あの牛野郎に唆されて、勢いでラーメンマンに告白してしまった。
いや
…マジで何してんだ!!!
慎重に関係を築いていくはずが完全に乱されてしまった。
お陰で目の前には困惑の色を見せるラーメンマンが座っている。
「あ、あのよ
……さっきのはその
…気にしないでくれ」
「
……どういう意味だ?」
俯いていたラーメンマンが俺に視線を合わせる。
今の言葉で更に動揺させてしまったようだ。
「気にしないでって言うか
…今すぐ答えなくていいぜ。あんたは俺みたいに勢いで発言したりしないと思うから、心配はしていないが
…」
その先を躊躇っていると、ラーメンマンの手が俺の太ももを控えめに撫ぜる。
「ブロッケン、そんな顔をしないでくれ」
……そんな顔?
慌てて顔を前に向ける。
「悪ぃ、俺
…変な顔していたか?ハハッ」
いつも目深に被る軍帽を更にグッと下げる。
「歳が十も離れた子を悲しませたかった訳ではないのだ。わたしに色事の経験が無いばかりにハッキリとした返事ができず
…申し訳ない」
「なんでラーメンマンが謝るんだ!?」
慌ててラーメンマンの方に向き直り、肩をガシッと掴む。
「お前は
…お前なりに不安なのだろう?わたしがどちらを選ぶのか」
図星を突かれた事と、うっすら開いたラーメンマンの目が俺を見つめてきてドキッとした。
「そそそそりゃ
…そうだけど」
「バッファローは良きタッグパートナーだ。だが、それ以上ではない」
おお
…!
思わぬ言葉に心が踊りかけたのを必死に抑える。
「そして、お前は良き友だ
…ここに親父の存在は含まれない。1人の超人として見ての思いだ」
と、友
…か。
先ほどの浮かれた気持ちがみるみる沈んでいくのを感じる。
するとクスクスと笑い声が聞こえて顔を上げると、ラーメンマンが口を抑えて可笑しそうにしていた。
「あからさまに落ち込むな、ブロッケン。とことん素直な男だな」
笑いを堪えているのか、段々と目尻に涙が溜まっている。
俺は少しばかりの羞恥を感じて体が震える。
「ラーメンマン!これ以上笑ったらタダじゃおかないからな!」
「ククッ
…安心しろ。友達から始まる恋もあるというだろう」
友
…から始まる恋
…!
急降下していた気持ちに風船でもついたかのようにゆっくり上昇していく。
思わず笑みまで溢れてしまう。
「ラーメンマン!それは期待してもいいということ
……」
やや前のめり気味で話しかけるが、言い切る前にラーメンマンの笑い声が響き渡った。
「アッハッハッハッ
…本当にお前って奴は」
腹まで抱え出して、流石にムカッとしてきた。
「もしかして俺をおちょくっているのか!?」
「そんなつもりは
…ククッ
…あまりにも一喜一憂するものだから
…」
感情的に掴んでいた肩を揺さぶると、笑顔のラーメンマンはされるがままユラユラと揺れた。
「許せブロッケン。わたしはそんなお前が好きだ」
「
………へ?」
思わぬ言葉に揺さぶりを止め、肩から手を離す。
「俺のこと好きなのか?」
「嫌いだといつ言った?」
「あ、いや、その
……あー!!もう!調子が狂うぜ!!」
頭ん中を整理しようにもラーメンマンの一言一言に簡単に心が動いてしまう自分が恥ずかしくなって頭をガシガシ掻く。
羞恥と少しの苛立ち、ラーメンマンへの好きを込めて強めに抱きしめる。
「今に見てろよ!絶対あんたを落としてみせるから!」
「
………楽しみにしている」
顔は見えないが、抱きしめた体から伝わる鼓動の早まりに、微笑まずにはいられなかった。
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.