微熱ねこ
2024-12-09 01:25:46
1280文字
Public ミスオエ
 

いかないで/ミスオエ

はじめてのぷらいべったー+です。使い方合ってますかね?¦ミスオエです。ぬるく事後表現あります御注意ください。付き合ってませんが付き合ってない割にはかなり甘めだと思います。

「いかないで、」
どうしたんですか」

いつものように事を済ませれば呪文ひとつで何も無かったように綺麗に後始末をする。ベッドが深く軋む音がしてそれは彼がこの場から去ろうとしていることを自分に伝えた。毎回彼がこの場から消え去った後の心の穴がぽっかり空いたような不思議な感覚はいつまで経っても慣れなくて、それどころかどんどん強まっていくばかりに思える。初めに穴を開けたのはお前なのに、気が向いたら穴を塞いで気が済んだらそうしてすっと抜いてまた僕の心に穴を作るんでしょ。最悪だよ。1人になればまた胸がすぅっとして嫌な感じがぐるぐると渦巻く。今日もまた来るだろうそれに抗いたくなってだから引き止めてみたのだ。

「お前どうせ眠れないんだろ。だったら僕の横にいてよ。抱き枕にしてやるから。」

口から出たのはあまりにも可愛げの無い言葉で。否、元から可愛さなど求めてはいないが。特別なにかして欲しい訳でもなく、前例なんて無いのにただそばに居てくれるだけでこの心は満足するような気がしたから。彼は一瞬不思議そうな顔をした後、まぁ別にいいですけど。とあっさりを受け入れた。

「急にどうしたんです、甘えたい気分なんですか?今までそんなこと一度も言ったこと無かったのに。」
「別にそういうのじゃないよ。ただ、お前が消えた後いつもなんか変な感じがするから。それが嫌なんだ。」
「へえ、」

そうですか。と、自分から聞いてきたくせに無感情に返事をするのがお前らしいと思った。人の感情やらに疎い彼はそもそも理解しようとしないことが多い。今回もその類できっと理解し難いものだと判断して理解を途中で投げ出したのだろう。また一度深くギシッとベッドが軋む音がしたが今度は去る合図ではなくそばに寄ろうとしてくれていることを知らせるものだった。

「ふふ、こうして隣に並んでベッドにいるのって不思議な感じ。」
「確かにそうですね。貴方の顔を横から眺めるのはなんだか新鮮で面白いです。」

いつも情事の際にしか二人して一つのベッドの上に乗るということはないため横に並んでいることもゆったり会話をしていることも何も音がしない静かな空間でいることも、様々なことが繋がってなんだかこの状況がおかしく思えた。抱き枕にしてやるとつい言ってしまったからにはそうするしかなくて、そのつもりで傍に寄ってきた彼を優しく抱きしめてみる。首筋あたりに顔を埋めて見ればいつもの優しいけれどどこか男らしくて僅かに恐らく呪術に使用するものの類いが混ざったような香りがふんわりした。少し深く深呼吸をしてみれば彼の匂いでいっぱいになって頭がふわふわする。この男の匂いは案外嫌いでは無いのだ。

ん、眠くなってきたかも。」
「早いですね、おやすみなさい。」
今日のお前いつもより激しかったし疲れたんだ。おやすみ。」

襲ってくる睡魔をすんなりと受け入れ、数十秒後にはすーっすーっと小さな可愛らしい寝息が部屋の空間を漂っていた。何という訳でもないがただその横顔を見つめて微かに笑う。
_まだまだミスラの夜は長い。