木蔦(キヅタ)
2019-06-09 19:45:49
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7日間だけ女体化するまんばの話(事例②)【ちょぎくに】※女体化


※女体化注意

まんばは月に7日間だけ女体化してしまう。
それはみんなに隠してて、期間中は審神者の客人として、狐の面を付けて過ごしている。(後輩審神者として修行に来てるとか理由つけて。)
殆ど審神者の部屋にいる。


ちなみに刀剣達はまんばの正体に気づいてる者もいるが、察して黙ってくれてる。
さりげなくフォローもしてくれる。


長義が顕現してから初めての女体化。
長義は本丸内にいる怪しげな女性を見て、審神者に聞く。
彼女は自分の後輩で呪術の事を学びに来ている、毎月7日間だけ研修する約束になってるのでしばらくうちに滞在するからよろしくね、と審神者が説明した。

長義は疑う事なく信じる。が、どこの部屋なのかと聞いてきた。

まんばは客室が与えられてるが、この状態で誰か訪ねてきたら一人で対応できないと考え、ほぼ審神者の部屋にいる。
寝るときも審神者の部屋。
だから客室はあってないようなもの。

審神者が、俺の部屋にいるなぁ、と答えると長義は驚く。

「二人は恋仲なのか?」
「いや違うよ」
まんばもフルフル顔を振る。
「こんな男所帯の本丸に女性が一人で、鍵の付いた部屋も与えないなんて!主、さすがにデリカシーがないんじゃないかな」

いや別に男だから気にしなくていいんですけど……
そう二人は思ったが、口には出さない。

「いやでもね、うちに鍵の付いた部屋なんてないし
「女性への気遣いがなってないよ!毎月来るなら彼女専用の鍵付きの部屋を作ってもいいじゃないかな。」

でも、と言う審神者に、あ〜〜もう!と長義が切れる。

「ちょっと俺に任せてほしい」

とまんばをどこかに連れて行ってしまう。
どうしよう、と審神者は焦るが、まぁまんばだってバレたわけじゃないし、ほとぼりが冷めたら帰ってくるかと思い放っておく。


一方まんばは焦りまくってる。
長義にバレるかもしれないとドキドキしてる。

まんばがさっきから何も話さないので、長義は「もしかして声が出せないのかな?」と聞く。
まんばはコクリと頷く。

まんばは女体化して、声も高くなってるんだけど、それは恐らく幼い頃の声に似てるのではと自分で考えている。
幼い頃を知っている長義の前で声を出したくない。だから喋らなかった。
病気か何かだと思った長義は勝手に納得する。


「この部屋を使えばいいから」
案内されたのは長義の部屋の隣の角部屋で、まんばは長義を見る。
「そのうち鍵をつけてあげるから。それまでは俺が見張っててあげよう。誰かが来れば俺が気づくからね」

まんばはブンブンと首を振る。
俺にはちゃんと他に部屋があるからと言いたいが話せない。
「遠慮しなくていいよ」と言われ、部屋に押し込められる。
まんばはしぶしぶ従う。


しかしその後も何かにつけて長義が話しかけてくる。
まんばはなんでよりによって本歌なんだと思う。

まんばは長義の事が苦手。散々嫌味を言われ、いびられ、偽物と罵られ、なるべく近づかないようにしていた。
女性だからというだけでこんなに優しくしてもらえるのはなんだか妙な感覚だった。
嬉しい半分、もしまんばだって知ったらこの優しさもなくなるんだろうなって。
長義は何かにつけてエスコートしてくれるんだけど、まんばはバレたくないからあまり来て欲しくなかった。
だけど無条件に優しくしてくれる長義に、徐々に情が移ってきて、なんだかこの関係が心地よくなってきていた。
まるで小田原にいた頃みたいに本歌が面倒見てくれる。あの頃に戻ったみたいだった。



ちなみに長義くんはにょたんばのこと、後輩殿って呼びます。


数ヶ月経ったある日、まんばは女体化したため、審神者服に身を包み、お面をつけて、向かう。
やはり長義が寄ってきて部屋で二人でお茶する。

そして唐突に長義がまんばを抱きしめる。

「君がいない間、寂しかった」

まんばはそれに衝撃を受けて、長義を突き飛ばす。
フルフルと首を振り部屋から飛び出す。

そこで長義が恋愛的な意味で「後輩殿」を慕っていたとまんばは気づく。
そしてまんばも長義に惹かれていたと思い知る。
しかし長義が惚れているのは飽くまで「女性」で、しかも「審神者」という仮初めの姿しか晒してない。
だからまんばが好かれているわけではないので、自覚した途端失恋してしまう。


