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木蔦(キヅタ)
2019-09-07 22:53:30
5023文字
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国広審神者(事例②)【ちょぎくに】
国広審神者の話
ちょぎくに 捏造設定注意
まんばは人間として生まれ、そして時の政府の依頼により審神者になった。自分が刀だったと言う記憶はある。感情も人間というよりは刀剣男士に近い。人間の感情の起伏がちょっと理解できない部分がある。
まんばは自分の正体を隠して審神者をしている。刀達の前では顔を隠して過ごす。いろんな不都合がありそうだから山姥切国広はこの本丸で顕現させていない。
しかし気を許せる相手が欲しくて山伏と堀川はいる。
そして聚楽第任務達成により長義が本丸に来てしまう。
まんばは本歌が来たことにより、内心気まずい思いをする。すぐに検索をして他の本丸の様子を窺う。ぐぐったお陰で、長義は山姥切国広を嫌いだという事がわかった。
(俺が山姥切国広だと知られたら、大変なことになる
…
。近づかないでおこう
…
)
そう心に決めて、必要最低限近づかないようにする。
しかし長義の方は違うようで、平気で近づいてくるものだから、まんばもひぇっとする。
「主、この後の出陣だけど」
「ぎゃっ!え、いや、その、き、近侍に全部伝えてあるから!」
慌てすぎて転びそうになる。それを咄嗟に長義が抱きとめてくれる。
「主、大丈夫?」
(ぎゃぁぁぁぁぁ!!)
他にもおやつの時にはまんばの分までおやつを持ってきてくれるし、政府に提出する書類とかも手伝ってくれる。たまに外に連れ出してくれて、気分転換させてくれたこともあった。
長義といると楽しいし、ドキドキする。知らなかったいろんな感情が引き出される。いろんなことを知って行く。
まんばはいけないと思いつつも徐々に惹かれて行ってしまう。
(やばい
…
実は結構好きかもしれない
…
)
感情に疎かったまんばも自覚してしまうほど、長義は特別になっていた。しかし同時に困ったことになる。
(本当の俺は嫌われている。今は正体を知らないうえに、主だから良くしてくれてるだけだ
…
)
身の程を弁えなくては、とまんばは自分の感情を抑え、長義と接する。長義に優しくされるたびに、切なくなる。嬉しいはずなのに、この優しさを自分が受け取るべきじゃないと思い、悲しくなってしまう。
「あの、こんなこと、しなくていいから
…
」
「どうして?迷惑?」
「いや、迷惑じゃないが
…
」
本当の事を言えずに口籠る。言えない。嫌われたくない。
「そうしてもらう資格なんてないから
…
」
「優しくされるのに資格なんかいる?それに君は俺達の主だよ」
聞く耳持たない。
悩んでいることを堀川に相談する。堀川はまんばが元気ないのを心配して言う。
「主さん!こういう時は料理でもして気分転換しよ!」
二振りで気ままにご飯を作る。無限生産機。結局本丸のみんなで消費することに。
「美味しい!主は料理が上手いんだな!俺好みの味だ!」
なぜか胃袋を掴んでしまう。
山伏に相談する。
「主殿の気持ちはわかった、拙僧と一緒に山籠もりして精神を鍛え直そうぞ!」
修行はしたかったので一日本丸を留守にして一緒に山籠もりする。しかし意外にも人間の身体はか弱くて、帰宅後熱を出して寝込んでしまう。
「主、大丈夫かな?」
付きっきりで看病されてしまう。
おめでとう! 堀川派のお陰で 長義との距離がグッと縮まった!!!
(どうしてこうなった
……
?)
審神者の執務室で仕事していると長義がやってきて、なんだかんだ居座る。ほぼ毎日。正直出てって欲しい。
「貴様、主のお仕事の邪魔をするな!主は集中して仕事をなさってるんだから、出て行け!」
今日のおやつを運んできてくれた長谷部が長義を見るなりそう怒鳴る。
(長谷部、いいぞ!もっと言え!)
