木蔦(キヅタ)
2019-01-13 18:56:59
5156文字
Public ちょぎくに シリアス
 

国広審神者【ちょぎくに】


何故か人間として生まれ、政府からのスカウトによって(無理矢理)審神者をさせられた国広くん(17)。
刀剣だった頃の記憶はあるが、みんなには隠してる。
素顔・真名(『山姥切国広』)も隠してる。

初期刀は蜂須賀。真作としての誇りに好感があり、自分もああいう風になりたいとの想いから。

この本丸では山姥切国広はいない。
顕現しやすい刀だが、審神者が写しを嫌っており、来てもすぐ刀解してしまう。(後にソハヤが来て、写しが必ずしも嫌いというわけではないと発覚するが、現時点では全刀剣がそう思い込んでる)
審神者としてはまんばが写しとして苦悩するのを見たくないから。
他の山姥切国広の苦悩を間近で見て耐えられるほどメンタルが強くない。


ある日、聚楽第で優をもらい、監査官が配属されると連絡を受ける。
それがまさかの本歌で、審神者は慌てる。
審神者にとって本歌は地雷。昔のトラウマ。本歌の事を嫌っているわけではないが、周りからの目が怖い。
今は素顔を晒しているわけではないから、比べられることはないが、反射的に苦手に思ってしまう。

普段通り(周りから見たらかなり余所余所しく)本歌に接した後、初期刀に本丸案内を命じる。
なるべく本歌には近づかないようにしようと心に決めるが、その夜、審神者の部屋に本歌が訪ねてくる。
「大事な話がある」と言われ、部屋に通す。
何か生活に困ったことでもあったのだろうか、と考えていると、本歌に「随分貧弱になったものだな、俺の写しくん」と言われる。

本歌は監査前に本丸のデータをある程度提供されており、そこで審神者が山姥切国広の生まれ変わりだと知る。
なお、ここの審神者は『山姥切』とは名乗ってないため、本歌も優しい。
「何のことだ」としらばっくれてみるが、「猿芝居は止めろ」と言われる。
本歌として似通った存在はわかるため、政府からの情報がなくても遅かれ早かれ気付いていたとも言われる。

「君が山姥切国広だと知ったら、本丸の皆はどう思うかな?」と言われ、審神者は皆が軽蔑の眼差しを向けてくることを想像する。

『まさか同じ刀剣が我が物顔で主として居座っていたなんて。』
『しかも写しが。』
『いつも山姥切国広を刀解してたって、うっわー最低。』

ぞっとする。

「頼む、言わないでくれ!」って懇願すると、本歌が「じゃあどうすればいいかわかるな?」って言われる。
一瞬何を言われてるのかわからなかったんだけど、『言う事を聞け』って脅されてるんだと気付く。
「何を、すればいい?」と聞くと、「まずその素顔を俺に見せてもらおうか」と言われる。
顔を晒すと本歌が頬に手を添え、うっとりと見つめてくる。
「さすが俺の写しだ、美しい。」と称賛される。
まんばは居た堪れなさを感じながら「次は?」と聞く。
「そうだなぁ」と少し考えたのち、

「明日から近侍に任命しろ。初期刀が気に入らない。」

と言う。
まんばは蜂須賀に絶対的信頼を寄せており、いつも近侍は蜂須賀にお願いしていた。
近侍から降ろすのは初めてのことで、きっと彼は戸惑うだろうと思う。
しかし彼の要求を呑まないわけにはいかず、了承する。

蜂須賀は穏やかだし人付き合いも良いし細かな事にも気を配るので、本歌が嫌う理由もわからない。
昼間、本丸案内をしている様子をこっそり見たが、上手くいっている感じだった。
ならば、権力が欲しいという意味で「初期刀が実権を握ってる」のが気に食わないということだろうかと解釈する。

次の日から、審神者の近侍として山姥切長義が付き従う。
今までずっと蜂須賀だったのに、と皆が困惑する。(もちろんこの本丸のローカルルールは知りえないので、そこは蜂須賀がフォローするように審神者が命じてる。)
本歌さんは政府にいただけあって有能。指示や問題対応、報告など完璧。