そして審神者の元に駆け込み、今後女体化したら別の場所に行きたいと告げる。
遠征でも別本丸でもいい。
審神者はどうかしたのか聞くけど、まんばはだんまりを決め込む。

審神者は渋々了承し、遠征に行かせることにすると言う。
「じゃあ今日からでいいかな?」と言われ了承する。
まんばは時空門を潜るまでは女体だけど、帰ってくる時は男体だから、女性審神者の服を着て戦闘服を風呂敷に包む。
「心配だから護衛つけたからね。」
「は?なんでそんな。護衛なんていらな……
「主、呼んだかな?」
背後から現れた声に口を噤む。
「うん、ちょっと後輩が山籠りするから護衛を頼みたいんだ、ほら二人仲良いでしょ??頼むよ。
後輩ちゃん、君の事は強いってわかってるけど、今はそんな身体でしょ?一人だと俺心配だから誰かについててもらった方がいいよ」
まんばはブンブンと首を振る。
(冗談じゃない!本歌といたくないからお願いしたのによりによって二人きりにされるなんて本末転倒だ!)
ちらっと本歌を見ると少し桜が舞ってる。まずい。
まんばは審神者に縋り付き嫌がる。
しかし長義がいる手前声が出せないので審神者には通じない。
「え?そんな俺との別れをそんなに惜しんで嬉しいなぁ♡俺の事は気にしないで、息抜きだと思って楽しんでくればいいからね?」
(バカ主〜〜〜!!!)
こうしてまんばは二人で遠征に行くことになってしまった。



山籠り中は何をするでもなく過ごす。
一応修行という名目なので、修行っぽいことをしてみる。
(本丸の方が数倍マシだった。早く本丸に帰りたい。)
まんばは「後輩殿」に片想いしてる本歌と一緒に居たくない。胸がズキズキする。
逃げ場所がたくさんある本丸の方がマシ。

(そうか、山籠りは終わりって事にして早々に帰ればいいか!)
名案を思い付く。

長義にそれを告げる。
手を掬い、その平に「きょう かえる」と書く。
「帰る?なぜ?」
再び手のひらに「おわり」と書く。
「もう山籠りはいいのかな?」
こくんと頷く。
「じゃあ残りの日数は俺と付き合って」
と言われる。
まんばは「は!?」な展開なんだけど、長義的には「早く終わったなら残りの日数は自由にしていいのでは?」という発想。

「俺と恋人ごっこをしてくれないかな?」
まんばはブンブンと首を振る。絶対無理。
「ダメかな?」と捨てられた子犬の目で見つめられ、う……と詰まる。

まんばは小枝を手に取り、地面に書き始める。
要約すると「私の立場でそんな事は困る。あと自分に自信がない。自分の事をあまり知りもしない貴方のいう事は信じられない」という事。
これを長文でつらつらネガティブ思考で書き連ねた。

「じゃあこうしよう、君は何もしなくていいし、応えなくていい。数日だけ君の時間を欲しい」
まんばは困ってしまって、だけどそれで諦めてくれるならと思う。
「これっきりにしてください」と書いて了承する。

でもこれが間違いで、事あるごとに本歌が迫ってくる。いちいち距離が近い。
まんばはさり気なく逃げるけど壁ドンとか腕触れられたりして、逃げられない。
困るのに、嬉しいと思う自分もいて、さらに困る。

でもこれは「後輩殿」に向ける感情だからと頑なに拒否し続ける。
絶対に「山姥切国広」には向けてくれない眼差しと態度だから、勿体無くていっそこれを楽しんでしまうという割り切り方もあるのではと思う。
そんな気持ちを見越してか、長義は今まである一定の距離を保っていた(拒否したらちゃんと引いてくれてた)のに、急に踏み込んでくる。


