木蔦(キヅタ)
2020-10-05 07:43:33
1665文字
Public
 

花吐き病⑤突如奇病を罹ったが心当たりがない山姥切国広の話【ちょぎくに前提】


※くちょ的な発言がありますが、違います。

まんばは目を覚ました。
そこはホテルの一室のようだった。ここまできた記憶がない。昨日は確か……と考えたところで、吐き気がした。

慌てて洗面所にダッシュすると、出てきたのは黄色い菊だった。
「な、なんで菊なんか……

そういえば花を吐く奇病があったな、と思い出す。元同僚も患っていたし、最近結婚した同僚も相手がそうだったと聞いた。片恋をしていると罹る病で、想いが通じ合うと治るらしい。

まさか自分もそれに?と頭を過ぎる。

一通り吐き終えて、部屋を見渡すが、誰もいない。結構良い部屋なのに、まんばひとりのようだ。とりあえず家に帰ろう、と着替えて部屋を出る。
フロントでそれとなく聞くと「昨日は山姥切長義様とご一緒でしたよ」と言われる。

待て、記憶がない。どういうことだ。ふたりでホテルに??

まんばはもしやと思う。

行きずりの男を引っ掛けて、ペロリと食べてしまったのでは。そしてついでに恋を??

しかしそこでさらに思い出す。昨日は同僚達と共に酒を飲んでいた。その中に何振りか山姥切長義がいたはずだ。そして彼らは全員既婚だ。

俺は配偶者がいる山姥切長義を抱いてしまったのか?浮気では?そしてついでに恋を??

まんばは職場の長義達を思い浮かべる。頼りない山姥切長義しかいない。

「だめだ、ぜんっぜん、わからん!」
早々に諦めた。
しかし困ったことになった。花吐き病は最悪死に至る病。両想いになれば治るが、片恋の相手がわからない。

休み明け、出社後すぐに同僚の元へ。
「俺はお前を抱いただろうか??」
「はぁぁ??何バカなとこ言ってんだ、逆ならともかく、いや逆も頼まれても御免だが!俺にはかわいい妻がいるんだからそんなことするわけないだろ!」
「しかしホテルに……
「ああ、お前が酔い潰れたことか!それなら後輩くんに聞いたらどうかな!」

「俺はお前を襲ってしまったのか?すまん」
「はぁぁ!?待って、それはない!ナイナイ!!絶対無理!殴ってでも逃げる!あと逆もないから!俺が襲うことはない!」
「しかしホテルに
「家がわからないからホテルに放り込んどけって言われたからだろ!!タクシーに丸投げしようとしても家の場所喋れる状態じゃなかったし!」

どうやら一夜の過ちはなかったらしい。
でも花吐き病の件がある。まんばは誰かに恋しているらしい。

同僚に聞く。
「なぁ、俺は誰かに恋してるらしいんだが、誰だろうか?」
「俺に聞くな!」
一蹴される。
「どうやら花吐き病に罹ってしまったらしくて」
「殺しても死ななそうなやつが??花吐き病に??」

それから数ヶ月、まんばの片恋相手の捜索は難航した。
一向に手掛かりは掴めないままだった。

「一体誰なんだ……
「まだ探してたのか」
「まったくわからない」
「こう、胸がときめくとかないのか?目で追ってしまう存在とか、話すだけでドキドキするやつとか」
「いない」
「ところで元気そうだけど、花は吐いたりしてるの?」
「そりゃ……
まんばは黙り込む。
「吐いてない」
「はぁ??」
「それって花吐き病じゃなくない?」
「しかし花を吐いたぞ?」
「いつ?」
「ホテルに泊まった翌朝」
「お前あの日でろんでろんに酔ってたじゃん!」
「それに確かハイになって、刺身のツマの花とかも食べてたよ
「え!」
「あと花吐き病は結構な頻度で吐くぞ」
「俺の妻はほぼ毎日だった……
「うちもだ」

「俺、病気じゃなかったのか!°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°」
まんばは喜ぶ。
「ここは山姥切国広的には勘違いを恥じて落ち込むところでは」
「やっぱりこのひと、可愛げがない」

はっぴーえんど!


■どうでもいい設定
・二 日 酔 い で す。

・「良い部屋にしろ!」と酔ったまんばが言ったので、グレートが上の部屋に。払うのは先輩長義くんなので、後輩長義くんはあっさり「じゃそれで」と頼んだ。部屋まで送った後はすぐ帰った。