木蔦(キヅタ)
2019-06-05 20:51:24
1424文字
Public
 

喧嘩の後はほっぺにちゅ!が義務付けられてる本丸(事例⑤)【ちょぎくに】


その本丸では喧嘩したら仲直りのしるしにほっぺにチュ!をする規則があった。
長義くんのことが大好きなまんばは、他の子達がやってるのを見て思いついた。「喧嘩をわざと吹っ掛けて、長義のほっぺにチュしよう!」と。
思い足ったら即行動、まんばは長義くんに喧嘩を吹っかける。
しかしこの本丸の長義くんは大人びた個体なので「はいはい、そうだね」「わかったわかった」と流されて、喧嘩に発展しない。
何度やっても結果は同じ。

そこでまんばは考えた。
長義くんの大事な物を盗んで見よう!と。まんばは勝手に長義くんの部屋に入り、物色する。
そこで高そうな万年筆が目に入る。
これがなくなったら困るだろうと思い、まんばはそれを懐へ入れる。

「偽物くん?そこで何してるんだ?」

いきなり声を掛けられて、まんばはびっくりする。
見つかった、と思ってすぐに部屋から飛び出す。
「あ、待て!」などと追いかけてくる気配がする。

まんばは本丸の外に出るが、長義くんはまだ追いかけてくる。しつこい。
ここのまんばはやんちゃなので、木登りが得意。
上まで上がってしまって、長義が諦めるのを待とうと考え、一番大きい木によじ登る。
ある程度まで登って、太い幹で休もうとしたら、懐に入れていた万年筆が滑り落ちてしまった。

まんばは慌てて手を伸ばすと、何とか掴むことができた。
しかしその所為でバランスを崩してしまい、木から滑ってしまう。

っ国広!」

下にいた長義がまんばをキャッチすることに成功する。まんばは目を白黒させている。

「ったく、危ない事して。」
長義は明らかに不機嫌で、まんばはしゅんとなる。
万年筆は落ちなかったから良い物の、掴めなかったら確実に壊れていただろうと思う。
「怪我は」
「ない
「なんでこんなことしたんだ」
「だって山姥切と喧嘩したかったから
盗った物を返せ」
長義の手にまんばは万年筆を返す。

「こんなことは金輪際絶対にするな。」
そう言って長義は去って行ってしまう。
まんばはチューできるどころか嫌われてしまった、と落ち込む。
もう話しかけても構ってもらえないかもしれない。
少しべそかく。


次の日、朝食に向かうと長義と鉢合わせる。
案の定怒っているようで、ふぃと顔を逸らされる。まんばはショック。

「俺、怒ってるんだけど?」
「す、すまない
「怒ってるんだよ?」
「この通り、謝る!」
「察しが悪いな、怒ってるんだってば」
?謝罪が足りないか?」
「馬鹿だな偽物くんは!喧嘩したらやることがあるだろ!」
そこまで言われて漸くお膳立てしてもらってることに気づく。
「大体お前はなんで怒ってるのかわかってるのかな」
「俺が大事な万年筆を盗んだから」
「ちがう」
「勝手に部屋に入ったから」
「ち が う」
「謝らずに俺が逃げたから?」
「ちーがーう!」
?( ´・ω・`)💦💦

「くだらないことで、あんな危ない真似したからだろ!昔からお前はやんちゃな所が治らない!」
「(・o・)……?」
まんばはちょっと今の言葉の意味を100%理解できてなくて「危ないことしちゃ駄目だから叱られてる」と思ってる。
それはそうなんだけど、長義くんはまんばが心配&大事だったから叱ったっていうのは全然伝わってない。

「ほら、仲直りするよ」
って言われてほっぺにちゅってして、ちょぎくにハピエンでいかがでしょうか。