三毛田
2024-12-15 10:05:47
1064文字
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42 042. 次の信号が変わったら

42日目 今日は君と別れる

 学校帰り、寄り道して。楽しくて家に帰りたくないと思いつつ、次の信号が変わったら別れなければいけなくて。
「丹恒」
「なんだ」
 こちらを見る丹恒の瞳の奥には、先程まで運動していた時の熱の名残があり。
 それもそれで素敵だなと、思わず見惚れる。
「穹?」
 返事がない俺を、不思議そうに見つめてきて。
「泊まっていかない? って誘おうと思ったんだ。でも、急だから困るかなって」
「ほうだな。流石にこの段階で言われると」
「だよなぁ」
「だが、明日なら構わない。翌日は休みだからな」
「じゃ、じゃあさ! 帰りにスーパーに寄って材料買って、夕飯一緒につくろう?!」
「ああ」
「一緒にお風呂に入って、ちょっと夜更かししてゲームしたり、漫画読んだりしたい」
「たまにはいいな」
「丹恒大好き!」
「俺もお前が好きだ、穹」
 彼の返事と提案が嬉しくて抱きつくと、きちんと支えてくれて。
 なんて幸せなのだろうか。今日の別れが気にならないくらい、幸せな気持ちになっていく。
「明日、休み時間にメニューを決めよう?」
「夕飯、朝食、昼食の三食でいいか」
「本音を言うと、日曜日の夕方までいて欲しいなぁとは思うけど」
「それは、迷惑になるんじゃ」
「カフカたちは旅行に行くって言ってたから、大丈夫! むしろ、俺のご飯の心配をしなくていいって喜んでくれるから」
『穹は行かないのよね? ご飯はどうしようかしら。出前や冷凍食品ばかりだと、栄養が偏るし……
 と、珍しくカフカは悩んでいたから。
「外食するより安く済む可能性あるし、それにさ。一人のご飯より、二人で食べたほうが楽しいだろ?」
「そうだな。お邪魔しても構わないなら、二泊させてもらおう」
「駄目って言われたら、駄々をこねてやる」
「お前……
 俺の駄々こねは、幼児のようだと例える丹恒はその手強さを知っているから、頬を引きつらせて。
「絶対に許可をもぎ取るから、連絡待ってて」
「ああ。待っている」
 でも、俺の言葉に嬉しそうに微笑んで。
 それが可愛くて、頬にキスしてから青信号に向かって歩み出す。
「じゃあな!」
「気をつけて」
 手を振ると、振り返してくれた。
 帰宅して、カフカに話をしたら
『あら。それならあなたの心配しなくていいわね。はい、これ材料費。他のみんなのお小遣いよりちょっと多めにしておいたわ。内緒よ?』
 と、お小遣いも貰えた。
 カフカ達が帰宅した後の夕飯も、作れってことだろう。その材料費込だ。
 それなら、たくさん作っておこうと考えながら眠る。