木蔦(キヅタ)
2019-02-15 00:34:52
1745文字
Public ちょぎくに シリアス
 

続 捕虜んば【ちょぎくに】


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↑の続き

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捕虜まんばと王族ちょぎのちょぎくに。


長義に長船国に連れてこられたまんばは長義の部屋に閉じ込められ、毎夜抱かれる日々を過ごす。
捕虜だというのに長義の手付きは優しく、まるで恋人かのように錯覚する。
長義の従者からは賛否両論あり、反対する従者は長義が力づくで黙らせた。

まんばは意志や自由を奪われたかのように思えたが、夜抱かれる以外は長義はまんばの意見を尊重した。
以前のように鎖で繋ぐこともないし、長義と一緒ならば外に出かける事もできる。
長義は実はまんばにベタ惚れで、まんばの言うことなら何でも聞いちゃう感じ(だけどまんばは気づいてない)。
周りの人間は女を娶る気はあるんだろうかと心配してたりする。


ある日、部屋に一人でまんばはぼんやりしていた。
故郷から離れて1〜2ヶ月経つ。
長船国での生活も慣れてきた。

すると、窓がコツコツと叩かれる。

不思議に思って窓を覗き込むとそこには、祖国の乳母の息子達がいた。
彼らとは幼い頃から兄弟のように育ち、王子であるまんばの気の置けない存在だった。
従者が近くにいないことを確認するとそっと窓を開け、二人を招き入れる。

「兄弟、何故ここに?」
「助けに来たんだ、兄弟が連れ去られたって知って」
「さぁ兄弟、参ろう。兄弟の御母上も心配しているぞ。」
まんばの手を取るが、足は動かない。

「兄弟?」
「俺、長義に黙って行けない……。」
「兄弟、何言ってるの!バレないうちに逃げないと!」
堀川が手を強く引くが、まんばは困ったような顔をするだけで動かない。

「もしかして何か弱みを握られてるの?逃げるなって脅されてる?」
心配そうに堀川が言うがまんばは答えられない。

「わかったよ兄弟、これを預けるから、相手を殺そう!それで一緒に逃げよう!」
と短刀を渡してくれる。

そこへ従者の声がして、まんばはすぐに兄弟を窓の外へ追い出す。
短刀は懐へ。


夜、長義と共にベッドに入る。
まんばの懐には短刀がある。
まだ長義には気づかれていないが、脱げばバレてしまう。
亡き者にしろと言われたがまんばはまだ迷っていた。

故郷に帰りたいという思いはある。
ここから逃げ出せればそれも叶うと言うのに、何故か現状を変えようという想いは湧いてこない。

様子のおかしいまんばに長義が気づき、どうしたのか問いかける。
まんばはその時既に精神的に焦っており、その問いかけに過剰に反応してしまう。

「放っておいてくれ!」
「そう言っても、俺はお前が心配なんだ。何があったのか話してくれないか?」

心配そうに碧い瞳が覗き込んでくる。
まんばは最早ここまでだと思って、懐の短刀を出す。(ここら辺ではもう半狂乱になってる。だって褥に刀持ち込んだから反逆と思われて当然だし、そしたら命に関わる。)

もちろんまんばは長義を刺すことなんて考えてない。
刃先は自分へ。

ここで本歌と写しのガチバトルになる。
二人とも結構強いので取っ組みあいになる。
でようやく長義がまんばの刀弾き飛ばす。

事情を話させようとすると、舌噛んで自害しようとするからディープなチューしてそれ止めるんだぜ。
もう抵抗する気力もなくなったところでやめてあげて、どうしてこんなことをしたのか聞くんだ。

質問してるのは長義なのにまんばが「あんたこそどうして俺をここに置く?」って聞き返される。

「お前の事が、一目見た時から欲しくなった。もう離したくない」
と告白すると、そうか、とだけ返事がある。


先程よりも大分気持ちが落ち着いたまんばがひとつひとつ確かめるように答える。

「故郷に帰りたかった。だけどあんたを刺して逃げるのは違う気がした。でもこんなもの持ってた疑われる。ならいっそ、と思った。」


長義は、甘やかしてるようで、まんばに無理させてたんだなと思う。
そして里帰りを決意するのだった。



途中で気づいてた方も多いと思いますが、今回は人魚姫をモチーフにしてます。
短刀とかそのまんまだ……
何の捻りもない……