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木蔦(キヅタ)
2019-12-17 01:45:33
4011文字
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ツイッターをやってる長義くんとまんばくん【ちょぎくに】※現パロ
ちょぎくに 現パロ
長義はツイッターをやってる。やってると言ってもそんなに頻繁じゃない。たまに自分が作ったご飯の写真を載せたり、日常の愚痴を書いたりする程度。
別に面白いことも書いてないからフォロワーもそんなにいない。
しかしそのツイートに毎回いいねをくれる子がいる。アイコンがとても可愛らしい女の子の写真。いつもいいねをくれるので気になっていた。しかし話しかけることも、相互になることもなかった。キッカケもなく、なかなか踏み込めずにいた。
長義は会社でいけ好かない同僚がいる。生意気だし、女性社員から人気で良い気になってるし、無口だし、生意気だし。仕事上でも意見が合わずよく対立することが多い。
その日も彼と方針が合わず、口論になった。
『くそむかつく。良い気になりやがって。上司の前で良い格好したいからって反論ばかりしてきやがって』
今日もいいねが付く。慰めてくれているんだろうか。長義は少しすっきりする。
彼女の名前は『うつ』さん。よく猫の写真をツイートしている。飼ってはいないが猫好きらしい。フォローしていないがよくホームへ見に行く。
今日も野良猫らしい写真がツイートされている。
「きっと可愛らしい女性なんだろうな」
顔が良いのはアイコンで知ってる。ただ性格も良さそうだ。真面目で、心優しくて、おおらかな感じをイメージする。
しばらくすると会いたいと思うようになる。
バレないかもしれないと思ってそっとフォローしてみる。すぐにリプがあった。
『フォロバありがとうございます。ちょぎさんのお料理に惹かれていつも拝見してました。』
長義は嬉しくなり、すぐにリプする。
『こんばんは、初めまして!いつもいいねありがとうございます。うつさん猫がお好きなんですね。俺もです😊』
今までウジウジ悩んでたのがバカらしくなるほど、難なく会話できた。
まさかフォローしたら話しかけてもらえるなんて思ってもなかった。その日は腕によりをかけて夕飯を作る。従兄弟の燭台切に教わったから料理には自信がある。
TLにうつがいる事を確認し、これ見よがしにツイートする。すぐにいいねが付き、さらにリプがつく。
『美味しそうですね☺️食べたいです』
嬉しくなる。
『いつでもご馳走してあげるよ。家が近いなら今度食べに来ない?俺は都内なんだけど』
送ってから女性に対し軽率な発言だったかと思う。家に呼ぶなんて警戒されそうだ。
『わー!嬉しい!是非!こっちも都内です!』
社交辞令かもしれないが、良い反応が返ってきて、ふんわり胸が暖かくなる。
長義は少し浮かれて次の日スーパーに買い物に行く。もっと美味しそうな料理をツイートして彼女と会話したい。
スーパーまでの道を歩いていると猫が横切る。そういえば彼女は猫好きだった。猫の写真をツイートしたら喜ぶだろうか。
長義は猫を追う。
しかし猫を追った先で仲の悪い同僚に会う。彼に猫がわらわら寄ってきてる。
「げ
……
」
「あ。」
「偽物くん、なんでこんなところに?」
「いや、かわいい猫がいたから撫でてた」
「ふーん
…
」
嫌な奴に会ってしまって気分が悪いなと思う。
彼には猫がすり寄ってきて、まるで撫でろと言わんばかり、たくさんの猫に囲まれてる。
「はん、偽物くんは猫にモテるんだね」
バカにしたように言うと、彼は照れたように黙り込んだ。
(な、なんで照れる
……
??)
心底わからなくてまじまじと見ると、顔を真っ赤にさせて見るな!と顔を隠す。
なんだか弱みを見た気がして、普段生意気な同僚が急に可愛く見える。
「偽物くんは猫好きなの?」
「べ、別に好きと言うほどじゃない」
「へえ?その割に手慣れてるけど。かわいいもの好きなんだね」
「か
……
!?き、嫌いじゃない
……
」
「素直じゃないなぁ」
くすくす笑うとからかわれたと気づいたのか、さらに真っ赤になる。可愛らしい。
いけ好かない同僚の弱みを握ってやったぞ、と内心ほくそ笑んだ。
今日は腕によりをかけて豪華な食事を用意する。ツイートするとすぐにいいねとリプが来る。
『ちょぎさんすごいですね!プロみたい!何かお祝い事ですか?』
『いや、めでたいことがあったわけじゃないよ。そうだな、強いて言うなら楽しいことを見つけたから、それかな?』
リプを返した後、うつのホームをチェックすると今日も猫の写真がツイートされてる。撫でられて心地好さそうな野良猫が写っていた。
うつとは何回かやりとりをし、たった1週間でかなり仲良くなった。ツイートには毎回いいねやリプをくれるし、長義もうつのツイートを見かけたら反応を返すようにした。
次の休み、再び長義は少し豪華な夕飯を作ろうと思う。買い出しに出るとまた会社の同僚に会ってしまう。今回は公園で猫を撫でていた。またからかってやろうと近づく。
