長義の顔を見てる。
「なんであんたがここに!?ひゃっ」

長義の顔をよく見ようとしたのか、顔を近づけようとすると、かくんと後ろに引っ張られた。
髪が何かに絡まってしまったようだ。そして、長い黒髪から、キラキラと光る金髪が現れる。

「あっ!」
「あ!?」

二人して固まる。

白い寝間を着てはいるが、まさに街であった少年そのもの。

「お前は!お前がそうだったのか……!」
「や、虚偽で罰しないでくれ!命だけは助けてほしい!そんなつもりはなかったんだ!あんたに求婚されても断るしかなかったんだ!」

ああなるほど、と納得する。この国の王の側室なら、他の男からの求婚は断るしかない。王に敵うものはいない。
だから既婚などと言ったし、頑なに理由は言わなかった。

そして頼れる者もいないため、毒を盛った犯人は自ら調査していた。変装までして。

長義はすぐにここまで答えに辿り着いた。しかし彼女はまだ「罰として平民に下ろしてくれて構わない」「祖国には言わないでくれ」「頼む、俺の家族が罰せられてしまう」などと命乞いしてる。

「いや、お前がそうなら好都合だ」
「こ、好都合?脅しても何も出ないぞ?」
「俺はお前のありのままに惚れた。街で会ったお前にどんどん惹かれたし、女など姦しい、うざったいと思っていたが、側室としてのお前のその性格は好ましいと思っていた」
つまり?」

「俺のそばにいろ、名実共に俺のものになれ。それでこの件は不問に処す」


ちょぎくにハッピーエンド!
お疲れ様でした!途中挫折などありましたが、ここまでお読み頂きありがとうございました!