木蔦(キヅタ)
2019-04-17 07:21:22
2624文字
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ホラーな本丸【ちょぎくに】※ホラー表現、ブラック本丸表現あり


ちょぎくに
・ホラー
・ブラック本丸表現あり


まんばは顕現したばかり。
本丸には既に本歌がいて、近侍的な地位まで確立していた。
まんばは本歌に会えて嬉しくて駆け寄る。
しかし本歌は冷たく「あまり近寄らないでくれるかな、偽物くん。」と言い放つ。
しかも「俺の事は本歌と呼べ」と名前すら呼ばせてもらえない。
まんばはしょんぼりしつつ、その本丸で暮らし始める。


その本丸は設立して2年ほど経っていたが、住んでる刀剣は少ない。
30振りに満たないくらい。
山伏も堀川もいないため、まんばの縁者は本歌しかいない。
しかし本歌はまんばと仲良くする気はないらしく、冷たくあしらわれる。

ある日、審神者から蔵にあるものを取ってきて欲しいと頼まれた時、まんばは蔵に閉じ込められてしまう。
扉を閉められ、すぐに扉を叩いたがびくともしない。
しかも外から本歌の声で「偽物くんはそこがお似合いだよ。しばらくそこにいるといい。」と言われる。
本歌から嫌われてるとは気づいていたが、まさかイジメで閉じ込められるほど嫌われてるとは思わなかった。
まんばは誰か開けてくれ、と扉を叩くがビクともしない。
しかも蔵の周りはひとけがなく、まんばがどんなに声を張り上げようとも届かない。
結局朝まで誰にも気付かれず過ごす。
朝、審神者が探しに来てくれて、よかったと抱きつかれる。


まんばの練度が上がりつつあった頃、本歌によってまんばは単騎長期遠征に出される。
まんばは一人でなんて無理だと言ったが、本歌は聞いてくれない。
他の仲間達はその出陣命令を聞くと「余程写しが可愛いとみえる」と笑う。
イジメられてるのをバカにされてる。

そんな感じで本歌からの嫌がらせはたびたびあった。
そのたびにまんばは耐えた。
本歌は冷たい態度を取るが、本歌と写しのえにしから、いつかは仲良くなれると信じていた。
だからまんばは本歌とのことを諦めてなかった。
何度も何度も話しかけ、素っ気なくされていた。


ある夜、部屋に本歌が訪ねてくる。
「国広、ちょっと来てくれないか。」
まんばは夜着のまま本歌に連れられて部屋を出る。
暗闇の中、長い廊下を進む。
明かりもないので前を進む本歌だけを頼りにしてる。
どこに向かっているのかわからず聞くが「着けばわかる。」の一点張り。

まんばはぼんやり考える。
一体こんな夜中に何の用なんだろう。
ひたひたと廊下に響く自分の足音を聞きながら、本歌の言葉を反芻していた。

(いつもは、国広なんて呼ばないのに。)

今まで受けてきた嫌がらせを思い出しながら進む。
そして、徐々にまんばは言いようのない違和感を感じていた。

何かがおかしい。
(国広、だなんて。)
ひたひたと廊下に響く、一振りの足音。
明かりもないのに迷いなく進む彼。
いつもと違う呼び方、夜中の突然の訪問。
這うように湧き上がってくる悪寒。


急に恐怖心が出てきて「やっぱり戻……」と言いかけたが、本歌に腕を取られ目の前の本歌はニタニタ笑っているが、まんばの知る本歌はそんな笑い方しない。
これは本歌じゃない、とまんばは悟る。

「連れてク……一緒、苦シイ……

まんばの腕を引っ張りながら、何か呟いている。
まんばは目の前の人物が何者なのかわからなくて、恐怖を感じる。1/1d3のSANチェックです。

まんばは抵抗するが、人の体とは思えない強い力で引っ張られる。
本体は部屋に置いてきてしまった。
まんばは連れて行かれると悟る。
暗くて冷たい寂しく苦しい所だと伝わってくる。
怖いと感じるが、抵抗してもどんどん引っ張られていく。
しかも他にもたくさんの手が伸びてきてまんばの身体中を掴む。

奥に部屋が見える。そんな所に部屋はないはず、とまんばは記憶を探る。
ここは行き止まりのはずなのに確かに扉が見え、部屋がある。
その床に、たくさんの刀の破片が落ちてる。折れた刀の残骸。

そしてまんばも自分もああなるんだと悟る。
設立から2年も経つのに、30振りに満たない理由をようやく知る。

いやだ、いやだと泣き叫んでも、近くに刀剣が寝泊まりしてる部屋はない。助けは来ない。
しかし、まんばを掴んだ手を何者かが遮った。
神気を纏った白銀の刃で彼らの腕を断ち、彼らから守るように立つ本歌の姿があった。


本歌サイド\\٩( 'ω' )و ////

本歌が顕現したのは悪霊の住まう本丸だった。
そこに顕現した刀は悪霊に引きずり込まれ、食われ、折れてしまうことがほとんどだった。
生き残った刀は殆どが霊刀や御神刀など対抗しうる力を持つ者ばかりだった。
しかし悪霊も対抗できないと悟ると小賢しい手を使ってくる。
親しい者に化け、油断した隙に襲うということが起こった。
神気の強い刀でありながら、やられた者は何振りかいる。
たまに悪霊退治と銘打って、本丸全員で総攻撃を仕掛ける時もある。
しかし駆除しても駆除してもなくならず、今まで平行線を辿ってきた。

ちなみに前の審神者によってブラック本丸化した際、いろいろあって祟り場になってしまった。
そのため悪霊はこの地に吸い寄せられ、自然と増えていく。

そんな中、まんばが顕現する。
まんばは霊刀ではない(本歌視点)ので、この本丸は危険。
練度も低いし、守ってあげなければすぐに折れてしまう。
しかも簡単に騙されやすい性格(小田原時代の記憶で言ってる。)なので自分を装って攫われてしまう可能性が高い。
だからまんばには冷たく当たってた。

ある日ポルターガイスト的な現象が起こり、本丸内で戦いが起こる。
今いる刀はすべて霊刀などなので、問題ないが、まんばだけは別。
まんばを探すと審神者が蔵に向かわせたと言う。
実は結界を張っている場所がいくつかあり、蔵はそのうちの一つ。
本歌はこの戦いが終わるまではとまんばを蔵に閉じ込める。
審神者はまんばが折れてないか、結界が破られてないかとかなり心配しており、朝迎えに行った時、無事を泣いて喜んでた。

あと本丸にいるのは結構危険なので、まんばを本丸から遠ざけるために、本歌はたびたび長期遠征に出した。
そのたびに仲間達から「過保護だなぁ」「大事にしてるねー」と笑われた。

そしてある日嫌な予感がして、まんばを探すとそこに……という流れ。

化け物切りの刀で悪霊斬るよ。