審神者の様子がおかしいので、長義が出陣中に審神者のとこに行って、蜂須賀が言う。
「主、俺に何か隠してないかい?良かったら話してくれないかな?」
でも審神者は頑なに「ない、大丈夫だ、心配掛けてすまない。」って言う。
「本当は、あんたを近侍に、」って言い掛けたところで本歌が帰って来て、続きは何なのか蜂須賀はわからない。
だけど長義がいることで、審神者が怯えているのがわかる。
恐らく近侍を挿げ替えられたのも審神者の意思ではないのでは、と疑問に思う。

蜂須賀自身は近侍の座にそこまでの未練はない。
少し寂しいなって思いはあるけど、嫉妬とか恨みとかはない。

「おや、近侍の俺の留守中、初期刀殿が主を見ていてくれたのかな?」
とか若干マウント取り気味に入ってくる。
「主の世話は俺がするから、もういいよ」って言われて蜂須賀は後ろ髪引かれる思いで、部屋を後にする。

「国広、ただいま。」ってぎゅって抱きしめる。
本歌は日を経つごとにスキンシップが多くなっていってる。
最初は肩に触れる程度だった。
「国広は俺のなんだから、初期刀殿と二人きりになるなんて、妬けるなぁ」って言ってたりする。
目は笑ってない。



ここで分岐。

①メリバ
ある日、本歌にキスされて、漸く本歌が権力だけでなく情欲も自分に求めていることを知る。(自覚が遅い)そして近いうちに抱かれる。

だけど、以前から訝しんでた蜂須賀が他の本丸に事情を話し、政府に通報。
政府にバレたことを察した本歌は審神者の元へ。審神者に政府の者が来ること、そうすれば自分と審神者の関係(本歌と写し)が本丸中に露呈すること、どんな風に刀剣達に見られるかなどと吹き込み、揺さぶる。
審神者は情緒不安定になり、本歌に縋る。
最早本歌しか頼る者がいないと思い込んでる。
本歌は内心微笑んで

「まず政府の者を足止めしなければ。門を閉じよう。できるか?」

と聞く。審神者は既に正常な判断ができない状態で、本歌の言うことをよく考えず鵜呑みにし、門を閉鎖し、空間を孤立状態にする。
「次に、俺以外の刀剣の顕現を解こうか。そうすれば露呈することもないし、失望や侮蔑の目で見られることもない。」
審神者はコクリと頷き、審神者は本丸内にいるすべての刀剣の顕現を解く。刀に戻ってしまった者達は動けなくなる。

「さぁ国広、誰にも邪魔されない所へ一緒に逃げよう。」

って手を差し出されて、まんばがその手を取る。
一人の審神者が神隠しに遭い、この話は終わり。メリバ。



②ハピエン
審神者も徐々にその距離感に慣れてくる。
慣れてきたら次のステップへという感じに徐々に二人の距離が近くなる。
そして審神者はその距離が既に主従のものではないと気づく。
むしろ恋人同士のそれで、気づいてしまうとどうも意識してしまう。しかも自分が本歌に惹かれつつあることに気づく。

審神者の自覚に気づいた本歌さん。次のステップに進もうとするが、ここで審神者が予想外の行動を起こす。
審神者は刀剣達すべて一切の接触を拒否し、自分の殻に籠ろうとする。
自室にて結界を張り、許可した者しか部屋に入れないようにする。
本歌が脅しても聞こえないフリをする。

審神者は「本歌はすぐにバラさないだろう」とか「バレたら蜂須賀の態度でわかる、それ以降顔を合わさなければいい。今も合わせてないから変わらない。」とか思ってたりする。

引きこもった理由は、一振りの刀剣に審神者が入れ込んではいけないと自分の気持ちを止めるための苦肉の策。

蜂須賀はすごく心配してる。
今はもう近侍ではないが、毎朝様子を見に来てくれてる。
蜂須賀が何か目論んでるといけないと思ったため、本歌さんも同じ時間帯に来る。

「主、おはよう、ここを開けてくれないかな?」
で朝が始まる。しかし毎回回答は同じ。
「それはできない。すまない、こんな審神者で。」

蜂須賀は日々過ごしながらあるチャンスを虎視眈々と伺ってた。
審神者が出てこないから出陣しない。
日課もそんなにこなさず、資材が減る。(鍛刀とか刀装作りはしているため。)
「遠征に行こう」ということになり、蜂須賀率いる第二部隊と、本歌さん率いる第三部隊がそれぞれ遠征に行くことに。
本歌さんは審神者の側を離れたくない様子だったが、本丸運営に関わるとか、蜂須賀だけが成果を上げることを気にしてか、渋々遠征に行く。
ただし、数時間だけ本丸を空ける短い物。

