Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
木蔦(キヅタ)
2019-11-10 08:39:32
6567文字
Public
Clear cache
お題:ドキドキすると○○になっちゃう【ちょぎくに】
妹より
ドキドキすると○○になっちゃう
ってお題を唐突に思いついたんだけど、○○は何を入れるかね、お祈りの君
というLINEメッセージが来たため、考えてみた。
①身体が変化する系(獣化、女体化など)
②心情が変化する系(乙女、ちょろんば、気弱、ツンデレ、工口など)
③特殊能力系(超能力が使える、外部に影響を与えるなど)
思いつくのはこれくらいかな
……
?
例えば。
ちょぎくに
特殊能力系
まんばは初期刀。いつも冷静沈着、動じない、慌てず騒がず、常に隊長として適切な判断を下す。
それには実は訳があった。まんばの主は特殊な家系でその能力が中途半端にまんばにも移っていた。まんばの感情とその能力が直結しており、まんばが感情を乱すとその能力が暴発する仕組みになっていた。そのためまんばは感情に波風立てないようにするよう初期から努めていた。
感情をコントロールするのは割とまんばには合っていた。喜怒哀楽はそこまで激しくない。この能力が備わったのは自分でよかった、他の者なら大変だっただろうなと考えていた。
しかしある日その本丸に長義が顕現する。まんばは会った瞬間に胸が締め付けられるような感覚がした。
その瞬間、快晴だった天気が一変して雷が落ちた。そしてバケツをひっくり返したような雨が降り始めた。
「なぁ!?」
「あ
……
!」
「いきなり降ってきたね、どうしたのかな?」
「もしかして国広!?」
「あ、ああ
…
あ
……
今コントロールするから、問題な
…
」
まんばは長義と目が合う。その瞬間、電気が身体中を走ったような感覚がした。一瞬とも永遠とも感じる時だった。
次の瞬間再び雷が落ちた。さっきより大きい。
「うわっ
…
酷いな
…
」
「国広!」
「わ、わかってる主
…
!」
まんばは慌てながらも心を静めようとする。しかし長義がまんばと審神者に向かって話しかける。
「さっきから何をこそこそしてるのかな」
「あ
…
」
まんばの心臓はドクンドクン早鐘を打ち、治らない。外は雨と風が激しくなり嵐になりかけている。いやもう既に嵐。
「なぁぁぁ!!国広!落ち着いて!」
仕方なく審神者は長義を放置し、まんばの手を引いて部屋から出て行く。
「あるじぃ
……
俺はどうしてしまったんだ
……
上手く制御できないぃ
……
」
顔は真っ赤で半泣き。本気で何が原因かわかってなさそう。
審神者は長義が原因だということはなんとなく察している。恐らくまんばは長義を無意識に怖がってしまい、心の制御ができなくなったのだろうと推測する。写しであるが故だなぁ
……
と思う。
審神者はまんばに長義に近づかないよう命じる。仕事も一緒にならないように取り計らうし、部屋も遠く離れた場所にする。
しかし空は日に日に天気が崩れて行く。曇りの日が多くなり、遂には最近ポツポツ雨が降るようになった。梅雨でもないのにこんな天気が続くのは異常で、特殊能力の影響を受けている可能性が高い。審神者ではないので、同じ能力を持つまんばが原因ではと審神者は考える。
審神者はまんばに話を聞きに行く。もしかしたら嫌がらせとか受けているのかもしれない。まんばは表情を曇らせて答える。
「本歌の事を考えると、こう
…
胸が痛くなるんだ
……
」
「ふむふむ」
「遠くで本歌の姿を見かけるだけで、胸がぎゅっとなる」
「ふむふむ」
「会えないと、胸が締め付けられるような感じがしてつらい」
「えーと
……
」
審神者は何だかドラマとか漫画のモノローグでよく聞く内容だなーと思う。
「主、俺は体調が悪いんだろうか
……
今も本歌の事を考えるだけで
……
」
外はポツポツ雨が降り始めている。
「わ、わかった、わかったから、落ち着いて!それに体調不良じゃないから安心して、ね!?」
審神者はどうしたものかなと考える。明らかに恋だ、初期刀は恋している。