夕食で山で採ってきた物を粥にして食べた後、まったりしてたら背後から抱き締められる。
離してほしいと意思を伝えても「嫌だ」と返事があるばかりで、それどころか首筋にキスを落とされる。舐められたり、吸われたり。
まんばは必死で抵抗するも、今は女性の身体なので敵わない。
そっと着物の内側に手が入った所でまんばの限界が来て「離せ!!」と声を上げてしまう。

「君、声が出せたのか?」

出してからしまった、と思う。
口を押さえるがもう遅い。
長義から少し距離を取る。

「騙してたのは悪かった、こちらにもいろいろ事情がある。聞かないでほしい」
まんばはそう告げる。
「しかもその声、ますます……
本歌は何か思案した後、こう提案する。

「その面を取ってほしい」

まんばは頭が真っ白になる。絶対無理。
「嫌だ、取れない。審神者の顔を見る事は禁止されているはずだ
「審神者のは、ね」

何か確信があるのか、既にバレてしまっているのか、長義は何の恐れもなくまんばに近づいてくる。
まんばは縮こまるばかりで、その場から逃げ出せない。
面を取られないように必死で顔覆おう。

でもいつまで経っても本歌が触れてこないので、まんばはそっと指と指の間から様子を伺う。
本歌は困った顔をしてる。

「泣かせたいわけじゃない」

そっとまんばの髪を撫でる。
「怯えさせてすまない。俺の都合のいい解釈を打ち砕きたくて、君にこんな事を強いた。許してほしい。怯えさせてすまなかった。我ながら変な妄言をしたと思うよ、今ので目が覚めた。自分勝手で悪いけど、これまでの俺の行動はなかった事にしてくれるかな」
いきなりどうしたんだ、とまんばは疑問に思う。
よくわからないけど助かった、とホッとする。


その後は何事もなく、二人で本丸に帰る。「後輩殿」として帰り、男になるまで数時間身を潜める。

「山姥切国広」に戻ってホッとして服を着替え、何でもない顔でみんなの前に行く。
ちなみにまんばは遠征に行った事になってた。



今度はまんばに長義の猛攻が始まる。
あんなにまで嫌味言ってたはずなのに、甘い言葉を呟いたり、部屋に押しかけてきたり。
何の罠だ??とまんばは怖くて怖くて警戒してる。

「国広、一緒にお茶しないか?」
……偽物って呼ばないんだな。」
「写しは偽物とは違うからね」
「どの口が言うんだ」
「お前が俺の名を語っていたと勘違いしたんだよ。あんな風にお前を傷つけてすまない。」

許可なくまんばの横に座り、お茶を淹れ始める。長義がそういう態度だからまんばは長義を避け始める。
「あっ、自分のこと探してる!」と思うと身を潜める。
たまに他の刀に匿ってもらったりする。


その日もまんばは長義の視線から逃げて、自室にいた。
そろそろ時期だな、と箪笥から女性の着物を取り出す。女体化の7日間が始まる時期。
そこに長義が訪ねてきて、咄嗟に着物を隠す。幸いにもバレてない。

まんばは長義を追い返そうとするが、長義は強引でなかなか帰ろうとしない。
「一緒にいたい」だの「お前といると楽しい」だの狂言を言われ、居座り続けられる。

しかしまんばはついに女体化の時を迎えてしまう。
長義の前で変化するのはまずいと思い、ちょっと厠へ!と叫んで部屋を出て行く。
目指すは審神者の部屋。
走ってるうちにドンドン身体が変わっていき、服がダボついてくる。
審神者の部屋に着く頃には完全に女性体で、服はズレるし、ズボンはずり下がりそうになるしで、大変な格好だった。

審神者は今日お出かけ中で部屋には誰もいない。
とりあえず着る物をなんとかしなければ、と勝手に審神者のタンスを漁る。
しかし審神者は男性で、背も高い肩幅も広いので、着れる服がない。
しかしいつまでも「山姥切国広」の服を着ているわけにはいかないからと、なるべく小さめで調整が利きそうな服を見繕う。
すると背後から「国広?」と声が掛かった。

「今日は主はいないよ。どうしたのかな?」
まんばは自分を隠すように縮こまる。
布があるからある程度体格は隠してくれる。
「大丈夫だから近寄るな」と言いたいが、今は女性の声なので喋るとバレてしまう。

