木蔦(キヅタ)
2020-12-27 10:07:01
5503文字
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お狐様の長義くんと昔嫁になると約束したまんばの話【ちょぎくに】


ちょぎくに
現パロ


今日はまんばの誕生日。兄弟がケーキを焼いてくれて、まんばの好きなものばかりの夕食の予定。

まんばは少しばかり浮かれながら家に帰る。制服から着替えて、そわそわ。

するとピンポーンとインターホンが鳴る。

次男は買い物に出てるし、両親と長男はまだ仕事。まんばが出ることに。

開けると知らない男の人。近所の人ではなさそう。家族の誰かの知り合いかと思う。

「国広、迎えに来たよ」

( °ω° )???

まんばの名前を呼んだ。心当たりがない。
迎えって、どこかに行く用事でもあったか?と思う。

「ど、どなた様……?」
「未来の夫の顔を忘れたのか?」
「夫!?」

夫ってなんだ、自分も男なんだが!?まんばは慌てる。
良く見ると男の頭にはケモ耳が生えてる。某夢の国のカチューシャ

「お前が言ったんだよ、大きくなったらお嫁さんにしてって」
「は!?」
「だからこうして迎えにきてあげたんじゃないか」
「いやいや!記憶にない!それに『大きくなったら』って
もしかして小さい頃の約束か!?こ、子どもの言う事、真に受けるなんて
「なに?」
鋭い視線が飛ぶ。
「お前は俺に嘘を吐いたの?する気もないのに軽々と嫁になりたいって言ったわけ?」
「え、いや、そういうわけではない(と思う)が!」
「約束を違えるなら命を持って償え」
「待て」
重い。重すぎる。
そんな約束をした記憶はないが、したにしろ、してないにしろ、それとなくお断りすべきだ。
「昔の約束を今更蒸し返されても。俺の夫だというなら常にそばにいて、楽しいことも悲しいことも分かち合うべきだろ。こんなに長い間放っておいて今更なんだ」

まんばは思った。我ながらすごい言い分だ。よくわからんが、ここまで堂々としてたら相手も怯むだろ。

まんばは謎の大きな態度で相手に言い放った。男には効いたようで、おろおろし始めた。

「た、確かにお前を長い間放っておいたままだった。すまない」
「だからあんたとは結婚できない」
…………わかった」

ケモ耳コスプレ男はすんなり帰った。よくわからないが、引き下がって頂けてホッとした。

まんばは部屋に戻る。先程の男のことを考えていた。見覚えなどないから新手の詐欺かもしれない。

しばらくすると階下から「兄弟〜!ご飯だよー!」という声が聞こえた。

待ちに待ったご馳走とケーキ!まんばはウキウキ台所へ向かう。

そこにいたのは帰宅した家族、

そして先程の男が座っていた。

「はぁ??」
「兄弟には話してなかったね。今日から従兄弟の長義くんがうちに下宿することになったから」
「い、いとこ!?」
「いやぁ、久しぶりであるな!」

まんばたちには従兄弟などいない。両親は共に一人っ子。

「う、嘘だ!何か騙されてる!従兄弟なんていないだろ!」
「兄弟どうしたの?長義くんと喧嘩でもした?」
「兄弟!違う!俺は本当に!」
「大昔にふたりで遊んでいただろう?忘れちゃったのか?」
「昔はあんなに仲良しだったのに」

みんなが何を言ってるのかわからない。昔のことを忘れていたとしても、従兄弟がいないのは事実だ。

「国広、これからよろしくね」







夕食後、部屋で先程あったことを考えていた。みんながおかしくなった。

すると長義が部屋に訪ねてくる。

「お、お前、どういうつもりだ!」
「どういうって……嫁を長い間寂しい思いをさせたから、これからはそばにいようと思ったんだけど」

ちがう!そうじゃない!
まんばは拒否したくてそう言っただけで、そばにいて欲しいとかではない。

「兄弟達に何をしたんだ!」
「ちょっと記憶を改竄しただけだよ」

こわっ

いつのまにか長義の頭にケモ耳が生えてる。夕食時はなかった。

「これからはずっとそばにいてあげるからね」














次の日



「こわっ」
まんばは学校で親友の加州に話す。すべて聞き終えた後加州が言った。

まんばはその日長義と一緒に登校した。(学校にも通うから案内してとついてきた。)長義は見目がいいので学校中大騒ぎ。今も女子に囲まれてキャィキャイ言われてる。(同じ学年で同じクラスだった)
ちなみにケモ耳はない。