何とかしなければと思う。このままだと空に悪影響を与え続けることになる。
審神者は長義を呼び出しそれとなく聞いた。
「偽物くんのことかい?腹立たしいと思ってるよ」
終 わ っ た 。
もし告白なんかしたら手酷く振られて、天気が酷いことになる。心乱れまくり。
そんな事態になったらまずいと思った審神者はまんばには申し訳ないが、ますます遠ざける。そして諦めさせる方向でさりげなく話を持っていこうとする。
恋を吹っ切るためには新しい恋だ、と審神者は考えた。他の審神者友達に頼み、まんばに合いそうな性格の子を紹介してもらう。お見合い。
「他の本丸のやつと会うなんて、何の用なんだ??」
「いいからいいから」
まんばには多くは告げず相手と合わせる。まんばは口数が多くないが、相手が上手く話を盛り上げてくれてなかなか雰囲気がいい。審神者はホッとした。
「俺たちは審神者同士でちょっと話があるから、ふたりはここで
……
」
そう言いかけた時に、乱入者が現れる。
「大変大変!まんばちゃんすぐに本丸に戻って〜〜!」
「え?」
「はやくはやく!」
「え、と、何があったんだ?」
「戻りながら説明するから、良いから来て!」
初鍛刀が大慌てで入ってきた。すぐにまんばの手を引き、その場から出て行く。相手の審神者と刀はポカーン。
審神者も慌てて追いかけた。
「どういうことなんだ!?」
走りながら問う。
「まんばちゃんも主さんもいないのに、空が変なの!」
「ええ?でも俺とまんば以外能力持った刀なんていないはず」
「でも変なんだもん!」
本丸に着くと空が暗く、しかも雲が渦を巻いてる。
「魔王が空から降りてきそう」
「魔王」
審神者は溜息をつき、考える。
「推測だけど、まんばみたいに感情に引きづられてこんな風になっちゃった系かな。元に戻すために俺が力使ってもいいけど、これほど酷いとかなり疲れるなぁ。まんばの時は雨が降る程度だったから放っておいたけど
…
。これ嵐になって本丸壊れたらやばいよねぇ
…
」
「しかし俺以外に能力を持った奴はいないはず
……
」
「もしかしたら力が弱いながらも能力を持って顕現した子がいたのかもね。今まではまんばに隠れて気づかなかっただけで」
「一体誰なんだ
……
」
「そ、それがね
……
」
初鍛刀の子は言いにくそうにしている。犯人を知ってるのだろうか。
「おや、主、帰ってたの?」
爽やかな笑顔で長義が話しかけてきた。
「え?あ、うん」
「聞いたよお見合いだったんだってね」
「え!?そうなのか!?主!?」
「えええ、えっとー
……
」
「なんで早く言ってくれないんだ!邪魔な俺はすぐに退散したのに!」
「俺のお見合いじゃないよ!?」
「誰のお見合いだったんだ?」
「それはおま
…
!いやー、なんだろうね〜」
「偽物くんのお見合いだったんだね?」
「なんで言っちゃうの!?」
長義はあはは、と笑いながら審神者の言葉を聞き流す。
ゴロゴロ、と空が鳴った。雲行きが悪くなってきている。
「え、俺?なんで??」
「いや、そのー
…
」
「それで?お見合い相手はどうだったのかな?」
にこにこと、いつになく上機嫌な長義を見てまんばはきょとんとする。いつも遠くから眺めるか、顔を合わせたら不機嫌な表情だから、こんなに好意的に話してくれるのは初めてなのだろう。まんばは頬を染めて、俯いた。
「いや、別に
…
」
その瞬間、庭の木に雷が落ちた。すごい音が鳴り響く。
「ひぇぇぇ」
「な、もしかして、暴走してるのか
…
!?主、早く能力者を特定しないと
…
!」
「ま、まんばちゃん
…
!その事だけど
…
!」
落ちた雷の所為で木が燃えている。
「消火しないと!」
「ま、まんはちゃん、それより
…
」
審神者は徐々に状況が読めてきた。
「今は雷が鳴ってるから危ない
…
!落ちたら大変だ、室内にいて!」
「しかし」
「火はすぐ雨が降り出すから沈静化する。他に燃え移らないことだけ祈ろ」
暴走してるから、本人の機嫌を直しても天気が戻るかは怪しいけど。
「ま、まんば、今日のお見合い相手はあんまり好みじゃなかったよなぁ?」