「蹲ってどうかしたのか?体調が悪いのかな」
ついに長義はまんばの側まで来て、覗き込む。
縮こまっていれば体格差なんてわからないし、胸が膨らんでいることもわからない。
しかし体調が悪いと思われ、この体勢を崩されたらアウトだろう。

「国広?苦しいなら手入れ部屋へ行こう」
フルフルと首を振る。唯一事情を知る審神者がいたらフォローしてもらえたのに、それもない。
長義から遠ざかるように身体を引きずるがその分近づかれる。

「無理してはダメだよ。行こう」

そう言って身体を持ち上げられた。
長義はまんばが軽すぎてすぐに違和感に気づく。

震えて顔を隠すまんばを見て、丸みを帯びた身体を見る。
頭の回転が早い長義は、すぐに点と点が繋がった。

「国広、もしかしてお前

まんばはさらに縮こまる。
長義は自分の推測が正しいことを確信する。
「見るな……っ」とくぐもった高い声がする。
もうそれで長義は全て察する。





↑ ゆむ様が絵を描いてくださいました!


↑ 目様が絵を描いてくださいました!




長義は「後輩殿」に会った時にすごく気になってた。
顔は見えないけど、雰囲気、姿、佇まいが小田原の時のしょたんばにそっくりだったから。
だから放って置けなくなった。
構ってるうちに、国広が女の子になったらこんな感じなんだろうか、と思うようになっていき、いつしか惚れ込んでしまった。

しかし山籠りのあの日、拒否され、目が覚めた。
バカなことをしてる。
勝手に他人を国広の身代わりとして仕立て上げて、手に入れようとしている、と気づいた。

当の本人からは嫌われているとわかっていたから、身代わりを立てるなど姑息な手に出た。
「後輩殿」に向ける言葉もやってあげたことも、すべて国広にしてあげたいことだった。

だから「後輩殿」の素顔を見て、幻想を打ち破って、バカなことをしたと興醒めしたかった。
結局それも拒否されて、それで諦めをつけようとしてる自分すらバカバカしくなり、踏ん切りをつけた。


その後は本当に好きな者へ言い寄る事にした。
体裁とか外面を気にしなければ国広を口説くなど容易いことだった。
何を今まで躊躇していたのか笑ってしまうくらいだった。

国広はなかなか靡かない。頑な。
だけど押しに弱いから付け入る隙はいくらでもあった。

しかしある日部屋に押しかけると、国広は不自然に部屋から出て行ってしまう。
どうかしたのか心配になり、追いかけると向かった先は審神者の部屋で、留守中なのにどうして?と思い声をかける。
国広はその声に肩を揺らすとすぐに布饅頭になってしまう。
近づき、覗き込むと顔色が悪い。
そして抱きかかえて手入れ部屋へ連れて行こうとして今に至る。





「国広、お前だったんだな
恐ろしい言葉が降ってくる。まんばはガクガクと震えていて、何も言えない。
まんばは服がダボついてて、目にいっぱい溢れんばかりに涙を溜めて、胸を隠すように身体抱えて、顔は真っ赤。
「なぜお前がそんな姿なのかわからないし、どうでもいい。」
弾糾されると思い込み、まんばは目も合わせられない。

「俺は『後輩殿』ではなくお前が好きだ」
「??????」
唐突の告白にまんばは宇宙猫になる。

「『後輩殿』にもお前の面影を追って惹かれていた。最近ようやく自覚した。俺が好きなのはお前だと。」
「???????」

まんばは頭がついて行ってない。
今誰が告白されてて、今自分は誰なのかよくわかってない。
とりあえず自分の正体がバレてしまったことだけはわかる。
でもどうすべきかよくわかってない。

「ちょっと待ってほしい。今混乱している。主が帰ったら相談するからそれまで待ってくれ。」
「ここで他の男の名前を出されるとはね……」とため息混じりに言われる。
「?????(´・ω・`)」
「でも混乱してるならしょうがないね」

これは解放してくれる雰囲気、と思い、まんばはこのドギマギドキドキバクバク空間が終わると思いきや、
「理解できるまで俺とお話ししようか。」
と連れていかれて
「!?Σ(・_・)!??」となる。

「付き合う」って言うまで解放されなくて、
ちょぎくにハッピーエンドでいかがでしょうか!


長い間お付き合い頂きありがとうございました!
お疲れ様でした!