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木蔦(キヅタ)
2020-09-14 00:13:17
6617文字
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山姥切の生まれ変わりを待望する一族の話【ちょぎくに】※パロ?
ちょぎくに
※オリキャラ出ます(嫌な役なので!)
※ちょっと古めかしい。地球じゃないどこかかもしれない。
※殺伐とした感じ。
※残酷表現あり(子どもをタヒなせるなど)
その家は山姥を斬ったという先祖を持っていた。
人を喰らう山姥を不思議な力で退けたと言い伝えられている。その出来事から『山姥切長義』と通称で呼ばれている。
その一方で『山姥切国広』もいる。こちらは自分が山姥を斬ったと言い張り、最終的には長義をころしてしまった悪人として伝えられている。
たびたび一族に国広が生まれる。占い師が「腹の子は国広の生まれ変わりだ」と予言する。しかし一族は生まれたら国広を葬ってしまう。
しかし今回、占い師は驚きの予言をする。「腹の子は国広。彼がちゃんと生まれ育てば、長義の生まれ変わりも来る。ついでに山姥の復活も近い。」
長義は滅多に来ない。しかも山姥も生まれ変わるらしい。対抗し得る力は持っておきたい。
一族はこのチャンスを不意にすべきではないと考え、国広を生かすことにする。ただし国広を母親から引き離し、迫害して召使いも同然の扱いとする。
前の顛末は防ぎたい。自分の立場は弁えるようにさせるためのしつけと周りの大人たちは考えている。
国広の誕生から幾ばくかもしないうちに長義が生まれる。
長義は可愛がられ、すくすく育つ。何でも与えられ、剣や読み書きのお稽古も受けさせられてる。
一方国広は酷い仕打ちを受けて、遊ぶこともままならず掃除ばかりさせられている。
まんばは偽物偽物呼ばれて育つ。あまり会ったことはないが、長義という子どもの偽物らしい。
長義は勉学なども優秀で、読み書きすらできないまんばとは比べ物にならない。一族の血筋を受けながら、使用人以下の扱いを受けている。
長義も長義でまんばと比べられてた。
「あの偽物と違い、長義様は優秀で
…
」などと褒め称えられていた。だからまんばのことを馬鹿にしていた。
ちなみに長義には許婚もいてめろめろ。顔も良いし、優秀だし、次期当主だし、なんせあの『山姥切長義』の生まれ変わりだし。
まんばの扱いを知った親族(母方の実家)が憤慨し、まんばを引き取る。まんばは『山姥切国広』の生まれ変わりなので、一族は領地の外に出すのを渋ったが、押し切った。従兄弟と共にすくすく育つ。
ちなみに母親はまんばを産んですぐ他界(まんばの件で心労が重なり)してる。
大きくなったまんば。引き取ってくれた伯父伯母に恩返ししようと一生懸命働いてる。
しかし例の一族から連絡がある。やはり『山姥切国広』の生まれ変わりを野放しにしておけない。
伯父伯母は拒否するが脅される。
まんばはこれ以上迷惑は掛けれないと、自分から戻りたいと告げる。
まんばは元の家へ。
帰って早々会ったのは長義で、まんばはびっくりする。長義は許婚と一緒にいた。幼い時に会って以来。
「偽物くんじゃないか、こっちに戻ってきたのか」
見下したような顔で見られる。怖くて手が震える。
「まあ、薄汚い
……
」
隣の許婚もまんばを見て顔を歪める。
「なんでこちらに戻ってきたのかしら
…
!」
そう言いながらまんばを払い除けるように蹴る。別に痛くはなかったが、赤の他人にそこまでされて驚く。
「おい」
「いやだわ、長義様、少し滑っただけですの」
長義はまんばには何も言わずに立ち去る。許婚は「さっさと出て行きなさいね!」と言いながら長義の後を追う。
まんばは早々にショボーンとしてしまう。(´・ω・`)
その後も長義に無視されたり、嫌味を言われたり、許婚に虐められたり、酷い仕打ちを受ける。(めっちゃ中略)
まんばはつらくて、つらくて、母方の実家に帰りたいって思う。長義やその許婚は出て行けと邪険にするくせに、他の一族はまんばをこの地に縛り付ける。
夜、ひとりめそめそ泣いてるとまんばの元に男が現れる。それは長義に見えた。
「国広、そんなに泣くと目が溶けてしまうよ」
そう言いながらまんばの涙を拭う。優しげに微笑んでいるが、そんな顔見たことがない。
「え
……
?長義
…
??」
「ここはお前がいるべき場所じゃない、良い子だから言うことを聞いておくれ」
まんばをなでなでしながら幼子に言い聞かせるように言う。
「でも」
まんばはぎゅぅと抱きしめられる。
「え!?え!?」
「頼むから、ここは俺の顔を立ててほしい」
「えーっと
……
」
「もうここから出ていくんだ、いいね?」
目が覚めたら朝だった。
まんばは呆然とする。泣き疲れて途中で寝てしまったらしい。変な夢を見た。やけにリアルだった。
(まさか長義があんなに優しく笑いかけてくるわけないだろ
…
!)