話を合わせてくれるよう、一縷の望みを掛けて、話題を出す。そもそもまんばはお見合いなんて嫌だろうし、コミュ障だから、「好きじゃない」と一言言ってくれれば十分だ。
「いや、俺なんかにもにこやかに話してくれて、好印象だったが
…
?」
「コラー!!」
大きな音を立ててまた雷が落ちた。もしやこれ本丸に落ちたらマズイのではないかと思う。審神者の能力を使い、戻すことも視野に入れるが、本人をどうにかしない限り影響を受け続ける。
「へえ?偽物くんは向こうの刀と付き合うことにしたのかな?」
「そ、そこまで考えてるわけじゃない!」
「それに俺は知らなくて行ったから、そんなつもりなかったし
…
」
心なしかまんばは嬉しそう。長義と話せて嬉しいらしい。頬も染まってて、顔もにこやか。
一方長義は顔はにこやかだが、威圧感がある。怖い。
「知ってて行ったなら気に入った?」
「そ、それは、わからない」
そこは否定だろぉぉぉ!と審神者は思う。外は雨が降り出した。
「フーン?お相手は余程良い方みたいだね。俺の写しがこんなこと言うなんて」
「ああ、良いやつなんだ。俺の話もちゃんと聞いてくれて優しくて話し上手で、だから俺には勿体ない」
外は土砂降り、風も強い、雷もゴロゴロと鳴ってる。最悪だ。
「長義、落ち着いて、まんばは別に結婚するわけじゃないし!」
「お見合いって結婚を前提でしょ?」
「俺結婚するのか?交換日記から始めちゃだめか?」
「なんでお前はそんなに乗り気なの!しかも発想が中学生!いや中学生でもそんなことしないよ!良いからまんばはちょっと黙ってて!」
「???(´・ω・`)」
「今回はそのー、相手方を放って帰ってきちゃったし、まんばだってそのほら、あれだよ、気持ちが向いてないというか、
…
」
「なんで?他に想うひとでもいるのかな?」
まんばがボッと真っ赤になる。
外はさらに暗くなる。
「いるんだ
…
?」
「ひぇぇぇえ
…
」
まんばは審神者に黙っててと言われたので否定も肯定もしない。長義は肯定と取る。
「この本丸の刀かな?」
「
…
」
「まだ片恋の段階?」
「
…
」
「諦めきれない?」
「
…
」
まんばは何も答えないが長義はすべてわかったように、ふむと呟いた。
「まあ俺は興味ないけどね」
「白々しい!」
雲行きの所為で長義の感情はだだ漏れなのだが、本人は気づいていない。
審神者は考える。もうこのままふたりをくっつけちゃった方が安全なのでは?長義も何故かまんばに惚れてるみたいだし、その方が安全だ、と思う。
「まんばの結婚相手探してたけど、今日のお見合いはダメになっちゃったからさー、長義、まんばとどう?っていうか主命!ふたり結婚して!」
「ええ!?」
「主、いきなりなんなのかな
…
俺が偽物くんと結婚だなんて」
外の雷はぴたっとやんだ。
「拒否禁止!絶対結婚!!」
雨も小雨になってきている。
心なしか長義の威圧感がなくなってるように感じる。
「まんばのことこれからよろしくね!!俺の初期刀幸せにしてあげて!!」
ぎゅっと長義の手を握り、そういうと満更でもない表情。(隠しているようで隠しきれてない)
雨も止み、少し光が射してきている。ちなみに雷が落ちた木は雨でとっくに消火されている。
「だめだ」
意外なところから拒否の声が上がった。目を丸くして声のした方を見る。長義も一緒の反応。
「絶対だめだ、俺と本歌が結婚だなんてぜーったいだめだ」
何を言いだすんだこの初期刀は
…
!審神者は頭を抱える。長義のことが好きなくせになぜこんなトチ狂ったことを。
長義から再び怒気が溢れてくる。審神者はひえっと思った。
しかし意外にも外の天気は晴れていく。なぜ??実は長義は内心、結婚したくないとか?と推測するが、見る限り不機嫌そうだ、審神者にはわかる。
「絶対だめだ!俺なんかが本歌という素晴らしい刀の汚点になったらいけない!ぜーったい反対!反対反対!」
外は完全に晴れて雲ひとつない。なぜいきなり天気が戻ったのか疑問に思う。
いや、違う、戻ったんじゃない、と審神者は気づいた。まるで真夏のように暑い。外はかんかん照りで、気温が急激にどんどん上がっている。
(どういうことだ
…
?)
