木蔦(キヅタ)
2020-05-30 14:14:15
3519文字
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ネットで会った利害が一致する相手と結婚するけどすぐ後悔して離婚したくなるちょぎくにの話【ちょぎくに】※現パロ、女体化


ちょぎくに
※現パロ
※女体化

まんばは親から結婚を心配されていた。既に結婚適齢期。口うるさく言ってくる。
まんばは面倒だな、と思う。恋人なんていないし、結婚なんて嫌だ。
ただ単に仕事相手としてなら別に構わないと考える。例えば家事や掃除を分担してやる、困った時に助け合う、持ちつ持たれつの関係。愛す愛されるは煩わしい。ある種ビジネスパートナーのような結婚ならいいなぁと考える。

そこでネットの掲示板でその事を募集してみる。それに同意してきた男性と意気投合、そしてすぐさま結婚。トントン拍子。
相手の男性も誠実そうで、仕事も定職に付いてて、親のお眼鏡に適った。

そしてふたりは同棲する。家事や炊事、掃除の役割分担を決め、お互いパーソナルスペースには踏み込まないようにする。

しかし適当に選んだのが悪かった。まんばと結婚相手は性格がめちゃくちゃ合わない。まんばは適当に洗濯物を畳むが、相手は「皺が寄る!!」と細かい所を気にする。うるさい。神経質。
ご飯だって作ると文句言ってくる。味が濃いだの煮えてないだの。まんばは食えればいいと思ってる。

まんばは数週間で我慢の限界に達する。
「あーしろこーしろってうるさい!細かいにもほどがある!」
「お前は大雑把すぎるよ!掃除だって隅の方に埃が残ってる!よくこれで平気でいれるね!?」
「こんなに美形なのに結婚できない理由がよーくわかった!こんなんじゃ相手の方が疲れる!」
「お前こそ、顔は可愛いくせに、ガサツすぎ!イメージ裏切られる!」

そして離婚だ!!となる。

すぐさま離婚したいが、いろいろ準備がいる。住むところも確保しなければならないし、手続きとかも面倒。準備が整うまでの少しの間だけ同棲したままにする。

仕方なく一緒に暮らしているが、顔も見たくない!ましてや喧嘩の原因になった家事や洗濯をシェアしたくない!と別々にやっていた。


「あ、雨が降ってきた!」
まんばが部屋でだらだらしている時に雨が降り始める。元夫は外出中。まんばは慌てて洗濯物を取り入れる。元夫が干した洗濯物が目に入る。やってあげる義理はないが、さすがに可哀想かなと思い、取り込んであげる。

びしょ濡れで帰ってきた元夫はびっくりする。まんばは、ああ、傘も忘れてったんだなと思う。
「洗濯物、入れてくれたの?」
「まあ、ついでだったからな」
「ふーん、ありがとう」
素直に礼を言うだなんて珍しい、可愛い所もあるなとまんばは思う。

別の日、まんばは夜遅くに残業で帰って来る。疲れた。今日は夕食を作るのも面倒だし、早く寝たくてコンビニに寄るのすら億劫だったので、ご飯は食べずに寝てしまおうと思う。
「おかえり」
深夜だと言うのに、元夫がリビングにいた。いつもこの時間は自室にいるはずなのに、まんばがいないからリビングで有意義に過ごしてたのだろうかと考える。
「た、ただいま」
「ビーフシチューならあるけど、食べる?」
「え?いいのか?」
「余ってるし、いいよ」
わざわざ元夫が温めてくれて、皿に盛りつけてくれる。
「美味しい」
「まあね」
お風呂も沸いてるよ、と風呂を勧めてくれて、しかも片付けまでしてくれる。有り難い。

そんなことが何回かあり、まんばは「ああ、俺が理想だったのはこういう関係だった」と思う。持ちつ持たれつ。
でもそれは他人に戻ったから優しくしてくれるんだし、夫婦という関係に戻ったら、ガミガミ言ってくるんだろうなと考える。

「今日金曜口ードショーであの映画やるよ。お前見たいって言ってただろ?」
「え、本当か??見たい!録画もする!」

楽しみにしてた映画が地上波でやると聞いてわくわく。その日は早く仕事を切り上げ、帰宅。ご飯も早めに食べて、リビングの大きなテレビの前で待機。ジュースとポテチも用意する。

隣りに元夫も来る。興味あるから、と一言。
まんばは興味持ってもらったのが嬉しくて、にこにこ。

結論から言うととても良かった。映画ももちろんだが、元夫と見るのはとても居心地がよかった。
同じ所で笑い、同じ所で感動し、気が合うってこういうことだろうなと思った。まんばはつい、このままずっと一緒にいたいなと思ってしまう。

