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木蔦(キヅタ)
2019-03-19 00:09:05
8720文字
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大学教授三日月とエリートサラリーマン長義【ちょぎくに、みかんば】
ちょぎくに、みかんば
まんばは三日月教授の研究室の大学生。
いろいろ目をかけてもらってる。教授や准教授には部屋が与えられている。共同研究をしている人は共同部屋だったりするが、三日月は共同ではない。教授の部屋には学生用の研究スペースがあり、そこでまんばもやってた。時には教授のアドバイスを受け、研究は順調に進んでいた。
※ちょっと解説だけど、学生の研究と言っても、レベルが高い物もある。中には世界初になる試みや発見もあったりする。寝る間もなく大学に泊まることもある。特に大学院生はその傾向が強い。ちなみに理工学系では大学生は4年制、大学院生は2年制だった。医学系・薬学系はもっと長い。
まんばは大学卒業後は就職するつもりだった。だからインターンシップ(実際に企業に行き、仕事を体験できる)に申し込んだ。
インターンシップ先で長義くんと出会う。若いのにプロジェクトリーダーを務めるすごい子。判断力に優れてて、人を使うのも上手い、不出来な子にはわかるまで説明する面倒見の良さ。まんばは長義の指導のもと、仕事を体験する事になった。 しかし長義はとても厳しく、インターンシップで来てるまんばにすら怒ったりする。遂には「言われた事もできないなんて、小学生以下だな」とまで馬鹿にされる。 カチンときたまんばは「あの人を馬鹿にした態度が気に食わない!」と長義のことを毛嫌いするようになる。インターンシップは2週間、それまで耐えなくてはならない。
まんばは研究も切羽詰っているため、インターンシップが終わると大学に向かう。そこで夜遅くまで研究の続きをやる。三日月はいつもと様子が違うまんばに声を掛ける。
「インターンシップの俺の担当が、すっごい嫌味なやつだった
…
!」
怒りが収まらないのか愚痴めいたことを三日月に漏らす。
「ちょっとしたミスをねちねちねちねち
…
」
三日月はそうかそうかと話を聞いてくれる。若干それで怒りが収まった。
次の日、再びインターンシップの会社へ行く。
やはりその日も嫌味を言われ、貶され、どっさり仕事を押し付けられ、ミスをして、怒られ、凹む。
なぜ雇われてもない、体験で来てる学生がこんな目に?と思うが、負けず嫌いの性格に火が付く。
インターンシップが終わるまでの間にアイツをぎゃふんと言わせてやる
…
!と心に誓うのだった。
これでどうだ、と持って行った書類は、「ここミスしてる。」と指摘され、ちゃんとチェックして完璧だと持って行った書類は「俺の言ったことを理解して作ったのか?全然意図を汲んでない。」とダメだしされ
…
そのたびにまんばは怒りでいっぱいになるが、夜になると三日月が話を聞いてくれて、気持ちが静まる。
そして残り日数もあと2日になった頃、まんばの持って行った書類を見て、長義がふっと笑う。
またバカにされるのか、と思ったら、長義は「よくやったな」と笑顔付きで褒められた。
まんばはそれを見た瞬間、今まで感じたことのない気持ちに陥る。
いつもは愚痴を言いまくるのに、その日は話す気分でもなく(というか怒られなかったので愚痴ることもない。)、三日月は「?」とした表情でまんばを見てる。
三日月が「今日のインターンシップはどうだったのだ?」と聞くと、昼間の出来事が脳内でリフレインされて、まんばは顔が真っ赤になってしまう。
「なんでもない!」と三日月には誤魔化す。正直研究は進んでない。
「気に食わぬなぁ。」
三日月はまんばの顎を掬い上げる。
「恋い焦がれる瞳をしておる。」
三日月の顔が近くて、まんばはドキドキしてしまう。大人の色気を感じる。
そして三日月に唇を奪われ、告白される。まんばは大混乱。
一晩中三日月のことを考えていて夜も眠れず、寝不足で出勤する。
案の定集中できずミスを連発する。
「昨日のはマグレだったのかな?その顔は学生気分で夜更かしでもしたんだろう?お前の評価を下げざる得ないね。」