「それ人間じゃないってこと?」
「たぶん。狐みたいな耳だった」
「でもさ、まんばの言うことが本当だとしたらやばくない??」
「なんでだ?」
「だって動物系の霊とか神とかって、執着がすごいよ。そんなのに目つけられたら
「何話してるの?」

長義がいつのまにか背後にいた。気配を感じなかった。

「え、いや、その」
「その子誰?国広とどう言う関係?」

瞳孔が絞られて目が鋭くなる。隣で加州がびくっと肩を揺らした。

「親友の加州だ」
「うん、そっか、親友ね。国広に友達も必要だもんね。でも余計なことしたらただじゃすまないよ?」

最後のは脅しで、加州がびくびくしてる。
長義は脅しが伝わったとわかるとニコニコして自分の席に戻る。また女子からチヤホヤ

「まんば、アレやばいって……

加州がぼそっと言う。







なんやかんやある。

なんや=͟͟͞͞( °ω° 三 °ω°=͟͟͞͞)かんや







長義がまんばに何かしたらしく、それ以降、人ではないものに襲われることが多くなる。長義曰く、神の伴侶だから魅惑的な甘い香りが漂ってる上に、抵抗力もないため変な輩に狙われるんだとか。

「伴侶になる気はない!」と主張するも、聞いてもらえない。っていうか神??こいつ神なの?となる。

まんばがピンチの時も寸前のところで長義が現れ、助けてくれる。

どきっとときめくも、「いやいや、こいつのせいで狙われてるんだし!」と思い直す。

長義はクラスメイトがまんばに話しかけると不機嫌になるくらい嫉妬深いが、その他は上手く人に化け、とけ込んでいる。勉強もよくできるし、人当たりもいい。

こんなに完璧なのに、まんばに惚れ込んでて、甘々。常にまんばと一緒にいたがる。同じ家なので、登下校は一緒。まんばが遅くなると待ってる。




ある日まんばは思い出す。
幼い頃まんばが懐いていた『お兄ちゃん』の存在があった。

その頃まんばは友達がおらず、いつも一人だった。そんな時に『お兄ちゃん』と出会う。

会うのはいつも神社。まんばが行くといつもいた。

ある日まんばが言う。
「くに、お兄ちゃんとずっと一緒がいい」
まんばは優しい『お兄ちゃん』が大好きだった。心地よかった。だからそんな言葉が思わず出た。
「うーん、じゃあ俺に嫁ぐ?」
「とつぐ……?」
「嫁げば一緒にいられるよ」
「くにとつぐ!」
「じゃあ大きくなったら迎えに行くね」
「え!今とつげないの?」
「今はまだ俺と外見が釣り合わないから無理かなぁ。ほらいろいろと、ね」
「くに、はやくおおきくなる!」
「うんうん、楽しみにしてるね」

その後まんばが小学校にあがると、自由にできる時間も減り、友達もでき、神社に行くことはなくなっていった。
そしてまんばは完全に『お兄ちゃん』の存在を忘れていた。

その『お兄ちゃん』の姿が長義とだぶる。

(〜〜!俺のバカバカ、なんでそんなこと忘れてたんだ!)

あの時はただ一緒にいられるのが嬉しかった。両親は働きに出てるし、兄弟も学校があって、日中まんばは一人だった。

まんばの中で長義がすべてだった。
「国広?顔が赤いけどどうかした?」
「べ、別に何でもない」
「何でもないなんて、放って置けないだろ?風邪だったらどうするんだ。お前は俺の嫁なんだから」
「い、いちいち嫁とか言うのやめろ!」
「本当のことだろ?」
「俺は嫁になる気は

まんばは目を逸らす。今までは「ない!」と言い切れたのに、なんだか言えない。幼い頃の気持ちと、今芽生え始めてる微かな情が邪魔をする。

まんばは長義と一緒にいてもいいと思い始めてる自分に気づく。そして頭を抱える。

「国広?」

長義はいつの間にかまんばに覆い被さるように迫ってきてて、まんばはびっくりする。
「そんなかわいい顔してると襲っちゃうよ?」
「そ、そんな顔ってどんな顔だ!」
「物欲しげな顔。恋してる顔」
「こ、こいって」
「うちには縁結び祈願で来る人間もいるからそういう顔はよく見る」

長義の顔が近い。少し動けば触れてしまうほど。

「国広の恋の相手はもちろん俺だよね?」


その日からなんだか長義が前にも増してぐいぐい来るようになる。事あるごとに押し倒して来るし、二人きりになると早く嫁にしたいとか、連れ去りたいとか言ってくる。困る。とても困る。まんば自身嫌ではないから困る。