同時期、村の住人が失踪し始める。血だらけの衣類が見つかったことから、山姥に食われたのでは、と言われ始める。
その話はすぐに長義の元へ。長義は山姥退治に出掛けることにする。帯刀し、何人か共を連れ、馬で出て行った。
そんな日が何日が続いた。
長義が出て行くと、わざわざ許婚がまんばのとこまでやってきて当たり散らす。蹴ったり物を投げたり。目障りだとか、邪魔だとか。
まんばは身を庇うものの、基本的に避けたり反撃したりはしない。もっと酷い目に遭いそうで。それと彼女を前にすると怖くて手足の力が抜けてしまう。だからまんばはされるがまま。
まんばは自分が山姥に食われた方がいいのではないかと思い始める。自分は偽物だし、身内もいないし、こんな扱いを受けてるし。
そう思って夜、ふらりと外へ出ると、長義に止められる。
「こんな夜中にどこに行こうとした?」
何を怒っているのか、顔が険しい。
「外は危険だって知ってるだろ、部屋にいろ」
「あ、あんたいつも出てけって言ってるだろ!」
「揚げ足取りするな!」
「してない!放っておいてくれ!もう出て行く
…
!!」
長義にぎゅっと抱きしめられる。
「国広、頼むから、わかってくれ」
まんばは突然のことでとぎまぎ。しかも国広呼びってどういうことだ。
「あいつはお前を狙ってるんだ、後生だから奴の所に行くなんて言わないでくれ
…
」
狙ってるってどういうことだ、と疑問符浮かべる。狙われるとしたら偽物じゃなくて本物の方では?あとなんでこんなにも長義が自分を心配してくれるのか。普段冷たい態度なのに。
抱きしめられているとゾクゾクと嫌な感じがする。怖い。
そう思ってると長義がすぐ離してくれる。
「部屋には軽くだけど術を掛けてあるから安全だよ、だからしばらくは外に出ないでほしい」
「???
…
わかった」
全然わかってない。
混乱の余り返事をしてしまったものの、なんで狙われてるのが自分なのか、なんで長義が気にかけてくれてるのか、しかもなんで抱きしめられたのかわからない。
まんばは狐につままれた感じで部屋に戻る。そして夢かなと思って寝る。
言うの忘れてたけど、一族は広い敷地に家建ててる。長義はその中の離れ。許婚は母屋の方に居候。国広は母屋からだいぶ離れた小屋みたいなボロ家に住まわされてる。(まんばを逃さないために座敷牢にする案も上がっていた。)
でも数日後、まんばは許婚によって家から追い出されてしまう。
長義が山姥退治に出てる隙にまんばの部屋に訪れ、いつもの暴言。さらにまんばを連れ出し、外へ。そして置き去りに。
鬱蒼とした森にまんばはひとり。身を守る手段もない、馬などの逃げる手段もない。ここから親戚の家も遠いため、そちらに行くこともできない。
まあ、この前山姥に食われてもいいって思ってたしな
…
と考えながら森を歩く。
しかし、いざこうなってしまうと少し恐怖が湧き上がる。
長義が山姥の狙いは自分だと言っていたこともあり、恐怖がさらに煽られる。今にも山姥が飛び出てくるのではないか。
案の定、山姥らしき人物が刃物持って登場。まんばはひぃ!ってなって必死に逃げる。だけど追い詰められて、まんばに刃物が振り下ろされる。だけど何かの力で弾かれてしまって、刃物は吹っ飛ぶ。まんばは「?」山姥も「?」(・ω・)???
