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木蔦(キヅタ)
2020-03-21 23:26:58
5115文字
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朝起きると裸の長義に抱きしめられていたまんばの話【ちょぎくに】
※審神者が出ます
まんばは朝起きると体が動かなかった。体が何かで締め付けられて、力を入れてもびくともしない。
一体何なのか焦って首を必死に動かした。すると目に飛び込んできたのは裸でまんばを抱きしめて寝ている長義だった。
まんばは驚く。しかも自分も裸だった。昨日は普通に寝たはずなのに、なんでこんなことに?
焦っていると長義が起きる。
「国広、おはよ
……
」
「くくくくにひろぉ!?」
偽物くんと呼んでたはずなのに、なんでそんな呼び名!?と目を白黒させてる。
「大きな声出して
…
。まだ寝ぼけてるの?」
ちゅっというリップ音と共に国広の手のひらと頬にキスをする。まんばはその行為にドン引きした。
普段嫌なことばかり言ってくる本歌が、恋刀に向けるような甘い態度でまんばに接する。何かの間違いでは、と思う。
どうしてこの状況になったのか、長義が勝手にまんばの布団に入り込んだのか、と思った。しかし周囲を見渡すとそこはまんばの部屋ではなかった。見慣れない家具の配置だった。おそらく長義の部屋だ。
さすがに寝ている間に移動されられていたら気づくだろう。だから寝てたまんばを攫ったとかはない。
夜中厠にいって戻る部屋を間違えるという説もあるが昨夜は厠には行っていない。
「今朝はどうしたの?照れてるの?なんだか初々しい反応だね」
長義が微笑む。そんな顔なんてまんばに見せたことない。恥ずかしくなってまんばは真っ赤になってしまう。
「そんな反応見せられると、朝からまたしたくなっちゃうよ」
まんばは長義に覆い被さられる。朝日でよく見える長義の顔が妙に色っぽくてドギマギしてしまう。そして押し倒されているという状況から、きゅぅきゅぅとあらぬところが収縮した。そんなところは排出くらいしか使ったことはない。しかしその収縮に刺激されたのか、中からドロリとした物が出てきた。
「
…
!?」
まんばは咄嗟に下半身を手で押さえようとするが、時すでに遅し、もうほとんどが出た後だった。慌てて身をよじってそれを見ると白いものがシーツに溢れてる。
「な、なんでこんなものが
…
!?」
「たくさん昨日あげただろ?」
「き、昨日?あげた?なんのことだ?」
「国広、今日はどうしたの?俺の気を引きたくてトボけてるのかな?」
ちゅっと今度は口にキスをした。
「な、なななな
…
!な、な、何するんだ!」
「何って、いつもしてるだろ?」
「し、してない!俺のファ、ファーストキスだ!」
「は?」
長義はきょとんとする。しかし次にはニッコリ笑って、愛撫を始める。
「そうだね、お前の初めては俺がぜーんぶもらってるもんね。改めて言われると照れるな」
「ち、ちが
…
!今の
……
!あ、や、やめてくれ
…
!」
まんばは長義に今までキスされた覚えなどない。まんばは長義を押し返す。そこで漸く訝しげな顔を長義がした。
「なに?何かあった?」
「な、なんでお前と、こんな
…
?俺たちの関係は
……
」
ただの本歌と写しのはずだろ?と続くはずだったが遮られた。
「恋仲だろ?」
「は?」
「何?国広、さっきからどうしたの?」
「な、なんで
…
?仲が悪いのに
…
?」
「『なんで』?こんなにも好き合ってるじゃない。さっきからなんなの?」
長義からひゅっと冷気とも言えるくらいの圧力がかかる。
「もしかして、別れたいとか言わないよね?」
「え
…
」
「そうなの?何?好きなやつでもできた?もしかしてもう浮気してる?相手から別れてこいとか言われたの?俺はお前のこと絶対手放さないからね。そんなこと言った奴は誰?俺に教えてくれる?国広」
一気に言われてまんばはびくびく。長義が怖い。
「べ、別に好きなやつがいるとかじゃない
…
!」
「そう?ならよかった」
空気が戻った。なんだこのヤンデレっぽい本歌は
…
?とまんばは思ってる。
すると部屋の外から声がかかる。鯰尾だった。
「長義さん、国広さん、仲が良いのもいい加減にしてくださいよ!そろそろ起きてきてくれないと朝餉が片付けられません!当番の子が困ってますよ!」
「ああ、すまない、今行く」
まんばは目を白黒させてるが、長義に促され、着替えて朝餉を食べに行く。
大広間に行くともう人もまばらだった。しかもそのほとんどが片付けをしていて、悠長にまだ食べてるのは数振りだけ。
(あれは
…
?)
