木蔦(キヅタ)
2020-07-29 09:38:10
3439文字
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前世人間だったちょぎくにが刀として巡り合う話【ちょぎくに】 ※パロ ※タヒネタ


ちょぎくに
※ちょぎ・くには人間です。
※タヒネタを含みます。
※女体化を含みます。
※オリキャラが出張る可能性あり(なるべく控えます)

長義はあるお屋敷の息子。まだ若くやんちゃ。

ある日、使用人で金髪の美少女が目に留まる。
性欲を持て余した長義はその使用人をベッドに突き飛ばし圧し掛かる。使用人は青ざめた顔をしていて、だけど叫び声だとか嫌だとか、そういう事は言わない。
そのまま長義は使用人を抱いてしまう。
使用人は処女だったらしい。

次の日、身体がつらいのか、顔色が悪いまま仕事をしていた。ふらふらしている。危なっかしくて気付けば目で追っていた。
ふらりと身を傾いだことに気づき、すかさず支える。
「あ、長義様
どことなく焦点が合わないぼんやりした目で見上げてる。

使用人をベッドに乱暴に投げ飛ばす。
この前の事を思い出したのか、使用人が真っ青になってる。しかしそんなつもりはない。
「気分が悪いんだろ、少し俺のベッドで横になっていろ」
それだけ言って、部屋を出る。自分の部屋に近づかないよう、人払いする。
気になって部屋に戻る。使用人は掃除に戻っていて、棚を拭いていた。
「何してるんだ!」
「いや、掃除中なので
「寝てろと言った!」
「こんな広いベッドじゃ寝れません」
やいのやいの。
「強情ややつめ!」
使用人を抱きしめて、そのままベッドへダイブ。「離せ」「離さない」の押し問答。
結局そのまま抱きしめ続ければ、しばらくして力尽きたのか寝息が聞こえる。
長義はホッとして、しばらく使用人の髪を梳き、寝顔を眺めていた。

「寝てた……?」
数時間後、彼女が起きる。顔色はだいぶいい。
「おはよう、ぐっすり眠れたかな?」
「ちょ、長義様!?」
長義の部屋で寝てしまったことに気づき慌ててる。謝り始める使用人をなだめる。

狼狽てるけど、結構神経図太いなと思う。普通、無理矢理寝かしつけたとは言え、自分を犯したやつのベッドでぐーすか寝ない。それほど体調が悪かったからと言えばそうかもしれない。
あと自分が「掃除は不要」と言ったのに、やると言って聞かなかったなと思い当たる。強情なやつめ。
「生意気な使用人だな」
「ひっ」
「決めた、明日から俺付きになれ」
たまたま長義の部屋を掃除しに来てたけど、別に専属なわけではない。この使用人に興味を惹かれ、そう提案する。
「いや、仕事は全てローテーションと決まっているので、無理です」
予想外に断られ、呆気にとられる。1テンポ遅れて声を上げる。
「はぁ!?俺の言うことが聞けないっていうのか!?」
「仕事で決められているので。どうしてもと言うなら、上に直接掛け合ってほしい。です。俺じゃどうしようもない。ですので。それに俺の雇い主はあんた……じゃなくて、長義様ではなく、旦那様です」
長義はむぅと黙る。変な理屈を主張されたような感じ。でもここで引き下がるのはなんだか負けた感じ。
「わかった!じゃあ上の許可があればいいんだな!?」
長義は使用人の返事を待たずに部屋を飛び出す。すぐさま使用人達を取り纏めてる父親の執事に許可をもらった。
長義はまんばが気にいる。なんだかんだでそばに置く。そして二人が惹かれ合うのにそれほど時間はかからなかった。

二人でいられれば幸せだった。しかし長義に結婚の話が舞い込む。当然長義はまんば以外興味はないので「しない」と一言。理由を聞かれ、まんばとのことを正直に話す。
父親は長義に「わかった」と一言。父親に認めてもらえたんだ!と長義は喜ぶ。

