木蔦(キヅタ)
2020-05-13 20:15:28
1632文字
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審神者に恋人が出来て、ショックを受けるまんばの話【ちょぎくに】


ちょぎくに

・んば→さにを思わせる表現あり
・審神者は出ないけど審神者出張ります

まんばがある日泣いて長義の元へやってくる。
「本歌ぁ!!聞いてくれ!主に男がいた!」
わー!とまんばは畳に突っ伏して泣く。長義くんは呆気に取られて目が点。
「主に?恋人が?」
「ぞゔだ……
いろんな液体をたらしながらまんばが顔を上げる。汚い。
「主だって年頃なんだ、恋人の1人や2人いてもおかしくないだろ」
「1人でもショックなのに2人もいて堪るか!俺だけの主だと思ったのにー!」
わーんと泣く。いやお前だけの主じゃなくてみんなの主だろって長義は心の中で突っ込む。
それにしてもまんばが主を好きだったなんて、その事実を知って長義は面白くない。長義はまんばに片恋していた。

まんばは初期刀。審神者はいつもまんばを頼りにしていて、まんばと審神者には目に見えない固い絆があるようだった。まんばも主、主と審神者にベッタリだった。

「それで?主の恋人はどういうやつなの?」
「ぞれが………ざわ゛や゛がで、イ゛ゲメ゛ン゛で、優じぐで、い゛い゛や゛つ゛な゛ん゛だ゛ー!!」
わーとまた泣く。自分が到底敵わないから悔しいらしい。ちり紙を鼻に押しつけて「はい、ちーん」と言うと、ブォォォオオとすごい音が響いた。

「主が好きなら、主の幸せを願ってあげなきゃ。お前も主が幸せそうにしてる方がいいだろ?」
「それとこれとは話が別だぁぁ!!あんな非の打ちどころもない完璧な男に取られるなんて!嫌味も言えない〜〜!!」
とにかくいろいろ気に食わないらしい。これはなだめるより放っておく方が吉か。

主への愛を語られるとこっちもイライラしてくるからしばらく放置しようと長義は考える。しかしまんばは聞いてほしいらしく、長義に突っかかってくる。
「あのなあのな本歌!」
「っだぁぁ!もう!鬱陶しい!」
「聞いてくれ!!」
ぎゅうぎゅうしがみつかれ、根負けする。
「あーもーはいはいどうぞ」
「そいつがな、にこって爽やかに微笑みながら『国広くんだね、xxxから話は聞いてるよ。良かったら仲良くして欲しいな』って言うんだぁぁ!!写しなんかにそんな優しい言葉……うっうっ……
「お前、相手の悪口言いたいのか、自分を卑下してるのかどっちなの」
優しさに感動してる涙に思えるが?

まんばはまだ泣いてる。
失恋した所で優しくすると落としやすいとは言うけど、これはどうしたものか。うるさいし、イライラしてくるし、慰めても効果が出てないようだし、正直追い出したい。
「お前は今まで主の恋人気取りだったのかな、図々しいにも程があると思わないか?」
「そんなこと考えてるわけないだろ!烏滸がましい!主は俺のお母さん的存在なんだ!!主にナデナデしてもらうのも、一緒にお菓子作りするのも、買い物に出掛けるのも、ぜーんぶ独り占めしてたのに、なんであのイケメンに取られなきゃいけないんだ!!」
「は?」
予想外の答えが返ってきた。

てか娘か。

「主に寝かしつけてもらったり、一緒に美味しいお菓子食べたり、かわいい服買いに行ってキャッキャしたりしていいのは俺だけだ!!」

娘か。

「お前、主にキスしたいとか、抱きたいとかないの?」
「は?主はそんなんじゃない!本歌こそそんなこと考えてたのか!?卑猥!節操なし!りょーじょく魔!」
「キスとかセッで飛躍しすぎじゃないかな
とにかく審神者は恋敵じゃないことが判明した。長義は微かな希望を持つ。審神者の恋人にショックを受けたまんばを慰め、ゆくゆくは……と思いを馳せる。

しかし長義は知らない。

まんばが審神者を母親だと思っているのと同様に、審神者もまんばを娘だと思っているということを。そして長義の恋に、審神者による凄まじい妨害が待っているということを。

ちょぎくにハピエン(?)お疲れ様でした。ご愛読ありがとうございました。次回作にご期待ください。