見知らぬ刀を見かけ、まんばは目をパチクリさせる。昨日新たに顕現したのだろうか。
本丸はまだできて1年経ったくらいで、刀は50振り程度。今顕現可能な刀は100振り近くいるらしいので、その刀が来たのかもしれない。
「なに他の男見てるの」
こつんと小突かれた。
「あ、いや、昨日来たのかと思って」
「昨日?何が?」
「え、あの刀が」
「山鳥毛が?どこに?」
「さんちょうもうって言うのか?」
「
……
国広、大丈夫か?」
眉を寄せて覗き込まれる。
まんばはなんだか腑に落ちない。話が噛み合わない。
「国広さん、今日遠征でしょ?のんびりしてていいの?」
「え?遠征?俺は今日出陣の予定
……
」
「鯰尾、お前非番だったよね?国広は体調悪いみたいだから代わってくれないか?」
「えー」
「万屋三色団子2本」
「仕方ありませんね!」
鯰尾はダッシュでいなくなる。
「俺、体調なんて
…
」
「いいから」
それっきり長義は黙ってしまうので、黙々とご飯を食べる。
自室に帰る。長義も何故か付いてきた。
自室に入った途端、何か違和感を感じる。それがわからなくて、いつもの定位置に座り、固まる。なんだか今日は変なことが起こりすぎて頭がパンク状態。思考停止。なんだか目眩がする。
「国広?大丈夫?手入部屋に行く?」
「手入部屋はいい
……
。でも主に会いたい
…
」
「は?他の男に会いたいなんて、俺に言ってことは心移りしてるのかな」
「違う!そんなんじゃない!」
またヤンデレを発揮したので、慌てて否定する。
長義のことを好きなわけではないけど、ややこしいので置いておく。
「なんだかおかしい。俺の知ってる本丸じゃない。さっきも廊下で知らない刀と何振りもすれ違った。向こうは俺を知ってるような感じだった。だから主に会って確かめたい」
「知らない?どういうことだ?」
「それを確かめたい」
長義はまんばをじっと見つめた後、わかった、と言った。
「主を呼んでくる。お前は出歩かないでくれ。今日のお前はおかしい。」
長義は部屋を出て行く。
まんばは部屋をぐるりと見渡す。やはり違和感がある。家具の配置など一緒のはずなのに、何かが違う。
ふと見ると、文机の上に日記帳が並んでいる。出陣記録の代わりにつけ始めた物で、最近は私生活のことも書き連ねてる。5冊程度ある。こんなに多かっただろうか、と手に取った。
その日記には未来の日付が書いてあった。1年先の未来だ。どういうことかわからなくて読み進める。
そこにはxxxが顕現した、という知らない刀の名前や、知らない出陣場所、長義と付き合ってることなどが記されていた。
「これは一体
…
?」
もしかしてここは未来だろうか?とまんばは思う。
タイムスリップしてしまったんだろうか、未来の俺はどこへ行ったんだ、タイムスリップした所為で本丸の歴史が変わるなんてないだろうか、まんばは色んなことを考える。そして急に怖くなってくる。
審神者が来て、それを知られたら処分されないだろうか、政府に受け渡しされないか
……
そしてまんばは部屋から逃げ出す。
この後どうするかなんて頭にない。とりあえず身を隠さなければと思った。
ダッシュで本丸外に向かうが、審神者の許可がなければ外に出られない。(結界が張ってあるため、内側にも作用してしまう)
仕方なく、庭に身を潜める。大きい木によじ登り、葉で身を隠した。ここなら向こうからは見えないし、高いから様子を伺える。
くにひろーと長義の声が聞こえた。もう部屋にいない事がバレたらしい。
長義も自分の知ってる長義と違い、怖い。たまにヤンデレの一面をチラ見させてくる。怖い。もしもここが未来だとしたら、自分はヤンデレのどこに惹かれたんだろうか。まさか脅されて無理やり恋仲になったのではないだろうか。
そう考えると長義も怖い存在に思えて一層身を縮こめる。
しかしそうしているうちにまんばは長義に見つかってしまう。
「ようやく見つけた。部屋にいてって言ったよね?どうしたの」
まんばは真っ青になって首を横に振る。
「こわい
…
」
「ほら抱きとめてあげるから、降りておいで」
高さが怖いんじゃない!