しかし翌日、まんばは自室で亡くなっていた。遺書があり、どうやらトリカブトによる自殺らしい。まんばがトリカブトなんて持ってるはずがない。父親を問い詰める。

「あの使用人がいるから、結婚しないのだろう?だから処分したまでだよ」
いけしゃあしゃあと言われる。

長義は怒り狂う。まんばに矛先を向けた父親にもだし、本当のことを話した浅はかな自分にもだし、一言も相談なくタヒを選んだまんばにも腹が立った。

そこからはもう、どうなったか覚えていない。








長義は目を開けた。

「俺こそが長義が打った本歌、山姥切。どうしたのかな、そんなにまじまじと見て」

顕現するまで刀としての意識や記憶はある。だが自我という物が芽生えたのはたった今。これが人の身か、と思う。生身の身体に新鮮さを覚えつつ、でもどこか懐かしくもある。

目の前には主である審神者が立っている。そしてその後ろには布を被った青年が一人。
それを見た瞬間、長義はいろんな感情が溢れ出てきた。

愛おしさ、悲しさ、懐かしさ、庇護欲、飢餓感、情欲、切なさ、屈辱感、そして怒り。
自分であって自分でない感情と、刀である自分の感情がぐちゃぐちゃ。
でも強く感じたのは「ああ、やっと巡り会えた」ということ。

そう思ったのは恋人を亡くした自分なのか、消失したと聞いていた写しの本歌である自分なのかは、よくわからない。

しかし、これは得難い幸運なのだということは理解した。
「主、俺が案内しよう」
まんばが名乗り出る。
淡々とまんばは本丸を案内していく。前世を覚えているか聞いてみたい。ようやく会えたのだから、積もる話もある。
「ここがお前の自室だ。必要な物があれば言ってくれ。主に伝えて買ってもらう」
「お前の部屋は?」
「主の隣だ」
「この本丸では同室とかしてないのかな?」
「同じ刀派とか、同じ持ち主だったやつらとかは少し大部屋で同室にしている」
「俺もそれがいい」
「誰とだ?この本丸には南泉はいないが、鯰尾や物吉とか?」
「お前と一緒の部屋がいい」
まんばは黙り込む。訝しげ。
「なぜ?」
「お前を俺のそばに置いておきたい」
まんばはまた黙る。
「俺は主の刀だ、あんたの刀じゃない」
それを聞いて前を思い出す。そういえばそんな理由で断られたんだった。
「じゃあ主に許可を取ろう。それでいいかな?」
「いや、主の許可が下りたとしても、俺はお前と同室はいやだ」
「なぜ?」
「お前、俺のことを卑下するらしいじゃないか。他の本丸の同位体から聞いてるぞ、偽物くんって呼んで、事あるごとに嫌味を言われる、と。同室になりたいのも俺を日々のストレス発散の道具にする気だろう?」
「え、そんなこと考えてな……待て……
まんばからは軽蔑の眼差し。信用ない。
(何やってるんだ同位体の俺〜〜!)
「個室は不満か?長船派もいるが、そちらではだめか?」
「俺はお前がいいんだよ!」
まんばはきょとんとしてる。なんでそんな顔をするんだ。宇宙猫。
「お前、使用人だった頃の記憶はないのか」
「写しなんて雑用をやってろという意味か?」
「チガウ!!」
話にならない。取り付く島がない。

しかし今度こそまんばと添い遂げたい。長義はことあるごとにまんばに話しかける。
「国広!お前が昔好きだったお菓子を取り寄せたんだ!俺の部屋で一緒に食べないか?」
「俺は昔から甘いものはそんなに好きじゃないが、好きだったとは?」

また別の時も。
「国広、今日は非番だろう?頑張り屋のお前だから、休める時はゆっくり休むといい」
「いやあんたに言われなくてもゆっくりするが、なんだその言い方は。本歌だから写しより上と言うことか?」
……いや」
主人だった時の癖でつい上からの物言いをしてしまう。
ある日、審神者から呼び出される。
「最近国広とよく話してるみたいだけど」
「そうだね、本歌と写しだから、積もる話もあるしね」
審神者がまんばの話題を出すからドキッとする。嫌な予感がして、先にそれっぽい理由を並べる。
「うん、長義はそうかもしれないけど、ちょっと国広と距離を置いてくれないかな?」
「は!?」
嫌な予感的中。
「ほ、ほらあの子人付き合いが苦手な子でね、誰でもパーソナルスペースってあるだろ?国広は極端に広いから、長義にぐいぐい来られると戸惑っちゃうみたいなんだ、その、ね?だからもう少し控えめにしてくれるといいかなって
審神者の反応からしてまんばに相談されたに違いない。つまりまんばが「長義を遠ざけたい」と思ってるということ。

前世の記憶の所為で少し馴れ馴れしかったかもしれない。なんせ恋人同士だったから、距離も近かった。
ちょっと反省。

しかし長義から離れようとするのは許せない。