木蔦(キヅタ)
2019-05-22 01:20:33
2237文字
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政府の長義くんと、本丸の近侍のまんばくんの話【CPなし】



まんばの本丸は殆どレアがいない。刀剣の数も少ない。
審神者はのんびりしていて、穏やか。

猫が好きでたまに野良猫が本丸内をウロウロしてる。レア刀剣が来たらいいなぁとは思ってる。審神者がのんびり者だから、まんばがしっかりキビキビ働いてる。

まんばは戦力増加のために、友人の本丸からレアがよく出るというレシピを教えてもらったので後で試そうと思っていた。
しかし紙を失くしてしまった。悲しみ。
記憶を頼りに資材を投入するが上手くいかない。

ある時から人の気配がするようになる。
一振りで仕事をしていると、ぼんやりとした気配を感じる。
賜った本丸は古い屋敷だから幽霊の一人や二人いてもおかしくない。
しかし暮らしていくうちに、その気配がどんどん増えていく。
一体どうしたことだろうか。

そしてついに審神者が体調を崩す。
「なんか前から変な気配があるなって思ってたけど、なんか最近その気配が強くて気持ち悪い
「あんた気付いてたのに黙ってたのか!」
「ま、いっかなって」
「いい加減すぎるだろ!」
そして審神者の体調不良は緊急事態と考えても良いと思い、慌てて政府に連絡を入れる。



長義は政府で働いていた。

最近職場内では窃盗が相次いでいる。
犯人はまだ捕まっていない。
しかも盗まれた物が問題だった。
金などだったらまだ良い。

盗まれたのは刀剣だった。
長義のように政府で働いている刀剣も少なくない。
その彼らが少し目を離した隙に自分の本体が忽然となくなっているのだ。
気配を察する事に長けてる者も多い。
それなのに犯人は気付かれず本体を盗み出した。

もしや時間遡行軍に奪われたのか、本体が破壊・刀解されるのでは、などと懸念していたが、盗まれた者は至って健常で、破壊どころか、軽傷にすらなってない。
犯人が何のために盗んだのかわからず、「売りさばいたのでは?」「刀剣マニアが観賞用に盗んだのでは?」などと憶測が飛び交っている。

「自分の本体を盗まれるなんて間抜けだ」と長義は思っている。
大事な物なのだから普通肌身離さず持っているだろう。
それに不意を付かれるなんて弛んでいる。政府の刀剣の恥だ。

ある日長義の机の上に文があった。「木炭550、玉鋼660、冷却材760、砥石550」
妙に筆跡が乱れた字でそう書かれている。
誰かが言った「身代金ならぬ身代資材では」「今度窃盗する予告では」「現在盗んだ刀剣は刀解すればこれだけの資材の量になるという脅しでは」
とにかくこの文は事件の鍵に違いない、と長義は思う。

気味が悪いなと長義は思っていた。
しかし犯人の足取りもつかめず、日々が過ぎていく。

ある日電話が掛かってくる。
「あーもしもし?」
電波が少し悪いのか聞こえづらい。
『運んで、政府の役人か?………俺が犯人
「!!」
これはあの窃盗事件の犯人からの電話では、と思った長義。
「今どこにいる!?」
『横にいる。』
横にいるだと?ふざけるのも大概にしろ、そう思いふと傍らを見ると自分の本体がない。
先ほどまであったのに、犯人が嘲笑うように消してしまった。
長義は真っ青になる。
『早く来てくれ』



政府に電話を掛けた。ぶっ倒れている審神者を心配し、打刀たちが覗き込んでいる。
電話の向こうで、もしもし、と相手が出た。
「審神者はそこに運んでくれ、あー、政府の役人か?本丸におかしな現象が起こっている、俺が思うに犯人はたぶん幽霊だと思うんだが、なんとかしてくれないか?うちの審神者が倒れてしまって
『今どこにいる!?』
慌てた様子で返事があった。
やっぱり審神者は大事な人材だから、緊急事態だと察してくれたんだなと思う。
「本丸だ、横になっている。」
ちらりと審神者を見るがまだ気分は悪そうだ。
「早く来てくれ、場所は」
ブチッと音を立てて電話が切れた。なぜだ。

ふと見ると猫がまんばを見上げていた。
「にゃぁ♪」と機嫌が良さそうに鳴いている。
審神者が可愛がってる野良猫だ。
猫の前に刀が一振り置いてある。
「これは?」
拾い上げて抜いてみると、すらりとした美しい刀身。はて、どこかで見覚えがある。
「お前まさかこれを主に捧げようと持って来たのか?」
猫はボスに捧げ物をする習性がある。
ねずみなどを捕って飼い主に見せるのと一緒だ。
恐らく審神者が刀剣が欲しいと言っているのを聞いてどこかから持って来たんだろう。
「どこから持って来たんだ?」
しかも刀から若干気配がする。
ただしここに付喪神はいない。
本体から離れた場所に人の身体を持った実体がいるのだろう。しかもこの感覚覚えがある。まさかと思い、幽霊の気配のする所に行ってみた。刀が放置されていた。
「審神者が倒れた原因はこれか?」

実は猫は力のある猫(いわゆる化け猫)で、時空を行き来できる。
良かれと思って刀を集めてた。
だけど他所の刀だから審神者は変な気配があるなぁって気になって、気分が悪くなってしまった。

この後の展開は、長義くんが居場所を突き止めて本丸に乗り込んでくる。
刀があるから「やっぱり犯人はお前か!!」ってなり、まんばは言い逃れもできないながらも、すったもんだの言い合いになる。(ここら辺コメディの予定だった)
そして誤解も解けてめでたしめでたしの予定だったけど、飽きたのでここで一気にあらすじ話して終わりにします。
お疲れ様でした!