ちょぎくに
その本丸では初期刀がまんば、設立初期段階で長義が顕現していた。
二振りは仲が悪い。お互いに冷たくあしらう。
「何を期待しているのやら
…」
「ふっ、素直じゃない態度ばかり取っていると主に愛想尽かされるぞ。」
「隊長の見せ場まで奪ってしまうかもしれない」
「大した自信じゃないか。自分を過大評価しすぎるのも大概にしたらどうだ。」
本丸の皆はハラハラして見てる。
二振りを一緒にしておくと、このような会話が続くので一緒にいる刀は胃が痛い。
だからなるべく二振りが一緒にならないようにみんな気を遣っていた。
しかしある日、みんなが気付かぬ間に二振りが内番で一緒になってしまったようで、大げんかにまで発展する。
「大体あんたは昔っからそうだ!自分の都合しか考えてない!散々他刃を振り回しといて自分はのうのうと
…!あんたとは別れて正解だった!」
「はぁ??お前こそ何言ってんの。いつもいつも与えてもらうばっかりで、お前自身は何をしたっていうのかな?俺だってお前みたいな卑屈は願い下げだね!」
「それはあんたが勝手に与えてくるんだろ!?この与えたがり!!」
「恋人に何か与えたいと思うのは同然だろ!ああ、今では、モ・ト、恋人だったね!」
喧嘩を止めに入ろうとした刀剣達が固まる。チベスナの顔になる。
(仲悪いとは思ってたけど、痴情のもつれからだったのか
……)
痴話げんかみたいなものか、とそれからはみんな放っておくことにする。
ちなみにこのちょぎくに、まだお互いの事が好きで、だけど嫌われていると思って、前に進めないどーしようもない二振りであーる。
例えばさ、演練で、元カノのまんばが、他所の本丸の長義くんに声掛けられてたら、元カレの長義くんはわざと元カノまんばに話しかけて牽制するんだぜ
……。
「おい、国広。おっと、他所の俺と取り込み中だったか。お邪魔したね。」
って不自然に国広呼びするんだよ。普段は呼ばないくせに。
後からまんばに「俺達はもう終わったんだから、あんなふうにもう呼ばないでくれないか。」って言われる長義氏
……。
牽制だったんだよまんば気づいて。
でもまんばは
(あんな風に呼ばれたらまだ望みはあるんじゃないかって勘違いしてしまう
…)
って思ってるんだよ。
別れた原因は、相手の愛を感じなくなったからに一票。
「長義が最近よそよそしくなった
……。きっと俺なんかと付き合ってるのが嫌になったんだろう
……」
ってまんばが勘違いし始めて、
「最近国広の様子がおかしい。」
ってなり
「別れよう」
とまんばが言い出す。長義氏は
(様子がおかしかったのは他に好きなやつでもできたのか
……?)
って思う。お互いが気持ちを勘違いして、別れるに至る。
それ以降は不仲に。
別れたし、仲悪いのに、なんかあったらまんばは反射的に長義に縋り付くし、長義はまんばを守ろうとするの萌えない?
例えば二振りで、執務室で仕事してて、いきなり政府からの使いでこんのすけがぬぅっって机の下から出てきて、まんばが「ぎゃ!!」って驚くの。
まんばは長義くんの体に縋り付くし、長義くんは時間遡行軍か!?って思ってまんばを守るように庇う感じで腕回して自分の本体を手に取るの。
それでこんのすけだってわかると、
「なんだ、驚かすな
……」
「もう少し普通に出てこれないのかな
……」
って脱力するんだけど、体が引っ付いてること気づいて、同時に離れるんだよ。
「何くっついてんだ!」
「そもそもお前がくっ付いてきたんだろう!?」
「お、俺はこんのすけがここから出てきたから、反対側に逃げただけだ
…。あんたこそ、う、うで
……!」
「お、俺だって敵だと思ったから、お前が邪魔で押し退けようと手を回しただけで
……!」
そうなのか
…ってお互い信じる。
↑ わさび茶漬け様が絵を描いてくださいました!
無意識に一番知ってる感出すのもいいよね。
今日のおやつを長義に渡そうとした刀剣に
「あ、その菓子あまり好きじゃないからこっち。」
って違うの渡すの。
仲悪いのに把握してるんだって新刃は思うし、古い子は仲いいんだか悪いんだかって思う。
ある日まんばが出掛ける支度してるから、他の刀が「まんばちゃん出掛けるのー?」って聞くとまんばが頬を染めながら「で、でーとだ
…」って答える。
みんなが思わず長義を見るけど、長義は当然支度をしてないし、出掛ける様子もない。
(い、一体誰と
……!?)
