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木蔦(キヅタ)
2019-11-25 02:33:27
2785文字
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恋文から始まる審神者と長義と国広の恋物語【ちょぎくに】※ちょぎ←審神者表現あり
ちょぎくに
ちょぎ←女審神者表現あり
まんばは初期刀。審神者は長義に一目惚れしてしまった。しかし内気な性格ゆえ、話しかけられない。初期刀のまんばに相談し、文を書くことになった。
『話しかけるなんて勇気が出なくて言えませんが、長義のことが好きです。長義に何か望むわけではないですが、ただこの想いを知っておいてほしい。それだけです。』
まんばは文を託された。長義に渡す。
「手紙?」
「顔を合わせると上手く話せない、と」
「ふーん?」
「それじゃあ」
まんばはそそくさと退散する。
審神者の恋が叶うといいなと思っていた。
数日後、まんばは長義に話しかけられる。
「読んだよ」
「ああ。どうだった?」
「なかなか健気な姿勢が優かな」
「そうか」
「気持ちに応えよう。求められたら与えたくなるしね」
まんばはよかったな主、と思う。
俺の役目もここまでかとまんばは思う。そうだ、長義を近侍に据えれば主と四六時中一緒にいられるじゃないか、と思いつく。
「お前に近侍の仕事を任せたい。もちろん主の許可を取らなきゃいけないが
…
。」
「近侍を?なぜ?」
「そうしたら仕事中も一緒にいられるだろう」
「そんな職権濫用みたいなことしていいのかな」
「仕事さえちゃんとこなしてくれれば構わないだろう」
「ふーん?」
「明日から教えるからいいだろうか?」
「構わないよ」
まんばは審神者に許可を取り、長義に自分の仕事を教えることにする。
「この執務室では常に審神者と一緒にいるから
…
」
「ふたりきり?」
「ああ」
まんばは、恋人と二人きりになれるから嬉しいんだろうなと思っている。
「何もなかったんだよね?」
「え?俺か??あるわけないだろう」
「ならいいんだ」
まんばは長義が自分に嫉妬してそんなことを聞いたのかと気づく。
「言っとくが主とはなんともないからな?お前には誤解されたくない」
「俺には?」
「だって今はお前が恋人なんだろう?」
変な誤解を受けて馬に蹴られたくない。
「ふふ
……
かわいいこと言ってくれるね
…
」
長義がくすくす笑う。面白い事も可愛い事も言ってない。
数日後、また長義に話しかけられる。
「今夜、部屋に行ってもいいかな?」
「今夜?何の用だ?」
「そんなこと聞くなんて無粋だよ、俺の写しはウブなのかな?」
ウブと言われて閨関連を連想する。もしかして主との閨について相談だろうか。
「もしかして女性経験もない?」
「悪いか、だから俺じゃ役に立たないと思うぞ」
「そんなつもりはないよ」
まあ、そうだな、経験がないならゆっくり、ね、と言ってどこかへ去ってしまう。相談役にならないとわかってくれたかと安堵した。そんなこと相談されても困る。
夜、本当に長義が来る。
「来てもらっても、何もできないんだが」
「いいよ、いきなりは心の準備ができないだろうし」
「???」
心の準備とは?もしや童貞だって言ってるのにまだ相談しようとしてるのか。
「キスくらいはいいよね?」
「キスすらしたことないんだが」
「それは嬉しいかな。してみる?」
キスをどうやってするのか知識なんてない。キスは口と口をくっつけるだけじゃないらしい。上手い下手があると聞いた。それは知ってるが、技術的なことは何も知らない。だから長義に教えられる事などない。
「それともお前にはまだ早いかな」
「な
…
!あ、侮るな!!それくらい俺にもできる!」
「じゃあしよう」
「え、今ここでか?お前と?」
「そうだよ。今しなきゃいつ誰とするつもりだったの?」
「いや、別に誰ともしないが」
しかし無理矢理奪われる。まんばはびっくりした。
男同士なのに、とか、そういうのは主にしてやれ!とか、なんでこんなことに??とか頭の中にいっぺんにたくさんのことが駆け抜ける。
「ん?そんなに気持ちよかった?」
キャパオーバーでパンクしてるまんばを見て長義が言う。気持ちいいわけあるか。
たびたびそういうことがある。
あと長義への近侍の教育期間も終わった。
ある日まんばは、審神者が泣いているのを発見する。話を聞いてみると長義に釣れなくされたらしい。なぜ、と思って長義を問いただす。
「別に興味ないからだよ」
「でも求められたら与えるって
…
」
「俺にも選ぶ権利はある」
長義はため息をひとつ。
「さっきからなんなのかな。俺に浮気してほしいの?」
「!浮気
…
!?」
「だってそうだろう?」
ガミガミ言ったら反発して奇行に走るタイプか?とまんばは思う。外部が口を挟まない方がいいだろうか。
まんばが迷っているとバンッと壁ドンされる。
「お前はそれでいいの?」
浮気してもいいのかと脅しをかけられた。審神者のためにも浮気して欲しくない。審神者は泣いていた。
「俺は嫌だ
…
」
「そう、わかった」
長義は踵を返す。
「俺はこれでも一途だからね、浮気なんてしないよ」
「なら、いいんだ。しかし恋人にそんな態度ばかり取ると愛想尽かされるぞ」
「
……
、大事にしてるつもりだけど」
そう言い残して去っていった。まんばはよかったとホッとする。これで審神者が悲しむことはない。
しかし再び審神者が泣いている所に遭遇する。話を聞くと振られたとのことだった。うまく行ってたと思ったのに何故、とまんばは不思議に思う。あまりに審神者が泣くから、まんばは長義に話を聞きに行く。
「主を振ったと聞いたが」
「ああ、聞いたの?」
「主、泣いてたぞ、何かあったのか?」
「別に、泣くほどの事はしてないと思うけど」
「それはお前からしたらそうかもしれないが、主にとって大事な恋人から別れを切り出されたら、そりゃ
…
」
「え??今なんて?」
「別れを切り出されたら?」
「ん??」
「大事な恋人から?」
「んん??」
何やら長義の様子がおかしい。
「誰が誰の恋人だって?」
「え?長義が主の
…
」
「本気で言ってる?」
「へ??」
長義ははぁぁ〜
……
とその場に脱力した。
「待って、俺はいつから主と付き合ってたのかな?」
「え?主からの恋文を渡しただろう?お前はそれに応える、と。」
「あれは主からだったのか
……
!」
「???」
「
……
お前は、恋人でもないやつにキスするふしだらな写しなのかな?」
「えええ
……
?あれはお前が勝手にしてきたんだろう?」
「勝手に、ね
…
」
「さっきから一体どうしたんだ」
「俺を怒らせた事、後悔するぞ」
「え?俺何か怒るようなこと言ったか?」
やはり外野が他人の恋愛に口を出すべきじゃなかったのかもしれない。なぜか怒りの矛先がまんばに向いた。
「覚悟しておけ」
長義から嫌がらせを受けるだろうことは想像に難くなかった。
完
お疲れ様でした!ご覧頂きありがとうございました!誰も幸せにならなかった!(笑)珍しい珍しい!
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