と鼻で笑われる。
まんばは悔しくて、だけど反論できなくて一人で自販機の片隅で涙を拭う。
その日が最終日で、こんな印象のまま終わりたくない、と強く思う。
午後は気合を入れてテキパキ仕事を済ませ、ミスがないかちゃんと確認し、わからないことは何度でも聞き返した。長義は意外にもうざがることなく、丁寧に指導してくれる。
午前中あんなことを言われたから軽蔑されてると思ったがそうでもないらしい。
結局午後はミスすることなく無事終えた。
その後他の社員が今日が最終日だからと飲みに誘ってくれる。
まんばは認められたようで少し嬉しくて(人見知りの性格のくせに珍しく)参加することにする。
しかし長義を見るとまだ仕事をしている。そういえば長義はプロジェクトリーダーということもあり、業務時間中ほとんど部下の指導・相談をしていた。
だから自分の仕事が終わってないんだとまんばは気づく。
そこで長義が来るかもしれないと期待し、落胆してる自分に気づく。
他の学生達と社員数人で飲めや歌えや。
まんばもほろ酔い気分で、いつになく心地がいい。
「国広くんもう一杯どう?」
しかし酒はあまり強い方でなく、寝不足ということもあって、酔いの回りが早い。
これ以上飲むと帰れなくなると思ったまんばは断ったのだが、向こうも酔っ払いでそう言わずに、と強く勧めてくる。
そこに長義が登場し、「こーら、ガキんちょに何すすめてんだ。」と同僚にチョップを食らわす。
ちなみに同僚は沈没した。
「が、ガキじゃない、成人してる!」
「自分のキャパがわからない奴はガキなんだよ。こーんな真っ赤な顔して酔ってないとか言うなよ?」
コツンとおでこを叩かれる。
キッと長義を睨みつけるが、彼はもう他の人の群れに行ってしまってこっちを見てない。
でも飲み会に来たことが嬉しかった。もう会えないと思ってたのに、また機会が巡ってきた事に歓喜する。
そしてまんばは勇気を振り絞って、長義の連絡先をゲットする。
まんばにとって長義は憧れだった。
いずれあんな風に『仕事ができる男』になれたら、と思っていた。
しかし気軽に連絡するのは憚られる。
あの性格上、お堅いイメージがあるため、LINEのやりとりを頻繁にできるとは思えない。
折角連絡先を手に入れたにも関わらず、使うことは出来なかった。
一方、まんばには大きな悩みがあった。告白してきた教授の事だった。
まさか教授が自分のことをそんな目で見ていたなんて思いもしなかったため、驚きの方が強かった。
そして人付き合いが苦手なまんばは明日からどんな顔で研究室に行けばいいのか悩んでいた。
別に教授のことは嫌いではない、意識もしたことなかった。
だけど頭の中で三日月の言葉が響いて、意識してしまう。
翌日、まんばは研究室へ行く。
変わらず三日月はそこにいて、いつもの様子でまんばを迎え入れる。
もしかして一昨日のアレは幻覚か妄想か夢だったのでは?と、思ったが、三日月が唐突に一昨日の事を話し始める。
「突然あんな事をしてすまなかった。お前の気持ちも考えず、思わずカッとなってしまった。」と謝る。そして今後は手を出さないと誓われる。
「ただ、俺がお主に惹かれている事は覚えておいてほしい。」と言われた。
その後三日月はほのかにアプローチしてくる。
手は出さないけど、迫ることはする。だって手は出してない。
まんばは否が応でも意識してしまう。
普段はじじいだからと言ってる三日月だが、意外と情熱的で、甘い言葉を囁く。
「二人きりになれると、教授としてずるい事を考えた。」
「一日中お主を独り占めできて良いなぁ
…
」
「送ろう、いやなに遠慮するな。
……
一秒でも一緒にいたいという下心だ。」
真摯な三日月の気持ちに、まんばも徐々に絆されていく。
ふと気づくと三日月のことを考えてしまう。
まんばは教授から研究テーマを学会で発表しないかと言われる。
補足
学生が学会で発表するのはよくあることです。しかし学生を学会に出す理由は「大発見なすごい研究だから」ではなく、「発表する事に慣れさせる」という教育の観点が強め。(すべてがそうではないだろうけど。)
勧められたのは、地方でやる小さな場で、学生の参加も多い。
この経験は就職後もプレゼンなどで役に立つ。まんばのステップアップを考えたものの為、まんばはこれを希望した。
