ちょぎくに
※拉致監禁描写あり
※刀剣男士への暴行表現あり
※流血表現の可能性あり
※工口はなし
※下衆審神者あり
まんばは少し珍しい山姥切国広だった。涙が真珠になる特殊能力があった(某👻遊臼書)
ある審神者の元で顕現し、特殊能力が発覚した後は大事に育てられていた。
しかしその審神者は自慢しいで、いろんな所でまんばの特殊能力を言いふらす。
それを羨み、金儲けを企んだ審神者にまんばは攫われてしまう。
まんばは主の元へ帰りたいと泣く。審神者の目論見通りたくさんの真珠が手に入り、ニコニコ。
まんばはその本丸に幽閉されてしまう。
まんばは毎日泣くので、審神者は大満足。金の元となるまんばには良い食べ物を与えてあげる。
病気になったらいけないので。
そして世話係には自分の近侍である長義を付ける。
まんばは長義に本歌と写しのよしみで逃がしてほしいと頼む。
しかし審神者の命だし、そもそも自分は名を奪った写しを恨んでいるのだから、そんなことはできないと素気無く断られる。
精々大人しくしてろ、と食事を置いて出てってしまう。まんばはまた泣く。
まんばがたくさん泣くので審神者は喜ぶ。
まんばはいつも長義に帰りたいと乞うが、長義の答えはいつも同じで、却下される。
「おい、そんなに泣くと水分が無くなってシワシワになるぞ」
今日もご飯を持ってやってきた長義に目を向ける。ポロポロと溢れた涙は床に着く前に真珠になり、コロンコロンと音を立てた。
長義はまんばの前に食事を置く。
栄養失調で倒れて真珠が作れなくなったら困るので、無理矢理にでも食べさせている。
まんばはポカンと長義を見上げる。
「?」
ふっとまんばが吹き出す。
「シワシワって
……ははっ」
可笑しそうにお腹を抱えて笑い始める。
「な、何がおかしい!」
「泣いたくらいじゃ、シワシワにはならない
…」
まんばは笑ったせいでまた涙が出てきて、コロンと落ちる。
「お前、面白いやつだな」
まんばの笑顔にきゅんとした長義は、その時恋に落ちてしまった。
そして、再びまんばの笑顔が見たいと思うようになり、まんばの部屋に来た時は、あの手この手で笑わせようとする。
まんばも長義が来ると自然と笑顔を見せてくれるようになった。
しかし審神者が長義に言う。
「最近真珠の量が少ない。泣いてもらわないと困る。何とかしてアレを悲しませろ」
長義はまんばの部屋へ行く。
まんばは笑顔で寄ってきてくれるが、長義の表情で察したのか、困ったような顔で覗き込んでくる。
「どうかしたのか
…?」
「
………いや、」
「何かあったのか?」
「何もない」
「
……俺の事で何か言われたんだな」
「違う!」
「最近俺が泣かない事を咎められたんだろ?」
「違うって言ってるだろ!」
まんばは自分の本体を鞘から抜く。
長義はぎょっとする。
そして徐に自分の腕を傷つけた。
「痛い
……」
「馬鹿、何してるんだ!」
まんばは痛みでポロポロと涙を流す。
「そら、持っていけ」
「
………」
長義は悲しそうな顔でそれを拾い、部屋を出て行く。
審神者にそれを届けた後で人間の手当てに使う道具を持ってきて、怪我の対処をしてあげる。
「もうこんなことするな」
「けど、俺が泣かないと、お前の立場が、」
「いいからするな」
長義は悩みに悩んで、まんばを逃がしてやる決意をする。
そして準備を整え、まんばにこっそりと話す。
「そんなことしたら長義が
…!」
「俺の事はいい。アレは俺の主だ、何とかする」
「でも
…」
「お前はこれ以上ここにいるな、自分の本丸に帰れ」
「
………」
まんばは納得してない顔ながらも長義が用意した服に着替える。
しかしそこを審神者に見つかってしまう。
「最近様子がおかしいと思ったら、ソレにたぶらかされて、俺を裏切っていたのか」
長義は腕を掴み上げられ何度も何度も殴られる。
さらに床に放り投げられ、蹴られる。
「な、長義
…!」
「来るな
…!今のうちに逃げ
…」
「俺を裏切る刀はいらない。刀解してやる。ただしその前に存分に罰を与えてからだ」
長義をいたぶり続ける。
「や、やめてくれ
……!」
まんばは長義が傷つく姿を見てポロポロと涙を溢す。審神者はそれを見てニタァと笑う。
「なんだ、まだ使い道があるじゃないか、命拾いしたな」
審神者はまんばから出た真珠を拾い、部屋に鍵をかけて出て行く。
まんばはすぐに長義に駆け寄り、怪我の具合を見た。殴る蹴る程度だったが、若干血が出てる。頭も打ってるのかもしれない。
「長義、長義
…」
ポロポロと涙を流す。それは真珠になって長義に落ち、跳ねて転がっていった。
「くに、ひろ、大丈夫、だから、泣くな
……」
長義が優しく微笑む。まんばはさらに泣いてしまう。
その日から審神者はたびたびまんばの元に訪れるようになる。
長義を嬲って、まんばから出た真珠を拾うと満足そうに去って行く。
「やめろ
…!殴るなら俺を殴ればいいだろ
…!」
「お前は大事な製造機だから、傷つけたりしない。それに、」
長義を蹴り飛ばす。壁に勢いよくぶつかって転がった。ぐったりしている。
「ひゃ
……!な、長義
…!!」
コロンコロンと真珠が床にたくさん転がる。
「こっちの方が効率がいいみたいだからなァ
…」
国広は倒れた長義に縋り付く。
