木蔦(キヅタ)
2020-01-04 22:00:46
1156文字
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まんばに想いを寄せているけど、逢引を目撃してしまう長義の話【ちょぎくに】※長義視点ではバッドエンド


ちょぎくに
※長義視点ではバッドエンドなので注意

長義はまんばのことが好きだった。まるでそうと定められたように、会った瞬間惹かれた。
「俺が近侍だから、本丸を案内しよう。世話係も俺だ、何でも相談してくれ」
長義は二振目だった。
一振目とまんばは仲が悪いようだった。
いつも会うたびに口論していて、二振目はやきもきした。

(そんなことばかりしていると、『山姥切長義』の印象が悪くなる。俺は国広のことが好きなのに勝手にイメージを悪くしないでくれるかな!)

長義(以降、長義と表記した場合は二振目を指す)は一振目とは違うと体現するため、まんばには優しく、笑顔で接するようになる。世話係だからと理由を付けて、たくさん話をしに行った。まんばは一振目と違って長義には優しく接してくれた。

冬のある早朝、外は雪が積もっていた。長義は寒くていつもより早く目が覚めてしまった。
(目が冴えて二度寝も無理そうだ、もう起きよう)
長義はすることもないため、雪のつもった風流な庭でも見て回ろうか、と考えた。さすがに外に出るのは寒いので縁側からそっと見るだけでいい。それに白い絨毯のような雪に足跡を付けるのは忍びない。
長義は羽織を着て、庭を眺める。
すると白い布が庭へ出て行くのが見えた。
遠目だし、雪も布も白いのでわかりにくいが、あれはまんばだったと思う。
(国広に会えるなんて。早起きは三文の得とはよく言ったものだ
長義は意気揚々と国広を追いかけて庭へ出る。
(『国広も散歩かな?奇遇だね』と声を掛ければいい)
まんばが向かった方向へ進む。まんばは橋の上にいた。長義が声を掛けようと口を開いたその時だった。

まんばとは反対側から一振目が現れる。まんばは一振目に近づく。ふたりは自然な流れで抱きしめあった。
長義は今見ている状況が飲みこめない。一振目とまんばは仲が悪いはずだ。
一振目は愛おしい者を見るような目で腕の中にいるまんばの頭を撫でている。そんな顔見たことがない。同じ山姥切長義とは思えない。

ふたりは抱き合っていたが、しばらくすると名残惜しそうに離れた。未練を振り切るまんばは早足で立ち去る。その顔は切なげで、こちらが胸を痛める程だった。
「あっ、長義!」
思わぬ事実にショックを受け、呆然としていた所為で、まんばに見つかってしまった。
「も、もしかして、見て……
まんばが狼狽している。
「国広は、一振目と付き合ってる、のかな?」
まんばは真っ赤になって、しばらく固まった後、小さく頷いた。
谷底に突き落とされる思いだった。
「み、みんなには秘密にしておいてくれないか!」
長義はただ頷くしかなかった。

お読みいただきありがとうございました!
長義的バッドエンドでした。お疲れ様でした。