「さすがに一人でこの量は大変かと思ってね、手伝ってたんだ。主命くんにはさすがに敵わないだろうけど、少しでも手助けになればと思って」
いつもなら「主命くんじゃない、長谷部だ」と返すが、少し得意げな様子で「まあ俺がいれば百人力だけどな」と言う。そして手伝う気なのか長谷部も座り込む。
「主を休ませてあげたいんだけど、でもいくら主命くんでもこの量は難しいかな
……
?」
「何を言う!こんな仕事など容易い」
「じゃあ頼むね〜」
長谷部に押し付けて、ふたりで部屋を出る。
まんばは抵抗するけど、長谷部は「主、長谷部にお任せください〜!」とか言ってる。
「ほら主命くんもああ言ってるから」
無理矢理部屋を連れ出される。
「さあ、主の部屋へ行こうか、少し休もう。人の体はすぐに体調を崩してしまうみたいだからね」
部屋で寝かしつけられる。
ちなみに顔を隠してる物は呪術で取れないようになってるので、まんばが寝てても素顔を見られる心配はない。
そのうち長義の様子がおかしくなる。まんばが新しい刀を鍛刀し、本丸の案内をしようとすると「俺がやるから」と奪われる。
誉を取って帰ってきた子を褒めてると話を遮られ、連れ出される。
怪我をした子の手入れをした後は、手をにぎにぎギュギュされる。
近侍じゃない日は朝からまんばの所に来て、手きゅって握って「今日なんで近侍が俺じゃないの?なんかやった?嫌いになった?」って聞いてくる。まんばはブンブン首を振るが、長義がなかなか離してくれない。「わかった
……
明日は近侍にするから
……
」って言うとようやく離してくれる。
長義から向けられる好意は嬉しいし、こそばゆい気持ちになるが、もし自分が山姥切国広とバレたらと思うとひやりとする。嫌われたくない。でも嫌われている事実は変えられない。
まんばはこのまま山姥切国広だった事実を隠し生きていこうと心に決める。騙していることに罪悪感はある。
しかしこの関係は心地よくて手放せない。
『お前まさか、山姥切国広だったのか
…
!』
目を見開き上から下まで確認するように見た後、軽蔑の色でまんばを見る長義が脳裏に過ぎる。ぶるりと身体を震わせた後、まんばはその想像を振り切るように頭を振る。
(何も証拠はないんだから、バレやしない
…
)
演練会場で、ちょっとした事故でまんばが入室してしまう。本来なら人間は入れない空間。
演練の画面で表示されたのは『山姥切国広』の名前で、まんばはまずいと思う。まんばの微かな神気を読み取ってしまったらしい。そして6振り全員揃ったとシステムは認識し、戦闘が始まってしまう。
「主、人間の身体じゃ手入れができない!絶対に怪我しないでくれ!」
「主は俺たちのそばから離れないで!」
まんばは運動神経は悪くないものの丸腰なので守られるしかない。
戦闘開始を受け、やってきた演練相手もまんばを見て戸惑う。審神者が混じってると気づいた。
「何かの手違いで主が入室してしまった。すまないが主にだけは攻撃しないでくれ!」
刀達はそう訴えかける。向こうの刀も了承した。バグならいずれ運営側が中断させるだろうという考えで、それ以上は戦わず、待機する。
しかしある刀が遅れてその場に現れ、背後から斬りかかってきた。演練の対戦場所は広くて、少し遠くにいたら会話の内容など聞こえない。だから事情を知らず、普通に戦闘は続いていると思い込んでいた。仲間達が慌てて声を上げるが止まらない。
一番背後にいたのはまんばで、その場にいる刀達は全員油断してたため庇えない。
まんばも避ける余裕すらない。スローモーションのように刀が自分に向かってくるのを見てる。
しかし身体が咄嗟に動いた。
まんばの手に光が集まり束になって、刀が現れる。それをぎゅっと握り、相手を迎え撃った。呪術で顔を覆っていたものは消え去り、まんばの素顔が露わになる。刀達同様、身体中から神気が放出されている。
「あ、主
…
!?」
「あれは、山姥切国広
…
!?」
敵味方問わずみんなが驚いている。
しかし飽くまで人の体なので、吹っ飛ばされてしまった。慌てて対戦相手はその刀を制止し事情を説明する。
刀達は吹っ飛ばされたまんばに駆け寄り介抱している。
「主大丈夫
…
?」
「怪我は?」
「少し背を打ったが、問題ない
…
」