申し込みをして、発表用の資料や原稿を作る。
練習はもちろん三日月が手伝ってくれた。
ちなみにこのような学会イベントは交通費・宿泊費、すべて費用を大学側が持つ。
だから他の学生達はタダで楽しめるちょっとした旅行気分だった。
観光の計画を立ててるらしくまんばも誘われる。
まんばは計画を立てるのは苦手なので、任せると伝えた。まんばもまんばでプチ旅行を楽しみにしていた。
しかし地方に行く新幹線でまんばは困惑する事になる。
他の研究生が来ず、新幹線のホームにいたのは自分と三日月だけだった。
「騙してすまない、山姥切。他の学生は来週、別の所でやる学会に参加予定だ。今日参加する者はお主のみ。俺がお主と二人で行きたくて騙し討ちのようなことをした。」
三日月はそう正直に白状した。
しかしまんばは軽蔑するような気持ちはなく、むしろずるい行いをしてまで好意を自分に向けている事実に面映ゆい気持ちになった。
だからずっと三日月と二人きりで何を喋ればいいかまったくわからず、困惑していた。
学会は恙無く終了した。何件か質問されたが、練習通りに回答できた。
熱心に付き合ってくれた三日月のおかげだった。
宿泊先に着き、部屋はツインと言うことを知る。
三日月は明後日の方向を向きながら「男同士だ、構わんだろう?」と言う。顔は赤い。
しかしまんばは三日月の好意を知ってるし、まんば自身が意識してしまってるし、新幹線から困惑しっぱなしだしで、密室でちゃんと振る舞えるか心配でしょうがなかった。
その後、まんばの無防備で純真な気持ちを向けられ、すごく懐かれてることを思い知った三日月は、紳士で誠実な態度でいようという誓いを破り、まんばに手を出してしまう。※未遂。
裏切られたショックでまんばは宿泊先から飛び出す。まんばは怖くて逃げて、三日月に見つからないように隠れる。
そして今まで眺めるだけで使わなかった連絡先へと助けを求める。
電話を掛けると以前会った時と同じあの声で返答がある。
いつまでも話し始めないまんばに不審に思った電話相手。
『
……
?どうかしたのか?』
まんばはそれでも何も言えなくて、ボロボロと目から涙が出る。
心細くて怖くて誰かにそばにいて欲しくて、思わず掛けてしまったけど何やってるんだろうなって悲しくなって電話を切ろうとする。
『切るな!』
まるで見てるかのようにまんばのこと止める。
まんばは驚いて、思考停止してしまって、『ゆっくりでいいから、話してみろ』って言われて魔法にかけられたように、ぽつりぽつりと話し始める。
『今どこにいる?』って聞かれて「XX県」って答えると一旦電話が切れる。
再び掛かってきた時はバックで車のエンジン音がしてて、『今そっち向かってるから』って言われるんだ。
数時間後にその人が到着して車乗せてもらうんだ。
慰めも何もないけど、まんばはその空間が居心地良く感じて、自分はこの人に惚れてるんだなぁって気づく。
ちなみになんで電話で不穏な空気を感じ取れたかと言うと、微かに息遣いが電話越しに聞こえてきて、間違えて掛かってしまったわけじゃないんだってわかった。
そして何も話さない事から様子がおかしいと思う。
あとまんばの性格は真面目だから、このまま電話を切る可能性があるなって思って先手を打った。
朝まで一緒にいてくれて、宿泊施設まで送ってくれる。
仕事だからってその人は帰ってく。
まんばは自分の荷物もあるから部屋に帰るんだけど、三日月が寝ずに待ってて、まんばの姿を見てホッとした表情をする。
三日月はすまなかったって謝るんだけど、もうまんばの気持ちは決まってしまってるので、昨日裏切った事を謝られてるな、くらいにしか思わない。
まんばにとってもう恋愛対象ではなくなってしまった。(昨日までは確実に意識をしていて、好きになる可能性だってあった。)
別にもういい、って言うまんばの態度が妙に余所余所しいことに三日月は気づき、とんでもないことをしてしまったと自覚する。
その後は気まずい雰囲気のまま、帰宅する。
まんばはその後、長義に猛アタック(山姥切国広比)する。
LINEのやりとりを一週間に何回かできる程度にまでなった。
普段はそっけない態度の割に、LINEの返事はちゃんと返してくれる律儀さがあった。
