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木蔦(キヅタ)
2019-02-23 18:14:04
4660文字
Public
ちょぎくに/みかんば シリアス
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お見合いした三日月 と 将来を誓い合った仲の長義 の間で揺れ動く国広【みかんば、ちょぎくに】
みかんば、ちょぎくに
ラストがどっちに転んでも許せる人向け。
まんばはある本丸の初期刀。
最近設立したばかりの本丸で、刀剣も少ない。レアは殆どいない。
審神者は仲良くしてる他本丸の審神者がいるらしく、たまに連絡を取り合っている。
ある日審神者が困ったように、だけど他人事みたいに軽い感じでまんばに言った。
「あのさ、先輩審神者からお見合い頼まれちゃってさ、断れなかったんだよねー」
「あんた、お見合いするのか。」
「え?違う違う。お見合いするのはマンバチャン。」
「はぁ!?」
どうやら先輩審神者の刀剣とお見合いをさせたいらしい。
「ちょっと待て!あんた良いって言ったのか!?」
「言ッチャッタ!(・∀<)☆」
「勝手なことを!」
先輩という事もあって結局断れず、受けることに。ちなみに他の刀剣でも良いとのことだが、名剣名刀にこの役を押し付けるのは心苦しかった。
しかしまんばには心に決めた人がいた。
だからこの見合いを受けるわけにはいかなかった。
要は見合いがコケればいい、と思ったまんばは当日とびっきり汚れた布を羽織った。
こんな汚れた刀を相手が気にいるわけがない。
気合の入れる方向がズレてる。
見合い相手として来たのは天下五剣の三日月で、まんばは内心
(美しいと言われる三日月ならこのボロ布を見た時点で見合いに嫌気がさすはず
…
!これは完全勝利Sの予感
…
!)
と気分は上向きになった。
なぜお見合いをさせたいのか話を聞いてみたところ、先輩審神者は刀剣達に深く興味を示していて、別本丸に刀剣が移動した場合、どうなるのか、とか、本丸に関係なく刀剣は惹かれ合うのかそれとも育った環境はやはり影響するのかとか、まるで何かの実験かのようなことのために、この見合いを企画したらしい。まったく傍迷惑。
まんばは勝利を確信していた、が、三日月は意外にもまんばのことを気に入る。
曰く「小汚い装いの中、でもその美しさは隠しきれない。むしろ見すぼらしさがあるがこそ際立つ。」とのこと。
信じられない神経だ。
そして向こうが乗り気ならばこちらに拒否権がないことはわかっていた。
先輩審神者はたくさんのレア刀剣を持っており、もしもこの見合いが上手くいったら、三日月を婿にやると約束した。
後輩審神者はこれを喜んで、まんばを応援した。
まんばは三日月と逢瀬を重ねる。
週に一度、先輩審神者と共に後輩本丸を訪れ、まんばと二振りで本丸の庭を散歩したり、万屋へデートしたりする。
しかしまんばの心にあるのは別の刀剣だった。
三日月は優しくエスコートしてくれるし、まんばの気持ちが追いつくまで待ってくれてるのか手は出してこない。
申し訳ないな、と思いつつ、逢瀬を拒否する事も、関係を解消する事もできず、そのまま時が過ぎていく。
周りからは、二振りは上手くいってる、仲睦まじい、などと称されていた。
それを聞くたびにまんばは微妙な気持ちになる。
しかしある日、政府からの命で聚楽第へ出陣することになる。
監査官が付いての特別任務に不自然さを感じたが、敵を斬ればいいだけだと持ち前の単純さで任務を果たす。
そして待ち受けていたのは、己の待ち人であり、将来を誓い合った仲の本歌山姥切だった。
長義は国広に嬉しそうに駆け寄る。
ようやく会えたと言わんばかりに。
しかしまんばは微妙な反応というか、ぎこちない。
まんば的には長義と再会できて嬉しいけど、おじいちゃんがいるからどうしようって思うんだ。
