木蔦(キヅタ)
2019-07-30 06:26:50
6652文字
Public
 

泣いてるまんばが一晩のアバンチュールを犯してしまう話【ちょぎくに】R12程度


ちょぎくに
※ちょぎくにサンド
※あーるじゅうに程度の表現があります。
※まんばが本命以外と致します。

まんばは長義に好きだと告げた。
告げるだけで満足だったし、付き合いたいという思いはなかった。
しかし、長義は違っていて、まんばが告白したその日にまんばを抱く。
まんばはそんなこと望んでなかったので驚く。長義の思考的には相手が自分を好きなら何してもいい、どう扱ってもいいという傲慢思考で、まんばを道具のように扱う。
長義の自分本位のセッだったため、全然気持ちよくない。

まんばはセッが苦手になる。
しかしまんばは長義にたびたび夜呼ばれることになる。
まんばは痛いばかりで、だけど言っても聞いてくれないし、長義のためになるならと我慢して耐える。

ある日まんばは長義に理不尽な事を言われ、傷つき、泣きながら本丸を飛び出す。
どうすべきかわからず、行くあてもなく、とぼとぼ歩いていると、声を掛けられる。

それは他所の長義で、こちらを不思議そうに見てる。
「どうかしたのかな?」
………
「嫌なことでもあった?」
………

何と答えたらいいかわからず、まんばはポロポロ涙を流す。
正直一人になりたかった。

「放っておいてくれ

やっとのことでそう発する。

「自分の写しが泣いてたら放っておけないよ」
……悪かったな、あんたの写しがみっともなく泣いてて」
「そういうことじゃないよ。心配だって言ってる」

長義は優しい声でまんばに話しかける。
その声はまんばは聞いたことがない。
冷たい無愛想な声ばっかりだった。

「このまま別れたら心配で気が気じゃない」
「別にのたれ死んだり、無謀な事したりしない。あんたの心配には及ばない」
「それも心配だけど、国広の個体は妙に無防備だから
「別に敵に襲われても返り討ちにできる……
「ああ、そうじゃなくて……
「?」
「とにかく、本丸まで送ろう、どこの所属だ?」
……
「どうかしたか?」
「帰りたくない」
……

長義は黙ってしまう。
無理矢理にでも帰らされるだろうか、と考える。

「わかった、来い」
「え??」

まんばの手を引き、長義が歩き出す。

そしてあれよあれよと言う間に、宿を借りて、まんばは部屋で座っていた。
何がどうなった。

「帰りたくないならそれでいいから、あんなところでフラフラしてると悪い男に捕まるよ。今日はここに泊まって」
「えーと……こんなことまでしてもらうのはあんたに悪い
「お金のことはいいから」
「しかし、」
「言っただろう、心配だと。あのまま帰ったら気になって夜も寝れないよ」
……
「明日になったらちゃんと帰るんだよ?いいね?」
……

明日になっても、あの長義がいる本丸に帰りたくない。
だからまんばは頷けなかった。
長義はため息を吐く。

「わかった、俺も付き添おう」
「!?」
「俺が払ったんだ、帰れなんて言わないな?」
……わかった、俺が出てく」
「そうじゃない、まったく世話がやける写しだ

まんばは手を奪われて、出て行けなくなる。ぎゅってされてる。
まんばは困ってしまって、どうしようか内心狼狽してる。
「お前がちゃんと本丸に帰るって約束してくれるなら、俺は出て行こう。ちゃんと帰るね?」
まんばは黙り込む。帰りたくない。長義はじゃあここにいようと言う。

「それでなんで帰りたくないのかな?」
……
「言いたくない?」

まんばは自本丸の長義の事を思い出し、涙が溢れてきてしまう。止められない。
なんで自分はこんなにつらい思いをしなきゃいけないのか、とか、なんであんな態度を取られるのか、とか、自分ばっかり長義のことが好きでただの一人相撲なんじゃないか、とか、考えると涙が勝手に出て止まらない。
「あんたには、関係、ない……っ」
拒絶するように体を丸めて手で顔を覆い隠す。拒絶したと言うのに長義は国広の頭や背を撫でてくれた。

