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木蔦(キヅタ)
2020-10-10 07:23:11
2496文字
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花吐き病⑥夜伽を審神者に申し付けられるまんばの話【さにんば、ちょぎくに】
花吐き病⑥
さにんば、ちょぎくに
(ヒント:木蔦はさにんば苦手です)
メリバ?ハッピーエンド??
まんばは男の上で腰を振ってる。しかし快楽で身体を支えきれないのか、上半身は殆ど相手にもたれかかっている。ひんひん善がりながらも、動きは止まらない。
まんばはほぼ毎晩、審神者の夜伽を仰せつかっていた。性欲処理の道具として使われていた。
まんばは達した後、力なく審神者に身を預ける。審神者が褒めるようにまんばの頭を撫でた。
ゲホッとまんばが咳き込む。続けてゲホゲホと咽せ込んだ。そして花を吐き出す。
「あーあ、また吐いたの」
まんばはびくりと身体を震わす。怯えてる。
「ダメじゃない、こんなもの吐いたら」
ぼいっと審神者に花は捨てられる。
「また本歌のこと考えてたの?俺に抱かれながら?」
「
…
っ!」
「他の男に汚されてるのに、お前を受け入れるわけないよ。男のを咥えて良がるなんて、この淫乱」
「
………
〜〜っ」
まんばは涙ぐむ。すると審神者に転がされる。押し倒されてる。
「俺がまだイってないよ」
「
……
!!」
「ひとりだけ良くなって終わった気になって、ずるくないかな?」
まんばは気を失うまで付き合わされる。
まんばは早朝に起きて、審神者が目を覚ます前に退室する。そして風呂で身を清める。
「偽物くん?」
びくりと肩を震わす。
「こんな朝早くにどうしたのかな」
「あ
……
い、いや
……
」
長義が何かを察したのか、眉を顰める。
「ああ、そう、そういう
……
」
「いや、これは、その
……
」
「お前がいいなら、いいんじゃないかな」
長義は去ってしまう。まんばは何も言えず立ち尽くす。
昔長義と付き合っていた。しかし審神者にこんなことを命じられ、別れた。審神者に乗り換えたまんばのことを恨んでいるらしく、長義は冷たい。
でもまんばは花吐き病を患っている。いずれ折れるから、それで罪を償えればなと思っている。
知っているのは審神者だけ。他の刀は知らない。しかし、病状が悪化し、長義にバレてしまう。
「なんで、こんなことになってるんだ
……
!」
長義は信じられないものを見る目でまんばを見てる。
「お前、主と想いが通じ合ったんじゃなかったのか!?」
----------
長義は顕現してすぐまんばに一目惚れした。この本丸のまんばは儚げで、とても美しかった。そしていても経ってもいられず付き合ってほしいと告げた。まんばはすぐに了承した。長義はとても喜んだ
………
が、まんばが想いを返してくれたわけではなかった。
ふとした時、まんばがぼんやりしていることがあった。その視線を辿ると必ず審神者がいた。
そして長義はああ、彼の想い人は主なんだな、と気づいた。
長義の申し出に応えてくれたのもそれが理由かもしれない。長義と審神者はどことなく似ている。
それでも長義はいつかまんばが振り向いてくれると信じて献身的に尽くした、人間との恋なんて不毛だ。だからいつか諦めてくれる、審神者だってまんばのことをただの近侍としか思っていない、
そう信じていた。
あの時までは。
端的に言えば寝取られた。
遠征から帰ってきて、まんばの部屋に行くと嬌声が聞こえて来た。覗いてみたら審神者とまんばが致していた。
目の前の光景に驚いていると、審神者に普段と変わらぬ声で話しかけられ、唖然とした。
いくらまんばが惹かれていると言っても、今は長義の恋刀だ。それをわかっていながら、奪うなんて許せない。しかし審神者はそんな非常識なことをしておきながら、平然としている。
まんばはたびたび審神者の夜伽に呼ばれるようになる。そして、長義との仲は自然に消滅していった。
恨んでいるかと問われれば答えはYESだ。しかし、彼へのまんばの眼差しを見てしまうと何も言えなくなってしまう。
恐らくその後ふたりは恋仲になったのだろう、
と、思っていた。
まんばが花吐き病に罹ったことで、それは思い込みだったと知る。
長義は審神者の元へ怒鳴り込む。
「どういうことだ!!」
「何が」
めんどくさそうに審神者が言う。
「偽物くんのことだよ!なんで花吐き病なんか
…
!」
「ああ、そのこと」
「知ってて放置してるのか
……
!」
カッと頭に血が昇り、審神者を殴る。審神者は口を切ったのか、血が垂れた。
「放置はお前じゃないかな。今もお前のことを健気に思ってるのに、それを
…
」
「違うだろ!!」
「何が違うんだ」
「あいつが好きなのは俺じゃない、お前だ
…
!」
審神者はきょとんとしてる。まんばが駆け込んでくる。
「ほ、本歌、主には言わないでくれ
……
!」
もう言ってしまったので、まんばは来るのが遅かった。
「馬鹿なことしてる写しには呆れたよ。ふたりして意地張り合って。すべて話せば簡単なことなのに。」
「そんな、話したってこの病が治るわけじゃ
…
!」
「お前はそうやって黙り込んで、片恋を拗らせる」
「
……
」
「もう少し会話が必要だと思うよ」
長義はスタスタ出て行く。残されたまんばはばつが悪そうに審神者を見た。
次の日、長義の目が覚めると、本丸内は大騒ぎになっていた。審神者が書き置きひとつ残して消えたらしい。
どうしてだ、どこへ、などとみんな慌てている。特に主大好き!の刀達の嘆きようがすごい。
長義はまんばの姿もないことをぼんやり認識する。
ああ、審神者と行ったのか、と思う。
もう吹っ切れたと思った心がしくしく痛むが、今はただふたりの安寧を祈る。
おしまい。
だけど、続く。花吐き病その⑦へ
■どうでもいい設定
・残される刀達のことがあるから、ハッピーエンドと大きい声で言えないということで「メリバ?」って言ってました。
・もちろん審神者とまんばは両想いになって駆け落ちです。この世界では刀と審神者が出来てるのは体裁があまりよくないという設定。
まんばに審神者の霊力が混じってるのも、ブラック本丸疑惑を掛けられてました。
・ふたりはまんばの神域へ行きました。
・ちょぎくに?→勘がいい人は察してるので。
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