木蔦(キヅタ)
2019-06-16 20:05:58
2295文字
Public
 

神楽舞を踊るちょぎくにの話【ちょぎくに】※現パロ


ちょぎくに 現パロ

長義くんはある本丸の刀剣男士。
今回、令和の時代で時間遡行軍の気配があるという事で派遣された。
訪れたのはとある村。
令和というIT化が進んだ時代であるにも関わらず、昭和~な雰囲気を醸し出していた。

長義くんはそこで時間遡行軍を探す、が、そこで出会ったのが自分の写しの気配を纏った人間だった。
長義くんはすぐにまんばの生まれ変わりだと気付く。
そして時間遡行軍の狙いはもしかしたらこの子なのでは、とあたりを付ける。

まんばを守るために、まんばに近づく。
最初まんばは警戒していたものの長義に何か感じるものがあるのか、すぐに打ち解ける。
最近では笑顔を見せてくれるようになった。
長義がまんばを嫌う理由もなく、むしろ守るためには好都合だとまんばと親しくなっていく。

ある日まんばに「今年の祭りで俺が選ばれた」と明かされる。
どうやら村のしきたりで毎年、中高生が2人選ばれ、神の前で舞を踊るらしい。
今年はまんばともう一人同じ学校の男子が選ばれ、お祭りまで練習をするということだった。
いつどこで時間遡行軍に襲われるかわからないため、長義は練習に付き合うことにする。


長義はまんばの傍にいるうちに、徐々に惹かれていく。
ここに『本歌』はいないためまんばの写しコンプレックスもない。
卑屈控えめで素直で、まんばの素を見たような気がしていた。
そしてまんばの気持ちも徐々に長義に向いていると感じていた。


(視点変わります)
お祭り当日、神社は人で溢れ返っていた。
この村の人口はそう多くないが、それでも所狭しといる。
ここに国広の刀が人間の姿でいるはずだ。
調べは付いている。
その刀が今日ここで神楽舞を踊るためそれを阻止すべくやってきた。
目的は祭りの中止、ベストは刀を消滅させてしまう事だ。

「ちょっと緊張してきたから、外で涼んでくる!」
好都合にもその刀は連れにそう言って、神社から出て行く。
あと1時間ほどで始まるため既に衣装を身に纏っている。
彼は集中したいのか、ドンドン静かな方へ、ひと気のない方へ、進んでいく。

チャンスだった。

歴史の改変を邪魔する刀剣男士がこの村に来ていると気付いていた。
だからこの場に来れないように昨夜の寝静まった頃に何振りかで襲撃した。
それは成功し、彼はここにいない。

邪魔者は始末できた、任務を遂行しよう。
そっと刀を抜き振りかぶった。




まるで羽衣のような頭からすっぽり被っていた布がふんわりと揺れる。

「どうしたかな?そんなにまじまじと見て」

「!」
揺れた布からいきなり刃先が向かって来て咄嗟に身を引く。
紙一重で避けた。
バサッと音を立て、布が取り払われる。
そこにはあの刀の子と瓜二つの銀髪がいた。

「誰かと間違えたかな」

彼は仲間が始末したはず。なのになぜここにいるのか。
「俺に隙なんてないよ、寝てる時ですらね」



(視点変わります)
「今頃舞は始まってる頃だろうね」
実は神社内の時計を早めておいた。
だから予定の時間よりも早く始まるはずだ。
それに祭りなど誰も時間を気にしないだろう、時計など見ずに始まった気配を察して人が集まってくるに違いない。
かなり大胆かついい加減な作戦だが、目的を成してしまえばこっちのものだ。
それに始まってなかったとしても、この時間遡行軍をここで倒してしまえば済む話だ。

「待たせたな、お前の死が来たぞ」






時間遡行軍を倒して戻ると、控えの部屋が騒がしい。
どうしたのかまんばに聞く。
どうやらまんばと一緒に踊る子が、段差を踏み外して足を捻ってしまったらしい。
既に辺りは薄暗くなっていたため、見誤ったのだろうとのこと。
それは二人が対になって踊るもののため、まんば一人では踊れない。
このままでは中止せざる得ないだろう。

しかしまんばは長義の顔を見て、ハッとする。

「長義、お前踊れるよな!?俺の練習に付き合ってくれてたから、覚えてるよな!」

周りの大人たちがざわつく。
本当なのかい?と聞かれ、これは歴史改変にあたるのだろうかと不安になりながらも肯定する。

「なぜか衣装も来てるしちょうどいい!君が待ってくれないか!」

あれよあれよと言う間に、話が進み、長義が踊ることに。

二人が踊る剣舞は息ぴったり。
対の動きでひらりひらりと舞う。
刀を打ち合うごとにキン、キン、と高い音が響き合う。
その光景は美しくて、まるで神の使いのようだった。
彼らを見た人々は息をするのも忘れて見入ってしまう。


↑ こちらの彩さんの絵に合わせて書かせて頂きました!

「今日は長義と踊れて楽しかった」

まんばが滅多に見せない笑顔を長義に向けてくる。
長義だって楽しかった。離れたくないと思った。

でももう任務は終わったため、別れの時が近づいていた。
二人で出店を見て回り、フランクフルトを食べる。


そして二人はわかれた。
長義はもう会えないと告げることなく、本丸へ帰っていった。




本丸に戻ると新しい刀が顕現してる。
それがまんばで、あの村で会ったことも覚えてる。

まんばは実はあの時代、実体の刀を離れて、人としての生を体験してた。
普通の生まれ変わりではないので、人ならざる力も持ってた。
そこを突かれて狙われてしまったわけだけど。


こうして再会してハピエンということにして頂けないでしょうか。