自分の手にある刀を見て懐かしく思う。手に馴染んでいる。まんばが消えろと思うと刀はすぐに霧散した。実体はない。
人間として生まれた時はもう刀など手にすることはないと思っていたが、霊力を凝縮してこういうことも出来るのかと思う。
まんばは自分の顔を覆っていたものがないことに気づく。
「主
……
?」
刀達が恐る恐ると言った声を出す。まんばはギクリとする。
すぐに長義を探した。目が合う。無表情でこちらを見下ろしてる。何の感情も読み取れない。
「ち、違うんだ、これは
…
」
「主、刀も扱えるの!?すごーい!」
「呼び出せるのは山姥切国広だけ??俺のは?」
「えっ」
何をせずとも勘違いしてくれた。これ幸いとまんばは笑って誤魔化す。
「今度俺のも出してくれよ!」
「ずっるーい!僕のも!」
「こ、これはかなり霊力使うから
……
」
「そうですよ、あんまり主を困らせちゃいけません」
「そっかー残念
…
」
長義からの視線が痛いが、何とかその場を乗り切った。
まんばは気まずい。当分面会謝絶にすべきか、いやそんなことしたら不審に思われるのでは、と考えて何もできない。
みんなが勘違いしてくれたが、実は既にバレていてわざと和ませてくれたのでは?今頃ここを出て行く相談をしているのでは?とどんどん深みにハマっていく。
「主、入っていいかな?」
長義の声がして身体が硬直する。どんな態度をとっていいか決まらないまま、その時が来てしまった。まんばは少し上擦った声で「いいぞ」と答える。
長義の態度はいつも通りで、演練の事がなかったかのように振舞っている。
(あれ?これはどういう意味だ
…
?)
いつも通り世間話とかしてる。その間もまんばはハラハラドキドキで気が気じゃない。上の空なことを長義に指摘されて謝る。
「す、すまない、だって
…
」
「だって俺の写しが審神者になったわけを言及されると思ったから?」
まんばは再び身体を固くする。
長義の方に顔を向けられない。心臓がバグバグ言ってる。
「国広、俺はね、怒ってるんだよ」
来た、と肩をすくめる。やっぱり怒っている。写しなんかが自分の主で、しかも騙していたなんて、気分が悪いんだろう。
「俺以外に顔を見せただろう?」
今はもう顔を覆い隠しているが、その上から頬を撫でる。
「お前の事は俺だけが知ってればいいんだから、もう他の奴らに素顔を見せちゃ駄目だよ」
何を怒られたのか理解できないが、杞憂だったらしいことがわかり、ホッとしてわけもわからず、コクンと頷く。
「でも俺の事、嫌いなんじゃなかったのか
…
?」
「嫌い?自分の写しを可愛いとは思うことはあっても嫌ったりなんかしないよ」
でもSNSでは『山姥切国広と山姥切長義は仲が悪い』『長義が国広を嫌っている』などと書かれていたけどなぁ、と思う。長義が嘘を言っているとも思えず、ガセネタだったのかと首を捻る。
「あと、黙ってた俺の事、軽蔑しないのか
…
?」
「言い辛かったんだろう?刀が審神者をやってるなんて、引け目を感じるもんね」
「長義
…
」
今までつらくて誰にも明かせない事をわかってくれて嬉しい。まんばは感動してしまう。
「ほら、どうか俺には素顔を見せて」
長義がもう一度乞うように頬を撫でるものだから、まんばは顔の呪術を解く。
長義はまんばの素顔を改めて見て、にっこりほほ笑む。そっと唇に触れる。
「俺はお前が審神者だろうと刀だろうと好きだよ」
で、ちょぎくにはっぴーえんどで、いかがでしょうか!お疲れ様です!
これは本歌さんとまんばのわちゃわちゃを楽しむお祈りでしたwwどうでもいいわちゃわちゃが長くてすまんなww
どうでも良い設定
・演練で出てきたのは、ほたるんと愛染くんと乱ちゃんと一期です。
・長義くんは審神者は山姥切国広だってこと出会った時から気付いてます。
・長義くんがまんばに惚れた時期は堀川事件頃。あれで胃袋と一緒にハートを鷲掴みされました。
それまでは長義くんは気にかけてる程度、
悪く言えばからかってやろう程度、
途中から少し惹かれる子程度
…
だったんですが、あれで一気に落とされました。
お疲れ様でした!ここまでお読みいただきありがとうございました!
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