しばらくそうしていたが、ふいにまんばが顔を上げると、長義と目が合う。
長義は優しげに微笑んでいる。そんな顔は自本丸では見たことがない。
まんばは引き込まれるように長義の顔に触れる。
長義の頬は温かくて柔らかい。安心する。


「国広


頭を撫でられて、それが心地よくて目を瞑る。
もっと撫でて欲しい。


まんばの目元に何かが触れた。くすぐったい。
「?」
目を開けると間近に長義の顔がある。
青色の綺麗な瞳がまんばを映している。
そしてその青に吸い込まれるように近づき、気付いた時には唇が触れ合っていた。

その後は二振りとも無言で、まんばは流されるままに、身を委ねた。


暗転。・*・:≡( ε:)


長義はまんばに優しくて、初めてまんばはセッの気持ち良さを知る。
朝起きて、ぽんやり考える。

(これはヤバイ……くせになる……

しばらく浸っていたが、まんばはハッと気づく。
他本丸の刀とこんな関係になってしまってマズイのでは??
慌てて服を着て、寝てる長義に気づかれないようにそっと

宿を出る。そしてまんばは帰りたくないが、審神者にも黙って出てきてしまったことに後ろめたさを感じ、本丸に帰る。




まんばはまた我慢して自本丸の長義に抱かれる日々になる。
相変わらず独りよがりなので、まんばは全く良くない。

(あの人との、は、すごく気持ちよかった、な

最中にあの夜の事を思い出す。
触れられた感触や手つきを思い出す。

「ひゃん!」

びっくりしてまんばは目を見開いた。
長義も驚いてる。
まんばはすぐさま口を押さえるが、出てしまったものは戻せない。
あの夜の事を思い出して、感じてしまった。

「ふーん?今日は良さそうじゃないか。どういう心境の変化?いつも感じないように歯を食いしばって頑なに反抗してるのに」
反抗してるって思われてるなんて!と若干ショックを受ける。
その後は強引に無理矢理されて、まんばはぐったりする。
まんばは愛がないセッに疲れていて、逃げるようにたびたび最中にあの時の事を思い出し、嬌声をあげるようになる。
そうすると長義が気を良くし、長引くのでさらにつらくなる。

まんばは長義が自分のことなど好いてはいない事など遠に知っていた。
だけど好きだから別れるなんてできなかった。



しかし転機が訪れる。

まんばの本丸に政府から訪問者が来る。
それはあの夜共に過ごした長義だった。彼は他本丸所属ではなく、政府所属の刀剣だった。



※これ以降の書き分け。
本歌→自本丸の長義
監査官→政府の長義(監査官の格好してるわけではない)