最近は夕食も一緒に取るようになった。ガス代が勿体ないから、とか、多く作ったから分けてあげる、という流れ。同じく、ついでだから、と皿洗いも一緒にやったりする。

ある日元夫が言う。
「そうそう、お前、住むところ見つかった?」
まんばはぎくりとする。最近このままいたいなと思い始めてしまい、探してない。ずるずる。
「まだ」
「俺の会社の独身寮がようやく空いたらしい。来週にはそこに移るよ。だからお前はこのままここに残ればいい」
まんばはショックを受ける。

じゃあそのタイミングで住所変更の手続きに行こう、まだ出してなかった離婚届も一緒に出そう、という事になる。
「お前は仕事あるだろ?俺はどうせ他にも手続きがあるから、離婚届出しておくよ」

そして呆気なく離婚となり、元夫は家から出て行く。

まんばは仕事から帰る。ドアを開けると真っ暗。ご飯の良い匂いもしない、テレビの音も聞こえない。共有スペースだったリビングや台所、洗面所からは一人分の荷物が消えている。

お互いの部屋には入らないルールだったから、元夫の部屋には入ったことがない。もう彼の荷物はないので、入ってもいいはずだが、まんばは怖くて開けられない。

リビングにいると一緒にご飯食べた事とか、喧嘩したこととか、思い出してきてしまって、まんばは泣き崩れる。一緒にいて楽しかった。これからもずっと、一緒にいたかった。
今まで思っていたが、ずっと目を逸らし続けていた事実を受け止める。

でももう元夫は出て行ってしまったし、離婚もしてしまった。だから元に戻る事などできない。悲しくて悲しくて、まんばは泣く。

すると急に電気が付く。

「な、で、電気も付けずに何をやってるんだ!」

まんばはきょとんとして声が聞こえた方を見る。
元夫が玄関で突っ立ってた。泣いてるまんばを見てぎょっとする。

「な、なんで泣いてるんだ」
慌てて駆け寄って来て、袖でまんばの涙を乱暴に拭う。
「会社で怒られたのか?何か酷い事言われたのか?帰り道何かあったのか?」
心配そうにまんばの顔を覗き込んで来る。
「な、なんで、出てったんじゃ
「いや、鍵を返しそびれたと思って、お前に会いに来たんだ。もう帰ってる頃だと思ったのに明かりがついてないから、部屋で待とうかと思ったら鍵が開いてるし不用心じゃないか?」

まんばは元夫を見てると悲しさと嬉しさがごちゃ混ぜになってきてしまって、ちょっと止まっていた涙がまた溢れ出してしまう。
「あーもー泣くな。お前に泣かれると弱い」
元夫に頭をポンポンされて抱きしめられる。
「泣かせたやつ誰なの?」
「お前だ!」
そういうと元夫はきょとんとする。
「もしかして、俺がいなくなって、寂しくて泣いてたの?」
……悪いか」
「悪くないけど」
なでなでされたまま沈黙。抱きしめられてるのでお互いの顔は見えないけど、まんばは顔真っ赤。見られたくないからこの体勢にホッとしてる。
「それって俺に戻ってきてほしいってこと?」
「ううう……
それ以上何も言えなくてまんばは黙ってしまう。
「俺の都合の良いように解釈するよ?」
……っ好きにしろ!」
元夫は「じゃあ週末荷物を戻そうかなぁ」と呟く。帰ってくるらしい。まんばは嬉しくなってくる。だけど夫婦じゃない男女が一つ屋根の下で暮らすなんて、おかしいよなとも思う。
「今日はこっちで寝るよ」
「え、でもあんたベッド
「ないから、貸して」
「え、俺にソファで寝ろと??あんたがソファにすればいいだろ」
「いや、一緒に寝ればいいだろ?」
……俺のベッドは一人用だから狭いんだが。特に男のあんたが入ったらぎゅうぎゅう……
「くっついて寝ればいい」
「な、別に恋人同士でも、夫婦でもないのに、一緒になんか!」
抱きしめられてたのに、身体を急に離される。元夫は持ってた鞄を漁って、紙をまんばの目の前に突きだす。それは出したはずの離婚届。
「え、これ、出したはずじゃ?」
「やめた」
「え!?なんで!」
「出したくなかったからやめた」
まんばはまだ状況が掴めてない。
「夫婦なんだから、いいでしょ?」

そしてちょぎくには結ばれた。
ちょぎくにハピエンイエェェェェェェイ
お付き合い下さりありがとうございました!お疲れ様でした!