って全員が思う。
まんばは「いいか!?絶対付いてくるなよ!?絶対だぞ!?」ってフリかな?って思うようなこと言って出かけて行く。
長義くんはめっちゃ無表情でバックに闇背負ってて「尾けるぞ
………」って言う。
まんばくん、喫茶店に入って行く。
こっそり皆も中に入って様子を窺うと、他の所の長義くんがいる席にまんばが座る。店内で待ち合わせしてたらしい。
「やっぱりまんばちゃん、うちの長義さんとはうまくいかないから、別の本丸の長義さんと
…」
って言いかけると長義くんが「そんなわけないだろ!」って怒る。
時間遡行軍もびっくりな負のオーラ出しまくりで、みんなが「バレるよ!」「もうちょっと抑えて!」「殺気消して!」って宥めてたりする。
長義くんは舌打ちした後、少し抑えつつ、怖い顔してじっと二振りのこと見てる。
嫉妬深い元カレ
…。
まんばがにこやかに話してたり、照れてたりすると、ブチ切れそうになるやつ
…。
結局まんばにバレて「お前たち、付いてくるなって言っただろう💢」って怒られる。
だけどこっちにも怒ってる男が一振りいて「お前こそ
…主の刀なのに、余所で男を作るなんて良い度胸してるね
…」ってゆらりと立ち上がる。自分のこと棚上げ。
他所の長義は後ろでニコニコ見てる。
長義がいつになく激おこだからまんばは若干引いて「えっと
…どうかしたのか
…?」っておそるおそる聞く。
「別に怒ってない。デート中に邪魔してわるかったね。」って長義が答えると後ろで他所の長義が「プハッ」って吹き出す。
なぜ笑った??って思ってると
「お前、本当にデートだって言ったの?」
「だってお前がバレそうになったらそう言えって言ったんだろ。」
「だからって本当に言うかなぁ」
「デートって言ったら付いてこないと思って。」
「逆だろ、気になってデバガメするに決まってる。」
って話してる。わざわざ関係がバレた場合の事も考えて、綿密にこっそり付き合ってたのか
…?って思ってたら、実は長義は政府の刀剣で、極秘の仕事の依頼をまんばにしてたって言う
…。
さすがに内容までは教えられないけどって言ってて、彼氏じゃなかったのかってみんなホッとする。
「じゃあ僕達はこれで
…お邪魔しました~
…」
ってみんなは去ろうとするんだけど、長義だけ納得してなくて、ムスッとした顔してる。
「ほら、長義さん行きますよ
…!誤解は解けたじゃないですか」って言うんだけど、聞いてくれない。
そして政府の長義に「極秘事項と言ったな、こいつの代わりに俺が務めることはできないか?」って言い始める。長義の顔は至って真剣。怒ってる様子も、冗談を言っている感じでもない。
「政府の俺が絡んでいてさらに極秘ということは、危険な仕事なんだろう。危険が伴う事をこいつにさせたくない。」
「た、多少の危険は問題ない、俺だって刀剣男士だ!それにあんたには関係ないだろ
…!」
「関係なくない。
………俺はお前の恋人だろう。」
って言って皆からヒュー!って言われる。
まんばは真っ赤になって「モ、モトだろ!!」って言い返す。
だけど長義くんはまんばの腕を引いて「元だろうが現だろうが、俺は、お前の事
……」
って言いかけてまんばが「ぎゃー!!!」って言いながら馬鹿力で長義のこと押し退けて終了する。
ちなみに政府の長義はその様子を一部始終ニコニコ見てる。
政府の長義が「そちらの本丸の俺が、山姥切国広の代わりを務めることはできない。」と長義の主張を退ける。
しかし「ただし
…」と続きがある。「俺の代わりにそちらの俺が参加することは可能だ。部隊では同位体を編成できないからな。」って言う。
こうして極秘任務に国広・長義の参加が決定したのであった
…。
二振りして極秘任務に行く。(もちろん主の許可は取って)
長義くんはまんばくんを危険に晒したくない一心で参加したから気合十分なんだけど、一方まんばは長義くんが言いかけたことが頭をチラついて任務に集中できない。
だから当然守られてしまって「バカ、目の前の敵に集中しろ!!」って怒鳴られちゃう。
でもまんばだってなんでこの任務に長義が参加したのかが気になって仕方ない。自分で遮ったくせに。
しかも恋人発言とか、自分は長義のためを思って身を引いたのに、今更恋人だ云々ってなんなんだ
…って思う。
結局任務は成功に終わる。
まんばは恋人云々の意図を聞きたいけど、聞くのが怖くて、結局何事もなかったかのように過ごすしかない。
長義も今まで通り嫌味言ってくるし、これでいいよなってまんばは思ってる。
そうは問屋が卸さない。
長義くんは普段通りなので、まんばは完全油断してた。
ある日、執務室でちょうど長谷部が席を外してて、二振りきりだった。
その時に長義くんが今日の天気を言うくらいの軽い感じでまんばに「よりを戻さないか?」って言う。
まんばは何戻すって言ったのかなって思って、わかめかな、とか、嘔吐のことかな、とか色々脳内で長い時間ボケた後、「良く聞こえなかった。何を戻すって?」って聞き返す。
「より」ってもう一度言われて、(これ聞き返したら駄目なやつだ
……)って思うんだ。
「好きなやつができたとか、付き合ってるのが嫌になったとか、もう考えるのはやめた。お前の都合は関係ない。俺はお前がいなきゃだめだから。」
って長義くんにしてはめっちゃ素直でストレートな言葉をぶつけてくるもんだから、まんばは赤面してしまう。でも長義くんがまんばに別れた理由を聞くと
「長義が俺の事嫌になったんだと思って
…」
とか言うから
(これ別れる必要なかったのでは。)ってチベスナになる。
結局ちょぎくには元鞘に収まってハピエンヒュー!お疲れ様でした!
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.