木蔦(キヅタ)
2019-01-05 22:32:53
1749文字
Public ちょぎくに シリアス
 

山姥切国広を取られた山姥切長義の話【ちょぎくに】

小説です。※現パロ ※女体化注意 ※年齢操作あり

※前世が刀設定の現パロ
※受けが女体化
※攻めが年齢操作あり








俺には、刀だった頃の記憶がある。


昔、俺は山姥切長義と言う、山姥を斬ったという伝説がある刀だった。
そして俺の写しである山姥切国広に恋をしていた。







山姥切国広を取られた山姥切長義の話









俺が顕現した時、彼は既に恋刀がいた。
彼は幸せそうにしていて、とても入り込める雰囲気ではなかった。
来るのが遅すぎたのだ。
だから俺の恋は一瞬で終わりを告げたのだ。










そして生まれ変わり、今度こそ、と勢い込んだが―――

「ちょーぎ、そら、あーんだ」
「うるしゃい、それくらいじゅぶんでたべれる。」
「そうかそうか。ちょーぎは偉いな。」

俺と国広の歳が逆転していた。


しかも俺はまだ3歳、国広は成人済みだ。
確かに顕現も彼の方が早かった。早かったが、刀としての年齢は俺の方が上のはずだ。だから俺が先に生まれても良かったはず、いやそうなるべきだ。

俺はお子様用の椅子に座らされ、昼食を食べている。
今日のご飯はうどんだ。
国広は俺の目の前にあるうどんを食べやすいように小さく切り、スプーンに乗せふーふーと冷ましてくれている。そしてそれが向けられた。そんな屈辱的なことをしてもらわずともできると、それを奪い取る。
国広は暫くこちらの様子を窺っていたが、大丈夫だと判断したのか、しばらくして自分の食事を再開させた。

この歳の差は非常に痛い、しかも―――

「くにひろ、いちゅも付いてなくていい!おれはひとりでたべれる!」
「こら、俺のことは母さんと呼べ。」

―――国広とは、血の繋がった親子だった。

悔しい悔しい、また他のやつに国広を取られた。
俺の方が国広を大事にしてやれるのに、国広は寄りにもよって、あんなモラハラ男を選び、結婚し、俺を産んだのだ。
それが何の因果か、刀剣だった時の恋刀だから性質が悪い。

「そら、初詣行くんだろ?さっさと食べたらどうなのかな。」

すました顔で見下ろしてくるのが、屈辱にも俺の父親だ。
彼を睨み付けるが、今はこんな身体だ、何をやっても敵わない。
力でも口でも。


(ムカつく………


刀だった頃の記憶は、少なくとも国広にはない。
二人がその頃の話をしているところを見たことがないし、国広にはそんな感じがしない。
振る舞いからしても記憶はなさそうと思っているし、上手く言えないが、『山姥切国広』としての気配が薄いのだ。
確かに彼女は山姥切国広の生まれ変わりだが、刀としての力は殆ど持ち合わせてないようだった。

しかし父親はどうだろうか。
確かめたことはないが、正直怪しいと思っている。

「ちょーぎ、じゃあ暖かくして行くぞ。神さまの所へお参りだ。」
「くにひろ、いいかげんこどもあちゅかいはやめてくれ!」
「はいはい、ちょーぎは一人で何でもできるもんな。」
「しょうじゃない!」

ああもう!わかってない伝わってない。
俺は国広に一人の男として見てほしいのだ。
このジレンマがいつも俺を焦らせる。

小さな、いや俺にとっては大きなジャンパーを羽織り、国広に抱きかかえられ、三人で家を出た。
途中一人で歩けると主張し、国広と手を繋いで歩いた。

着いたのは近所の神社で、こじんまりとした所だが正月というだけあって、人が溢れかえっている。
さすがに踏まれたら危ないと思ったのか、国広が俺を再び抱きかかえた。
人を避けながら進み境内まで向かう。
国広に抱きかかえられてる所為で目線が同じで、隣の男と目が合ってしまった。

彼は俺の姿を見てくすくすと笑う。

(こいつ……!)

腹立つ。
絶対に自分の方が国広を幸せにできるのに、ただ先に出会ったからという理由で取られるなんて。
彼と自分で何が違うのか。

漸く社の前まで辿り着き、家族三人手を合わせる。




(くそっ!神さま、早く大きくなって、あの男から国広を奪えますように!)







山姥切国広を、一振目の山姥切長義に取られた、二振目の山姥切長義の話







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一振目がいた所為で、二振目は素直だし、まんばのことは大切にしている。