※一応コメディです。
※キャラに対する偏見が多々出てきます。各沼の方々が気分を害される恐れがあるので覚悟のうえでお読みください。
※久々に執筆したので&元々文才がないため、表現しきれてない、表現がおかしい、などがありますが大目に見てください。
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―――また厄介ごとか、と頭を抱えた。
聚楽第で敵を倒し、監査官から優の評価を得て帰還した。
本丸の門を潜ると主の出迎えを受けた。初めての戦場、かつ、長期の任務だったこともあり、心配していたのだろう。俺達の姿を見ると駆け寄ってきた。
怪我をしている者には手入れ部屋へ向かうよう指示し、俺は部隊長として主に戦果を報告しようとした。
しかし、部隊の後ろから付いて来ていた監査官が、先に口を開いた。
目深に被っていたフードを取り、この本丸に配属になるという旨を述べた。
なんと監査官は刀剣男士だったのだ。
しかも驚くことに、彼は自分の本歌であった。
まさか自分の本歌が監査官をしていて、さらにこの本丸に配属されるなど思っても見なかったので、驚いた。
どれだけ驚いたか、事細かに話したいが、今回の話の論点はそこではないので割愛する。
そして彼は一通り述べた後で、見下したような、馬鹿にしたような表情を向け、こちらに喧嘩を売って来た。
写しは偽物と違うと主張したものの、彼の意図することは別だったようで、お互いの主張は平行線を辿った。
(また厄介なことになったものだ
…。)
思えばこれまで新刀剣男士が顕現すると、大なり小なり問題を起こる。
天下五剣に突っかかって行くやつもいれば、脱ぎたがるやつも、逆に脱ぎたがらないやつもいるし、ウチナータイムでまったり生きてたり、弟の名前をいつまで経っても覚えなかったりもするやつもいる。
挙げたらキリがないが、とりあえず近侍として頭が痛い出来事に巻き込まれることが多々あった。
しかも今回は自分の本歌であり、どうやら自分も渦中の人らしい。
―――今回も巻き込まれてる。
これはどうしたらいいやら。
一応新人の世話係は自分の役割なのだが、この様子だと差し支えがありそうだ。
お前になんか教わりたくない、とか、言われなくてもわかってる、とか反発しそうな印象がある。
いやただのイメージであって、本来は素直に聞き入れてくれるのかもしれないが、初日であんなことをいきなり言われたらそう思うのだって仕方ないだろう?
ただ単に自分の考え過ぎなのかもしれないが。
とにかく自分が世話係をするのは悪手だろう。
―――そうだ、彼と関係がある刀に世話係を任せよう。
名案だ、と思った。
…決して丸投げではない。
というか、ごちゃごちゃ考えるのが面倒になった。
自分はあまり考えるのは得意じゃない。
上手くコミュニケーションを取るよう試行錯誤するよりは、そういったことが上手い刀剣に任せてしまう方が良い案に思えた。適材適所だ。
もう一度言うが、決して丸投げではない。
ということで、長船派に彼を任せた。
美術館繋がりで鯰尾達も考えたが、あそこは短刀・脇差が多い。彼には幼すぎるだろう。本歌は子どもが苦手そうだ。それにちょっとギスギス気味の南泉もいるし、鯰尾も自由人だ。馬糞。
……面倒事を押し付けた仕返しが怖いわけではない。
だから彼らに任すよりは燭台切の方がいいと思った。彼は厨だって上手く取り仕切っているし、人とのコミュニケーションも上手い、さらに太刀という事もあり性格が落ち着いている。(太刀でも落ち着きがない者もいるが。白いのとか。)
それは素晴らしい案に思えた。
燭台切は古株だし、長船の祖ということもあるので、本歌もきっと言う事を素直に聞くだろう。
きっと上手く行く、そう思えた。
――しかし、それは大きな間違いだった。
「そんな所で何をしているのかな、俺の可愛い写しちゃん。」
それを聞いた瞬間、開いた口が塞がらなかった。
ちょっと待てちょっと待て、何と言った?
俺の?可愛い?写しちゃん??
聞いた瞬間、脳がパニックを起こす。顔は自然と引き攣り、足は勝手に後ずさった。
あの本歌からは考えられない。キャラ崩壊し過ぎだろう。
ちょうど俺は、畑作業から戻ってきたばかりで、風呂にでも入ろうかと自室に着替えを取りに戻るところだった。ジャージは土で少し汚れている。廊下に土を落とさないように、なるべく払ってから来たつもりだが、裾の汚れが取れてないことに今更気が付いて、どうしたものかと思っていた所で彼に話しかけられたのだ。
こいつ俺のことが嫌いなんだよな?そうだよな??
と思いながら脳内で初日の記憶を引っ張り出す。やっぱり嫌味を言われた記憶しか出て来ず、何かの聞き間違いかと思い直した。聞き間違いなら納得だ、彼がそんなこと言うはずがない。自分の耳がどうかしてしまったのだろう。
しかし。
「さっきから百面相してどうかしたのかい、俺の写しは。綺麗な顔が台無しだよ。」
聞き間違いじゃ、ない!
綺麗って言った!
(どうなってるんだ、本歌は
…!)
信じられない気持ちで本歌をまじまじと見る。
しかし彼はふざけた様子もなく、照れた様子もない。
本当に彼が言ったのだろうか。やはり幻聴では?
「聞こえてるのかな?それとも体調が優れない?調子が悪いなら手入れ部屋まで付き添ってあげるよ。」
「ひっ!イラナイイラナイ!」
「でも顔色が」
「大丈夫だ!良くなった!気にするな!!」
「なんだ、残念だな。お前を独り占めできると思ったのに。」
「は!?」
「俺の可愛い写しは人気者で、皆に囲まれてて二振りきりなれるチャンスなんて滅多にないんだから。」
「は!?」
また可愛いって言った!
しかもさっきよりも言動がおかしくなっていってる!
「なんで、本歌、こんなキャラに
…!」
そして気付いた。
気付いてしまった。
長船の祖は、野菜すら口説くフェミニストで、裏ではホストなんじゃないかと噂されている。
長船派によって彼が一人前の刀剣男士ではなく、一流のホストとして育てられてしまったのなら、この一連の会話の理由も納得できる。
俺は客じゃないが、息を吸うように誰彼構わず甘い言葉が出てくるのだろう。ホストとはそういう生き物だ。知ってる。
「落ち着け本歌
…!それ以上しゃべると黒歴史になるぞ
…!お前の目の前にいるのは、お前が偽物と罵った写しだ
…!」
「わかってるよ、国広。だからこうして口説いてるんじゃないか。」
「くど
…!?」
「俺がどんなに想ってるか、お前は全然わかってないね。」
「ぎゃ!」
壁際に追いつめられ、しかも壁ドンされた。
追いつめられた恐怖で思わず声が出た。
逃げ道も奪われ、目の前には本歌がいて、しかも近い。
―――泣きたい。
何が楽しくて自分の本歌に壁ドンされねばならないのか。
「お前は俺のなんだから、俺だけ見てればいいんだよ。」
手を救い上げられて、ちゅっとリップ音付きで唇を落とされた。
→続き
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