その間もポロポロと涙が溢れる。
日々長義は衰弱していってる。
手入れを受けてないし、毎日暴行を受けてる。
審神者が去った後国広が手当てするが、毎日の事なので治る前に傷が増える。
このままでは本当に折れてしまうと国広は震える。
審神者から庇うようにまんばが長義に縋り付く。
「国
……広、
……」
「長義
……!」
「お前だけでも、逃げろ
…」
「なんでそんなこと言うんだ!一緒に
…!」
「無理だ、俺が
…主を引き
…つけるから
……」
「なんでそんなにボロボロなってまでそんなこと言うんだ!俺はそんなことされる価値はない!」
「俺は、
…お前の、事が何
…より大事だから
……お前に、無事でいて、ほしい
……」
「長義
……」
「ごちゃごちゃと
……この死に損ないが!!」
審神者が腕を振り上げた途端、突然扉が開き、バタバタと何人もが入ってきた。
まんばも長義も目を白黒させる。
「主、そこまでですよー!長義さんをこれ以上傷つけるのは許しません!俺が政府に通報しちゃいました★」
鯰尾が場の空気に似合わず、テヘペロ
と言わんばかりに、告げる。
「な
……!?お前まで裏切るのか!」
「やだなー!裏切るなんて人聞きが悪い!俺は最初から俺の味方ですよ!」
「貴様
……!」
鯰尾は昔のよしみで、この現状を見てられなくて、行動に起こした。
結局審神者は捕まり、政府に回収されていく。
長義は政府の施設に運ばれ手入れを受ける。
まんばは元の本丸に戻るため一度政府に預かられる事になる。
まんばは職員にワガママを言って、手入れを受けた長義に付き添う事にする。
長義は目を閉じているが、ちゃんと息をしていて、温かい。
折れなくてよかったとまんばは思う。
まんばの審神者には連絡が取れたため、明日迎えに来てくれるらしい。だから今日で長義ともお別れだ。
そっと長義の頬に触れる。
「さよならだな」
そう思うと涙が出てきてしまう。
:
長義が起きると一粒の真珠が枕元に転がっていた。
まんばは審神者によく戻ってきてくれたと泣かれる。
酷いことされなかったか、痛いところはないか、と色々聞かれる。
「大丈夫だ
……。監禁された以外は別に酷いことされてない
…。ご飯も三食出たし、話し相手もいた
…。」
「そっかそっか、でも監禁なんて怖かったよね。ごめんね、俺が言いふらした所為でこんなことになって」
「お、俺も不覚を取ったから
…」
「しばらく出陣も内番も免除するから、のんびり休んでよ」
まんばは一日中縁側に座りぼんやり過ごす。
毎日泣いてた日々が嘘みたいに平和だった。
自分の本丸は安全で、気も安らぐ。
攫われた先の本丸にいるよりも数倍、
「あれ?」
本丸に戻ってこれて嬉しいはずなのに、ポロポロと涙が溢れる。
目から落ちた涙は庭に落ち、コロコロと転がっていった。
胸がズキズキする。涙が止まらない。
「
……困ったな」
悲しむ必要ないはずなのに、涙が出てくる。
まんばはみんなに隠れて毎日泣く。
だけど真珠が残るから、まんばはそれをお菓子の缶に入れて隠す。
実はみんなはそれを知っていて、余程攫われた先で怖い目にあったんだと推測する。
ある申し出によってその誤解が解ける。
件の本丸が解体となりそこの所属の刀の貰い先を探しているとのこと。
そこで一振りの刀がこの本丸に願い出た。
攫われた先で怖い思いをしたのだから、その刀がまんばに危害を加えた可能性があると思い最初は断る。
だけど断っても断っても何度も連絡がある。
せめて会ってから考えてくれと言われる。
審神者はあまりにしつこいので「もしお会いしてうちにそぐわないと判断した場合は、きっぱり諦めてくれますか?」と聞く。諦めると言われ、審神者は会うことを了承する。
だけどまんばがその刀と会ったら怯えるかもしれない、怖い記憶を思い出すかもしれない、と思い遠征に出すことにする。
当日、移籍希望の刀が本丸に来る。
本丸全体固い空気が流れてる。
来たのは山姥切長義で、キョロキョロと不躾に辺りを見回している。
執拗にここを希望しているという事はまんばの涙が狙いだという事だ、という先入観でみんな見てる。
しかしそこでなぜか遠征部隊が帰ってきてしまう。
「すまない、忘れ物をして
……!」
まんばが長義を見て目を見開く。全員息を飲む。
「国広
…!」
「長義!!会いたかった!!」
二振りが抱き合って、全員えっ??となる。誤解が解ける。
そして長義は移籍が決まり、ちょぎくにハピエン、お疲れ様でした
↓グラ様が続きを書いてくださいました!
どーでもいい設定
・長義くんが審神者からの暴力を抵抗もせず&避けず、受けてたのは、自分が殴られてればまんばに危害は加えないと思ったため。あと審神者を裏切ったので怒られる覚悟はしてた。
・刀の持ち主の審神者しか手入れができない設定。ただし政府の施設では持ち主がいても手入れ可能。
・審神者は斬れないって設定。斬ると付喪神でいられなくなってしまうので、長義くんもまんばくんも審神者に手を出さない。
・まんばも長義も刀所持してるが、部屋は審神者の結界が張ってあるので物理的に破壊して逃げる事は不可能。
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