そして数か月経ったある日、まんばは思い切って長義をデートに誘う。
アプローチというよりは好きすぎて、いい加減顔が見たいというまんばの想いからだった。
意外にも長義は了承する。喜んだまんばだったが、行ってみると長義はスーツで(なぜデートなのにスーツ??)と思っていると「職場のことで聞きたい事があるんだろう?」と言われる。
就職活動の一環だと思われていた。
「ちがう
…
!あんたと
……
話が、したくて
…
。」
と途切れ途切れに言う。恥ずかしくて顔も見れない。
長義はそうかとだけ答えて、近くの喫茶店へと促してくる。
まんばが(本当のことを言っても帰らないでいてくれた
…
嬉しい
…
)と思っていると、長義が聞いてくる。
「それで?また何かセクハラされたのか?」
まんばは全然伝わってない事に、閉口した。
プライベートの相談だと思われたらしい。
「お、おれは!純粋にあんたに会いたくて!!」
ようやくそこまで言って長義に意図が伝わる。そして頭をはたかれる。
「ガキがマセたこと言ってんじゃねーよ。帰ってレポートでもしろ。」
突き放した言い方なのに、まんばを見てる目は優しくて、まんばはほわんと気が抜ける。
そして思わず口から出る。
「ガキじゃない
……
。」
「ん?」
「ガキじゃないって、証明してみせる
……
!もし俺があんたを惚れさせたらガキじゃないって認めてくれるか!?」
長義は驚いてまんばを見返す。じっとまんばの目を見て、ふと笑った。
「そうだな、お前はそういうやつだったな。」
ひとしきり笑った後一言。
「やってみろ。その挑戦受けてやる。」
まんばは三日月のことを避けていた。二人きりにならないようにしたし、会話も避けていた。
しかしまんばは三日月と向き合おうと決意する。
実は長義を好きだと自覚して、三日月が自分に向けてきたのは相当勇気がいることだったんだな、とか、好意を無視されるのはつらいなって、自分に重ねて考えてしまって、そうするとどうしても避けるなんてできなかった。
だからまんばは会話するところから始めた。二人きりはまだ怖いので無理だが、ちゃんと目を見て世間話をする程度には回復した。
長義に挑戦状を叩きつけた後、意を決して三日月の所にも行った。
長義に告白できたのだから、三日月にも返事ができるはずだと自分に言い聞かせて、勇気を振り絞って言った。
「好きな奴がいるから、あんたの気持ちには応えられない。」
そう告げたが、三日月は何故か目を輝かせている。
「好いた者がおるのか?」
「??ああ。」
「恋仲ではなく?」
「あ、ああ。」
「山姥切、お願いがある。俺はお主のことを諦められそうにない。だから、まだ俺にもチャンスがあるなら、お主を想うことを許してくれないか?」
「
………
!」
「お主にとって迷惑だろうが、頼む
…
」
まんばはそんなことを言われて困惑する。困り顔で目を彷徨わせて絞り出すように答える。
「め、迷惑じゃない
…
けど、チャンスはない
…
からな
…
!」
三日月はそんなこと言われているのに満面の笑みで「よいよい、今は許してくれるだけで。それにチャンスは作るものだからな。」って言われる。
まんばと言えば、長義にはああ言ったが、特に案はなかった。
そもそもどうやってアプローチすればいいかわからない。
研究だって忙しいので、休日もなかなかない。
電話は向こうが忙しいかもしれないから、迷惑になるかもと控えてる。LINEは今と変わらない。
しかも話すこともあまり得意ではないので、LINEで話すネタもそんなにない。
まんばは今日あったこととか、研究のこととかを話してみた。
しかし徐々に本歌さんの返事が素っ気なくなってくる。
「君は本当に俺の事が好きなのかな?」とまで言われてしまう。
そんな時、就活が始まる。
もちろんまんばはインターンシップで行った長義の会社に申し込む。
しかしそれと同時に三日月から大学院生にならないかと誘いを受ける。
まんばは筋も良く、熱心で、研究肌だからと。まんば自身も研究は好きだったし、大学院生になる事も吝かではなかった。
大学院を修了後、就職することだってできる。(大学に残り続けて研究者となることもできるらしい。)まんばは本歌さんに嫌われつつあるという事も敏感に察していたため、希望する会社に本当に就職すべきか迷う。例え入ったとしても、避けられてたらつらい。
