※本文は全文Pixivで公開予定です。
※本文+おまけで本にする予定です。
※日程未定で通販予定です。通販はBOOTHさんです。(その後3月インテで数部持っていきたいなと思ってます。)
予定は未定なので変更するかもしれません!(大声)
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冒頭のみツイッターで先に公開します。(加筆修正があり得ます)
秋
――季節外れだと言うのに、ふわりと桜が舞い散る。それは刀剣男士が顕現した時に現れる花弁で、ひらひらと重力に従い落ちていく。それは本物の花ではないため、地面に着く前に空気に溶けるように消えてしまった。
「俺こそが長義が打った本歌、山姥切」
整った顔、けぶるような睫毛、澄んだ碧い瞳、サラサラの銀髪。すべてにおいて美しかった。
そして一目見た瞬間から恋に落ちてしまった。
Side K
『今日は雨だったので恋人と一緒に部屋で過ごした。俺が買ってきた茶請けが美味しいと恋人が褒めてくれた。また買ってこよう』
国広は一つため息を落として、ノートを閉じた。顔はにやけ切っており、手はノートに置いたまま余韻に浸っている。
まだ外は日が高い。今日非番の短刀たちが遊ぶ声が聞こえる。国広は一人、部屋で書き物をしていた。午前中は出陣だったが、思いの外、順調に進んだので、主から午後は非番と言い渡されたのだ。だから国広は先程から部屋でのんびり過ごしていた。
「良い
……!」
ぎゅっとノートを抱きしめて、後ろに倒れ込んだ。
何を隠そう、この山姥切国広は空想が趣味だった。これには話せば長い事情がある。
国広は長義が顕現した瞬間から恋をしてしまった。しかしそれは無常にも叶わぬ恋だった。開口一番『偽物くん』と呼ばれ、偽物を否定をするも、恨みの篭った感情をぶつけられた。これは恋愛どころではない。本丸の仲間としても仲良くできない雰囲気だ。結局長義はそれ以降国広に関わろうとせず、仕事が一緒にならない限り顔も合わせない状況が続いている。それは国広に諦念を抱かせるには十分だった。
しかし国広はこの恋を忘れることがなかなかできなかった。ふとした瞬間に彼の事を考えていたり、遠くで彼を見つけると目で追ったりしてしまう。果ては夢に出てきてしまう始末だった。
これではいけない、と国広は悟り、それならいっそ諦めるのを諦めてしまおうと考えた。逆転の発想である。諦める事に注力するよりも、もっと別の事に矛先を向けた方が合理的だろう。いっそ燃え上がらせた方がいずれ灰になって散ってくれるかもしれない。ただこの恋心を本人にぶつけるのは迷惑であろうし、ぶつけて粉々になるところなど見たくもない。さすがに凹む。だから国広は自分の中だけに留めることにした。自分の中で空想を膨らませて楽しむ
――誰も迷惑が掛からないし、傷つかない。なんて良いアイディアなんだろうと思った。
国広は余暇の時間に、妄想することにした。自分の好きな設定で、好きなシチュエーションで、好きな展開を楽しむ。こんなこと想像でしか体験できない。国広は徐々にのめり込んでいった。
そのうち国広はこの空想を繰り返し味わいたいと思い始めた。ノートに書き留めて、忘れた頃に読み返す。そうすると書いた時とはまた違った新鮮さがあって二度楽しめた。さらに違うパターンを閃いたりもする。そして再び妄想して膨らましていくのだ。
そして今に至るのである。
長義が恋人だと想定して、日常を綴っている。
見た目はただノートだが、中身は夢いっぱいの妄想が書かれた日記だ。誰かに読まれるとも限らない。鍵のかかる引き出しもなければ、カモフラージュするものもない。だから万が一誰かに見られた時を恐れ、彼の名前を書かず、すべて『恋人』という抽象的な言葉で示している。もし読まれたりなどしたら、折れるしかないだろう。恥ずかしすぎる。
とにかく日記にはそれほど赤裸々に国広の望みを書き連ねていた。長義は恋人にどんな表情を見せるのか、どんな言葉を呟くのか、唇はどんな感触なのか、閨では
……
「はぁぁぁぁ~~恥ずかしいぃぃぃ~~~!
……ッ!」
閨での彼を想像し、一気に羞恥心でいっぱいになる。自ら妄想したことだが、恥ずかしすぎて赤面してゴロンゴロンと畳の上に転がった。その拍子にゴンッと足に文机が当たる。
「っっうぅ~~
……!」
にやけ顔で呻く姿は他人が見たら頭を心配するほどの異常な光景だっただろう。
Side C
『今日も恋人と過ごした。久々にキスした。恥ずかしかった。』
長義は真っ青になりながらノートを見つめていた。心なしか手がプルプル震えている。
山姥切長義は己の写し、山姥切国広に恋をしていた。しかし号に関する矜持と写しに優位な所を示したかった思いもあり、初っ端の態度を間違えた。彼が傷つきそうな言葉を並べ立て、自分の優れた所をこれ見よがしに述べた。言い過ぎた、と思った時には遅かった。悲しそうに顔を歪めている国広を見て、己の愚かさを悟った。号を奪い顔を売っている国広がいくら悪いと言っても、酷い言い方をしてしまったと気づいた。その後謝ることも弁解することもできず今に至る。
『山姥切』は自分だという自負はあるため、そこは譲らない。しかし彼に対する態度には反省すべき点があって、あんな態度を取ったら嫌われるのも当然と思った。
彼のことが好きだが何か行動を起こす事もできず、日々が過ぎて行った。
しかし今日ひょんなことから彼の部屋に入る機会があった。
国広に確認しなければいけないことがあり、仕方なさを装って部屋を訪ねたのだ。しかしその部屋の主は留守で、代わりに文机にノートが置いてあった。
そしてつい出来心で、開いたのだ。
万屋で売っているようなどこにでもあるノートに一体何が書いてあるのか。真面目な彼の事だから戦術や兵法についてまとめているのかもしれないし、顕現してから今までの戦果かもしれない。興味本位で手を伸ばし、そして知ってしまった。彼に恋人がいることを。
ノートは日記帳だった。まだ数ページしか書かれていない。彼は顕現して長いのにまだ数ページということは、最近書き始めた、もしくはたまにしか書かない、という事だろう。日付を見ると最近のものだったから恐らく前者だ。
そして中身を読んで衝撃を受けた。それは恋人との甘ったるい日々が書いてある日記だったのだ。
(あいつ、恋人がいたのか
……!!)
恋人なんていないと思い込んでいた。そもそも誰かと付き合っているなど想像がつかない。他刃と話す時もマゴマゴしていてコミュ力が低いため、恋人どころか友人すらいないと思っていたのだ。だが現実はそうではなかった。写しはいつの間にか恋人を作っていた。
(俺はあいつの本歌だぞ
…!誰の許可を得て俺の写しと付き合ってるんだ
……!!)
嫉妬の炎が長義の胸に灯った。
(以降は、支部にて公開予定。しばらくお待ちください。)
■Pixiv
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ベッターにてあらすじ(というかお祈り)を公開してます。
内容は変えてませんので、早く続きが読みたい方はどうぞ。
https://privatter.net/p/4762614
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