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木蔦(キヅタ)
2020-08-21 02:03:37
3719文字
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暗殺者な長義くんと仇を討ちたいまんばの話【ちょぎくに】※現パロ
現パロ
ちょぎくに
※初っ端から人が死にますが、メイン二人は死にません。
※クズモブいます。
まんばは5才。目の前で人が死ぬのを初めて見た。死んだのは両親。血だらけで床に転がっている。
その血溜まりに青年が一人立ってる。白くて美しい肌に赤がべっとり。透けるような銀髪もその美しさを赤が引き立てる。
青年の手にはナイフ。その刃にも血がべっとり。
いつも優しくしてくれた両親が死んでしまった。彼らはピクリとも動かない。目の前の光景が信じられなくてガクガクブルブル。
青年がまんばに気づく。
「クソガキが起きてきたのか
…
」
近づいてくる。咄嗟に怖いと思った。自分も殺されてしまう。
しかし自分の大好きな人を殺したと思うと憎しみが湧いてくる。
ただ殺されるくらいなら両親の仇に一矢報いてやろう、まんばはキッと睨みつけ、青年に向かって駆けていく。武器もなにもない。立ち向かわなければという本能。
わー!っと青年の太ももをポカポカ殴るが、案の定ぺいっと振り払われる。それでもまんばは青年に向かっていく。何度も何度も向かっては跳ね除けられ、向かっては転がされ、向かっては避けられ
……
。
そのうちまんばはボロボロで力尽き、意識を手放してしまう。
まんばが意識を取り戻すと知らない部屋。突き飛ばされた時にできた擦り傷とか打ち身とかが手当てされてる。
部屋は薄暗くて、お世辞にも綺麗とは言い難い。寝かされてた寝具もあまり綺麗ではない。
「クソガキくん、起きたかな」
あの青年が部屋に入ってくる。どうやらまんばを手当てしたのはこの青年らしい。
ふつふつと憎しみが込み上がってくる。
「よくも
…
!」
まんばは青痣とかで痛い身体を忘れて、青年に殴りかかる。
「またそれか。ワンパターンだな」
まんばは青年に押さえ込まれる。
「こ、ころしてやる
……
!」
「へぇ?お前が俺を?」
青年はくっくっと笑う。
青年の名前は長義。どうやら殺し屋とのこと。
長義くんに気に入られたまんば。殺しを教えてやるとイチから仕込まれる。身体を鍛えたり、人の急所、刃物の扱い方、拳銃の手入れの仕方
…
色々教わる。
教わりながらも、長義の命を日々狙う。しかし一緒に生活しているのに隙がない。
まんばは両親の仇を取るという一心で殺しの技術を身に着けていく。仇に教わると言うのもおかしいし、自分を殺そうとしている人間に教えるのも変で、奇妙な関係。
そんなこんなで数年が経った。未だに仇は討ててない。まんばは考える。なんでこんなことになったのだろうか。
まんばは身の回りのことは自分でできる。まだ子どもだから長義の家に居座っているが、炊事洗濯掃除は完璧。
今日も長義の部屋を掃除ついでに毒針を仕掛け、毒入りのご飯を作り、隙あらば刃物で襲いかかる。しかしどれも失敗に終わる。毒にある程度耐性があるらしく、ちょっとのことでは効かないし、猛毒だとしてもすぐ見破られる。まんばに刃物の扱いを教えたのは長義であるため、まんばがどんなに不意をついても結局は押さえ込まれてしまう。
今日も押さえ込まれてギリギリ(°皿°)。
「こ、殺してやる
…
!」
「ふふ、楽しみにしとくよ。クソガキくん」
「もうガキじゃない!」
「どうだか」
いつか長義を自分が殺すんだ!って息巻いてた。しかしある日長義が傷を負って帰ってくる。
「え
…
!どうしたんだ
…
!?」
「ちょっと、ヘマしてしまってね
……
」
長義の利き腕は肩に銃で撃たれたあとが。まんばは今まで長義に様々なことを教わってきたが、他人の血を見たのは久々だった。両親以来。
死ぬほどの怪我ではないが、あまり動けないらしい。まんばは介抱しようと駆け寄る。
「どうした、クソガキ。ほら、今がチャンスだよ?」
「
…
!」
ハッとする。今長義は素早く動けない。だからまんばの攻撃だって当たるはず。例え死に至らなくても大きな傷を残せるかもしれない。
目の前にいるのは、大好きな両親を殺した相手で、憎むべき男だ。いまこそこの恨みを晴らすべきだ。
そう思うのに、身体が動かない。
憎んでるはずなのにおかしい。
両親の仇だし、今でも苦しい感情が渦巻いている。
だけど、明日から彼がこの世に存在しないと考えただけで恐ろしくなる。永遠に失われてしまうのをわずかに惜しむ感情がある。