別に恋愛のために就職するわけじゃないが、まんばが目指している理想の「仕事ができる男性」は本歌さんなので、傍で働きたいし、インターンシップで体験した内容もやりがいがある仕事だと実感したため、希望していたが、気まずい雰囲気になるのは避けたい。
いやそもそも告白した時点で、相手が職場にいたら気まずくなるのは必須じゃないか?と思う。(部署がいくつかあるので、同じ部署になるとは限らないが)長義に正直に迷ってるとLINEで話す。
「なぜ?」と聞かれて返答に困る。まさか長義に嫌われてるからとも言えない。
長義は素っ気なく「骨があると思ったが見込み違いだったようだな」と言い、それ以降連絡が取れなくなる。
三日月にも同じことを話すが、三日月は院に進めばいいと勧めると思ったが意外にも「お主が行きたい方に行けばいい。」と言う。
「俺個人は来て欲しい気持ちはあるが、お主の未来まで縛れぬからなぁ。決めるのはお主だ。」と言われる。研究だってしたいし、就職もしたい。ちなみに大学院に進むならそのまま研究者になろうとしている。就職を先延ばしにするつもりはない。
結局まんばは最終面接まで行き、後は結果の連絡を待つだけになる。
(ちなみに就職内定までの流れは、エントリーシート提出→一次面接→二次面接
……
→最終面接だよ!企業によって面接の回数は違うよ!エントリーシートじゃなく履歴書の場合もあるよ!)
このまま就職でいいんだろうかと悩みに悩む。
そこで、もし長義とのギスギスがなければ、就職を選んでたんだろうなと気づき、三日月の助言通り、したいことをすることにする。
もしも内定が取れなくて別の企業になったとしても、そこで頑張りたいと前向きに考えるようになる。
そして意を決して、長義に会い就職と進学を迷ってた理由を話す。もう振られるとわかっているため、あまり怖くない。むしろ内定取れた場合、ここで関係を清算しておけば、気まずくならずに済む。
しかし呆れたような顔で長義からは返事がある。
「バーカ、嫌ってるなんてどうして勘違いした。」
「Σ(・_・)!?」
「お前が他の男の事ばっか話すからだろ。」
実はまんば、話すことがなさすぎて、毎日研究室のことばかり話してた。
もちろん三日月に毎日会ってて、関係も修復されてたので、三日月のことばかりになる。
そこで長義は「こいつ、俺のこと好きだって言いつつ、セクハラ教授の事が実は好きなんじゃないか?」って思った挙句、ヤキモチの上、八つ当たりしてた。
そこで自分で思ってるよりまんばに入れ込んでると気付いて「ガキにこんなに惚れ込むなんて
…
!」と頭抱えてた。
ちなみに学業を放ってデートに誘ってきたら容赦なく振ろうとしてた。
まんばが進学か就職か迷ってるって聞いて、長義はなんでだって苛立った。
就職希望だったはずだろ!?って思いと、お前は俺が好きなんだから欲しがれって自分に自信がある思いと、一方で三日月に心変わりしたのか?って疑心暗鬼になったりがごちゃ混ぜになってた。
実はインターンシップ生は就職に有利。
実際その場で働いてるので、その性格を企業側がじっくり観察できるためその人にある程度の信頼がある。だから他の希望者よりは内定が決まりやすい。
その際は期間中に面倒を見た社員に評価を聞く。もちろん長義も聞かれた。
「根性あり、負けず嫌い、真面目、順応性高し、対人が玉に瑕だが営業部署以外ならやっていけるくらいの最低限のコミュニケーション能力はあり。俺の下に付けたいから絶対取って欲しい。」
あの厳しい長義にそこまで言わすなんて、と驚かれる。
だからもちろんまんばも内定取れてて、長義くんから好きだって返事ももらえて、ちょぎくにハピエン。
お疲れ様でしたー!
おじいちゃんのその後ですが、まんばくんからはお返事をもらってますし、好きな人に返事もらった事を伝え聞いて、さらに院生の話も蹴られて傷心では?と思われます。
いやあのおじいちゃん、結構打たれ強いから卒業まで「そろそろ別れたか?」って聞いてきそうだな。
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