「そりゃお前は想う人がいるから俺なんかじゃ嫌だろうな」
地を這うような声で長義が言う。まんばの想い人を知らないため、まんばの発言は長義と結婚しないための体の良い言い訳に聞こえるらしい。しかしまんばの気持ちを知っている審神者からしたら疑問でしかない。
(まんば、自分を卑下する所があるから、本気で自分を汚点だって思ってる
…
?もしそうだとしたら、まんばは自分の欲を抑えて長義の体裁のために言ってることになる。でも内心は降って湧いたチャンスに動揺してそうだなぁ性格からして。
……
動揺?)
審神者は何か引っかかる。まんばはいつも冷静沈着。しかし長義のことになるとその限りではない。すぐに影響されてしまう。
(それで天気に影響が出て、困ってて
……
)
審神者はようやく今の暑い気温はまんばに影響されたものなのではと気付く。
力的には、審神者>まんば>長義の順。長義は感情が多少乱れても、力が弱い所為で普段は影響しない。
しかし先程は長義の嫉妬の感情が強すぎて影響が出ていた。審神者も干渉するのが憚られるほどクソデカ感情だった。
そして今は長義の感情が落ち着いてきたため、影響力が低下し天気が戻ってきていた。一方まんばは感情が波立ってきて、強く干渉し始めた
……
のではないかと考える。
(この子、拒否しつつめっちゃドキドキしてるってこと
…
?)
審神者は再び頭を抱えた。もう全員本音で話せ。天気がすべてを物語ってるからバレバレだぞ
…
、と遠い目をする。
「まんば、落ち着いて」
「俺は落ち着いてる!」
「いや、俺にはわかるって知ってるでしょ?」
「あんたが主命とか言って変な事言うからだろ!」
「うーん
…
でもそれが丸く収まるんだけど」
「主命の撤回を要求する。このままだと暴走するぞ」
まんばも自覚はあるらしい。確かにこのまま気温が上がり続けたら困るなぁと思う。
「撤回したら落ち着く?」
こくりと頷く。
「じゃあ
…
」
審神者がそう言いかけた瞬間、空が暗くなる。
「え??」
「偽物くんなんかと結婚なんて迷惑だから良いけどね」
「ええ?」
口とは裏腹にどんどん雲行きが怪しくなる。主命を撤回しようとした途端これだ。審神者が主命と言ってるから安心感があったようだ。
「でも本歌として写しに振られたみたいになるのは心外かなぁ?」
「ふ、振ったわけじゃないだろ!」
「どうだか」
「待って待って、まだ撤回したわけじゃないから!」
「え!?主、撤回してくれるんじゃなかったのか!?」
再び空が晴れて気温が上がってくる。
「ああもう!お前ら面倒くさい!他所でやってよ!!」
結局そのやりとりを何回か繰り返したのち、審神者が根を上げて、すべてを暴露するに至った。そしてちょぎくには幸せになった。
しかし思いが通じ合ったことによって、まんばの感情が爆発し、気温は急上昇した。そして本丸全員がゆでだこ状態になった。
-完-
長い期間になりましてすみませんでした。読んで頂きありがとうございました。
お疲れ様でした~!
■どうでもいい設定
・まんばは力が強い所為で感情のちょっとの振れ幅でも影響が出てしまう。長義くんは力は弱いけど、クソデカ感情により影響する。
・まんば&長義は審神者の能力を中途半端に受け継いだためこうなってる。審神者は感情には左右されない。
・初鍛刀が犯人を知っていたのは、「今日まんばちゃんのお見合いでしょー?」と話題を出した瞬間に天気が急降下したため。あと雰囲気。
・名前は出してないけど初鍛刀は乱ちゃんをイメージ。
・長義くんが審神者にまんばのことを「腹立たしいと思ってる」と答えたのは態度が気に食わないから。自分に近づいてこない。
・まんば&長義以外にも能力を持った子はいるが、長義同様弱いため精神的に酷く動揺しなければ発動しない。
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内