「またやってるの?」
「ぎゃ!や、山姥切
…
!」
同僚が驚く。同僚はベンチに座って猫に囲まれていた。膝の上には真っ黒な猫が我が物顔で寝てる。
「もしかして恋人がいない?休日に猫と一緒にいるって」
「い、いうな!」
「恋人が猫みたいな?」
「な
…
!」
真っ赤になる同僚を見て気分が良くなる。
「猫の写真撮って良いかな」
「か、勝手にすればいい。野良猫だし
…
」
写真をいくつか撮ってると、同僚が声をかけてくる。
「その子は野良だけど毛並みがすごくいいんだ」
「この子は人懐っこくて、誰にでも懐く」
「この子は気分屋で、たまに擦り寄ってくるんだけど、今日は珍しい」
同僚は聞いてもいない猫の情報を教えてくれる。
これだけ写真があれば彼女が喜ぶかもしれない。そう思って立ち去ろうとする。しかし、ぐぅ、と大きな音を聞いてしまう。
「
……
偽物くん、今からご飯の買い出しに行くんだが、食べるか?」
猫の写真を撮らせてくれた恩もあるし、と言い訳して、同僚を家に誘う。
「ご飯?山姥切が作るのか?」
「そうだよ、俺が自炊してたらおかしいかな?」
「すごいな山姥切は!俺は料理全然できない!」
「お前と一緒にするな」
キラキラした尊敬の目で見つめてくるので少し気分が良くなる。
ふたりで買い出しに行って、長義の家でご馳走してあげる。ちなみにご馳走になるお礼にと食材は同僚がお金を出してくれた。
「わー!山姥切は本格的なんだな!美味そう!」
「まあこれくらいできて当然だよ」
「プロみたいだ!写真撮っていいか!?」
「どうぞ?」
嬉しそうに同僚は写真を撮ってる。
長義はホクホクと猫の写真をツイートする。彼女は喜んでくれるだろうか。
『今日は公園に猫がいたよ。かわいかった』
そして同僚が一番美人だと豪語していた猫の写真をツイートする。
ふとTLを見ると、彼女もほぼ同時刻にツイートしていたらしい。豪華なご飯の写真がアップされていた。
「え」
『今日は職場の同僚のおうちでご飯を食べた。すっごく美味しかった!』
その写真は見覚えがあって、長義は混乱する。
「えぇ??」
あれは同僚にご馳走したんであって、彼女にではない。それなのに彼女のツイートにその写真が上がってる。一体どういうことかわからない。
そういえば、彼女の一人称を見たことがない。女性の顔をアイコンにしているが、本人の顔ではないかもしれない。ネカマの可能性もある。
『うつさん、失礼を承知で伺いますが、うつさんの性別は
…
?』
『男ですけど?』
ちょっとまてぇぇぇぇぇぇ!!!
リプには続きがあった。
『あの、ちょぎさん、もしかしてちょぎさんの住んでる場所ってxx区ですか
…
?』
ああああああああ!そうだよ!!!来たもんな!?知ってるよな!?
長義は発狂した。
『知ってる猫が写っていたので!お近くに住まわれてるみたいですね!』
待て待てここまで来て気づいてないのか偽物くんんんんん!!
長義は頭を抱えた。
長義は覚悟を決めてリプをする。
『俺は今日お前に会ったんだが』
『え?どこかですれ違いましたか?』
『違う!いい加減気づいたらどうかな!?』
『気づく?見られてた?もしかして、ストーカーされていた
……
?ちょぎさん、ストーカーなんですか?』
『なんでそうなるんだ!自意識過剰すぎだろ!』
埒があかなくて、長義は同僚に電話をかける。
「おちょくるのもいい加減にしろ!」
『開口一番なんなんだ?』
「ツイッターでのことだよ!うつは偽物くんなんだろ!?」
『なんで知って
……
?まさか、ストーカー?』
「天丼か!!」
『いや今日ご馳走になったのは牛肉の照り焼きで
…
』
「ご飯の話じゃないし、今日のメニューは牛ほほ肉の赤ワイン煮だ!!味全然違うだろ!」
『それそれ』
「あ〜〜〜!もう!話が進まない!もうわかっただろ!?俺がちょぎだよ!」
言った瞬間、電話の向こうで沈黙が流れる。
『山姥切が、ちょぎ、さん
…
?』
そしてしばらく後にブツッと電話が切れる。
「は!?なんで切ったんだ!くそ!リプで文句言ってやる!はぁ!?ブロックされてる!!」
うつのホーム画面にいくと「ブロックされてます」の文字が表示される。再び電話を掛けるが、拒否設定にされてるらしく、繋がらない。
「はぁ!?あいつから寄ってきたくせに俺だってわかった途端避けるのか!?意味がわからない!許さない!」
長義は頭に来て、ブロックを絶対に解除させてやる!と息巻いたのだった。
お疲れ様でした!お付き合いありがとうございました!☺️
この後まんばは会社で長義くんに付きまとわれて大変なことになります。微笑ましいですね。
どうでもいい設定
・まんばがアイコンを女性の写真にしてたのは、自分の顔にしたくなかったから、適当な写真を使った。(たぶん母親とか、従姉妹とかの写真では?)
・「うつ」と言うHNは、写しのうつと、鬱のうつを掛けたもの。
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