まんばは再会を純粋に喜ぶ。監査官は審神者よりも先にまんばの元に向かい手を取り言う。

「あれから心配でずっとお前を探してたんだよ」

でもどうやってここがわかったんだ?と聞くと「まぁコネを使って、ね」と言われる。権力💪

会えて嬉しい、ここに用事でも? 話す時間はあるのか? など根掘り葉掘り聞く。
監査官は「先に審神者に挨拶してくるから」と言って去って行く。

本歌はその様子を見ていて、機嫌が悪そうにまんばに言う。

「随分仲が良いみたいだな」

まんばはぎくりとする。
まさか一夜を共にした仲だなんて言えない。


審神者への挨拶も済み、しばらくこの本丸に滞在すると告げられる。
まんばは喜ぶが、本歌は不審な目で見ている。
監査官もニコニコとまんばと話す。

「あの日、いつのまにかいなくなってたから、心配してた。こうして会えてよかった。二振りきりで話したい」
「そうだな、積もる話もあるし!」

監査官は何やら仕事があるとの事で、時間と場所を待ち合わせて、別れる。

まんばは夕食後、わくわくそわそわしながら監査官を待っていた。

しかし何故か本歌がやってくる。
無表情で怒ってるようにも見える。
まんばは怖くて萎縮する。

「二振りきりで会うほど政府の刀と親密なんだな」

声も怒気を含んでる。
「どういう関係なのかな?」
「べ、別に、ただの友人だ
まんばは後ろめたさから、目を向けない。
「ふーん?」

するとまんばは押し倒される。
びっくりして慌てて押し返すが、本歌はむっとした表情をする。

「いつもやってるのに、何か問題あるのかな」
「これからあいつが来るだろ!それなのに」

まんばは拒否するが、本歌は始めてしまう。
まんばは必死で抵抗するが敵わない。
そのうち腕を縛られて抵抗できなくされてしまう。

しかしその日の本歌は少し違っていて、まんばのことを丁寧に抱く。
いつもだったら自分本位の行為も、まんばが気持ちよくなるようにわざとまんばが良い所を攻め立てる。
まんばは声を出さないようにかみ締めるが、本歌が追い込んでくる。
結局最後までしてしまって、まんばは気を失った。
気持ちよさで意識が飛んだのは初めてだった。


結局その日、監査官とは会えなかった。




次の日、監査官と話す。
「昨日は行けなくてすまなかったな」
「え?」
どういうことか聞くと、仕事に手間取って行くのが遅くなってしまい、まんばの部屋に向かったが、灯りは消えてたため声はかけなかったと言われた。
まんばはアレを知られたわけじゃないとわかり、ホッとする。
もっと話したいと思うが、そこで本歌の邪魔が入る。不機嫌そう。

それからというもの、たびたび監査官に話しかけられるが、毎回不機嫌な長義が来て、話を中断させられてしまう。
しかも以前はたびたび呼ばれていたセッも、あれから毎晩になる。
しかもまんばが良くなるように抱くので、よく気を失ったりしていた。
それでも責めるような行為に思えて、まんばの苦手意識は消えなかった。


ある日、監査官に再び二振りで話そうと誘われる。
その日は本歌が遠征でいなかった。
まんばは嬉しくて了承する。
「悩んでた件は解決したのかな?」
「えっと……解決というか、最近は諦めてるから、いい。気にしてないから平気……
「諦めてる?」
「だから気にしてもらうほどのことでは
「それは山姥切長義のことかな?」

まんばは図星だったので、思わず監査官を見返した。
監査官はやっぱりなという表情だった。

「君達は恋仲なのか?」

まんばは青ざめる。
やっぱり知られていたのではと思う。
そしてブンブンと首を横に振る。

「無理矢理関係を強いられてる?」

やはり知られてた。
まんばは力なくフルフルと首を振る。

「あれはお前が望んでるわけじゃ、ないだろ?」

まるで『すべてわかってる』と言いたげな口調に涙が溢れてくる。
本歌は付き合おうなどと言ってない。
だからあれはまんばの気持ちを利用した、ただの性欲処理だ。

本歌がまんばのことを好きなわけではない。
だから恋仲ではない。
そして無理矢理かと言われると無理矢理ではない。
あの夜は別として、まんばは抵抗していない。だから合意だ。
ただまんばが望んだわけではなかった。
しかし好きだという感情を肉欲に結びつけるのは一般的だと理解もしていた。
だから告白された長義が『まんばは抱かれたいのだろう』と勘違いして抱こうとするのは当然の発想だと思われた。
情けで抱いてもらってるのだから、抵抗してはいけないと思った。



「本当のこと、話して」


手をきゅっと握られ、心配そうに覗き込んでくる監査官を見ると、もうダメだった。
まんばは自分の想いを全部話していた。

「じゃあ、あの夜したのも、つらかったね、すまない」

頭を撫でてくれて、監査官が言う。
彼に撫でられるのは安心する。
フルフルとまんばは首を振る。

「あ、あんたとの、は好きだ……。すごく、その……気持ちよかった……。くせになりそうなくらい……

消え入りそうな声で真っ赤になりながらそう告げる。
監査官はまんばの額にキスを落とす。

「そんなこと言われたら、応えたくなる」

今度は唇に、深いものを。
そして二振りは再びしてしまう。


暗٩( 'ω' )و転



本歌はおかしいなと思う。
まんばの感度が前より良くなってるから、何かあったのかと思う。
心当たりはあの監査官だけ。
嫉妬でドロドロする。
そしてまんばを取られたくないと思う自分がいることに気づく。


