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木蔦(キヅタ)
2020-10-05 07:27:34
2209文字
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花吐き病④妻が花吐き病に罹ってしまった長義の話【ちょぎくに】
花吐き病その④
ちょぎくに
まんばと長義は夫婦だった。まんばのことが好きで、騙すような形で抱き、既成事実を作った上で、責任を取ると言って丸め込んだ。
毎日家に帰ると妻がいる。それだけで幸せだった。手の届かない存在だったのに今はいくらでも抱きしめられる。いくらでも眺められる。
しかしその妻が病に罹ってしまう。
それは花吐き病だった。
これは誰かに片想いしていると患う病だ。つまり彼が自分以外のものに恋をしているという他ならぬ証拠だった。
想いびとは誰だ、と脳内の記憶を巡らす。
妻は普段鎖で繋いでいる。だから外で誰かに会ったわけではないだろう。しかしその鎖は玄関先までは届くような長さになっている。だから誰かが家に訪問した可能性がある。
長義は妻が夜寝静まった後で監視カメラを見る。特に最近訪れたものはいないようだ。宅急便や郵便配達員は来たが、妻とは顔を合わせず、荷物や手紙を玄関先に置いて帰ったらしい。
なら電話だ。誰かから電話がかかってきて、口説かれたのかもしれない。電話会社に問い合わせて、通話履歴を調べる。
しかし不審な番号などはなかった。履歴は夫である長義くらいだった。
郵便物にまんばを口説く手紙があったのかもしれない。部屋中を漁り、手紙を探す。
不審な手紙はなかった。
ならば、と思う。長義は一番これが怪しいと思っていた。
先週、家に上司を呼び、料理を振る舞った。結婚式は欠席だったから、是非奥さんの顔が見たいという理由だった。
嫌だと断ったが「はーん?見せられないような奥さんなんだな?」と煽られた。
「うちのは世界一かわいくて全刀剣に自慢して回りたいくらいだよ!!」
「じゃ、いいだろ」
ハメられた。
そんな感じで上司が来た。ついでに最近結婚した同位体も付いてきた。(お前は新婚なんだからさっさと帰れ!)
そしてふたりは妻の料理に舌鼓を打ち、帰っていった。
上司が怪しい。いや、同位体かもしれない。自分が見てない間に色目を使った可能性がある。
もしかして自分がいない間に密会してるかもしれない。監視カメラがあるのは玄関だけなので、妻が浮気相手のために窓を開けて、招き入れたかもしれない。
夫の存在があるせいで、片想いという形に収まっているだけで、もしかしたら想いは通じ合ってるということも考えられる。
既に体の関係を持った可能性だってある。
部屋に上げたら、いくらでもそんなことはできる。
艶めかしい妻を組み敷き、滑らかな肌に手を這わせ、飽くことなく嬌声をあげさせ、そして
……
長義は想像で真っ青になる。
長義は思う。上司を殺ろう。
そして妻が病を拗らせてタヒんだら自分も後を追おう。
「長義?」
寝ていたはずの妻が起きる。
「国広、起こしてしまったかな」
「いや大丈夫だ、それよりもどうしたんだ?そんな怖い顔して
…
」
ケホケホと咳き込みながら長義を心配する。
「俺のことよりお前が心配だよ、ほらまだ寝てていいから」
まんばをベッドに押し戻す。
「そういえば、この前連れてきた上司達だけど、どうだった?」
「どうって??」
「ほら、印象とか」
「ああ、上司さんは俺の割に図太い感じだったな、極めるとみんなああなるのか?あともう一人の本歌はずっと奥さんの惚気話でうるさかった。」
「そう」
(真の強い山姥切国広と、好きな人を大事にしてる山姥切長義か
……
好印象にも程があるだろ
……
)
「なんでそんなことを??」
「お前の花吐き病を治したいからだよ」
「え
……
!」
カァァとまんばが赤くなる。
「俺のことは、その
…
もう、いいから
…
」
「なんで?治したくない理由でもあるの?」
やっぱり夫に言えないような相手と浮気しているから誤魔化しているに違いない。
「俺の、片恋相手は、その
…
あんただ
…
」
「へ?」
呆気に取られる。
「あんたは、その、一夜の過ちから、責任感で俺と一緒になってくれただけだって、わかってるんだが
…
その
…
、罪悪感から優しくしてくれるだけのあんたに恋を、してしまったんだ
…
!」
そしてちょぎくには幸せになった。
お疲れ様でした!お読みいただきありがとうございました!!全然花吐きシーンなかったけどいいよね!?(だめじゃない?)
■どうでもいい設定
・極んばが来たのは『あの長義の奥さんの料理、超絶美味いらしい!』と噂を聞いたため、食べたくなった。
・この長義くんも政府に勤めてる。一軒家に住んでる。
・妻んばは騙されて暗転したんだけど、未だに騙されていたことに気づいてない。むしろ事故だと思ってる。
・極んばは①と③で出て来た政府まんば、一緒に来た長義は③の長義、極んばと③の長義は同僚、今回の長義は部下に位置する。
・③の長義いつの間にか 結 婚 し て る
・これ夜中のシーンなんですけど、この後暗転してしまって、妻んばは寝不足になります。ちなみに誤解は解けて、ちゃんと両想いになったので、花吐き病は治ってます。
・この極んば、全長義くんから鬱陶しがられてない??この世界のすべてのふてぶてしさを集結させたような山姥切国広なので
…
。ちなみに言いたい事があったらズバッと言ってしまう毒舌キャラです。
・鎖で繋がれてますが、これが普通なんだよって教え込まれてます。お出かけの時とか、人が来た時は外してもらえます。
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