ひかる
2024-12-15 11:56:31
464文字
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つめたくて、すべすべで


「あ、つらら」
仕事道具の買い出しの帰り、通りのビルの軒先に垂れ下がるつららを見つけた。
昨日少しだけ降った雪が、溶けて流れて固まったんだろうと思う。
なかなか立派に育ったつららを見ていると、そういえば小さい頃は、ヒマリを背負った兄貴に、つららを取ってくれとねだったことを思い出す。
「あの時の兄貴は結構苦労して取ってたよな」
懐かしく思って、少しガキくさいかと思いつつ、そのつららを折り取ってみる。
つららは、パキリと小気味良い音を立てて手のひらに収まった。
「つめて……
冷えてツルツルの感触に、昨日触れたドラ公の爪先を思い出す。
紅く彩られたそれは綺麗に整っていて、ひんやりしていて、このつららみたいにツルツルしているけれど。
同じくひんやりとした肌は、爪とはうって変わってすべすべとしている。
その肌がじんわりと熱を帯びてくる頃、果たしてつま先も同じ熱を帯びているのだろうか。
「あ、やべ、鼻血出そ……
そんな不埒なことを考えていたら、握りしめたつららはいつの間にか、水気だけを手のひらに残して消え去っていた。