本歌さんと蜂須賀は同時に本丸を出る。
しかし蜂須賀はすぐに引き返し、隊長を陸奥守に任せ、送り出す。

審神者の元へ行き、蜂須賀は呼びかける。
「主、主。部屋に入れてくれないか。」
もちろん拒否の言葉が返ってくる。
「今、山姥切長義は遠征で当分帰ってこない。俺だけでも事情を話してもらえないだろうか。主が心配だ、それに俺は長年主の近侍を務めていたという自負もある。どうか俺に話してもらえないだろうか。話したくないなら俺の話を聞いてくれるだけでもいい。」と言う。
審神者は少し考えたのち、蜂須賀を入れる。

審神者は話す気はないので、蜂須賀が一方的に喋る。
近侍を自分に戻してほしい旨、山姥切長義が何を言っても何をやっても耳を貸さないと約束する旨、審神者に手を出させない旨を話す。(蜂須賀の見立てでは脅されてると思ったため。)

審神者は、少し考えさせてほしいと答え、今日は下がるように蜂須賀に言う。

蜂須賀自身は、審神者はまだ自分のことを信頼していると感じ、それがわかっただけでも十分収穫はあったと、すぐ引き下がる。
そしてまるで遠征からたった今帰ってきたという風情で、陸奥守と交代し、山姥切長義に悟られないようにやり過ごす。

翌日、審神者にいつものように声を掛ける。
「主、おはよう。ここを開けてくれないか?」
暫く無言の後、審神者が

「蜂須賀は入れ」

と返答する。

そこで本歌さんは嫉妬の嵐。
絶対に審神者は自分に好意を持ってくれてると思ったのに、なぜ蜂須賀を優遇するのかわからない。

審神者は蜂須賀に再び近侍を任す事を伝える。
さらに、蜂須賀に懺悔する。

「もうこのまま過ごす事に疲れた。あんた達が幻滅しようとも軽蔑しようとも構わない。あんた達を信じたいという思いもある。だけど離れてくという考えが頭から離れずそれをずっと恐れていた。でももう解放されたい。疲れた。」
と明かす。続けて
「長義はあんた達にいずれ俺の秘密を明かすだろう。しかしいずれバレるなら自ら明かしたい」
と告げる。
そこで審神者の正体を蜂須賀が知る。
だけどこれまでの行動や言動にすべて納得でき、受け入れる。
「元山姥切国広だろうと、俺にとって主は主だよ。」
審神者が納得できないでいると「ここに他所の蜂須賀虎徹がいるとして、主は近侍を任せて側に置いてくれるのかい?」って言われて漸く理解する。同じ刀だからと言って、まったく同じわけではない。

審神者の秘密を知って、蜂須賀は今の状況を大体把握する。
審神者が元山姥切国広ならば山姥切長義との因縁もあるし、何か脅されてたのだろう、この本丸を掌握しようとしたのでは、という所まで推理して、でもなんかしっくりこないと感じる。
審神者の部屋から出ると山姥切長義に睨み付けられる。
「近侍を拝命した」と告げると、苦虫を噛み潰したような顔をして、恨めしいものを見るような目で蜂須賀を見つめ、去って行く。

蜂須賀はそこで漸く自分は思い違いをしているのではと気付く。
同時に自分は今厄介なことに巻き込まれているとも思う。
もう一度審神者と話がしたくて、審神者に再度話を求める。
長義について2~3度質問し、蜂須賀は推測が外れていないことを確信する。

彼ら二人はかなりこじらしていた。
両片思いを。

これは首を突っ込むべきではない――とわかっていながらも、既にどっぷりと中心に浸かっていると自覚した蜂須賀。
「これ当人以外はただの気苦労で終わるやつ」と脱力しながら、審神者のために協力しようと思う。
審神者に「もう一度山姥切長義と話をした方がいい」と進言する。
しかし審神者は頑なに「できない、会えない。」と拒否する。
何故かと聞くと「これ以上好きになるなんて贔屓になる。審神者失格だ。」とか言うから蜂須賀は呆れる。
審神者は人間だし、聖人でも何でもないんだから恋愛くらい好きにしたらいい。それくらいで俺達は怒らないと伝える。だからふたりでちゃんと話し合っておいでと背中を押される。

もうこの後の展開、わかりきってるから省略していい?していいよね??
この後告白しあってちょぎくにハピエンです!お疲れ様でした!