「国広、今まで寂しい思いをさせてごめん。これからはずっと側にいるから。」
とまんばを抱きしめる。
後輩審神者が冗談で「まるで恋人同士の再会の台詞みたいじゃんwww」ってからかうんだけど、長義は真面目な顔で「俺と国広は恋人同士だが?」と返す。
審神者は「えっ」と固まる。
「ちょっとまんばちゃん、どーゆーことか説明してほしいなぁ??」
って審神者が言うんだけど、その時にタイミング悪く、三日月(先輩審神者は今日はいない)が現れる。
「国広、会いに来たぞ」
「あんた、今日来る日じゃないだろ!?」
「仕事が早くキリがついたのでな、主に断りを入れて来たのだ。それにしても、」
三日月の今まで見たことがない鋭く冷たい視線が長義に向く。
「そやつは誰だ?」
「あ、こいつは、山姥切長義と言って俺の本歌で、」
「そんな事は知っておる。」
長義くんも三日月は敵だって本能で察して、睨み返す。バチバチ。
「聞いているのは、俺の国広とどう言う関係なのだ、ということだ。」
長義はニコッと微笑んで、まんばが何か言う前に答える。
「俺は国広の恋人だが、貴方こそ誰なんだい?ズカズカ人の本丸に入ってきて。」
「俺はそれが許されておるのでな。なんせ国広の婚約者だから。」
修羅場を悟った後輩審神者は青ざめてる。
まんばは俯いて何も発しない。
国広行くよ、と長義はまんばの腕を引き、本丸内に入る。
意外にも三日月は黙ってそれを見ている。
「審神者よ」
「はぃぃぃぃ!」
「近日中に主を伴って訪れるからな。婚約の話を進めたい。」
「わ、わかりましたぁぁぁ!!」
一方、長義はまんばを連れ込んで経緯を聞いていた。
「まったく、お前はなんでそこで断らないかな?」
まんばはだんまり。
「俺が主に説明して、正式に断ってもらうから、国広は安心して。」
と長義はまんばを抱きしめる。
後輩審神者は長義から婚約話を破棄するように言われる。
「えぇー!無理だよぉー先輩も三日月も乗り気なんだもんー」
「国広は俺の恋人だ。それを無理矢理、別の刀剣と婚約させたんだろ?パワハラじゃないかな?」
「えー!でもまんばちゃん良いって言ってくれたしー」
「断らせない状況を作って言わせたんだろ。パワハラ疑惑で政府に通報するよ?」
「ひぇ長義さん怖いー!」
審神者はまんばだけ呼び出して、話をする。
「先輩から正式に結納の話が来てる。だけど、長義さんからは断るようにって言われてる。まんばちゃんはどうしたい??」
って聞かれる。
まんばくんは自分がどうしたいのかわからなくて戸惑う。
「答えられないよね、ごめんね。事情を知らなかったとは言え、婚約話をまんばちゃんに押し付けて、つらかったよね。」
審神者に謝られ、婚約は断ろうか、と言われる。
「でも先輩からの誘いを断ったら、あまり良い顔されないんじゃ
……
!」
「されないけど、一振りの刀を犠牲にしてまですることじゃないよ。それに先輩とは仲も良いし、ちょっと断ったくらいじゃ関係は崩れないよ!」
正式に断ってくれると審神者が言うので安心する。
だけど心のどこかで、本当にこれで良かったんだろうかと思う。
三日月の事を考えて、自分がこんなことをしただけで嬉しそうに笑ってたなとか、忙しいはずなのに疲れた顔一つ見せず会いに来てくれたとか、色んなことを思い出す。
そして本当にこれでよかったんだろうか、と自問自答する。
次の日まんばは審神者に言う。
「やっぱり断らない方がいいんじゃないか?あんたもレア刀を欲しがってただろう?」
「そりゃ欲しいけど、長いこと審神者やってたらいつかは来るだろうし、わざわざうちの初期刀の婿にすることないよ。まんばちゃんの方が大事だから。」
だから自分を犠牲にすることないよって言われる。
まんばはさらに言う。
「先輩審神者は悪く思わなくても、周りはそう思わないんじゃないか??名剣名刀を袖に振る傲慢な刀がいると噂にならないか??」