まんばは長義に徐々に惹かれていて、だけど神様だから、とか、家族を捨てて長義の嫁になんかなれない、とか思っている。

でも長義はことあるごとに嫁だからと言うし、まんばに話しかけてきたクラスメイトにはマウント取ったりする。

まんばはやめてくれと言いつつ、ちょっとこそばゆい気持ち。



どうでもいいことだけど、長義くんの友達で招き猫の神様いると思うんだ……

「やぁ、化け猫くん」
「誰が化け猫だ!にゃ!!」

って一幕があると思う。


そしてまたなんやかんやある。

なんや=͟͟͞͞( °ω° 三 °ω°=͟͟͞͞)かんや




まんばを食うために狙ってきた敵をいつものように倒そうとして、長義は大怪我を負う。霊力も低下してて寝込んでる。
ケモ耳も隠せないほど。(家族にはなんとかまんばが誤魔化した。天然ばかりだったので納得してくれた。)

まんばは長義に早く良くなってもらいたい一心で、長義の神社に向かう。
そこで異形のものに捕まってしまう。

ヘドロのような身体、ギョロついた目、まんばの身体に絡みついた触手。

そこから舌のようなものが伸びてきてまんばの頬を舐める。

「ァマクテ、イイ、ニおぃダァ!」
まんばはぞっとする。

「喰イたい!喰いタい!」

長義に助けを求めようとするが、長義の怪我を思い出す。到底助けに来れそうにない。この場は自分で何とか切り抜けなくては!とまんばは思う。

しかしただの人間であるまんばには敵わなくて、ŧ‹"(๑´ㅂ`๑)ŧ‹"されそうになる。

そこに寝込んでるはずの長義が現れ、危機一髪でまんばを助ける。
まんばの手足に絡みついている触手を焼き、まんばは自由に。

「長義、どうして……
「嫁のピンチに駆けつけるのは当たり前だよ」
「でも怪我してるのに!」
「こんなの、何でもない」

だけどフラフラしてる。やっぱり無理して来た。

「長義!そんな身体じゃ無理だ!」
「でも、俺がやらないと
「俺じゃ……ダメだろうか?」

長義は元々霊体だし、まんばの身体には長義の霊力がたくさんある。(嫁になる準備として少しずつ力を分け与えていた。)だから長義の足りない霊力を補うことができる。

長義がまんばの身体に乗り移り、敵を倒して終了。
ほっと一息つく。

しかし長義が霊力を根こそぎまんばから奪ったせいでまんばは倒れてしまう。



まんばは目が覚める。頭がくらくらする。貧血みたいな感じ。

暗い。板張りの床に布団を敷いて、その上で寝かされていた。

長義が心配そうに覗き込んでる。

「もういいのか?」
「お前のを奪ってしまったから、だいぶいいよ」
「そうか、良かった」
見る限りは不調そうなところはないので、ホッとする。
「嫁のピンチを助けに来たのに、助けられるなんてな」
長義が自嘲する。
「そんなことない!あんたはちゃんと守ってくれた!そ、それに、夫婦は、助け合うものだろ……
「国広……

今までまんばは長義に惹かれつつも、想いを返すことはなかった。明確な言葉も態度もなかった。
まんばは初めて自分が妻であることを認めた発言をした。長義はそのことに感極まって抱きしめる。

「国広……っ」
「わっ……!」
まんばはずっと拒否し続けていたから、長義が嬉しそう。おずおずと手を回す。ちゅっちゅっと長義がまんばの顔にキスをし始める。

「お前を、本当のお嫁さんにしていいかな」

長義の言葉を正確に理解して、ボッと顔が赤くなる。まんばは目を彷徨わせた後、こくりと頷いた。



暗転



まんばは長義の正式な伴侶になることで力を得て、他の輩から狙われなくなった。(美味しそうな匂いも長義のマーキングによってなくなった)そして家族の元を離れ、長義の所へ嫁いで幸せになった。

おしまい!お疲れ様でした!お読みいただきありがとうございました!



■どうでもいい設定
・連載向きって感じの話。敵と戦って徐々に絆を深めていったり、恋のライバル出現してギリギリしたりする話があるはず。
・お狐様が書きたくて1~2年くらい温めていた。
・まんばは卒業後に嫁いでます。
・実家へは時々帰る感じの関係。(縁を切ったわけではない)
・書いてみたら狐って設定じゃなくてもよかったのでは??と思う木蔦氏
・にゃんくんはお金を招く系じゃなくて福を招く系の招き猫。
・戦闘シーンいらんかなって中略しました。すまん。(書きたい所そこじゃないしね)
・この話は昔なかよしで連載してた某漫画をベースにしてる。(だけど設定掛け離れすぎてるけど。)