その時に長義が現れ、山姥を斬る。
「なんで出て行った!部屋にいろと言っただろう!しかも山姥に遭遇して
…
!」
おこ。
まんばは怖くて長義に抱きつく。そんなまんばに絆されて、長義もなでなで。
一緒に家に帰る。
長義はまんばに言う。
「今夜俺の部屋に来てほしい」
その瞳には情欲が篭ってて、まんばは戸惑う。
長義の誘いがそういう意味だと悟ってしまう。真っ赤。
「待ってるから」
まんばはつい、こくんと頷いてしまう。
まんばはドキドキしながら長義の部屋へ向かう。今日は念入りに身体を洗った。少し遅くなったかもしれない。
まんばは長義の住んでる離れに訪れる。
声を掛けようとしたところで、中から声が聞こえてきた。
「あ
……
っ、長
……
義、さ、ま
……
っ!」
女性の喘ぎ声だ。
まんばは衝撃が走る。
十中八九あの許婚だろう。まんばをここに呼んだのは見せつけるためか。
まんばは悲しくなって立ち去る。
まんばが部屋で寝ていると、いきなり衝撃が来る。びっくりして飛び起きると、長義が上にのしかかってる。
「え
…
!?」
「来いと言ったはずだ、なぜ来ない」
長義は怒ってる。
「し、しかし
……
」
情事の最中に遭遇してしまったとは言いづらい。というか、わかってて呼んだはずなのにわざわざ聞くのは意地が悪い。
何も言わないまんばに痺れを切らしたのか、長義が催促する。
「そ、その
……
だって
……
」
「恥ずかしかったのか?まったくお前は
…
。それでも部屋で寝てるのは酷いと思うけど」
「いやそうじゃなくて!」
「なんだ」
「い、許婚がいるだろ
……
」
恥ずかしくてぼそっと呟いたが長義にはバッチリ聞こえたらしい。
「何か勘違いしてるみたいだけど、あの女はそういう対象じゃない」
「え、だって
…
」
「それに俺はあの女が許婚であることを許した覚えないよ」
えええ??でもヤってたし
……
とまんばは戸惑う。
「もしかしてお前が来た時にヤツがいたのかな」
「そ、そうだ
……
、それであんたが」
「なんだ、見られてたのか」
ようやく認めた、と思ったが、情事を知られたような反応じゃない。むしろ自慢げ。
「あの女がお前を外に放り出したんだろ?」
「あ、ああ
……
」
「だからちょっと灸を据えてやっただけだよ」
「灸
…
??」
灸を据えたっていうのは、無理やり抱いたとかなのか?と疑問に思う。考えていると、長義がまんばに手を絡めてきた。
「俺の伴侶は前も今もお前ひとりだよ」
*。.+;゚oヾ(o・∀・o)人(o・∀・o)ノ゙o゚;+.。*
次の日、母屋の朝食の場に初めて呼ばれる。豪華なご飯を出され、なんだか使用人たちが甲斐甲斐しくまんばの世話を焼いてくれる。いきなりの対応にまんばは戸惑う。ちなみにここに来る前に綺麗な着物を着せられ、髪も整えられて、とても落ち着かない。
朝食の場には許婚もいたが、暗い顔をしていた。
怪我でもしたのか、首には包帯が巻かれている。未来の伴侶だというのに、長義から随分遠い位置に座っている。というか下座。まんばよりも下座。
それに比べてまんばは長義のすぐ隣で、実はここは許婚の位置なのでは?と錯覚してしまう。だけど機嫌が良さそうな長義に聞くのは忍びなくて(というか緊張であまり喋れない)まんばは黙っている。
「どこで話が違えたのかわからないけど、それが真実だよ」
「そう、だったのか
…
」
長義が世間話をするように、昨日の山姥退治の話を当主に報告している。
「知らなかったとは言え『本物』には無体を強いて悪いことをした
……
しかも本人の預かり知らぬ事で責めるなど、幼子に対し非道なことをしたものだ」
「まったくだ」
まんばはその話を流しつつ、早く解放されたいな、ご飯が喉を通らない、などとぼんやり考えていた。
「それと、罪人にはそれ相応の処遇をせねばならん」
当主が一際声を低くめて言うと、なぜか許婚がぴくりと反応した。
「追って言い渡す」
山姥はもう死んだのに誰の話なのかとまんばは考えていた。
その後、長義にべたべたに甘やかされて、ギャップについていけない。こいつこんなキャラだったか?と考えてる間に、恨み辛みを長義が呟いてる。
「あの女、一度ならず二度までも
…
。思い出すだけで腹が立つ
……
」
いろいろ疑問に思うが、つっこんではいけない気がして、黙ってる。
「えっと、俺は実家に帰った方がいいのか
…
?」
「何を言うんだ、お前の居場所はここだろ」
「しかし山姥もいなくなったし、俺は、その、偽物だし、用済みでは
…
」
「『偽物』ね
……
」
長義はまんばに優しく微笑んで幸せそう。
長義こそが『山姥切』だからそれが証明されて嬉しいのかなと考える。
「俺はお前と今度こそ添い遂げたいんだけど」
ちょぎくには幸せに暮らした。
お疲れ様でした!今回も長い間お付き合いありがとうございました!