「いや相手が山姥切国広って時点で断り切れなかったんだなって思うのが世間一般の印象じゃない?それにそんな噂立てられても、気にしないし、他所の刀剣を悪く言う審神者とは仲良くしたくないな。性格激悪じゃん。」
そして審神者がきょとんとして一言。
「さっきからまんばちゃんどうしたの?まるで婚約破棄したくないみたいな。」
「な、そんなこと
…
!」
まんばが真っ赤で、さすがに鈍い審神者もピンと来る。
「えー!マンバチャン、三日月さんのこと好きなの!?長義さんのことどうするの!?捨てちゃうの!?」
とかデリカシーもなく大声で言ったりする。
「主、人聞きが悪い
…
!」
「ごめんごめん、でも三日月さんを選ぶってことなんだよね??」
審神者がまんばの顔を覗き込んだ所で、襖が開く。
「その話、詳しく聞かせてもらっていいかな?」
って氷の微笑みの長義さんが現れる。
二人して「ひっ!」ってなる。
「国広が婚約を破棄したくないって言ったように聞こえたけど、本当なのかな?」
「ひぇぇぇ~~!!脅すの禁止~~!暴力反対~~!」
「長義、待ってくれ、審神者を責めるのはお門違いだ
…
!悪いのは全部俺で
…
!」
「国広は黙ってて。主が先方に返事できないって言うなら、俺が代わりに伝えておくよ?」
審神者は長義に端末を取り上げられてしまう。
そこに短刀が来る。
「あるじさま!せんぱいさんが ゆいのうひんを もっていらっしゃいました!」
「ちょうどいいね、俺が出るよ。国広はここで『待ってて』。」
まんばのことを言霊で縛る。
審神者の首根っこ掴んで、長義は玄関に行く。
玄関前に置かれた結納品の数々。
先輩審神者はお金持ちなので、高級品ばかりが並んでる。
長義が後輩審神者を伴って現れ、対応する。
「わざわざ来てもらったのにすまないな。国広は婚約を破棄したいと言って来た。まぁ恋人である俺が顕現したんだから当然のことだな。今まで国広を守って支えてくれたことについては感謝してるよ。俺からも礼を言う。」
「国広はどうした?まるで意に沿わぬ事に従わせようと、本人を隠しているかのようだなぁ」
「隠しているわけじゃないんだけどね、国広は優しいから、振る事が申し訳なくて君に顔向けできないって。」
「まぁよい。国広がいなくとも用件は済む。」
「なに
…
?」
不審そうに長義が眉を寄せる。
後輩審神者は口を挟めずぴょこぴょこしてる。
「本日から正式にここの刀剣となった。既に政府に届け出も出し受理されておる。よろしく頼む。」
にっこり爆弾を落とす系三日月宗近。
先輩審神者は後輩に「そういうことだから、じゃよろしく~」と言って三日月とたくさんの結納品を置いて帰って行く。
「え、ちょっとちょっと
…
」と後輩審神者は色んな意味で置いてきぼりになってる。
「主の許可もなくそんなことをするなんて詐欺まがいじゃないかな?」
「いや許可はもらっていた。」
既に婚約時に審神者の同意は得ていた。
さらにまんばと三日月は他本丸同士ながらも仲睦まじいことで有名だったため、政府からも前々から認知されていた。
さらに先輩審神者は強豪本丸だったこともあり、政府に顔も利くため、その辺り融通が利いた。
「国広第一で考えゆっくり進めておったが、悠長なことを言っていられなくなったようなのでな。」
と長義を見て、何の断りもなく本丸に上がり込む。
「審神者よ、俺の部屋を用意してほしい。二振りで住む故、少し広めがいいが我儘な事は言わん。ところで国広はどこだ?」
「え、あ、俺の部屋に
…
」
「そうか、案内頼む。」
そして言霊により動けなくなったまんばを発見して、まんばと両想いだって発覚してみかんばハピエンだよ!
お疲れ様でした!
長い話を読んで頂きありがとうございました!
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