木蔦(キヅタ)
2019-10-27 02:55:33
1872文字
Public
 

おばあちゃん審神者が墓場まで持っていこうと思っていた話【ちょぎくに】※注意いろいろ


ちょぎくに
・主役が審神者です。
・おばあちゃん審神者です。
・腐女子います。

審神者は幼い頃から審神者として刀達を従えて歴史修正主義者と戦っていた。しかし年老い、本丸運営も難しくなってきた。ついに審神者は痴呆になってしまい、政府はせめてもの手向けにと余生を本丸内で過ごす事を許す。(本人希望)
戦いから離れた日々でのんびりゆったり過ごす。初期刀の加州が細々と世話を焼き、何不自由ない生活を送っていた。

しかし痴呆は進むもので、たまに変な事を言いだしたりする。そんな時はみんな話を合わせたり、うんうんと話を聞いてあげたりする。
ある日審神者がこんなことを言い出した。
「あのね、これは秘密なんだけどね」
うん、と加州は頷く。秘密なのに喋っていいの?と思いながら聞く。
そこは朝食の場で、刀達がみんな揃ってる。審神者は口が固い方だったので、実は話したかったけどずっと我慢してたんだろうなと加州は思う。
「国広と長義はね、恋刀同士なのよ」
ぴしっ、と周囲が固まる。
「え、と、主?」
「私ね、聞いちゃったの。先週、政府主催の京の刀剣大展示会があったでしょう?」
「大展示?あ、ああ!50年前にあったやつね!」
加州は頭から昔の記憶を引っ張り出す。審神者は痴呆が始まってから、昔のことをついこの前のように話す。

その展示会ではたくさんの審神者が泊まりで政府に招かれた。
「あの日ふたりを伴って行ったでしょう?夜ね、伝え忘れたことがあって、ふたりの部屋に向かったのね」
普段審神者の護衛は一振りと決まってるが、その日は重要な祭典だったからか、泊まりだったからか、二振りと指定されていた。

ふたりは俯いてプルプル震え出している。
「それで部屋からね、声が聞こえてきたの」
「あ、主!?そ、それ以上は部屋で聞くから、とりあえずやめとこう!?」
「明らかにやってますっていう感じの声が、薄っすら扉越しにも聞こえてきて……
「あああああ……
「私、もえあがちゃってね、どっちなの!?って。どっちが上で、どっちが下なの!?って。あなたはどう思う?」
「いや、もう主、その、ね……
「私が思うにちょぎくにだと思うのね」
「ちょぎくにって何!?」
「だからつい、検索を……あら、加州、そこにいたの?」
「ずっといたよ!?」
しかし審神者は痴呆だから、これが空想という可能性もある。ドキドキしながらちょぎくに(仮定)を見る。
まさかあの時主に聞かれてたなんて!」
「だからあんな人が来そうな所は嫌だって言ったんだ!」
「お、お前だって乗り気だったろう!?」
「覚えてない!!」

あー裏付け取れてしまった。

審神者はまるでうら若き少女のようにキャッキャと話す。
「だから私この前注意深く観察してたの!この前の本丸内の朝礼の時ね、一番後ろにいたから怪しいなーと思ってたら、みんなに見えないように手繋いでたのよ!」
ふたりは真っ赤でまた黙り込む。心当たりがあるようだ。
「ふたり、仲が悪いでしょう?アレ表向きの演技なのよ!仲が悪ければ恋仲だなんて思われないもんね!あ!これはあなたと私の秘密よ??これはねぇ、墓場まで持っていくつもりなんだから」
「うーん、しゃべっちゃってるよ主」
「あとね、こっそりふたりの非番は同じ日にしてあげたりしてるの!」
審神者は続ける。
「あとね、ゴムとかローションとかもこっそり揃えて、備品で置いておいたり、個人風呂も作った理由もそれなのー!」
加州は苦笑いする。
「偶然休みが重なること多いなって思ってたがそういうことか……!」
「主が意味深な笑顔でいつも俺の事見てたのはそれか……!」
「お前ら本当に気づかなかったの!?そこまでお膳立てされて!?鈍いね!?俺らもふたりの仲に今まで気づかなかったけどさぁぁぁ!!」
「ふたりはケンカップルなの!ツンデレなの!ふたりきりの時は激甘なの!しゅきー!もえー!ちょぎくにくださいー!」
「主、待って、イメージ崩壊してる!」
「だからね、だからね、私はふたりを見守る壁か床か天井になりたいの〜〜!閨で可愛くねだる国広が見たい!!」
「もう俺ちょっと主が何言ってるかわかんない!」
「もう辱めるのはやめてくれ……!」
「いっそ刀解してほしい」

主の痴呆によってやばめな物が露見してしまったのだった。
その後ちょぎくには不本意(?)ながら周囲に祝福され、審神者はニヤニヤした笑みを浮かべながら、その生涯を遂げた。

お付き合いありがとうございました!お疲れ様でした!