まんばと監査官は、どんどん仲良くなっていく。
本歌は、二振りが縁側でお茶を飲んで微笑み合ってる所を見かけてしまった。
まんばの嬉しそうな顔を見て、ようやく心変わりしているのでは思う。
焦りが生まれて、まんばを引き留めたくて、強引にも二振りを引き離す。
そんなことがたびたびあった。


まんばの事が好きなんだと自覚する。
しかし今まで性欲処理として道具のように使っていたから、今更何も行動に移せない。
ただ、監査官とまんばはどんどん仲良くなっていく。
お互いを想い始めるのは時間の問題ではないかと思う。
いや、確実に監査官の方はまんばに惚れている。態度が明らかだ。


セッではまんばがつらそうにしてるのも気になってた。
最近は喘ぐけど、前はずっとつらそうにしてた。
でも本歌は気にしてなかった。

まんばへの気持ちを自覚した今、好きな子が嫌そうな顔をするのは見たくないなって思う。

「どうしたんだ?」

まんばを自室に連れてきたは良いが、考え込んでしまう。
まんばがセッ嫌いなのは自分のせいだと言う自覚もある。

「今日は疲れてるからやめとこう」
「じゃあ部屋にもど
「したらいつもここで寝るだろ、戻るのも面倒だからいいじゃないか」

本歌は何もせずまんばを抱きしめて寝る。
腕の中のまんばは天使みたいにかわいくて、こんな子に無体を強いて来たんだなって反省する。
次の日も、その次の日もそうする。


まんばは本歌に抱かれなくなり、不審がっていた。
そして毎日していた物がぱったりなくなった所為で、監査官とのセッにますますのめり込んでいく。
最近は本歌のも快楽を拾えるようになっていたが、監査官とのは気持ちいい。
触れられただけで嬌声を上げてしまう。
本歌は毎晩抱きしめるだけで、まんばはどんどんつらくなっていく。
嫌われて、飽きられたから、何もしないのかもしれない。
元々好かれてなかったが、嫌われたのは悲しかった。


まんばは本歌に別れを告げる。
今まで付き合って(?)もらったのだから、十分だ。
解放してあげなければと思う。

「アイツの所へ行くのか?俺と別れて?」
「え?」
「許さない……

押し倒され、以前より激しくされる。
だけどまんばも前よりレベルが上がってるので、本歌がめちゃくちゃにしても、感じることができる。

しかし最中、本歌が「行かないでくれ」とか「好きだ」とか譫言のように呟く。
閨での言葉はリップサービスだと思い込んでるまんばだが、初めて「好きだ」って言われて舞い上がる。

「俺はこの夜の事を一生の思い出にするから(*^_^*)」
「アイツのとこには行かせないって言ってるだろ💢💢」

まんばと本歌はじーっくり話をして、ようやくまんばは本歌に好いてもらってることを自覚する。

「ほ、本当に……?」
「だから、アイツの所になんか行くな

まんばはカァァァと赤くなって、コクリと頷く。






ちょぎくにハピエン!!
お付き合いありがとうございました!
お疲れ様でした!


どーでもいい設定
・監査官が派遣された理由はまんばが泣いてたため、刀剣虐待の恐れありと監査に来ていた。理由を知った後は私欲のために滞在していた。(職権濫用)
・手酷く抱かれてるシーンで『なんで俺、本歌の事が好きなんだろ』ってガツガツされながら思うモノローグを入れ忘れた。
・今回、もちろん監査官さんはまんばに惚れてるんだけど、二振りが元鞘に収まったと知って、想いは告げずに去る。
・まんばにとってセフレは監査官。気持ち良くしてくれるから。本命は本歌さん。冷たくされてつらいけど、嫌いになれない。
・まんばと監査官が会う約束をした夜、もちろん監査官は待ち合わせ場所に行ってる。行った時は始まっていたため、入れなかった。