結局長義に捕まり、自室に戻される。
「お前の様子がおかしいとわかってたのに、ひとりにさせるんじゃなかった」
部屋の外で審神者が声をかける。
「見つかった?」
「見つかったけど、また後でいいかな?」
「わかった、また呼んで」
審神者は行ってしまう。
🌚
「それで、なんでお前は逃げたのかな?」
長義が優しく問いかけてくる。
「実は
……
俺は過去から来たんだ!だからあんたと恋仲の山姥切国広じゃない!」
「過去から?」
「俺は1年前から来た。普通に部屋で寝たはずだったんだ
…
。ここにいたあんたと恋仲の俺が今どこにいるのかはわからない。だけど、俺はその、あんたのことは、どうとも思ってなくて
…
!」
「ふうん?」
長義がまんばを上から下まで検分する。
「その姿なのに?」
「へ?」
「国広は少し前に修行に行った。今は極だ。お前は1年前から来たと言ったね?体つきは修行後のように見えるけど、本当に1年前から来たの?」
「ええ!?」
体を見下ろす。確かに心なしか引き締まってるように思う。修行とは。
「国広、嘘はいけないよ?」
「ちょ、長義は俺の言うこと信じてくれないのか!?」
「信じよう」
このヤンデレ、軽いな。
長義の計らいで審神者に会う。審神者はまんばの話を聞いた後ジロジロと体を見る。
「イヤラシイ目で見ないでくれるかな!」
「見てないよ!いつも通り嫉妬深いな!」
「主、どうなんだ?」
「うーん、ステイタス的にも極のままだし、何にもおかしいところないんだよねぇ
…
」
「精神だけタイムスリップ?」
「じゃあ俺の恋刀はどこに行ったんだい主」
「そりゃ過去へ」
「過去に国広の様子がおかしかったことなんてないだろ」
「か、隠してたかもしれないし!」
「そんな器用なことができる刀か?」
まったくだ。
「あと考えられるとしたら記憶喪失」
「記憶喪失」
「記憶が全部なくなったわけじゃなくて、ある時点まで戻っちゃったという可能性もある」
「ピンとこないが」
「昨日の記憶がないお前に聞いてもなぁ
…
」
審神者が「ほら長義、昨日国広が頭打ってたとかそこら辺に生えてる変なもの食べたとか知らない?」とか聞いてる。子どもか。
「いや、昨日は一緒に出陣だったけど、そんな様子はなかったよ」
ただ、今思えば、ちょっと様子はおかしかったような?と長義は首を傾げる。
「お姫様だっこで本丸に帰った所為かと思ってた」
何してるんだお前は
…
!とまんばは自分自身の苦労を感じた。
「あれ?国広、それどうしたの?」
「それ?」
審神者がまんばの体を指差してる。そこには何もない。
「何のことだ?」
「穢れがあるよ?どこで付けてきたの?」
審神者がペィと手で払う仕草をする。まんばは驚いた。
審神者に払われた瞬間、何かが消えたのを感じた。そして走馬灯のようにここ1年の記憶が蘇ってきた。
恥ずかしいものから、恥ずかしいものまで。
「ちょ
………
///」
耐えきれなくて蹲る。
「あービンゴ👍」
「主、国広は
…
!」
「呪が掛かってたみたい〜死に損ないの遡行軍とかかなぁ?」
審神者は、後はごゆっくり☺️と微笑みながら去っていった。
まんばは思い出した。この1年、長義に口説かれ、口説かれ、口説かれた日々を。そして魔が差して、つい応えてしまったことを。今は恋仲という関係であることを。
思い出してしまった。
「うー〜〜!」
ヤンデレだろうと、嫉妬深かろうと、まんばは長義に惚れ込んでいて、もう後戻りなどできない。
記憶がないときは「俺可哀想に」などと思っていたし、「俺なら絶対やだ」と思っていた。
でももうこの長義に絆されて、それが当たり前になってしまってるからなぁとまんばは思う。
そしてちょぎくには幸せになった。
お疲れ様でした!お付き合いありがとうございました!
途中端折ってしまった所(あっさり解決した所がそれです)がありますが、ご容赦くださいー!
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