木蔦(キヅタ)
2020-12-12 14:58:58
1857文字
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ブラック本丸の監査に来たんじゃないかと疑ってる審神者の話【ちょぎくに】


ちょぎくに
※審神者が出てしゃべります。

そこの審神者、ちょっと思い込みが激しくて、監査官として来た長義を政府が差し向けた間者とか覆面視察官だと思ってる。だから本丸に配属されることになって、大慌て。

特に後ろめたいことはないんだけど、政府に何チクられるかわからん!って思った審神者は長義を歓迎する。
特別待遇で日当たりが良く、広い部屋へ。
「主は刀にこんなに広い部屋を?敷地から言うと、こんなに一つの部屋が広いと部屋数少ないんじゃない?」
「いや!増築するから大丈夫です!ほらうちブラック本丸とかじゃないからさ!」
「部屋が小さいからと言ってブラック本丸なわけではないと思うけど??」
「え!いやそうですね!」

まんばとは仲が悪いと聞いた。まんばを優遇していると、機嫌が悪くなるかもしれない。出陣・遠征・内番からまんばを外す。
「主、どうして?俺は何か失態をしてしまったか?」
「ごめん、お前の本歌が顕現したんだ!いずれ戻すから、今は大人しくしていてほしい」


審神者はネットで検索する。
ある掲示板によると、本歌が写しを嫌うのは、写しが本丸内で優遇されている場合に限るらしく、本歌が先に顕現している場合はあまり不仲ではないことがわかった。
さすがに顕現順を変えることはできないので、まんばを冷遇することはできる。そうすれば長義も納得するはずだ。

「お前は写しなんだから身を弁えろ!」

長義の前でわざとまんばを叱る。まんばがびくっと怯えた。
これで長義にはまんばを優遇してないと印象づいたはずだ。

また掲示板で検索する。

本歌と写しは身体の相性がいいらしいと言う記述を見つける。
審神者はまんばに言う。

「夜、長義のところへ行って!」
「それで?」
「だから機嫌取りに、ほら、」
「???機嫌を取ればいいのか?」
「あと長義のことは『本歌様』って呼んで」
「わかった」

まんばは夜、長義の部屋に向かったようだった。

数日後、政府から使者が訪れる。

「ここがブラック本丸ではないかと嫌疑が掛けられている。」
「ええ!?」
「通報したのは俺だ」
長義が現れる。
「え!?なんで!?」
長義に対し、それらしい様子を見せた覚えはない。逆に良いところを見せたつもりだ。

「俺の写しを蔑ろにしていたな」
「え!?あ、あれは、国広を贔屓しないっていう
「出陣、遠征、内番のすべてから遠ざけたそうじゃないか」
「そ、それは……
「本歌が顕現したから写しはいらないって言ったと聞いたぞ」
「そんなこと言ってないよ!?」
まんばが暗い顔をして現れる。
「く、国広!証言してほしい!そんなこと言ってないよな!?」
まんばは泣きそうな顔で審神者を見た後、たたたっと長義の方に駆けて行き、しがみ付く。そんなまんばを長義は優しげな瞳で見て撫でる。
「他でもない国広が俺に話してくれた」
「そ、そんな!?本当に俺言ってない!」

審神者は数日前の言葉を思い出す。

『主、どうして?俺は何か失態をしてしまったか?』
『ごめん、お前の本歌が顕現したんだ!いずれ戻すから、今は大人しくしていてほしい』

あれは『失態をしたかどうかなんて関係ない、本歌が来たからお前は用済みになった』とも取れる。
審神者はサァと青くなった。

「しかも俺の写しに夜伽を申し付けたな?」
「そ、それは」
「国広は理解してなかったようだけど、何を言われたか詳しく聞いてわかった。今までこんな事をしてたのかな」
「ち、違う!誤解だよ!」
「何が誤解なんだ!言ってみろ!」
「っていうか、長義は国広のこと嫌いなんじゃないの!?なんでそんなに肩持つの!?」
「え!?長義、俺のこと嫌いなのか!?」
「嫌いなわけないだろ?写しを嫌う本歌などいない」
「長義……
本歌と写しが意味ありげに見つめ合う。なんだこの空気は。
「なんで!?聞いてた話と違う!!」
「何を聞いたのかな?」
「他の本丸では長義が写しを疎んで、蔑ろにするって……
「他所は他所、うちはうち」
「そんなどっかのかーちゃんみたいなこと!」
「俺は国広のことを愛おしく思っているよ」
「えっ!?な、長義!?」
ボッと国広の頬が赤く染まる。
なにこれー!!と審神者は思った。
「お、俺も、あんたのことが、好きだ……
「俺の恋刀を蔑ろにしたな?覚悟しろ」

~政府に事情を説明し、なんとかわかってもらいました~

ちょぎくにハッピーエンド!ありがとうございました!!