木蔦(キヅタ)
2020-10-21 00:45:54
2854文字
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謎の人物チョウギと共に配偶者であるまんばが失踪してしまう話【ちょぎくに】※現パロ※いろいろ注意


ちょぎくに
※現パロ
※まんばが誰かと結婚してます
※メリバかもしれない
※タヒネタと言えばタヒネタなのかもしれない
※まんばの配偶者視点

最近まんばがぼんやりすることが多くなった。疲れているのかと聞いても、何でもないの一点張り。
たまにまんばが虚空に向かって「チョウギ」と呟く。
『チョウギ』が何なのかはわからない。誰かに呼びかけているような感じがしたが、人の名前にしてはおかしい。

まんばとは結婚してから上手くやっていたつもりだった。まんばを大事にしていたし、まんばも一歩引いた所があるが、特に喧嘩もせずに過ごしていた。

だからまんばがいなくなるなんて思いもしなかった。

家に帰ると、真っ暗。まんばを探すが、部屋のどこにもいない。
家出?誘拐?事件に巻き込まれた?いろいろな憶測が頭に飛び交う。

一日待って、帰ってこないことを確認するとすぐに警察に連絡した。

車は家にあった。
だから自発的にいなくなったのであれば、そう遠くには行ってないだろうという見解だった。

まんばの様子がおかしかったことを話すと、家出の線で洗ってみようと言っていた。

しかし市内を捜索してもらったが、まんばは見つからなかった。

数日後、まんばの交通系IDカードが県外で使われたことがわかった。随分遠くまで行っていたらしい。

恐らくわざと車を使わず、バスなどを乗り継いで駅まで行ったようだ。

昨日、A駅でICカードが使われていた。

自分は警察と共にそこに向かう。駅と協力してそのICが使われた時に特定できるようにしてもらった。

しかしそれを使っていたのは別人だった。駅で拾ったとのこと。
よく考えてみたら、まんばがそこに行くまでにICカードを使ってないのはおかしい。バスにも使えるはずなのに、わざわざ現金(もしくは無記名のICカード)で払うのは不可解な行動だ。
記名式のICカードは追跡できる。それを逆手にとってわざと落とし、誰かに使わせたんじゃないかという推測。

その場合まんばが捜査を錯乱させようとしているように感じる。もしくは誘拐なのかもしれない。まんばの息の根を止めた上で、まんばの荷物を奪い、簡単に追っ手がこないように

ぞっとした。

もしかしたらもういないのかもしれない。

こんなにもまんばを大切に想ってるのに、もっと態度で示してやればよかった。言葉で伝えればよかった。後悔する。

しかし誘拐の線はすぐに否定された。地元の駅の監視カメラを確認するとまんばが映っていた。さらに降りた駅もわかったが、服を変え帽子で顔を隠すという徹底ぶりだった。

このことから、まんばは自ら失踪したこと、追ってきて欲しくないことがわかった。

理由がわからない。なぜこんなことをするのか。

聞き込みから、降りた駅でどこへ向かったのかわかった。そこは自殺の名所だった。
今までのことを振り返るが、まんばの笑顔は滅多に見たことがない。もしかしたら辛い思いをさせてたのかもしれない。それでそんなことを?と思う。

慌てて、自分もそこへ向かう。生きててほしいとはやる気持ちを抑え、ドキドキしながら辿り着いた。

彼はまだ生きていた。本当に寸前のところで止めた。

「は、離せ!俺はチョウギと行くんだ!あいつが、寂しがってるから!俺がいないと、チョウギは、チョウギは!」
「チョウギって誰なんだ!」
「チョウギは俺の恋刀だ!今もすぐそばに

まんばが目をやるが、そこには誰もいない。

何か幽霊的なものが見えてるのかもしれない。

「何言ってるんだ、国広!誰もいないだろ!」
「そ、そこにいるんだ、チョウギが!俺がそばにいないと寂しがる!チョウギと一緒のところへ逝かせてくれ!」

悲しくて、まんばをぎゅっと抱きしめる。

まんばは何かに取り憑かれているのか、逝きたい逝きたいの一点張り。
自分を置いて他の者のところへいこうというのか。

「お前に先立たれたら、俺はどうすればいいんだ、お前のことが、大切なんだ」
「え
「頼むから、俺を置いていかないでくれ……
「なが、よし……?」

自然と涙が出てくる。そんなことを彼に言わせるなんて、自分が不甲斐ない。
まんばが不思議そうにそっと長義の涙に触れる。くしゃっと顔を歪めた。

「泣くな」

まんばがしがみ付いてくる。
まんばは温かい。まだ生きてる。間に合ってよかった。

ぎゅうぎゅうと抱きしめるが、まんばが弾かれたように顔を上げた。

「チョウギ、待ってくれ!あんたをひとりにしたくない!」
抱きしめていた長義を押し除け、虚空に向かって叫ぶ。
「く、国広!」
「チョウギ、俺も一緒に行くと約束した!なのに!!」

まんばを押さえつけようとするが、まんばは逃れようともがく。

「そんな、俺も連れてって、くれないのか?」
まんばがポロポロと涙を零す。
「チョウギ……

長義はまんばの見つめる先を見る。
誰もいないはずなのに、男の姿が浮かび上がる。

振り返り、悲しい笑みでまんばを愛おしそうに見つめていた。
『どうか、幸せに』

そしてそれはスゥと消えて行った。

「チョウギ……

そう呟くとまんばは気を失う。長義は慌てた。一緒にいた警察(めっちゃ空気だった)と共に、急いで病院へ。

目が覚めたまんばはここ数日の記憶を失っていた。チョウギが誰なのかも、どうやって過ごしたのかも、まったくわからないという。


長義は思う。
『チョウギ』は自分を待っていたんじゃないか、と。

あの時のまんばとの会話から、恐らくチョウギとまんばは恋人同士だった。そして、チョウギはまんばをあの世へ連れて行こうとした。まんばもそのつもりだった。

もしそれならば数日間失踪する必要はない。すぐに連れて行けばいい。
たっぷり時間はあったのに、ギリギリ間に合ったタイミングの良さ。謀ったとしか思えない。

あれからまんばは元気だ。チョウギのこともすっかり忘れている。

長義はチョウギの悲しげな顔が忘れられない。心底まんばを愛してるようだった。

長義はチョウギの分までまんばを大事にしようと思った。
ちょぎくにハッピーエンド!(ってことにしてください!!)
お付き合いありがとうございました!お疲れ様でした!


蛇足

まんばは数日間、チョウギとイチャイチャして過ごしていた。まんばはすぐにチョウギと逝きたいようだったが、チョウギが『もう少しここで新婚気分を味わいたい』と言った。

少しでも長く一緒にいるために、まんばの足がつかないよう、いろんなことを指示した。


■どうでもいい設定
・チョウギと長義は別個体
・チョウギには他の恋刀がいる。まんばのことは間違えたか、恋刀に会えなすぎて「同位体だからいっか〜!」と思った、のかもしれない。
・チョウギは然るべき所へ行きました。
・まんばも長義も男です。結婚してます。