どうでもいい設定
・前世、山姥を斬ったのはまんばです。ただまんばがあまり目立ちたくないという理由で山姥切は表向きは長義くんということになる。
・まんばと長義くんは前世で恋人同士。それに嫉妬した女性(長義くんに片想い)がまんばを刺して、長義くんがブチ切れ。その女性に復讐した後、自分もまんばの後を追うという、悲惨な結末。その女性は転生し、長義くんの許婚に。
・山姥はまんばに復讐すべく虎視眈々と狙ってた。
・長義くんと山姥以外は前世の記憶なし。
・親戚一家は堀川派。
・この後この家でまんばはだいじにされる。
・長義が冷たい態度だったのは、そうすればまんばが母親の実家に帰ると思ったから。許婚の嫌がらせを止めなかったのも、まんばが嫌になると思ったから。
・まんばが夢だと思った件は夢じゃない。
・まんばが感じていた恐怖は前世のもの。恐怖を感じるシーンは殆ど許婚に対して。(山姥もあるけど)
長義に抱きしめられてるシーンでまんばがぞくぞくした恐怖を感じてるけど、あれは許婚が陰から二人を目撃してて嫉妬による殺意を送ってる。
・まんばが山姥の攻撃を弾いたのは、前世の山姥を退けた不思議な力のおかげ。神の加護。
・考えてた苗字は「山田」。まんばの親父殿から&「山」に因んだ名前が良かった。普通だったし、一応「地球じゃないかもしれない」って言ったのに日本的な苗字でいいのか?と思ったため。
・一族の家訓では生まれ変わりのみ「山姥切」の姓を名乗れる。
・長義くんは『山姥切』を名乗り、囮になろうとした。(でも山姥には意味なかった)
・長義くんの記憶が戻ったのはまんばが母方の実家に引き取られた後。情報を整理した後、どう振る舞えばまんばを守れるか考えてた。
許婚が長義の離れに訪ねてくる。うざったい。態度で示しているが、この能天気には効かないらしい。
「長義様、山姥討伐、おめでとうございますっ」
にこにこと嬉しそう。
だけど彼女が国広を危険な目に合わせたと知ってる。ふつふつと怒りが湧いてくる。
「わたくしも鼻が高いですわ、未来の旦那様が
…
」
バンっと壁に叩きつけ、首をギリッと締め上げる。
「黙れ」
「あ
……
長
…
義、さ、ま
……
っ」
「何をしたかわかってるのか?貴様は俺の逆鱗に触れた。」
「ひっ
……
」
「『前』だけに飽き足らず『今』も
…
。生かしておくと碌なことをしないな」
「や
……
やぁ
…
っ」
「それに俺の最愛はアレだけだ。いつまでもでかい顔していられると思うな」
「ゆ、ゆるし
……
」
息ができないのか口をハクハクさせてる。飲みきれない唾液が垂れてきて、汚いなと思って手を離した。
彼女はしゃがみ込み、必死に空気を吸い込む。
そろそろ国広が来るはずだ、この女がいつまでもここにいると邪魔だ。使用人を呼びつけ、片付けろと命じる。
さて、これで準備は万全だ。ふかふかの上等な布団も用意したし、尻に塗り込む物も手配した。
いつ来るかと思いを馳せながら国広を待った。
という蛇足話。
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