(いや、こんなやつ、いなくなった方がいいんだ
…
!俺の両親みたいな被害者が出るかもしれない
…
)
今がチャンスだ、さあやれ、そう思うが身体は動かない。
「クソガキくん、怖気づいたのかな?腰抜けが」
悪態を吐かれるが、やろうという気分にはならない。
「よ、弱ってるあんたをやるのは卑怯な気がする
…
」
それとなく理由をこじつける。長義がじっとまんばを見つめてくる。
まんばの心を見透かされているのかとびくびく。だけど長義は何も言わずに身体を引き摺って部屋へ。
「あ
…
手当て
…
」
「不器用くんには世話にならないよ。」
素っ気なく言われた。機嫌を損ねたのかもしれない。まんばはやるせない感情で一人そこで佇む。
なんで惜しむ気持ちになるのか自問自答する。仇をなぜ取らないと両親が責めてる気がして、気持ちが沈む。
今部屋に押しかけたら、簡単にやれるだろうか。もう寝ただろうか。手当ては終わってるだろうか。片腕では包帯が巻きづらいのでは。やはり手伝うべきか。いや今はそっとしておいた方が
…
思考がコロコロ
……
。
まんばは自分の気持ちがわからなくなり、その日から長義の命を狙うことに身が入らなくなる。
「クソガキくん、やる気あるの?」
ナイフを振るってもこれが長義に当たって血が噴き出るのではないかと想像すると刃が鈍る。知らず知らず手加減してしまう。手加減なんてしなくても、長義に当たったことは一度たりともないが、それでも怖くて以前のようにできない。
長義が怖い顔して見下ろしている。
「仇を取るんじゃないのかな」
「
……
取る」
「じゃあなんで本気で向かってこないの。今までのようながむしゃらさがない」
なんでそんなこと言うのか不思議に思う。自分を殺させようとするなんて、意図が読めない。
長義は溜息。
「わかった、やめよう」
まんばはびっくりして長義を見る。
「お前が本気で向かって来ないならこんな生活意味はない。荷物をまとめて。すぐに出て行けなんて非道なことは言わないし、引き取ってくれる施設はちゃんと探すよ。ただ、なるべく早く出て行って」
まんばは胸がズタズタになる。
長義に捨てられると思う。まんばはいらないって言われたことが悲しい。
自然と涙が出てきてしまう。両親がいなくなってから、泣いたことなどなかったのに。
まんばは部屋に引っ込む。なんでこんなことになったのか、何が間違ってたのか考えるが、まとまらない。
まんばは家を出る。長義が施設を探してくれると言っていたが、あまり世話になりたくない。というか顔を見ると胸が痛むので、ちょっと会いたくない。
まんばはこっそり家を抜け出す。
小汚くて小さな家だったが、数年過ごした愛着が湧いてる。行くあてもないが、とりあえずどこか、と思ったところで、まんばは拉致される。長義が恨みを買って、その復讐にまんばへ
…
。身内だと思われたらしい。
身内を無くす痛みを味わえばいい!ってまんばやられそうになる。
まんばは今までそういう事を教わって来たし、体術だって自信があるはずなのに、恐怖で竦んで、何もできない。
敵意を向けられたのは初めてだ、と思ったところで、長義からはそんな感情を向けられたことはなかったと気付く。
職業柄、まんばのことはいつでも消せたのに、おかしな人間だなと思う。
そこで長義くんが助けに来てくれて、ハッピーエンドでいかがでしょうか。(最後駆け足すぎない??)
まんばの両親はあくどいことやってた。長義くんは彼らの暗殺を依頼されて実行。だけど、まんばがいることに気づいて「この子は何も悪くないのに、優しい両親を俺が奪ってしまった」とまんばを育てることにする。
一生懸命長義に向かって来てかわいい。知らず知らずのうちに愛おしく思い始める。
かわいくて傍に置いておきたい。
だけど徐々にこんなことを教えるんじゃなかったと後悔し始める。まんばはまだ手を染めたことはないが、こんな危ない世界に足を突っ込んではいけない。
いずれまんばを平和な環境に帰してあげないとなと思っていた。
そして長義がヘマし怪我したことでまんばの様子がおかしくなる。恐らく死への恐怖だろうと見当。
ちょうどいい、この辺りでまんばを手放そうと決意し、まんばを突き放す。
という流れ。
長義くんは無自覚ですがまんばに恋してます。幼いからという常識で目隠しされて気づいてませんが恋です。
まんばは恋と自覚はないものの、今回の一件から長義の傍にいたいと強く思い始めます。
ちなみにまんばは12~13才の設定。
もう数年経つと色気づいてきますね!(笑顔)
お読みいただきありがとうございました!お疲れ様でした!
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